最終更新日: 2024.01.31
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ファーストリテイリングは、世界中で働く従業員一人ひとりの違いを個性として尊重し、全ての人に挑戦と可能性を広げる機会が平等にある職場環境をつくるため、さまざまな取り組みを行っています。
従業員の多様性の尊重
ファーストリテイリングは、あらゆる人の生活に寄り添うLifeWearを作り続けるために、豊かな個性と才能が融合された多様性あふれる組織を構築することが重要と考えています。グループの経営幹部となれる女性や外国人を積極的に採用し、国籍や経験に関わらず挑戦心や新しい発想をもつ人材を経営層や要職に抜擢し、適正な評価と必要な支援を行うことで、成長を積極的にサポートしていきます。
「ダイバーシティ推進チーム」が中心となり、啓発・教育活動や、各種施策の導入を推進しています。従業員満足度調査や従業員の360度評価に多様性に関する項目を入れるなど、課題の把握と実効性のある対策の実施に努めています。
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グローバルでのダイバーシティ&インクルージョン推進の取り組み
ファーストリテイリングでは2023年8月末現在、世界中で約11万人の従業員が働いています。多様性豊かな従業員が一つのチームとなり、お客様に最高の商品とサービスを提供することをめざしています。2020年3月、ファーストリテイリングは、多様性をグローバルに推進していくため、海外拠点の担当執行役員とダイバーシティ推進チームから成る、「グローバル・ダイバーシティ・リーダーシップチーム」を設置しました。「ジェンダー」「Global One Team」「障がい」「LGBTQ+」の4つの重点領域で、意識向上のための啓発活動や研修の実施といったグローバルでの取り組みに加え、現地の状況に合わせたさまざまな施策を実行していきます。
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ジェンダー平等の推進に関する取り組み
ファーストリテイリングは、全ての従業員が、ライフステージに合わせた働き方を選択してキャリアを形成し、それぞれの個性や才能を発揮するために、さまざまな人事制度の改革や施策を実施しています。
女性従業員のキャリア形成を支援
ファーストリテイリングのグローバルでの女性社員の比率(2023年8月末時点)は68.9%、全管理職*1に占める女性の割合は44.7%*2(うち執行役員9.6%)です。女性管理職の育成に注力しており、遅くとも2030年8月末までに、全管理職における女性比率50%(うち執行役員30%)の達成をめざしています。目標達成に向けた施策として、日本を中心に取り組みを強化しています。例えば、社会的な事情を踏まえ、女性従業員がより活躍できる環境を実現するために、人事制度の改革や経営層および女性管理職候補者を対象としたアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を払拭する研修などを実施しています。
また、経営幹部・管理職候補となる女性従業員に対して成長課題や育成計画を明確にし、業務を通じて中長期的に育成を行っていくほか、女性人材開発会議や、女性役員・役職者のロールモデルとのキャリアセッションやメンター制度などのサポートも行っています。その他、国内ファーストリテイリングの本部と営業部の従業員を対象に、女性の健康を知るためのセッション(例:女性ホルモンに関係する健康課題全般、不妊治療)の開催や女性の健康ガイドの発信など、女性特有の健康問題などについて性別問わず理解を深める機会を設けています。
ウーマノミクスの提唱者 社外取締役 キャシー松井氏によるトークセッションの様子
さらに、ダイバーシティ推進チームが中心となり、女性管理職比率の向上、および男女の賃金差異の解消に向けて、定期的に従業員の所属部署別の男女比や昇進者における男女比を分析およびモニタリングしています。今後も、各種制度のさらなる拡充を図るとともに、女性従業員のキャリア形成の実現を支援していきます。
*1 管理職は、営業部ではブロックリーダー、エリアマネージャー、一定グレード以上の店長、本部では執行役員、部長、リーダーを指しています。
*2 信頼性向上のため、SGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
ワークライフバランスを支援する制度
・育児・介護休暇、時短制度など
出産・育児、介護といったライフイベントと仕事を両立するために、多様な働き方を選択できる制度を提供しています。育児休暇・介護休暇制度、時短勤務制度、フレックスタイム制度など、男女を問わず全ての従業員が利用できる、ワークライフバランスを支援する制度を設けています。また、国内ファーストリテイリンググループの本部従業員を対象とした在宅勤務制度やベビーシッター補助制度、国内ユニクロ・ジーユーの店舗従業員を対象とした託児支援制度を導入しています。米国では、2022年8月期から、ファーストリテイリングおよびグループ事業会社に所属する正社員を対象に、0歳~78カ月以下の子どもがいる社員に対し、子ども一人あたり最大3年間、月最大1千ドルの育児手当を支給しています。
