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廃棄物管理と資源効率の向上

最終更新日: 2024.04.19
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ファーストリテイリングは、資源の使用量削減やリユース・リサイクルの促進などに取り組み、地球環境への影響を最小限に抑えていきます。

廃棄物管理と資源効率の向上方針

廃棄物は、適切な処理をすることで再利用可能な貴重な資源になります。事業活動から排出される廃棄物(お客様のご不要になった商品の廃棄を含む)について、排出量の削減をめざすとともに、再利用および適切な処理を推進し、資源の循環利用に取り組みます。循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現と資源効率の最大化を追求するため、資源の使用量削減やリデュース・リユース・リサイクルの促進などに取り組んでいきます。資源効率を向上させるうえで最も大切なのは、長期にわたってお客様が服をご愛用くださることです。高品質で長くご使用いただける服をお客様に提供することで、資源効率性の高い社会の実現に貢献します。

目標

ファーストリテイリングは、あらゆる人の生活を豊かにする「究極の普段着」というLifeWearのコンセプトに基づき、お客様が本当に必要とするものだけをつくり、販売することをめざしています。「LifeWearを生み出す」服の生産から輸送、販売まですべてのプロセスにおいても、できる限り廃棄物を削減した環境負荷の少ないモノづくりを実現します。具体的には、商品輸送時に使用する梱包用プラスチック袋、段ボール、ハンガーなどの資材、商品パッケージの削減・切り替え・再利用・リサイクルを通して廃棄物を削減し、早期に埋め立て処分ゼロを実現することをめざします。
さらに販売後も、RE.UNIQLOなどの取り組みを通じたリデュース・リユース・リサイクルなどを通してLifeWearをより長く活かし続けるための新たなサービスや技術の開発に取り組みます。

資源を無駄にしないビジネスモデルの追求

ファーストリテイリングは、シンプルで高い機能性を持ち、お客様に長くご愛用いただける、質の高い服づくりに努めています。お客様から寄せられたご意見を分析し、商品の細部に至るまで細かい改良を加えるとともに、生産数量の予想精度の改善や物流改革などにより、お客様が求める本当に良い商品を、必要な量かつ最適なタイミングでお届けし、生産や販売における無駄をなくす取り組みを進めています。有明プロジェクトで必要なものだけ作り販売する取り組みを行っており、最終的にすべて売り切ることで廃棄はしない方針としています。販売後の商品についても責任を果たすため、リデュース・リユース・リサイクルする取り組みを進めています。また、リサイクル素材の導入も推進しています。

LifeWearを生み出す

・商品の企画
ユニクロは、LifeWearとしてのタイムレスなデザインと耐久性を追求し、お客様に長く愛用していただける服を企画・生産・販売することで、資源がより効率的に使用される社会の形成に貢献します。

・原材料調達・生産
商品の企画および調達する原材料の選定において、リサイクル素材の活用など、資源効率の向上につながる原材料の利用を促進します。2030年8月期までに全使用素材の約50%をリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材に切り替えることをめざしています。また、生産工程で発生する廃棄物の抑制や、繊維くずの再利用などの新しい技術を研究していきます。

・店舗・オフィス・物流・EC
プラスチックの適正利用
ファーストリテイリングは、地球環境に配慮した持続可能な事業の構築に向けた取り組みの一環として、2019年7月に、「サプライチェーン全体で不要な使い捨てプラスチックを原則として撤廃、使わざるを得ないものについては環境配慮型素材に切り替える」グループ方針を策定しました。商品パッケージに使用するプラスチック(素材)の削減、商品輸送時に使用する梱包用プラスチック袋の使用量削減、環境配慮型素材への切り替えにより、環境負荷を抑えていきます。

紙の適正利用
ファーストリテイリングは、責任ある紙の調達に関するグループ方針を定め、森林資源の持続可能な利用と生物多様性の保全の観点から、持続可能な原料で生産された紙の使用を推進しています。ショッピングバッグなどに使用する紙もこの方針に則って持続可能な紙素材に変更しています。

関連リンク

LifeWearを活かし続ける

ファーストリテイリングは、お客様に長く着ていただける服を生産し販売するだけでなく、ご使用いただいた後の服の価値を最大限活かすことも、重要な責務だと考えています。お客様のもとでご不要になった商品を店舗で回収し、様々な形で役立てています。例えば、服を必要としている難民・国内避難民などに提供しており、社会的に弱い立場にある人々に対して、2025年8月期までに年間1,000万点(新品およびお客様から回収した服を含む)の衣料を寄贈することをめざしています。また、2023年10月に、回収した服を染加工などした上で販売し、古着販売の事業化検証を実施しました。その他、回収した服から新しい服へのリサイクルを行い、再びお客様にお届けする取り組みを進めています。回収したダウン商品からダウン・フェザーを取り出し再利用したリサイクルダウンジャケットを販売しています。さらに、回収後の再利用ができない服は、適切な処理を実施したうえで、さまざまな資源(断熱材、固形燃料など)として活用する取り組みを推進しています。

