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人権

最終更新日: 2021.06.17
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ファーストリテイリンググループ 人権方針

ファーストリテイリングは、グローバルで事業を展開する企業として、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(以下、UNGP)」をはじめとする国際基準に則り、「ファーストリテイリンググループ 人権方針」を定め、人権尊重の取り組みを推進しています。この方針は、ファーストリテイリンググループの全従業員に適用されます。また、生産パートナーとビジネスパートナーに対しても、同様の方針を採用するように継続して働きかけ、協働して人権尊重を推進します。

人権方針を遵守するための行動規範は、以下のコードオブコンダクトに記載されています。

人権委員会

ファーストリテイリングは2018年7月から、人権尊重の取り組みを推進するため、人権委員会を設置しています。法務省人権擁護局長の経験を有する外部有識者を委員長に選任し、委員は社外取締役、社外監査役、常勤監査役、および法務・コンプライアンス部、人事部、営業部、サステナビリティ部などを担当する執行役員が務めています。 人権委員会のメンバー詳細については、各委員会の構成をご覧ください。

委員会は、人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われるよう、助言・監督します。例えば、各ステークホルダーからホットラインに寄せられた、人権侵害事象の調査と救済措置への助言・勧告をします。また、各事業部門に対して、人権擁護に関わる教育啓発活動、および人権デューディリジェンスの実行への助言・提言を行います。

2020年度の人権委員会の主な成果は、下記のとおりです。

  • ファーストリテイリンググループ人権方針を改訂しました。改訂された方針には、従業員の多様性尊重と、商品デザインやマーケティング、広告活動における人権の尊重、また、これらの子どもへの影響を考慮した、子どもの権利の尊重を追加しました。
  • 2019年度に実施した人権デューディリジェンス(事業活動における人権侵害リスク範囲の特定と評価、改善策・教育の仕組み)の結果を踏まえ、特定された人権リスクへの対応策について、人権推進担当部門や教育担当部門に助言を行いました。また、2020年6月1日に日本で施行された改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)への対応について、人権推進担当部門に対応を要請しました。
  • 取引先工場における人権デューディリジェンスを行い、工場労働環境モニタリングなどの仕組みや、特定された人権リスクへの対応について、サステナビリティ部に助言を行いました。
  • 企業取引倫理委員会などと連携し、取引先従業員の人権尊重について、主要事業部門に対し助言を行いました。
  • 従業員の多様性、特にLGBTQ+に対する取り組みの推進について、ダイバーシティ推進部門に助言を行いました。

また、取締役会の機能を補完する委員会であり、全社のリスクを一元管理する組織として、リスクマネジメント委員会を設置しています。人権は、リスクマネジメント委員会が扱うリスク項目のひとつとされています。サステナビリティ部を担当する執行役員が、リスクマネジメント委員会の人権担当委員を務めています。

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人権教育

ファーストリテイリングは、従業員の人権尊重に対する理解を深めるために、人権教育を推進しています。「ファーストリテイリンググループ コードオブコンダクト」には、基本的な人権尊重の考え方が記載されており、これを毎年、全従業員が理解できるよう、Eラーニングを活用し、周知徹底しています。

コードオブコンダクトの研修に加えて、ファーストリテイリンググループの全従業員に、人権研修を提供することを目標としています。2020年度には、国内ファーストリテイリンググループの新卒入社者および新任店長・管理職に対し、人権研修を実施しました。

米国の人権NGOによるワークショップを実施

2018年3月、UNGPを推進する米国の人権NGOであるShiftを招き、人事部、サステナビリティ部、法務・コンプライアンス部、生産部の執行役員・管理職などに対し、ワークショップを実施し、グローバル企業に求められる人権尊重や人権リスクへの理解を深めました。

執行役員や各国・各地域事業責任者を対象とした人権研修を実施

2019年2月、外部有識者を講師に招き、執行役員および各国・各地域の事業責任者を対象に、ハラスメントや差別についての人権研修を実施しました。当社の人権デューディリジェンスの結果やグローバルでハラスメントや差別と捉えられやすい事例などが紹介され、ディスカッションや質疑応答を通して、国内外のアパレル産業で発生しうる人権問題への理解を深めました。

