気候変動への対応

最終更新日: 2026.03.19
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ファーストリテイリングは、パリ協定における2050年までの温室効果ガス排出量削減目標を尊重し、自社の店舗、サプライチェーン、商品使用における温室効果ガス排出量削減への努力を続けています。
TCFDの枠組みに基づく開示については、こちらをご参照ください。

気候変動への対応方針

気候変動と生物多様性への影響を軽減するため、商品の生産から廃棄までを含む、事業活動全般における温室効果ガス排出量の把握と削減に取り組みを進めています。取り組みにあたっては、気候変動枠組条約に基づいて策定された長期目標(パリ協定)における2050年までの温室効果ガス排出量削減目標を尊重し、具体的な目標を掲げ、達成に向けた活動を推進します。

目標

・温室効果ガス排出量の削減目標
2030年8月期までに

  1. 1.店舗と主要オフィスなどの自社運営施設におけるエネルギー使用由来(スコープ1、スコープ2)の温室効果ガス排出量を90%削減(2019年8月期比)
    → 2025年8月期に達成済
  2. 2.全世界の店舗と主要オフィスの使用電力における再生可能エネルギーの割合100%
  3. 3.ユニクロ・ジーユーの商品の原材料生産・素材生産・縫製に関わる温室効果ガス排出量(スコープ3、カテゴリ1)を30%削減(2019年8月期比、絶対量)

1〜3の目標は、国際機関SBTイニシアティブより、パリ協定の目標に基づいた温室効果ガス排出量の削減目標であるSBT(Science-Based Targets)として認定されています。
なお、3については2025年11月に目標の引き上げを行い、達成をめざすためのロードマップ*として、2030年8月期までに以下の取り組みを推進します。

  • サプライチェーンにおける石炭使用量を約90%削減(2019年8月期比)
  • サプライチェーンにおける使用エネルギーのうち、70%以上を再生可能エネルギーへ切り替え
  • サプライチェーンにおけるエネルギー効率を50%以上改善(2019年8月期比)
  • 全使用素材の約50%をリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材へ切り替え

* ロードマップは2025年10月時点のサプライチェーンの状況や生産枚数予測をもとにしているため、適宜見直しを行っていく予定です。

ファーストリテイリングは、2050年の温室効果ガスの排出量ネットゼロ目標達成に向けて、取り組みを強化していきます。

関連リンク

・「ファッション業界気候行動憲章(Fashion Industry Charter for Climate Action)」に署名
ファーストリテイリングは2020年1月、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が推進する「ファッション業界気候行動憲章(Fashion Industry Charter for Climate Action)」に署名しました。同憲章は、パリ協定の目標を支持し、ファッション業界全体で連携して推進すべき取り組みを定めたものです。ファーストリテイリングは、同憲章への署名を通じて、持続可能な素材の調達や、生産工程の環境負荷低減、消費者との対話と意識向上に向けた働きかけなどの取り組みをさらに強化し、業界全体での温室効果ガス排出量削減に向けた連携を加速していきます。

自社における取り組み

店舗・オフィス

・店舗における省エネルギー推進による温室効果ガス排出量削減への取り組み
店舗の省エネルギーを推進し、電力使用量を削減することにより、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。具体的には、日本国内では、2014年春夏以降に開店したすべてのユニクロ、ジーユーの店舗にLED照明を導入しており、海外のユニクロ店舗でもLEDの導入を進めています。

  • ファーストリテイリングは現在、2030年8月期の温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けて、時間外の利用制御や、あらかじめ設定した温度に自動的に調節される空調オペレーションコントロールシステムを導入し、さらなるエネルギー使用の効率化に努めてきました。また、照明・空調の調整といった施策を実行するとともに、店舗設計の段階でエネルギー効率の高い新たなロードサイド店舗のフォーマットを開発しています。2023年4月にオープンした、ユニクロ 前橋南インター店では、消費電力を抑えるための省エネルギー技術採用や、太陽光パネルの設置により、省エネルギーと創エネルギーの組み合わせた店舗設計を行い、ZEB Ready*を取得しました。こうした様々な取り組みの結果、2025年8月期時点の温室効果ガス排出削減率は90.3%(2019年8月期比)に達し、2030年8月期までの目標を前倒しで達成しています。(2019年8月期比)

    今後も省エネ、創エネの取り組みを進めていきます。

    *ZEB(年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物)を見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物


  • ユニクロ 前橋南インター店

・再生可能エネルギーの導入
自社の使用電力における再生可能エネルギーの割合を2030年8月期までに100%とする目標を掲げ、太陽光発電設備の設置*や電力会社の提供する再エネメニューの購入、再エネ電力証書の購入などを進めています。取り組みの結果、2025年8月期時点で、再生可能エネルギーの割合は93.5%に達しています。
*PPA(Power Purchase Agreement、電力販売契約)を通じた導入