国内ファーストリテイリンググループにおける男性労働者の育児休業取得率は、2023年8月期では38.1%*3,4となりました。当社では育児休暇の取得を希望する全従業員が休暇を取得することを目標とし、制度の認知促進や取得しやすい風土づくりなどさまざまな施策の整備を進めています。具体的には、人事部による対象者および上司への制度説明、対象者への取得意向の確認、育児ネットワーク組織による対象者向け説明会などを実施しています。
*3事業年度における「配偶者が出産した男性従業員数」に対する「育児休業を取得した男性従業員数」(育児目的休暇を含まない)の割合
*4信頼性向上のため、SGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
・女性活躍推進ネットワーク組織の活動
日本では、出産・育児に関する情報の共有や、女性従業員の意見を人事制度に反映するため「女性活躍推進ネットワーク組織」を結成しています。主な活動としては、産休・育休を取得する従業員を対象とした「産休・育休ガイダンス」や「育休復帰前ガイダンス」の開催、子育て中の従業員を対象とした「ママパパチャット」などによる交流活動を行っています。
「育休復帰前ガイダンス」に参加する従業員
・地域正社員
国内ユニクロ・ジーユーでは、2007年4月1日より「地域正社員制度」の運用を開始し、店舗に勤務するパートタイマー・アルバイト社員などの地域正社員への登用や、地域正社員の採用を行っています。この制度により、働き方の多様化を推進し、育児や介護などで転勤が難しい従業員や、働く時間に制約はあるものの、正社員として店長やエリアマネージャーへのキャリアアップをめざしたいと考える優秀な人材にも、安心して長く働き、活躍できる場を提供しています。さらに、時短勤務制度、介護・看護休暇などの制度も設け、従業員が個々のライフスタイルに合わせて安心して働ける環境を整えています。
日本における男女賃金格差
ファーストリテイリングは、職種階層別に求められる能力や要件を定義したグレード制度を採用し、性別などの属性によらない、個人の能力に基づく評価・登用を実施しています。男女で同一のグレードおよび同一賃金の公正な賃金体系を適用しており、性別による賃金差異はありません。ただし、店舗運営を支える地域正社員の女性の人数が多いこと、また執行役員を含む管理職の中でも、より高いグレードに女性の人数が少ないことなど、グレード別の人数構成に起因して、賃金における男女差が発生しています。2023年8月期における国内従業員の男女の賃金の差異(男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合)は、全従業員で65.0%となっています。
2023年8月末現在、女性正社員約1万人のうち、およそ8割にあたる約8,000人が地域正社員として働いています。また、女性地域正社員の約3割に対し、育児・介護を対象とした短時間勤務制度(1日6~7.5時間勤務の制度)を柔軟に適用しています(短時間勤務者も1名として賃金差異を算定)。
こうしたライフステージに応じた働き方を提供することは、女性のキャリア形成において重要だと考えており、引き続き柔軟な働き方を推進していく一方、2023年8月末時点の日本の女性管理職比率は27%とグループ全体の女性管理職比率よりも低いこと、また管理職の中でも、より高いグレードに女性従業員が少ないことを課題として認識しています。昇格者やグレード毎の男女人数および割合を定期的にモニタリングし、日本における女性管理職比率のさらなる向上、また経営幹部となる女性の育成を強化していくことにより、男女賃金差異の解消をめざします。
国内従業員の男女の賃金*5の差異(男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合)
従業員区分 | 2023年8月期 |
---|---|
①ナショナル社員*6 |
72.2% |
管理職*7 | 68.0% |
一般職*8 | 87.4% |
②地域正社員 | 88.1% |
③正社員合計(①ナショナル社員+②地域正社員)*10 | 51.4% |
④非正社員*9,10 | 106.7% |
全従業員(③正社員+④非正社員)*10 | 65.0% |
*5 賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与などを含み、退職、通勤手当などを除く
*6 ナショナル社員:全世界・全国への人事異動がある社員(取締役を除く)
*7 管理職:営業部ではブロックリーダー、エリアマネージャー、一定グレード以上の店長、本部では執行役員、部長、リーダーを指す
*8 一般職:管理職を除くナショナル社員
*9 非正社員:準社員、アルバイト、期間限定アルバイト、嘱託、契約社員を含み、派遣社員を除く
*10 信頼性向上のため、SGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
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Global One Teamに関する取り組み
ファーストリテイリングは、性的指向や性自認における多様性を尊重し、働きやすい環境づくりに努めています。
グローバルワンの推進
