最終更新日: 2024.12.27
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ファーストリテイリングは、循環型社会の実現にむけて、お客様に長く着ていただける服を生産し販売するだけでなく、より長くご使用いただくための取り組みや、服を捨てずに、服の価値を最大限活かしていく取り組みも、重要な責務だと考えています。
より服を長くご使用いただくための取り組み―服のお手入れ動画の公開
私たちが考える良い服は、ご購入いただいたお客様に、より長くご使用いたただけることが大前提にあります。ユニクロでは、お客様にご購入いただいた服をより長く着ていただけるよう「ニットの洗い方」や「ウールコートのお手入れ」など様々な洋服のお手入れ動画を公開しています。
関連リンク
Reduce-服の廃棄をできる限り減らす取り組み-リペア・リメイク・アップサイクル
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• 2021年8月、ユニクロとドイツのNGO、Berliner Stadtmissionは、共同でベルリンのタウエンツィーンシュトラーセにあるユニクロ旗艦店に、「セカンドライフスタジオ」を設立し、無料のワークショップを開催しました。このワークショップでは、スタジオのデザイナーチームが、お客様が店舗に持ち込んだ古着をパッチワークのデニムバッグや刺繍入りのTシャツなどのアップサイクル品に生まれ変わらせ、お客様に提供しました。また、2022年1月に、米国ニューヨークのソーホーにあるユニクロ旗艦店に有料のリペアサービスを設立し、シャツのボタン交換、縫い目修復、穴あき補修、ファスナー交換などのサービス提供を開始しました。さらに、2022年4月には、英国ロンドンのリージェントストリートにあるユニクロ店舗にリペアスタジオを設置し、ジーンズの穴を刺し子の技法を使って直すリペアサービスや、ユニクロ商品に刺し子や刺繍をすることで自分好みにカスタマイズできるリメイクサービスも提供しています。その他、ハサミや針、糸など日本の刺し子道具も販売しています。国内でも2022年10月より、ユニクロ世田谷千歳台店でトライアルを開始し、2024年11月末時点で22の国と地域・56店舗にまで拡大しています。
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*日本の伝統的な刺繍「刺し子」
Reuse-服を再利用する取り組み-寄贈活動・古着の販売
ファーストリテイリングは、お客様のもとでご不要になった服を世界各地の店舗で回収し、リユースする活動を2006年から行っています。お客様のご協力のもと、2024年8月期は約1,000万点*を回収しました。
まだ着用できる服は、服を必要としている人々に寄贈したり、古着として再流通させ循環型社会の構築につなげる活動に取り組んでいます。ユニクロ、ジーユー、セオリー、プラステ、コントワー・デ・コトニエ、プリンセス タム・タムでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOなどとのパートナーシップを通じ、世界の難民・国内避難民への寄贈、女性や若者の自立支援、緊急災害時の救援衣料として役立てています。服のニーズのあるところに確実に届け、活用していただく取り組みを推進しています。2025年8月期までに、社会的に弱い立場にある人々に対して年間1,000万点(新品およびお客様から回収した服を含む)の衣料を寄贈することをめざし、2024年8月期は430万点(お客様から回収した服のみ)の寄贈要請に応えました。活動開始以降、お客様から回収した服の累計寄贈点数は約5,897万点にのぼります(2006年~2024年8月末)。
また、2023年10月から「UNIQLO古着プロジェクト」をスタートさせ、2024年8月期にはユニクロの国内4店舗で回収した服を古着としてトライアル販売を実施しました。お客様から回収した衣料の中から染め直しに適した素材や状態のものを厳選し、高い技術をもつ日本国内の染色工場でそれぞれの素材に応じた染め直しを行っている他、専門業者が丁寧に洗濯した商品の販売も行っています。販売を通してお客様からいただいたご意見や課題を分析し、古着のトライアル販売を今後も継続していく予定です。
*回収量は300グラム/点での概算。寄贈はニーズに応じて18のカテゴリーに選別し、カテゴリー毎に平均入り数を設定した上で、圧縮梱包(ベール梱包)し、ベール単位で寄贈しています。寄贈量はカテゴリーごとの平均入り数をベースに算出しているため、回収量と寄贈量で算出方法が異なります。
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Recycle-服をリサイクルする取り組み
回収した服から新しい服へのリサイクルを行い、再びお客様にお届けする取り組みを進めています。
具体的には、ユニクロでは、回収したダウンジャケットのダウンとフェザーを抽出し、新しいダウンジャケットの原材料として活用しています。例えば、2024年10月に発表した「UNIQLO and White Mountaineering (ユニクロ アンドホワイトマウンテニアリング)」とのコラボレーション商品のリサイクルハイブリッドダウンジャケットには、東レと共同で開発した独自のダウンリサイクルテクノロジーによって再生したダウンとフェザーが身頃に100%使用されています。
また2024年夏にフランスで開催された世界的スポーツ大会でスウェーデン代表選手団に提供した公式ウェアに、ユニクロで初めて、店舗で回収した商品(ポリエステル高混率素材)の一部を化学的にリサイクルした素材を採用しました。
ジーユーでも、商品を回収する際にポリエステル素材を分別し、新しい商品の素材にリサイクルする取り組みを行っています。
また、服へリサイクルできないものは、断熱材や防音材などの資材として活用します。例えば、2023年4月にオープンした、消費電力を抑えるためにさまざまな工夫を実現したユニクロ 前橋南インター店では、外壁の断熱材の約30%に、回収したユニクロの服を細かく裁断したリサイクル素材を使用しています。また、自動車用防音材は、約4.3kgの古衣料*1が、裁断・反毛されたのちに、車1台分に使われる防音材にリサイクルされ、自動車のエンジン音や電気自動車の高周波を低減する役割を果たします。資材として活用できない場合は、固形燃料(RPF*2)に転換しています。RPFは、服や廃プラスチック・紙や木のくずを原料とし、石炭など化石燃料の代替として、製紙会社などの専用ボイラーなどで使われています。
*1 情報提供元:日本特殊塗料株式会社
*2 RPF :Refuse Paper and Plastic Fuelの略