関連リンク

LifeWearを生み出す取り組み

原材料調達・生産

商品の企画および調達する原材料の選定において、リサイクル素材の活用など、資源効率の向上につながる原材料の利用を促進します。2030年8月期までに全使用素材の約50%をリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材に切り替えることをめざしています。ファーストリテイリンググループ全体で、全使用素材に対するリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材の使用割合は2023年企画商品全体で8.5%に上昇し、目標達成に向けて着実に取り組みを進めています。特に、ポリエステルについては、全使用量の約30.0%でリサイクルポリエステルを使用しています。化学繊維はリサイクル技術が比較的発達しているため、リサイクル素材への 切り替えが進めやすく、現在では特にポリエステルにおいて取り組みが進んでいます。コットン、ウールなどの天然素材については、研究開発を外部パートナーと進めており、既存商品と同等の品質、着心地のよさを実現できる素材の開発 に取り組んでいます。

関連リンク

店舗・オフィス・物流・EC

・プラスチックの適正利用に向けた取り組み
ファーストリテイリングは、プラスチック製資材について、撤廃または環境に配慮した素材への切り替えを進めています。例えば、紙のヘッダータイプのパッケージの導入や、リサイクルプラスチックを使用した店頭資材(パッケージやハンガー)などへの切り替えを進めています。また、工場と協力して商品輸送時に使用する梱包用プラスチック袋を削減し、かつリサイクルするプロジェクトを推進しています。具体的には、商品輸送時に個包装していた商品の一部について、複数の商品をまとめて梱包し輸送しています。さらに、2023年より、国内の倉庫の一部を対象に、この梱包用プラスチック袋をリサイクルする取り組みを実施しています。

・紙の適正利用に向けた取り組み
ファーストリテイリングは、森林資源の持続可能な利用と生物多様性の保全の観点から、持続可能な原料で生産された紙の使用を推進しています。具体的には、責任ある紙の調達に関するグループ方針を定め、2023年12月末時点で、日本国内で調達する紙製品は可能な限り、持続可能な紙素材に変更しました。海外における調達については、この方針に沿った調達が困難な地域もあるため、継続的に取り組みを推進しています。また、ユニクロでは、電子レシートを導入しペーパーレス化を積極的に推進しています。

LifeWearを活かし続ける取り組み―循環型社会への貢献

Reduce-服の廃棄をできる限り減らす取り組み-リペア・リメイク・アップサイクリング

  • 2021年8月、ユニクロとドイツのNGO、Berliner Stadtmissionは、共同でベルリンのタウエンツィーンシュトラーセにあるユニクロ旗艦店に、「セカンドライフスタジオ」を設立し、無料のワークショップを開催しました。このワークショップでは、スタジオのデザイナーチームが、お客様が店舗に持ち込んだ古着をパッチワークのデニムバッグや刺繍入りのTシャツなどのアップサイクル品に生まれ変わらせ、お客様に提供しました。また、2022年1月に、米国ニューヨークのソーホーにあるユニクロ旗艦店で有料のリペアサービスを設立し、シャツのボタン交換、縫い目修復、穴あき補修、ファスナー交換などのサービス提供を開始しました。さらに、2022年4月には、英国ロンドンのリージェントストリートにあるユニクロ店舗にリペアスタジオを設置し、ジーンズの穴を刺し子の技法を使って直すリペアサービスや、ユニクロ商品に刺し子や刺繍をすることで自分好みにカスタマイズできるリメイクサービスも提供しています。その他、ハサミや針、糸など日本の刺し子道具も販売しています。国内でも2022年10月より、ユニクロ世田谷千歳台店でトライアルを開始し、2024年1月末時点で18の国と地域・41店舗にまで拡大しています。ユニクロの服づくりのコンセプトであるLifeWearを進化させ、愛着ある服を大切に着続けていただくためのサポートを行う場として、2024年12月末までにグローバルで50店舗以上へサービスを拡大していく予定です。

  • *日本の伝統的な刺繍「刺し子」

Reuse-服を再利用する取り組み-寄贈活動・古着の販売

ファーストリテイリングは、お客様のもとでご不要になった服を世界各地の店舗で回収し、リユースする活動を2006年から行っています。お客様のご協力のもと、2023年8月期は約1,500万点*を回収しました。
まだ着用できる服は、服を必要としている人々に寄贈しています。ユニクロ、ジーユー、セオリー、プラステ、コントワー・デ・コトニエ、プリンセス タム・タムでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOなどとのパートナーシップを通じ、世界の難民・国内避難民への寄贈、女性や若者の自立支援、緊急災害時の救援衣料として役立てています。服のニーズのあるところに確実に届け、活用していただく取り組みを推進しています。2025年8月期までに、社会的に弱い立場にある人々に対して年間1,000万点(新品およびお客様から回収した服を含む)の衣料を寄贈することをめざし、2023年8月期は、約416万点の寄贈要請に応えました。活動開始以降の累計寄贈点数は、約5,463万点にのぼります(2006年~2023年8月末)。また、2023年10月には、回収した服を染加工などした上で販売し、古着再販売の事業化検証を実施しました。