ファーストリテイリングは、本部(グローバルヘッドクオーター)において、外国籍従業員が自身の能力を最大限発揮し、活躍できる環境を充実させるために、ダイバーシティ推進チームを中心に様々な取り組みを行っています。例えば、外国籍従業員を対象としたアンケート調査や、外国籍従業員と執行役員が参加するラウンドテーブルディスカッション、メンター制度を実施しています。また、日本での生活や仕事についての相談窓口の設置、有志メンバーの社内ネットワークグループによる個人面談やネットワーキングイベントの開催などを通じて、気軽に相談できる機会を提供しています。
ファーストリテイリングのグローバルでの全管理職*1に占める日本国籍以外の従業員の割合は56.4%(うち執行役員19.2%)です。2030年8月末までに、日本国籍以外の管理職比率80%(うち執行役員40%)の達成をめざしています。
*1 管理職は、営業部ではブロックリーダー、エリアマネージャー、一定グレード以上の店長、本部では執行役員、部長、リーダーを指しています。
ファーストリテイリングでの難民雇用
ファーストリテイリングでは、積極的に難民雇用を推進しています。国内ユニクロでは2011年から、難民事業本部(RHQ)などと連携し、日本で難民認定を受けて定住が認められた難民とその家族を対象に、難民雇用を積極的に進めています。現在は、国内ジーユーやイノベーションファクトリーでも難民雇用を行うとともに、米国や欧州の海外ユニクロでも実施しています。
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障がいに関する取り組み
ファーストリテイリングは、障がい者雇用を積極的に推進しています。2001年に国内ユニクロで障がい者雇用を本格的に開始し、国内ユニクロとジーユーの店舗においては1店舗1名以上の採用を目標に、積極的な雇用とやりがいを持って働ける環境づくりに取り組んでいます。さまざまな障がいのある従業員がそれぞれの能力と可能性を広げるために、店長やトレーナーとなる従業員に向けた研修を行っています。障がいのあるスタッフと一緒に仕事をすることで、チームワークの大切さを学んだり、お客様へのサービス精神が培われたりするなど、他の従業員への教育にもメリットが大きいことが確認されています。2023年の国内ファーストリテイリンググループの障がい者雇用率は4.89%*11と、日本の法定雇用率(2.3%)を大幅に超えています。さらに、東南アジアや欧州などグローバルでも障がい者雇用を推進し、グループ全体で約1,500名(2023年8月末現在)の障がいのあるスタッフが働いています。
*11 比率の算定は毎年6月1日時点で実施
また、ファーストリテイリングは、2021年1月、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟しました。「The Valuable 500」は、2019年の世界経済フォーラム年次総会で発足した取り組みで、障がい者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革を、ビジネスリーダーが主導していくことを目的としています。ファーストリテイリングは、「The Valuable 500」の趣旨に賛同し、以下の5つを柱に、取り組みを推進していきます。
- 障がい者の雇用と受け入れ研修の実施
- お客様や従業員の声を反映した、商品・サービスと売り場づくり
- ダイバーシティ&インクルージョン専用ウェブサイトの開設
- 障がい者スポーツの支援
- 地域コミュニティにおける障がい者支援
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LGBTQ+に関する取り組み
ファーストリテイリングは、性的指向や性自認における多様性を尊重し、働きやすい環境づくりに努めています。
パートナーシップ登録制度の導入
国内ファーストリテイリンググループは、2019年1月、「パートナーシップ登録制度」を導入しました。同性パートナーがいる場合は、パートナーシップ登録を行うことで、慶弔休暇や慶弔見舞金などの福利厚生を受けることが可能です。
LGBTQ+ネットワーク組織の活動
国内ファーストリテイリンググループでは、2018年12月、LGBTQ+に関する社内の啓発活動および従業員の意見を商品や人事制度に反映させることを目的に、事業・部門の垣根を越えた有志従業員からなるLGBTQ+ネットワーク組織「Symphony」を結成しました。2020年9月より、LGBTQ+に関する基礎知識やコミュニケーション上考慮すべき点を分かりやすく説明した「Symphony通信」を本部・店舗の全従業員を対象に発信しています。
「ダイバーシティガイド」の策定
国内ファーストリテイリンググループでは、2020年4月、LGBTQ+の基礎知識や店舗でのお客様対応および従業員間のコミュニケーションで配慮すべき点をまとめた「ダイバーシティガイド」を策定し、運用しています。
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外部団体との連携
ファーストリテイリングは、ステークホルダーとの対話を通じて、グローバルな社会的課題への理解を深め、事業活動の継続的な改善を図っています。また、さまざまな外部団体との連携により、アパレル産業全体の重要な環境課題解決の取り組みに参画しています。