人権デューディリジェンス

事業とサプライチェーン全体で影響を受ける人々の人権尊重のため、UNGPに基づいた人権デューディリジェンス(事業活動における人権侵害リスク範囲の特定と評価、改善策立案・教育の仕組み構築)の計画を作成し、継続的に実施しています。取引先工場のモニタリングやステークホルダーとのエンゲージメントを通じ、新規取引や生産国などの新しい事業環境のリスク評価も行っています。

人権デューディリジェンスのプロセス

人権デューディリジェンスのプロセス

グローバルに展開する小売企業の業態特性として、幅広い属性の従業員が勤務していることや、サービスや情報の受け手がグローバル化・多様化していることなどから、ハラスメントや差別の問題が潜在的かつ重要なリスク課題として指摘される傾向にあり、当社もさまざまな対策を講じてきました。2019年度の第三者による自社の事業活動におけるリスク評価でも、同様の課題が重要であることが確認されました。引き続き、従業員に対する研修の実施や各人の取り組み姿勢の業務評価への組み込み、グローバルでのホットライン体制・運用の強化などを通じて、未然防止と課題への対処に取り組んでいます。

また、自社以外の領域については、調達先の国や地域の経済的・社会的状況などにより、サプライチェーンで働く労働者が脆弱な立場に置かれやすいことがリスクとして考えられます。サプライチェーンにおける人権リスクの特定と対処のため、この種の問題に造詣の深い国際機関や団体、個人との対話や連携および取引先工場のモニタリングやホットラインなどを通じた人権上の課題の特定などを行い、人権問題の発生を未然に防止し、個別問題の解決に努めています。2020年には取引先工場の人権デューディリジェンスを実施しました。デューディリジェンスで特定された、発生した場合に特にリスクの高い人権課題について、労働環境モニタリングや苦情処理メカニズムの仕組み強化、専門機関との協働により、未然防止と解決に取り組んでいます。

人権に関する通報窓口と救済措置

ファーストリテイリングは、従業員だけではなく、お客様、地域社会、取引先、サプライチェーンで働く人々など、あらゆるステークホルダーに向けた、人権に関する通報窓口を設けています。事業を展開する国や地域の通報窓口は、各地域の言語に対応しています。通報があった場合は、担当部門が調査を実施し、救済策を検討、関連部署に是正を要請します。深刻な事象に関しては、人権委員会に上程します。人権委員会は、救済措置を審議し、関連部署に助言・勧告を行います。また、通報者のプライバシーを保護するとともに、報復行為を禁止し、不利益な取り扱いは一切認めていません。さらに、外部組織と連携して救済措置を行う可能性に対してオープンであるとともに、ステークホルダーが当社のホットライン以外の救済手段に訴えたい場合も、それを妨げることはありません。

ファーストリテイリングの通報窓口

人権に関するホットライン窓口と救済措置

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従業員への取り組み

ファーストリテイリングは、すべての従業員の人権を尊重します。「ファーストリテイリンググループ コードオブコンダクト」の確実な浸透を図るとともに、従業員が匿名で相談できるホットラインも運用しています。従業員の多様性を尊重し、誰もがいきいきと安心安全に働ける職場環境づくりをめざします。

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サプライチェーンにおける人権尊重

人権尊重を徹底したサプライチェーンを実現するために、取引先工場が生産活動を行う上で遵守すべき項目を「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」として定め、その遵守状況を確認するために、労働環境モニタリングを定期的に行っています。

リスク評価や取引先工場のモニタリングを通じて、サプライチェーンにおいて特にリスクの高い人権課題を特定しています。ファーストリテイリングが特定する、発生した場合に特にリスクの高い人権課題は、児童労働、若年労働者の違法な雇用、強制労働、抑圧とハラスメント、差別、安全・衛生上の重大な不備、組合結成の自由の重大な侵害、賃金の支払い不足、長時間労働、虚偽報告などの透明性に関する問題、未承認の委託先への外注です。各課題のリスクの影響度や発生可能性を評価し、未然防止の取り組みや発生時の適切な対応につなげています。

サプライチェーンの人権に関する法令に従った開示も行っており、カリフォルニア州サプライチェーンの透明性に関する法律(SB657)、英国現代奴隷法2015およびフランスの人権デューディリジェンス法(Law No. 2017-399)の定めに従い、声明を公表しています。