関連リンク

サプライチェーンにおける取り組み

生産パートナー

・温室効果ガス排出量削減の取り組み
ファーストリテイリングは、生産パートナーとの強固なパートナーシップを通じて、サプライチェーン領域における2030年8月期の温室効果ガス排出量削減目標の確実な達成をめざしています。主要縫製工場および素材工場を対象に、アパレル業界の統一指標(Higgインデックスなど)を用いて温室効果ガス排出量を含む環境負荷を把握し、工場とともに削減に取り組んでいます。具体的には、2021年11月までに、ユニクロおよびジーユーの生産量の9割を占める主要工場を対象に、国や地域、個別工場の状況、課題を把握した上で、省エネルギー活動、脱石炭、再生可能エネルギーの導入などを織り込んだ温室効果ガス削減計画の策定を完了しました。また、2025年11月には、2030年までの温室効果ガス削減目標を従来の20%から30%に引き上げました。
削減計画の確実な実行に向け、取引先工場と密に連携し、3か月に1度の進捗確認や1年ごとの計画の見直しを行っています。課題解決に向けた支援として、個別工場のニーズに応じて、再生可能エネルギーの導入に向けた助言や計画実行に必要な資金の調達先の紹介などを実施しています。具体事例は以下のとおりです。

<省エネルギー活動支援>
一部の素材工場では、当社がボイラーの調達先を紹介することを通じて、高効率の小型ボイラーなどの導入につながりました。また、更なるエネルギー削減に向けた支援として、一部の工場に対して当社から省エネルギー診断を試験的に提供してきました。2025年5月から範囲を拡大し、主要な素材工場および一部の縫製工場へ提供しています。

<再生可能エネルギー導入に向けた支援>
再生可能エネルギー調達が困難な地域の一つであるバングラデシュでは、当社が再生可能エネルギー供給事業者と協議を行い、取引先工場が優先的に再生可能エネルギー証書を調達することが可能となりました。

<外部ステークホルダーとの協働>
当社の生産パートナー所在国であるインドネシアにおいて、新興国における再生可能エネルギーの導入を加速するための国際的な官民連携プログラムCEIA(Clean Energy Investment Accelerator)の意見交換に参加し、サプライチェーンにおける取り組みや課題についてCEIAやその参加企業と情報交換を行なっています。

原材料

商品の企画の段階、原材料の選定において、より少ない温室効果ガス排出量で生産される原材料の利用を推進しています。具体的には、2030年8月期までに全使用素材の約50%をリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材に切り替えることをめざし、温室効果ガス排出量削減の可能性のある原料への切り替えを、順次行っています。2025年8月期の商品*全体で、全使用素材に対するリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材の使用割合は19.4%に上昇(前期は15.9%)しました。ポリエステルについては全使用量の46.4%(前期は41.5%)でリサイクルポリエステルを採用しました。
これまで、ユニクロのドライEXやエアリズム、ヒートテックやファーリーフリースといった商品でリサイクルポリエステル、ウエストバッグでリサイクルナイロンを採用しています。今後も、レーヨン、ナイロンなどの化学繊維から、段階的に低環境負荷素材の導入を拡大していきます。
* 対象商品は前年秋冬商品と当年春夏商品

関連リンク

物流

・輸送効率向上による温室効果ガス排出量の削減への取り組み
物流の分野では、輸送効率向上による温室効果ガス排出量の削減に向け、さまざまな取り組みを推進しています。

取り組みブランド内容

温室効果ガス排出量の
可視化

グループ全体

  • 貨物輸送に伴う温室効果ガスの排出量削減に取り組む国際NPO「Smart Freight Centre(SFC)」に加盟し、SFCや加盟している他の企業・団体・専門家と連携することで、物流領域における温室効果ガス排出量の可視化や削減のための取り組みを推進しています。

バイヤーズ・
コンソリデーション

ユニクロ、ジーユー

  • 工場から各国・各地域への輸送では、出荷日や希望納期が近いものを1つのコンテナに集約することで、コンテナ本数を削減しています。本取り組みにより、取り組みを実施していない場合と比べて、年間で約15%のコンテナ本数が削減されています。

バイオ燃料の使用

グループ全体

  • 一部の国・地域では、工場から倉庫への商品輸送(船舶)において、バイオ燃料を使用することで温室効果ガス排出量削減をはかっています。

配送効率や積載率の向上

ユニクロ、ジーユー

  • 倉庫から店舗への非効率な少量配送を防ぐため、アイテムごとに、1店舗に向けて発送できる最小値を設定しています。
  • 日本を中心に、店舗での荷受け時間の拡大や、立地が近い店舗向けに共同配送を行うことで、トラック1台あたりの配送効率の向上をはかっています。(一部PLST店舗も含む)
  • ユニクロおよびGUの一部の国では、Eコマースで注文頂いたお客様の元へ、近隣店舗から直接配送しており、配送効率を向上させることで、環境負荷低減をめざした配送を実施しております。
  • Eコマース販売倉庫では、商品の分量に応じて箱の高さを自動的に調整することで、配送効率の向上をはかっています
  • 様々な形状の段ボールを使用すると積載効率が低下するため、店舗向けの配送用段ボールの種類を減らすことで、積載効率を向上させる取り組みを実施しています。また、閑散期はさらに配送を集約することにより、積載率の向上をはかっています。

