最終更新日: 2025.07.10
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以下は7月10日に発表した「2025年8月期 第3四半期決算サマリー」です。
【決算ハイライト】
■2025年8月期第3四半期の連結業績:増収増益。過去最高の業績
- 売上収益は2兆6,167億円、前年同期比10.6%増、営業利益は4,509億円、同12.2%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,390億円、同8.4%。
- 第3四半期3カ月間は、日本、欧州、北米、東南アジア・インド・豪州地区、韓国のユニクロ事業がグループ全体の業績をけん引。
■国内ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収増益
- 第3四半期3カ月間の売上収益は2,598億円、前年同期比9.7%増、営業利益は529億円、同4.7%増。
- 既存店売上高は7.5%増。夏物コア商品や通年商品の販売が好調。感謝祭やゴールデンウィーク商戦も大盛況。
- 粗利益率は、原価率と値引率の上昇により2.1p低下。販管費比率は、増収となったことで1.2p改善。
- 9カ月累計の売上収益は、8,014億円、同11.0%増、営業利益は1,506億円、同17.8%増。
■海外ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収増益
- 第3四半期3カ月間の売上収益は4,429億円、前年同期比8.3%増、営業利益は721億円、同1.5%増。現地通貨ベースでは、売上収益は約14%増、営業利益は約7%増。
- 韓国、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は増収増益。マーケティングを強化した夏物コア商品の販売が好調だったことや、LifeWearのブランド価値が伝わる質の高い出店の継続により、好調な業績。
- グレーターチャイナは減収減益。中国大陸は、市場全体の消費意欲の低下や5月初旬までの低気温により、実需が盛り上がらず、減収減益。
- 9カ月累計の売上収益は、1兆4,571億円、同12.7%増、営業利益は2,406億円、同8.4%増。
■ジーユー事業:第3四半期3カ月間は増収、大幅な減益
- 第3四半期3カ月間の売上収益は904億円、前年同期比4.1%増、営業利益は124億円、同12.1%減。
- バレルレッグパンツ群やスウェT、ドライTなどの夏物商品の販売が好調も、羽織物やロングTシャツなど、チャンスの見えた商品の数量とマーケティングが不足し、既存店売上高は若干の増収。
- 9カ月累計の売上収益は、2,562億円、同4.0%増、営業利益は263億円、同10.7%減。
■グローバルブランド事業:第3四半期3カ月間は減収増益
- 第3四半期3カ月間の売上収益は327億円、前年同期比4.6%減、営業利益は19億円、同35.1%増。
- セオリー事業の販売苦戦により、減収となった一方で、コントワー・デ・コトニエ事業の赤字幅縮小により、増益。
- 9カ月累計の売上収益は、1,005億円、同3.1%減、営業利益は28億円と、前年の赤字から黒字に転換。
■2025年8月期業績予想:直近予想から変更なし。過去最高の業績、前期比80円の増配を予想
- 連結業績、配当金ともに直近予想から変更せず。
- 売上収益3兆4,000億円、前期比9.5%増、営業利益5,450億円、同8.8%増、親会社の所有者に帰属する当期利益4,100億円、同10.2%増を見込む。
- 1株当たり年間配当金は、中間配当金240円、期末配当金240円、合わせて年間480円を予想。年間で前期比80円の増配予定。
業績概要
■国内ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収増益
国内ユニクロ事業の第3四半期9カ月間累計の売上収益は8,014億円(前年同期比11.0%増)、営業利益は1,506億円(同17.8%増)と、大幅な増収増益となりました。
第3四半期3カ月間も増収増益となりました。通年商品の販売が好調だったことに加え、感謝祭やゴールデンウィーク商戦で夏物コア商品が売上をけん引し、既存店売上高は7.5%増となりました。売上総利益率は、2.1ポイント低下しました。これは、調達に使用している為替予約レートが円安となった影響で、原価率が上昇したことに加え、春物を中心に、在庫処分のための値引き販売を早期に行ったことで、値引率が上昇したことによります。売上高販管費率は、増収となったことで、人件費比率や賃借料比率、広告宣伝費比率が低下し、同1.2ポイント改善しました。
■海外ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収増益
海外ユニクロ事業の第3四半期9カ月間累計の売上収益は1兆4,571億円(前年同期比12.7%増)、営業利益は2,406億円(同8.4%増)と、大幅な増収、増益となりました。コア商品への支持が高まっていることに加え、各地域でLifeWearのブランド価値が伝わる質の高い出店を継続していることで、好調な業績となりました。