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人権侵害の未然防止と業界全体の課題への取り組み

人権課題を深く理解し、発生した問題に適切に対応するだけではなく未然防止策を立案・実行するため、ステークホルダーと連携した取り組みも進めています。特に重要な人権課題については、専門家と協働し、下記の具体的な取り組みを行っています。

・児童労働の防止
児童労働は、子どもたちの健全な成長を阻害するとともに、教育の機会を奪うことにもなる深刻な社会課題です。ファーストリテイリングは、「子どもの権利とビジネス原則」などに基づき、児童労働の撤廃と防止に取り組んでいます。
サプライチェーンにおいては、児童労働防止のための施策を講じるよう取引先工場に求めています。「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」に児童労働の禁止を明記し、労働環境モニタリングでは、取引先工場が従業員を採用するときに、信頼できる身分証明書を用いて年齢をチェックしているかなどを確認しています。国や地域特有の状況を理解し、児童労働防止のための具体的な施策を実行するために、ミャンマーで子どもの権利に関するプロジェクトの企業支援を行う社会的企業CCR CSRなどの専門家と協働しています。

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・責任ある雇用
ファーストリテイリングは、人身取引を含む強制労働を絶対に許容しない方針を明確にしています。とりわけサプライチェーンにおいて、国や地域を越境して働く移住労働者は差別的な処遇を受けやすい立場にあります。こうした立場にある労働者が雇用時や雇用中に不当に扱われていないか確認するとともに、雇用側の取引先工場に対するトレーニングなどの取り組みを強化していきます。
また、2019年2月、ファーストリテイリングは、公正労働協会(FLA)とアメリカン・アパレル・フットウエア協会(AAFA)が2018年10月に策定した「責任ある雇用」に関する業界コミットメントへの支持を表明しました。さらに、2019年9月、サプライチェーンにおける移住労働者の雇用・労働条件を把握し、課題に対処していくため、国際移住機関(IOM)とのプロジェクトを開始しました。

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・抑圧とハラスメント
抑圧とハラスメントは、労働環境や労働者の精神的・肉体的な健康状態に悪影響を及ぼします。健康的な労働環境の実現のために、労働者が抑圧とハラスメントを受けることなく働ける環境を作ることは極めて重要です。ファーストリテイリングはいかなる形の抑圧・ハラスメントも容認しません。「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」にも、取引先工場の従業員の尊厳を守ることが明記されています。
ファーストリテイリングのホットラインでこれまでに受け付けた相談内容と、カントリーリスクを分析したところ、特にバングラデシュの取引先工場におけるハラスメントの防止と改善が重要事項であることが判明したため、現地の専門家であるアワジ財団(Awaj Foundation)、チェンジ・アソシエーツ社(Change Associates Ltd.)と協働し、取引先工場へのトレーニングの実施や、工場内のハラスメント防止に関する方針とガイドラインの策定と浸透、苦情処理委員会の設置などに取り組んでいます。

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・生活賃金
サプライチェーンで働く人々のより豊かで安定した暮らしの実現に向けて、ファーストリテイリングは最低賃金の保障だけではなく、生活賃金の実現をめざしています。 ファーストリテイリングは、「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」の中で、賃金は、衣食住などの基本的なニーズを満たしたうえで、相応の社会生活が営める水準であるべきとし、そのような賃金を達成していくための取り組みを行っていきます。 ファーストリテイリングが2015年に加盟した公正労働協会(FLA)は、公正な生活賃金の実現にコミットしています。ファーストリテイリングは、FLAと協働し、取引先工場の賃金支払い状況を分析したうえで、生活賃金と実際の賃金に差があった場合の対応方法を模索していきます。

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• 社会保障
アジアでは、急速な産業構造の変化と労働市場のニーズの変化に起因して、特に縫製産業に従事する労働者の突発的な失業のリスクが高まっています。一方で、既存の社会保障制度と労働市場政策は、失業のリスクや長期失業に伴う生活困窮のリスクに十分に対応していないという課題があります。ファーストリテイリングは2019年9月、国際労働機関(ILO)とパートナーシップを締結し、ILOによるアジア各国を対象とした労働市場と社会保障制度に関する調査と、インドネシアでの雇用保険の導入促進および失業時の労働者支援を強化するプロジェクトを支援しています。

