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生物多様性への対応

最終更新日: 2023.11.07
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ファーストリテイリングは、事業が生物多様性に与える影響を可能な限り回避・低減するとともに、生物多様性の再生・保全に努めます。

生物多様性保全方針

生物多様性は、衣食住を含む私たちの社会の基盤を支えています。ファーストリテイリングの事業も、綿花などの作物を育てる土壌、森林や湿地が貯留する水、ウールを作るための羊の放牧に必要な牧草地など、生物多様性に支えられた生態系の機能に依存しています。同時に、綿花栽培や、ウール、カシミヤ等の生産のために家畜を放牧することで利用する土地や水、衣服の製造過程における排水等を通じて生物多様性に影響を与えています。ファーストリテイリングは、事業が生物多様性に与えるこれらの影響を可能な限り回避・低減するとともに、生物多様性の再生・保全に向けた取り組みを推進します。

リスクアセスメント

生物多様性のリスクアセスメント

2021年に、生物多様性のリスクアセスメントを実施しました。国際自然保護連合(IUCN)のガイドラインを参考に当社のバリューチェーンにおける生物多様性への「影響」と「依存度」のリスクを定性的に評価しました。

「影響」と「依存度」の評価方法
「影響」と「依存度」の評価方法

「影響」の評価結果
バリューチェーンの各工程における主要な生態系への影響(土地改変、汚染、外来生物)について、リスクを評価しました。コットン生産時の土地改変と汚染、レーヨン生産時の土地改変、また、原材料に関わらず、商品の使用と廃棄による汚染などにおいて、生態系に影響を与えるリスクが高いとの結果となりました。
「影響」の評価結果

「依存度」の評価結果
バリューチェーンの各工程における主要な生態系への依存(各生態系サービスへの依存)について、リスクを評価しました。水の供給や気候の安定化、防災機能において、生態系に依存するリスクが高いとの結果となりました。
「依存度」の評価結果

目標

ファーストリテイリングは、リスクアセスメントの結果をふまえ、バリューチェーン全体において生物多様性への影響を回避・軽減させ、生物多様性の保全・再生を進めることで、長期的に生物多様性に対するネットポジティブインパクトの達成をめざします。
※生物多様性に対するネットポジティブインパクト:生物多様性への正の影響が負の影響を上回っている状態

取り組み

リスクアセスメントの結果をふまえ、水使用量の削減や有害化学物質の排出ゼロに向けた取り組みなど既に実施している取り組みをいっそう強化するとともに、生物多様性の観点から新たに特定された課題に対しては、以下の取り組みを進めます。より詳細な取り組み内容や目標、期限などについては、別途実行計画に定め、着実に実行していきます。

◆トレーサビリティの強化・確保およびデータの取得・記録
 事業に関する影響を正確に把握するために、トレーサビリティを強化し、原産地情報について可能な限り農場レベルまで追跡可能にします。また、調達先の情報について、データを取得・記録する仕組みを整理し、生物多様性保全を進める情報基盤の構築を進めます。

◆生物多様性上のリスクの高い地域からの調達の回避
 すべての原材料の調達について、生物多様性の観点からリスクの高いエリア(法的な保護区や希少種の生息地を含む)および水資源等の生態系サービスの喪失リスクが高い地域からの調達を回避します。木材由来素材の調達については、森林破壊につながる森林からの調達を回避し、森林破壊ゼロをめざします。

◆リスクの高い原材料について認証を取得
 原材料について、生物多様性に配慮した認証付きの原材料への切り替えを進めます。特に使用量が多く生物多様性への影響も大きいコットンについては、生物多様性に配慮したコットンへ切り替えを進めます。また、カシミヤについても、別途定めた当社の基準を満たすもののみを採用します。

◆リスクの高い原材料の影響を低減・リスクの低い原材料へ転換
 生物多様性への影響が大きい素材については、影響が低い代替素材への転換を図り、リジェネラティブ農法などを採用する農家からの調達比率を高めます。先進技術や新素材の探索、開発および投資を積極的に進めます。
※農地の土壌を健全に維持するだけでなく、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復に繋げることをめざす農法

◆サプライヤー向けスタンダードの作成・開示
 生物多様性への配慮事項についてサプライヤー向けの基準を設定し、サプライチェーン全体での配慮を徹底します。

◆自然の再生・創出活動の展開
 コットンやカシミヤ等の原材料の生産地や、製造加工拠点の周辺地域など、生物多様性への影響が生じうるエリアにおいて、生態系の再生や保全の活動を進めます。

◆サプライヤーへの資金・教育等支援
 生態系の保全、リジェネラティブ農業などへの転換を行う農家への資金援助、また、サプライヤーに対し、生物多様性の重要性などに関する教育を行います。

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