最終更新日: 2024.11.08
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ファーストリテイリングは、すべての従業員が健康で安全に活躍できる職場環境を提供することをめざしています。「職場では不正・不誠実な行為を行わず、安全と健康を確保し、働きやすい環境を維持する」ことを、従業員向けのコードオブコンダクトに掲げています。
健康経営を実現するための基本姿勢
ファーストリテイリンググループ 安全衛生宣言
健康経営の推進体制
健康経営への取り組み(国内)
労働災害防止の取り組み
労働時間の削減
従業員満足度を高める取り組み
指標
健康経営を実現するための基本姿勢
ファーストリテイリンググループは、「ファーストリテイリンググループ 安全衛生宣言」に基づき、従業員一人ひとりの心身の健康状態に配慮し、安全かつ健康的な職場環境を提供するとともに、自社の商品や活動を通じて、社会全体の人々の健康増進に取り組んでいます。
ファーストリテイリンググループ 安全衛生宣言
ファーストリテイリンググループは、従業員一人ひとりの心身の健康と安全を確保することが、企業としての責務であると考えています。世界一「安全で健康に働ける会社」になることをめざし、安全衛生の基本方針および行動指針8カ条を定め、本部・店舗に掲示するなど、代表取締役会長兼社長名で全社に発信しています。
世界一「安全で健康に働ける会社」になる
私たちファーストリテイリンググループは、ともに働く従業員一人ひとりの心身の健康と安全を確保することが、企業としての責務であると考えています。経営者・従業員が一丸となって、世界一「安全で健康に働ける会社」になるため、グループとしての安全衛生の基本方針を以下の通り定め、積極的・自律的に行動指針8カ条に取り組んでいくことを、ここに宣言します。
株式会社ファーストリテイリング
代表取締役会長兼社長 柳井 正
関連リンク
健康経営の推進体制
ファーストリテイリング ウェルネスセンター
ファーストリテイリングは、従業員の健康カウンセリングをはじめ、安全健康管理を担う部署として「ファーストリテイリング ウェルネスセンター」を2014年に設置しました。現在は国内2カ所(六本木・有明)に拠点を置き、全国約120人の産業医や保健師、産業カウンセラー、関連部門とともに、さまざまな安全衛生施策、メンタルヘルスケア、その他の従業員支援を推進しています。健康経営を推進する主要な部門として、従業員が心もからだもいきいきと活動できる施策や安全衛生活動等を行っています。また、グローバルでも各国・各地域に安全担当者を置き、ウェルネスセンターが中心となって連携することで、統一した安全衛生活動ができるような取り組みを進めています。

六本木本部のウェルネスセンター

有明本部のウェルネスセンター
健康経営への取り組み(国内)
健康経営優良法人の取得
ファーストリテイリンググループは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、2022年から3年連続で、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されています。

健康経営の重点課題
ファーストリテイリンググループは、健康経営に関する取り組み全体を通じて、「長期雇用」「生産性向上」「医療費の削減」をめざしています。これらを把握するための指標として、「アブセンティーズム(傷病による欠勤)」「プレゼンティーズム(出勤はしているものの、健康上の問題によって完全な業務パフォーマンスが出せない状況)」「ワークエンゲージメント(仕事に対する活力・熱意・没頭)」を設定しています。
また、「長期雇用」、「生産性向上」、「医療費の削減」の実現に向け、「FR健康課題(禁煙)」「ヘルスリテラシーの向上」「メンタルヘルスの強化」の3つを重点課題と特定し、取り組みを進めています。
重点課題への取り組み
【重点課題①:FR健康課題(禁煙)】
勤務時間中の喫煙は、全般的な健康状態の低下、病気による休業などにより、労働生産性の低下につながることが明らかになっています。2021年8月期の喫煙率23.1%に対し、2032年8月期に12%まで低下することをめざしており、具体的には以下の取り組みを行っています。
- ascure(アスキュア)卒煙プログラムや補助薬購入補助を、年間を通して提供しています。また、禁煙デーなどでの禁煙ガム無料配布イベントや健康診断時のコラボ施策を通して、従業員が禁煙に取り組みやすい環境づくりに努めています。
- 禁煙に取り組むための情報発信(禁煙1分動画、定期メール発信、社内ポスター掲示)を積極的に行っています。
【重点課題②:ヘルスリテラシーの向上】