温室効果ガス排出量

世界で広く利用されている温室効果ガス(GHG)排出量の算定ガイドライン「GHGプロトコル」に準じ、ファーストリテイリンググループの温室効果ガス排出量を算定しています。

自社(店舗、オフィスなど)

単位:t-CO2e、対象範囲:ファーストリテイリング

スコープ 項目 2019年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
スコープ1
(自社直接排出)
ガス 12,295 9,738 9,558 8,760 9,301 ★
スコープ2
(自社間接排出)
電気 ロケーションベース 308,691 286,113 297,180 297,360 301,434 ★
マーケットベース 298,566 159,047 85,502 43,154 20,906 ★
2019年8月期比(スコープ1とスコープ2マーケットベース値合計の削減進捗) - -45.7% -69.4% -83.3% -90.3%

温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、および排出係数の決定に関する不確実性ならびに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。

スコープ1、スコープ2:
算出データについて、ビル運営会社等からエネルギー使用量情報が得られない場合、単位面積当たりのエネルギー使用量で推計しています。

自社以外(サプライチェーンほか)

単位:t-CO2e、対象範囲:ファーストリテイリング

スコープ3におけるカテゴリ 2019年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
1 購入した製品・サービス 4,694,117 4,243,676 3,977,760 3,630,293 3,669,604 ★
カテゴリ1のうち、商品の原材料生産・素材生産・縫製に関わる排出量(ユニクロ・ジーユー、2030年8月期目標対象範囲) 4,165,738 3,906,500 3,749,320 3,389,624 3,334,717 ★
2019年8月期比 - -6.2% -10.0% -18.6% -19.9%
2 資本財(対象外) - - - - -
3 燃料・エネルギー関連の活動
(スコープ1またはスコープ2に含まれないもの)
43,836 24,815 15,536 6,392 5,693*1 ★
4 上流の輸送・流通 355,654 552,711 503,393 644,578 648,584 ★
5 事業において発生した廃棄物 120,006 83,335 97,879 87,429 84,948*1 ★
6 出張 6,655 14,822 14,891 14,680 14,340 ★
7 従業員の通勤 61,120 54,554 54,809 54,031 52,779 ★
8 上流のリース資産 - - - 475*2 8,104*2 ★
9 下流の輸送・流通 - - - - -
10 販売した製品の加工(対象外) - - - - -
11 販売した製品の使用(対象外) - - - - -
12 販売した製品の使用後処理 438,926 764,228 750,291 759,664 677,284*1 ★
13 下流のリース資産(対象外) - - - - -
14 フランチャイズ 10,086 2,731 1,391 1,348 1,328 ★
15 投資(対象外) - - - - -

温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、および排出係数の決定に関する不確実性ならびに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。

*1
2025年8月期は、カテゴリ3、5、12の排出係数に、国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAv3.5.1 標準版(IPCC2021 without LULUCF AR6)を使用しています。

*2
2024年8月期は消化仕入れ店舗に由来する排出量、2025年8月期は店舗入居建物における経営支配力のない全館空調に由来する排出量を算定対象としました。ガスの使用量を把握できる国内ビルイン店舗については、全館空調に係る排出があるとみなして計上しています。その他ビルイン店舗については、前述の国内ビルイン店舗のガス使用割合を基に推定計算を行っています。

カテゴリ1:
ファーストリテイリンググループの商品生産における原材料生産・素材生産・縫製に関わる排出量に加え、広告費、店舗什器・資材、パッケージ・副資材に関わる排出量を対象としています。素材生産には、織布・染色・紡績(一部)が含まれます。
また、集計期間は、前年の春夏・秋冬商品を対象としています。(例:25年8月期の場合は、2024年春夏・秋冬商品)

カテゴリ5:
可燃物と廃プラを対象とし、店舗以外のサイトについては国内拠点のオフィス、倉庫などを対象としています。

カテゴリ12:
集計期間は、前年の春夏・秋冬商品を対象としています。(例:25年8月期の場合は、2024年春夏・秋冬商品)
2022年8月期以降は、精度向上を目的に排出原単位を見直しています。

第三者保証および検証レポート

GHGプロトコルで定められている、自社事業におけるエネルギー使用由来の温室効果ガス排出であるスコープ1、スコープ2、およびサプライチェーンなどからの温室効果ガス排出であるスコープ3については、信頼性向上のため、2019年8月期以降、第三者検証および保証を実施しており、★を付した2025年8月期のデータは KPMGあずさサステナビリティ株式会社による保証を受けました。

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