*回収量は200グラム/点での概算。寄贈はニーズに応じて18のカテゴリーに選別し、カテゴリー毎に平均入り数を設定した上で、圧縮梱包(ベール梱包)し、ベール単位で寄贈しています。寄贈量はカテゴリーごとの平均入り数をベースに算出しているため、回収量と寄贈量で算出方法が異なります。

関連リンク

Recycle-服をリサイクルする取り組み

回収した服から新しい服へのリサイクルを行い、再びお客様にお届けする取り組みを進めています。具体的には、ユニクロでは、回収したダウンジャケットのダウンとフェザーを抽出し、新しいダウンジャケットの原材料として活用しています。ジーユーでは商品を回収する際にポリエステル素材を分別し、新しい商品の素材にリサイクルする取り組みも行っています。

また、服へリサイクルできないものは、断熱材や防音材などの資材として活用します。例えば、2023年4月にオープンした、消費電力を抑えるためにさまざまな工夫を実現したユニクロ 前橋南インター店では、外壁の断熱材の約30%に、回収したユニクロの服を細かく裁断したリサイクル素材を使用しています。また、自動車用防音材は、約22枚のTシャツ(約4.3kgの古衣料)*1が、裁断・反毛されたのちに、車1台分に使われる防音材にリサイクルされ、自動車のエンジン音や電気自動車の高周波を低減する役割を果たします。
さらに、資材として活用できない場合は、固形燃料(RPF*2)に転換しています。RPFは、服や廃プラスチック・紙や木のくずを原料とし、石炭など化石燃料の代替として、製紙会社などの専用ボイラーなどで使われています。

*1 Tシャツ1枚200gの場合(情報提供元:日本特殊塗料株式会社)
*2 RPF :Refuse Paper and Plastic Fuelの略

関連リンク

廃棄物量

自社

単位:トン

対象範囲 小項目 分類 2019年
8月期
2020年
8月期
2021年
8月期
2022年
8月期
2023年
8月期
店舗 国内ユニクロ
とジーユー
廃棄物排出量*1 廃プラスチック類 廃棄物量
(一部店舗実績値)
3,580 2,947 3,018 2,662 2,766
リサイクル率(%)*2 17.0 15.0 10.0 8.6 8.9
廃棄物量
(全店舗推計値)
5,930 8,008 7,127 8,469 9,294
*4
段ボール 廃棄物量
(一部店舗実績値)
11,721 11,208 11,253 10,206 6,366
リサイクル率(%)*2 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
廃棄物量
(全店舗推計値)
25,833 29,080 26,481 25,376 25,389
その他 *1 廃棄物量
(一部店舗実績値)
2,463 2,745 2,744 2,190 1,932
廃棄物量
(全店舗推計値)
5,738 7,258 6,815 5,791 6,002
合計(全店舗推計) 37,501 44,346 40,423 39,636 40,685
倉庫 国内FRグループ 廃棄物排出量*1 廃プラスチック類 廃棄物量 - - - - 524
リサイクル率(%)*3 - - - - 34.7
段ボール 廃棄物量 - - - - 12,668
リサイクル率(%)*3 - - - - 100.0
その他*1 廃棄物量 - - - - 420
合計 - - - - 13,612
本社 山口本社・
六本木本部・
有明本部
廃棄物排出量*1 合計 185 138 115 133 225
*4

*1 可燃物や混合廃棄物が含まれます
*2 有価物として売却している比率。集計範囲は実績値を特定できる店舗のみ
*3 有価物として売却している比率
*4 精度向上を目的に対象廃棄物または算定方法を見直しました

サプライチェーン

単位:トン

対象範囲 小項目 分類 2020年1月-12月 2021年1月-12月*2 2022年1月-12月
縫製工場:
ユニクロ・ジーユー
廃棄物排出量*1 合計 76,353 77,732 76,280
うち、繊維系廃棄物排出量 50,816 49,285 50,079
素材工場:
ユニクロ
廃棄物排出量*1 合計 - 104,553 107,860
うち、繊維系廃棄物排出量 - 11,006 10,539

*1 アパレル業界標準の工場環境影響評価ツールであるHigg Facility Environmental Module (Higg FEM)に各工場が報告した数値に基づき、一部推計し算出しています

*2 精度向上を目的に収集データの再見直しを行い、遡及修正しています

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