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女性の人権尊重

女性の人権尊重と活躍推進の取り組み

ファーストリテイリングは、「女性差別撤廃条約」に基づき、女性の人権を尊重することを約束し、女性に対するハラスメント、脅迫や暴力を禁じています。
具体的な取り組みとして、言葉の暴力、マタニティハラスメント、セクシャルハラスメントの事例解説を含む、役職者向けハラスメント研修の導入を進めています。ダイバーシティ推進チームでは、国内ファーストリテイリンググループにおいて、出産・育児に関する情報の共有や、女性従業員の意見を人事制度に反映するための「女性活躍推進ネットワーク組織」を運営しています。

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取引先工場で働く女性の人権尊重

ファーストリテイリングは、取引先工場において、差別やハラスメントが行われていないか、また、女性の人権尊重に関わる作業環境の整備状況について、労働環境モニタリングの中で確認しています。問題があった場合は、工場とともに、改善に取り組んでいます。具体的な確認項目の例としては、下記があげられます。

  • 工場の規定は、抑圧とハラスメントおよび差別に関する現地の法令や、ファーストリテイリングの「生産パートナー向けコードオブコンダクト」を遵守しているか。
  • セクシャルハラスメントがないことを確認できたか。
  • 社内の懲戒規則とその運営は、公平かつ適切で、法定の要件を満たしているか。また、懲戒の対象には、肉体的・精神的なハラスメント、セクシャルハラスメントが含まれており、管理層にも適用されるか。
  • 採用、昇進、補償、福利厚生、解雇および退職において、差別にあたる事象がないことが確認できたか。また、入社前または入社後に、妊娠検査の受診など、差別にあたることを義務付けていないか。
  • 従業員は、差別が禁止されていることについて、教育を受けているか。また、差別について苦情を申し立てる手段があるか。
  • 工場は、組合結成の自由に関する法定の権利行使の阻害にあたる行為を行っていないことが確認できたか。
  • 工場の各階で、飲み水が十分提供されているか。
  • 工場は、騒音、換気、気温、照明、清潔さ、整理整頓の点で、適切な作業環境を備えているか。

また、工場従業員がファーストリテイリングに直接申し出ることのできるホットラインを通じて、課題を把握し、バングラデシュでの苦情処理委員会の設立支援など、具体的な改善策につなげています。

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国連女性機関とのパートナーシップにより女性の地位向上に貢献

2019年5月、ファーストリテイリングと国連女性機関(UN Women)は、アパレル産業における女性の地位向上に貢献することを目的としたグローバルパートナーシップを締結しました。ジェンダー平等と女性のエンパワーメント推進に特化した国連機関であるUN Womenとのグローバルパートナーシップ締結は、アジアのアパレル企業として初となります。

このグローバルパートナーシップの下、ファーストリテイリングの主要生産拠点であるアジアの取引先縫製工場で働く女性を対象に、キャリア形成を支援するプログラムの開発を開始しました。2019年6月から2020年12月にかけて、バングラデシュの2工場でパイロットプロジェクトを行い、各工場における課題の特定と、トレーニングを実施しました。プロジェクトの成果については、こちらをご覧ください。

2021年以降のファーストリテイリングとUN Womenのグローバルパートナーシップでは、以下の2つの領域で支援プログラムを展開していきます。

  1. 1.

    新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)禍におけるバングラデシュの女性支援活動に貢献

    • コロナ禍で職を失い帰国した女性労働者が、バングラデシュ国内で生計を立て直すことができるよう、マスク、消毒液、個人用保護具、食料、衛生用品など、新型コロナの蔓延を阻止するために必要な物資の生産やサービスの提供に携わり、収入を得る機会を提供
    • 女性に対する暴力を含む、新型コロナのリスクに関する啓発と、女性とその家族による感染防止策の強化を目的としたコミュニケーション支援
    • 新型コロナの影響で増加する家庭内暴力から逃れる女性たちのために、コロナ対策の行き届いた安全なシェルターなどのサービスを継続的に提供する活動に対し、技術アドバイスと緊急資金を提供
    • 上記活動のジェンダー観点でのインパクト評価とモニタリングを実施し、その結果を今後の啓発活動のために役立てるとともに、コミュニケーションツールを開発
  2. 2.

    UN Womenのジェンダー平等と女性のエンパワーメントを推進する取り組みを支援

    • UN Womenの考える重要課題への社会的認知度向上のための国際女性デーイベントを支援
    • UN Womenによる、新型コロナからの社会再建のための各種活動を支援

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