最終更新日: 2025.01.09
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以下は1月9日に発表した「2025年8月期 第1四半期決算サマリー」です。
【決算ハイライト】
■2025年8月期第1四半期の連結業績:大幅な増収増益
- 売上収益は8,951億円、前年同期比10.4%増、売上収益から売上原価と販管費を控除して算出する事業そのものの利益である事業利益は1,569億円、同11.0%増。
- 営業利益は1,575億円、同7.4%の増益。為替の影響により、事業利益に比べて増益幅が小さい。
- 国内ユニクロ事業、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州のユニクロ事業は、好調な業績が継続。
■国内ユニクロ事業:増収、大幅な増益。気温に左右されにくい商売を確立しつつある
- 売上収益は2,666億円、前年同期比9.0%増、営業利益は521億円、同12.1%増。。
- 既存店売上高は7.3%の増収。9月は高い気温に合わせた商品構成、マーケティングを展開し販売が好調だったことに加え、気温が低下した11月は40周年感謝祭が大盛況。
- 粗利益率は、値引率が若干拡大し0.2p低下。販管費比率は、人件費比率や賃借料比率が改善し、0.9p改善。
■海外ユニクロ事業:大幅な増収、営業利益は増益。欧米、東南アジア・インド・豪州地区が好調
- 売上収益は5,017億円、前年同期比13.7%増、営業利益は835億円、同7.4%増。
- グレーターチャイナは減収、大幅な減益。中国大陸は、暖冬に対応した商品構成や、地域ごとのきめ細かい対応が不十分だったことで減収、大幅な減益。
- 東南アジア・インド・豪州地区は、大幅な増収増益。
- 北米は、大幅な増収、増益。テキサス州をはじめとする新規エリアへ出店し、好調な販売。さらなる成長ポテンシャルを確認。
- 欧州は、大幅な増収増益。出店エリアの拡大に伴い、ユニクロの知名度が向上し、顧客層の拡大が継続。
■ジーユー事業:増収、大幅な減益
- 売上収益は906億円、前年同期比3.1%増、営業利益は98億円、同20.2%減。
- 気温に左右されにくいマストレンドのヒット商品が十分になかったこと、売れ筋商品が欠品したことで、既存店売上高は前年並み。
- 粗利益率が低下、販管費比率が上昇したことで、大幅な減益。
■グローバルブランド事業:減収増益
- 売上収益は357億円、前年同期比2.4%減、営業利益は18億円、同373.3%増。
- セオリー事業が販売に苦戦し、減収。セオリー事業を含むすべての事業で販管費比率が改善し、増益。
■2025年8月期の連結業績予想:期初予想から変更なし。過去最高の業績を見込む
- 期初予想通り、売上収益3兆4000億円、前期比9.5%増、営業利益5,300億円、同5.8%増、親会社の所有者に帰属する当期利益3,850億円、同3.5%増を見込む。
- 1株当たり年間配当金は中間配当金225円、期末配当金225円、合わせて450円を予想。
業績概要
■国内ユニクロ事業:増収、大幅な増益。気温に左右されにくい商売を確立しつつある
国内ユニクロ事業の第1四半期の売上収益は2,666億円(前年同期比9.0%増)、営業利益は521億円(同12.1%増)と、増収、大幅な増益となりました。既存店売上高(Eコマースを含む)は、9月と11月の販売が好調だったことで、同7.3%の増収となりました。9月は、夏物商品の在庫を十分にもち、売り込みを強化したことで、Tシャツやブラトップなどの販売が好調でした。11月は、ヒートテックインナーやカシミヤなどの冬物防寒衣料の販売が好調だったことに加え、40周年感謝祭も大盛況となりました。売上総利益率は、値引率が若干拡大し、同0.2ポイント低下しました。売上高販管費率は、人件費比率や賃借料比率が低下したことで、同0.9ポイント改善しました。
■海外ユニクロ事業:大幅な増収、営業利益は増益。欧米、東南アジア・インド・豪州地区が好調
海外ユニクロ事業の第1四半期の売上収益は5,017億円(前年同期比13.7%増)と大幅な増収、営業利益は835億円(同7.4%増)と増益となりました。東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、大幅な増収増益と、好調な業績が継続しています。