ファーストリテイリンググループの平均年齢は2024年8月末現在で約38歳ですが、年々上昇傾向にあります。これに伴い、生活習慣病などに関係する数値も増加傾向にあります。そのため、若年層の健康意識を高めることで健康を維持し、高い生産性を保ちながら長く働ける社員を増やす取り組みとして、ヘルスリテラシーや安全意識の向上に努めています。
- ファーストリテイリンググループは従業員の約7割を女性が占め、貧血(当社基準C2以上)の有所見者が多いことが課題の一つとなっています。特に、貧血に起因した二次災害を防止するため、再受診率100%を目指しており、貧血に関する資料配布や受診勧奨などの個別対応を実施しています。
- 本部勤務者が多く参加する健康診断会場において、FR健康保険組合と協働で健康教育を実施しています。2024年8月期の健康教育の参加率は、81.7%と非常に高く、クイズ形式を取り入れることで、従業員が楽しみながら参加する様子が見られました。有明・六本木本部の健康診断会場で実施したアンケートでは、「食事」「運動」「睡眠」について高い興味・関心が示されました。
- 若年層向けに健康行動の習慣化を促すための健康アプリを導入しています。健康に対するハードルを下げて楽しく健康を維持することをめざしています。
- テーマ別にセミナーを実施し、専門家から学ぶことで、ヘルスリテラシー向上を図っています。2024年8月期は、「女性の更年期とキャリア」というテーマで実施しました。女性に関するテーマでしたが、男性や管理職にも参加しやすい内容に工夫し、当日の参加率は日本国内の本部社員の全体の1.7%と想定よりも高いものになりました。セミナーを受けられなかった従業員に対してはYouTubeにてオンデマンド配信をしました。
-
その他、ヘルスリテラシー・安全意識の向上のため、以下の取り組みを実施しています。
- 新人・新任管理職に対して、メンタルヘルスと労働災害防止に関する研修を定期的に実施
- 衛生管理者・衛生推進者に対して、店舗における安全衛生活動の推進を目的としたオンライン教育を定期的に実施
- 毎月各事業所で安全衛生委員会を開催し、安全管理や従業員の健康管理、メンタルケアなどの具体的な課題について議論、解決。労働者の代表と適宜協議しながら調査、審議を実施
- 各国・各地域で安全衛生担当者を選任。本部の安全衛生担当者が積極的に現地を巡回し、職場環境の調査、安全施策の確認、衛生面のアドバイスなどのサポートを提供
【重点課題③:メンタルヘルスの強化】
ファーストリテイリンググループは、専門的知識を持つカウンセラーや精神科医師などを設置し、メンタルヘルスに関する環境整備に積極的に取り組んでいます。
- 年1回、すべての国内従業員を対象にストレスチェックを行い、高ストレス者に対しては産業医面談を実施しています。産業医面談を望まない従業員にもカウンセラーによるカウンセリング機会を設けるなど、ケアの充実を図っています。
- ストレスチェックの組織分析の結果、特に職場環境の改善が必要と思われる組織に対しては、人事部と協働して改善に取り組んでいます。
- 人事部と協働し、管理職や新卒社員、店舗勤務の正社員に対するEラーニングによるメンタルヘルス教育とメンタル不調懸念者への個別対応を行っています。
- 休職者に対しては、円滑な職場復帰をサポートするプログラムを実施しています。カウンセラーによる復職支援カウンセリング、その後の定着支援カウンセリングまで手厚い支援を行っています。

健康診断会場での健康教育の様子

Eラーニングプログラムの例
労働災害防止の取り組み
ファーストリテイリンググループは、安全衛生宣言に基づき、安全衛生活動をグローバルに展開し、労働災害の防止に努め、LTIFR(休業災害度数率)の低減に取り組んでいます。
【安全衛生活動、労働災害防止の取り組み】
- ISO45001に準拠した労働安全衛生マネジメントシステムの構築
- 本部部署横断の労災対策本部を設置し、労働災害を防止する取り組みを推進
-
グループ全体のリスクアセスメント基準に従ってアセスメントを実施し、リスクの特定と対策を実施
(高リスク領域とリスク軽減策)- 店舗での使用器具に関わる潜在的なリスク:安全なミシンの導入、段ボール開梱時の安全カッターの採用など、安全性の高い使用器具の採用
- 倉庫での使用機械に関わる潜在的なリスク:安全設計が施された自動機械設備の導入、立入禁止区域の設定など倉庫環境の安全性を向上
- 従業員への安全衛生教育や事故事例の共有、危険予知トレーニングの推進
- ヒヤリハット事例(事故のリスクを感じた事例)の紹介を通じて、職場における安全意識を向上
- 労働災害発生時の本部への迅速な報告。本部で原因分析と対策立案を行い、社内に共有
LTIFR(休業災害度数率)(国内ファーストリテイリンググループ)*1
(100万延労働時間数あたりの休業災害件数)*2
