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サプライチェーンの人権・労働環境マネジメント

最終更新日: 2024.03.22
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ファーストリテイリングは、グローバルで事業を展開する企業として、生産パートナーと強固なパートナーシップを築き、サプライチェーン全体での人権の尊重と労働環境の継続的な改善に取り組んでいます。

サプライチェーンの人権・労働環境の尊重に関する方針

ファーストリテイリングは、サプライチェーンで働くすべての人の基本的人権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保することが、最も重要な責務だと考えており、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など、グローバルレベルの人権原則や指針、宣言に沿って、この分野での責任を果たしていきます。

そのため、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準などの国際基準・規範に沿って「生産パートナー コードオブコンダクト」を策定・改訂し、いかなる人権侵害(特に、児童労働や強制労働、抑圧やハラスメント、差別や暴力など)も容認しないという方針を生産パートナーと共有し、遵守していただく仕組みを構築しています。

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ガバナンス・推進体制

ファーストリテイリングは、人権尊重の取り組みを推進するため、人権委員会を設置しています。法務省人権擁護局長の経験を有する外部有識者を委員長に選任し、社外取締役、常勤監査役、社外監査役、および法務・コンプライアンス部、人事部、営業部、サステナビリティ部などを担当する執行役員が委員を務めています。人権委員会は、人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われるよう、業務執行部門に対する助言・勧告・監督を行っています。また、重要な課題・リスクなどについては必要に応じて、サステナビリティ委員会にも上程されるほか、労働環境モニタリングの結果、取引見直しの要否について判断が必要なケースは、企業取引倫理委員会で審議されます。

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サステナビリティ部の工場労働環境改革チーム(以下、サステナビリティ部)は、生産部などの関連部署と連携し、ファーストリテイリングの全ブランドの生産パートナーに対する労働環境モニタリングと、サプライチェーンの人権・労働環境における課題への対応と解決のための取り組みを行っています。サステナビリティ部の責任者は、取り組みの計画や進捗の管理を行い、サステナビリティ担当役員および人権委員会への報告を行います。

サステナビリティ部は、各地の生産パートナーの経営者や従業員、その他の個人や団体と、現地の言語で適切なコミュニケーションを行うため、本社のある日本だけではなく、中国、ベトナム、インドネシア、バングラデシュなどの重要な生産国にも拠点を置いています。サステナビリティ担当役員、サステナビリティ部の責任者および担当者は、人権方針を推進する活動の一環として行われるサプライチェーンの労働環境改善を含む取り組みの成果に対して、年に2回業績評価を受け、その評価に応じて報酬が決まります。

目標

ファーストリテイリングは、お客様が本当に必要とするものだけをつくり、販売する「有明プロジェクト」*1と連動して、服の生産から輸送、販売まですべてのプロセスにおいて、人権に配慮され、お客様に安心して商品をお買い求めいただけるサプライチェーンを構築することをめざしています。

それを実現するため、サプライチェーンの透明性を高め、原材料レベルまでトレーサビリティを確立すると同時に、サプライチェーン全体における人権、労働環境の問題を特定し、確実に是正することを目標として取り組みを進めています。

*1 有明プロジェクトは、お客様とダイレクトにつながり、お客様の声や世の中の情報を商品化し、最適な形でお届けする情報製造小売業へ変革するための全社改革です。デジタル技術などの活用により、サプライチェーンの仕組みと働き方を変え、「無駄なものをつくらない、運ばない、売らない」を実現し、お客様満足の向上、環境負荷の低減などサステナビリティの課題解決につなげます。

アプローチ

ファーストリテイリングは、サプライチェーンのトレーサビリティを追求し、原材料調達の最上流まで、適正な労働環境が維持されていることを、国際的なガイドラインに基づき確認していきます。また、サプライチェーン全体のデューディリジェンスを実施し、製品が一貫して倫理的な環境で生産されていることを確認していきます。

トレーサビリティ

持続可能なサプライチェーンを実現するために、生産の全工程で品質、調達、生産体制、環境・人権対応の自社基準を適用し、自社でサプライチェーン全体を管理することを目指しています。これを実現するため、最終商品から原材料レベルまでサプライチェーン全体を可視化し、長期的なパートナーシップを築ける生産パートナーへの取引の集約を進めています。また、主要原材料を自社指定農場・牧場・工場から調達することでトレーサビリティへの取り組みを強化していきます。

ファーストリテイリングは、SPA(製造小売業)モデルに本格的に転換した1990年代後半から、比較的少数の工場と、⾧期的な信頼関係を築いてきました。ユニクロでは、主要工場との取引関係は20年以上に及びます。パートナーとの共通の価値観に基づく信頼関係・パートナーシップを基盤として、最上流までのサプライチェーンの把握を行っていきます。

また、サプライチェーン全体の透明性を高め、適正な労働環境を実現するために、生産パートナーのリストを公開しており、2017年の主要縫製工場リストの公開以降、開示対象の拡大に努めています。

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人権リスクの評価

調達先の国・地域における人権リスクに関して、労働環境モニタリング・苦情処理メカニズムの結果や、各種公開情報・メディア情報、国際機関や市民団体などとの対話などを踏まえ、毎年、評価を行っています。発生した場合に特にリスクの高い人権課題は、児童労働、強制労働、移住労働者の非倫理的な採用慣行、抑圧とハラスメント、差別、安全・衛生上の重大な不備、組合結成の自由の重大な侵害、賃金の支払い不足、長時間労働などです。各課題のリスクの影響度や発生可能性を評価し、労働環境モニタリング・苦情処理メカニズムの仕組み強化だけではなく、専門機関との協働を含む、個別の人権課題に対する取り組みを行うことで、課題の未然防止や発生時の適切な対応につなげています。

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工場の労働環境モニタリング

2004年に「生産パートナー コードオブコンダクト」を策定し、工場に労働環境基準の遵守を要請しています。工場において、コードオブコンダクトが遵守されているかどうか、サプライチェーンの労働環境モニタリングを定期的に行い、その結果を工場にフィードバックしています。課題があれば、工場のマネジメントに改善を求めるとともに、改善のための支援を行っています。万一、児童労働、強制労働などの極めて深刻な事象が発覚した場合には、発注量の削減などの取引の見直しや、取引停止を含めた対処を行います。

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苦情処理メカニズム

ファーストリテイリングは、工場に対し、従業員の苦情に対応するための仕組みの導入と公正労働協会(FLA)の基準などを踏まえた適正な運営を求めており、実施状況を労働環境モニタリングで確認しています。また、主要な縫製工場および素材工場の従業員や従業員代表が、匿名かつ現地語でファーストリテイリングに直接相談できるホットラインを、上海、ホーチミン、ジャカルタ、ダッカ、東京などに設置しています。

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外部団体との連携による労働環境の改善促進

さまざまな外部団体との連携により、ファーストリテイリングは、アパレル業界における人権や環境問題などの重要な取り組みに積極的に参画しています。また、労働環境改善をめざす世界的なNGOである公正労働協会(FLA)や国際労働機関(ILO)と国際金融公社(IFC)の共同プログラムであるベターワークなどに加盟することで、労働環境モニタリングプログラムの改善を図り、また、責任ある調達方針の策定による社内管理プロセスの強化などを行っています。

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情報開示

サプライチェーン全体における労働環境について、お客様、NGO、メディア、投資家などあらゆるステークホルダーに適切な情報を提供します。また、ファーストリテイリングは、グローバルに事業を展開していく上で、国と地域で定められている人権や労働環境に関する法令を遵守し、すべての事業活動において誠実に行動していきます。

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