第3四半期3カ月間の地域別の業績(現地通貨ベース)については、中国大陸は、前年同期比約5%の減収、営業利益は同約3%の減益となりました。これは、市場全体の消費意欲が低下していることや、5月初旬まで低い気温が続き、実需が盛り上がらなかったことによります。香港と台湾は増収となりましたが、原価率の上昇により売上総利益率が低下したことに加え 、売上高販管費比率が上昇したことで、大幅な減益となりました。韓国は、戦略的に春物商品や通年商品の在庫を準備し、端境期の商売が上手くいったことに加え、マーケティング戦略が奏功したことで、大幅な増収増益となりました。東南アジア・インド・豪州地区は、大幅な増収、増益となりました。夏物商品を中心に好調な販売となり、既存店売上高は増収となりました。北米は大幅な増収増益、欧州は大幅な増収、増益と、好調な業績が継続しています。戦略的にマーケティングを強化したことで、コア商品を中心に販売が好調でした。また、第3四半期3カ月間に新規出店した店舗も好調な販売となり、新規顧客の獲得と認知度の向上が続いています。
■ジーユー事業:第3四半期3カ月間は増収、大幅な減益
ジーユー事業の第3四半期9カ月間累計の売上収益は2,562億円(前年同期比4.0%増)、営業利益は263億円(同10.7%減)と、増収、大幅な減益となりました。
第3四半期3カ月間も、増収、大幅な減益となりました。バレルレッグパンツ群やスウェT、ドライTなどの夏物商品の販売が好調で既存店売上高は若干の増収となりましたが、羽織物やロングTシャツなど、チャンスの見えた商品の数量とマーケティングが不足したことで、売上は業績予想を下回りました。売上総利益率は円安影響を受け、原価率が上昇したことで、低下しました。売上高販管費比率は、上昇しました。これは、給与水準を引き上げた一方で、売上を十分に拡大できず、人件費比率や本部費比率が上昇したことによります。
■グローバルブランド事業:第3四半期3カ月間は減収増益
グローバルブランド事業の第3四半期9カ月間累計の売上収益は1,005億円(前年同期比3.1%減)と、減収、営業利益は28億円(前年同期は3億円の赤字)と黒字化しました。
第3四半期3カ月間では、セオリー事業は減収減益となりました。これは主に、日本事業が百貨店の販売に苦戦していることや、アジア事業が消費意欲の低下の影響を受けたことで、いずれも減収減益となったことによります。プラステ事業は、大幅な増収増益となりました。新商品の販売が好調だったことや、感謝祭での打ち出しが奏功したことで、好調な販売となりました。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が減少したことで減収となりましたが、お買い求めやすい価格帯へ見直した商品の販売が好調だったことや、改装した店舗の販売が好調だったことで、既存店売上高は増収、赤字幅は縮小しました。
■2025年8月期業績予想:直近予想から変更無し。過去最高の業績、前期比80円の増配を予想
2025年8月期通期は、売上収益3兆4,000億円(前期比9.5%増)、事業利益5,400億円(同11.3%増)、営業利益5,450億円(同8.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,100億円(同10.2%増)と、4月に発表した直近予想から変更せず、過去最高の業績を見込んでいます。なお、米国政府が発表した相互関税や追加関税の影響額は、グループの下期の事業利益の1%程度の水準を見込んでいます。今期は、すでに相当量の商品が米国国内に入庫しているため、影響は限定的です。
セグメント別では、海外ユニクロ事業は、現地通貨ベースで、下期、通期ともに、大幅な増収、営業利益は増益となる見込みです。地域別では、グレーターチャイナは、下期、通期ともに、減収、10%程度の減益を予想しています。韓国は、下期、通期ともに大幅な増収増益を見込んでいます。東南アジア・インド・オーストラリア地区は、下期は大幅な増収、営業利益は、ロイヤリティ費用の増加の影響を除くと、大幅な増益と予想しています。通期では、大幅な増収増益の予想です。北米と欧州は、下期、通期ともに、大幅な増収増益の見込みです。国内ユニクロ事業は、下期は増収増益、通期は、増収、大幅な増益となる見込みです。ジーユー事業は、下期、通期ともに、増収減益を見込んでいます。グローバルブランド事業は、下期、通期ともに減収、営業利益は、コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業の事業構造改革に伴い、減損損失など約40億円の費用を見込んでいるため、若干の赤字となる見込みです。
期末配当金は、直近予想から変更せず、1株当たり240円を予想しています。すでに実施した1株当たり中間配当金240円と合わせて、年間配当金は480円の予想となり、前期と比べて年間では80円の増配となっています。