2020年8月期 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 |
---|---|---|---|---|
1.03 | 1.04 | 0.86 | 0.80 | 0.81 |
*1 LTIFRは、休業4日以上の休業災害率です。
*2 LTIFRのデータについては、信頼性向上のため、2019年8月期よりSGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
なお、上記の期間について、国内ファーストリテイリンググループで業務上の負傷や疾病による死亡者はおりません。
労働時間の削減
ファーストリテイリングは、労働時間や休憩時間、休暇に関する国際基準と現地法令を遵守し、残業を前提としない働き方を推進しています。各部門の管理職者が従業員の労働時間を毎月管理しています。今後も労働時間の管理・監督を強化することで、長時間労働の撲滅を図っていきます。
【国内ファーストリテイリンググループにおける長時間労働撲滅のためのモニタリングと改善の取り組み】
- 出退勤打刻の徹底により、残業時間の管理・監督を強化
- 六本木・有明本部では毎日18時に消灯することで、従業員の帰宅を促す
- 人事部は労働時間や有給休暇取得率等などの勤務状況を四半期ごとにモニタリング。長時間労働を慢性的に行っている従業員がいる場合は、本人とその上司に対して人事部とウェルネスセンターが面談し、長時間労働の解消に向けた取り組みを実施。上司は、業務量や優先順位の見直しに向けた、アクションの実行と報告が求められる
- ウェルネスセンターによる「ストレスチェック」、人事部による「働き方に関するアンケート」を実施
従業員満足度を高める取り組み
従業員が働きがいを感じ、長く安心して活躍できる職場環境や企業文化を醸成するために、従業員の声に耳を傾け、満足度を高めるための活動を行っています。2019年1月から、ファーストリテイリンググループの全世界の拠点を対象とした従業員満足度調査を実施し、改善策を実行しています。
【従業員満足度向上のための取り組み】
- 永続勤務者報奨:10、20、30年の区切りで、永続勤務した従業員への報奨制度
- 特別報奨制度:優れた成果を出した個人や事業部門を称える報奨制度
- ファミリーデー:国内ファーストリテイリンググループの本部従業員の家族を招待するイベントを、年に1度、山口本社と有明本部で開催
- 福利厚生パッケージサービス:国内ファーストリテイリンググループの健康保険組合が提供する福利厚生パッケージサービスを通し、フィットネスクラブや娯楽施設などを会員割引料金で利用できる制度
関連リンク
指標
上記の取り組みに関連する指標は以下のとおりです。
項目 | 対象範囲 | 単位 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | |
---|---|---|---|---|---|
ワークエンゲージメント 総合指数*1 | FRグループ | % | 74.3 | 74.7 | |
女性社員比率 | FRグループ | % | 68.9 | 68.2 | |
女性管理職比率*2 | FRグループ | % | 44.7 | 46.1 | |
女性の健康課題に関する施策(女性の健康セッション)への参加者数 | 国内FRグループ 本部従業員 |
名 | 43 | 87 | |
女性の健康課題に関する施策への満足度(5点満点)*3 | 国内FRグループ 本部従業員 |
点 | 3.5 | 4.6 | |
健康施策に関する参加率(健康アプリダウンロード率)*4 | 国内FRグループ 本部従業員 |
% | - | 1.1 | |
従業員メンタルヘルス研修参加率 | E-learningによるメンタルヘルス研修 | 国内ユニクロ 店舗正社員 |
% | 95.1 | 90.2 |
管理職に対するメンタルヘルス研修 | 国内FRグループ 本部新任リーダー、新任店長、新任SV |
% | 100 | 100 | |
新卒研修 | 国内FRグループ 店舗新卒正社員(4ブランド) |
% | 100 | 100 | |
健康教育における健康度テストの平均点数(6点満点)*5 | 国内FRグループ 本部の常時雇用者*6のうちオフィスでの健診を希望した者 |
点 | 4.33 | 4.36 |
*1 エンゲージメントに関する設問のうち、肯定的な回答をしている社員の割合
*2 管理職は、営業部ではブロックリーダー、エリアマネージャー、一定グレード以上の店長、本部では執行役員、部長、リーダーを指しています
*3 女性の健康セッション参加者へのアンケート回答(回答率33.3%)
*4 2024年8月期より開始
*5 社内の定期健康診断会場で開催した健康教育において健康度テストを実施
*6 常時雇用者とはFR健保に加入している者を指します
項目 | 対象範囲 | 単位 | 2022年4月- 2023年3月 |
2023年4月- 2024年3月 |
|
---|---|---|---|---|---|
アブセンティーズム*7 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
日 | 2.3 | 3.0 | |
プレゼンティーズム損失割合(SPQ)*8 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 28 | 26 | |
ストレスチェック受診率 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 97.0 | 96.4 | |
定期健康診断受診率 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 96.3 | 99.9 | |
精密検査受診率*9 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 78.3 | 76.6 | |
ハイリスク者の治療継続管理率*10 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 100 | 100 | |
貧血率 | 男性 男性13㎎/dl以下 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 1.7 | 1.8 |
女性 女性12㎎/dl以下 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 20.9 | 20.9 | |
合計 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 15.9 | 16.0 | |
肥満率 (BMI25以上) |
男性 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 21.6 | 21.1 |
女性 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 14.1 | 14.4 | |
合計 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 16.0 | 16.1 | |
適正体重維持者率(BMI18.5~25未満) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 68.0 | 68.0 | |
血圧リスク者率(180/110mmHg以上) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 0.2 | 0.2 | |
血糖リスク者率(空腹時血糖200㎎/dl以上) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 0.1 | 0.1 | |
糖尿病重症者率(HbA1c8.0%以上) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 0.2 | 0.2 | |
脂質 (中性脂肪150mg/dlまたはHDLコレステロール値が40mg/dl未満) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 9.1 | 9.0 | |
喫煙率 | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 21.4 | 21.1 | |
定期健康診断問診項目 | 運動習慣者比率(週2回、1回30分以上の運動をしている人の割合) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 20.8 | 25.3 |
睡眠習慣者率(睡眠により十分な休養が取れている人の割合) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 65.6 | 58.2 | |
朝食欠食率(朝食を抜くことが週に3回以上ある人の割合) | 国内FRグループ 常時雇用者*6 |
% | 36.2 | 38.8 |
*7 ストレスチェックにおける「昨年1年間に、自分の病気で何日仕事を休みましたか」という質問に対する自己申告日数の平均
*8 ストレスチェックにおいてSPQ(東大1項目版)を質問。プレゼンティーズム損失割合=100%-回答平均値
*9 要精密検査対象となった従業員の中で受診した割合
*10 社内基準でハイリスクとなり通知した従業員の中で受診した割合