地域別の業績(現地通貨ベース)については、グレーターチャイナのなかで、中国大陸は、期を通して気温が高く推移した一方で、暖冬に対応した商品構成や、地域ごとのきめ細かい対応が不十分だったことで減収、大幅な減益となりました。香港と台湾は、若干の減収、大幅な減益となりました。韓国は、カジュアルシャツ、スウェットなど気温に左右されにくい年間定番商品の販売が好調で、増収増益となりました。東南アジア・インド・豪州地区は、大幅な増収増益となりました。Tシャツやショートパンツ、ブラトップなどの夏物コア商品に加えて、新商品の半袖のケーブルニットの販売が好調で、既存店売上高は増収となりました。北米は大幅な増収、営業利益は増益となりました。カシミヤ、パフテックなどの販売が好調で既存店売上高が増収となりました。また、この第1四半期では、テキサス州をはじめとする新規エリアへ出店し、計画を上回る好調な販売となりました。新規エリアでの成長により、北米市場でのさらなる成長ポテンシャルを確認しました。欧州は、大幅な増収増益となりました。冬物を早期に立ち上げたことで、シームレスダウン、カシミヤなど冬物商品の販売が好調で、既存店売上高は大幅な増収となりました。9月に出店したポーランドの1号店をはじめとする新店も大変好調な販売となっています。出店エリアの拡大に伴い、ユニクロの知名度が向上し、顧客層の拡大が継続しています。
■ジーユー事業:増収、大幅な減益
ジーユー事業の第1四半期の売上収益は906億円(前年同期比3.1%増)、営業利益は98億円(同20.2%減)と、増収、大幅な減益となりました。この秋冬から打ち出したバレルレッグジーンズが好調な販売となりましたが、気温に左右されないマストレンドのヒット商品が十分になかったことや、売れ筋商品が欠品したことで、当第1四半期連結累計期間の既存店売上高は前年並みにとどまりました。利益面では、売上総利益率が低下、売上高販管費比率が上昇したことで、大幅な減益となりました。ジーユー事業は、国内外で確固たるブランドポジションを確立できていないことが課題です。国内ジーユー事業の立て直しを最優先に、今後は、グローバルにR&Dを強化することによるマストレンド商品の開発強化や、年間定番商品の数量計画と販売計画の精緻化、売れ筋商品の欠品の抑制、ジーユーの世界観が伝わる情報発信の強化、店舗経営の質の向上などに取り組んでいきます。
■グローバルブランド事業:減収増益
グローバルブランド事業の第1四半期の売上収益は357億円(前年同期比2.4%減)、営業利益は18億円(同373.3%増)と、減収増益となりました。これは主に、セオリー事業が販売に苦戦し、減収となった一方で、セオリー事業を含むすべての事業で売上高販管費比率が改善し、増益となったことによります。セオリー事業は、減収増益となりました。売上収益は、商品構成がお客様のニーズに十分に対応していなかったことに加え、アジア事業が消費意欲の低迷の影響を受けたことで、減収となりました。営業利益は、米国事業を中心に売上高販管費比率が改善したことで、増益となりました。プラステ事業は、戦略的に売り込む商品を明確にし、マーケティングと在庫を準備したことで大幅な増収、営業利益は黒字化しました。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が3割減少したことで減収となりましたが、お買い求めやすい価格帯へ見直した商品の販売が好調で、既存店売上高は2桁の大幅な増収となり、赤字幅は縮小しました。
■2025年8月期の業績予想:期初予想通り、変更なし
通期の業績予想は、売上収益3兆 4,000 億円(前期比 9.5%増)、営業利益 5,300 億円(同5.8%増)、税引前利益 5,850 億円(同 5.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益 3,850 億円(同 3.5%増)と、2024年10月に発表した期初予想から変更していません。第1四半期および12月の売上収益は、業績予想を若干下回る水準となりましたが、営業利益は、ほぼ計画通りとなっています。
海外ユニクロ事業の上期は、東南アジア・インド・オーストラリア地区、欧州、北米が好調な業績となっていることから、大幅な増収増益となる見込みです。業績予想に対しては、グレーターチャイナの業績が下振れて進捗していることから、海外ユニクロ事業全体でも下回る見込みです。地域別では、グレーターチャイナは、上期は業績予想を下回り、減収減益となる見込みです。韓国は、ほぼ業績予想通りの増収増益の見込み、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、ほぼ業績予想通り、大幅な増収増益となる予想です。国内ユニクロ事業ですが、12月も既存店売上高が大幅な増収と、好調な販売となっていることから、上期は増収、大幅な増益と、業績予想を上回る見込みです。ジーユー事業の上期は、増収となる見込みですが、米国1号店の出店費用の計上により営業利益は減益となる見込みです。これは、業績予想を下回る水準です。グローバルブランド事業は、上期の売上収益は前年並み、営業利益は黒字化を見込んでいます。売上収益は、業績予想を下振れて進捗、営業利益はほぼ計画通りの進捗です。
1株当たり年間配当金は、中間配当金225円、期末配当金225円を合わせて450円、年間で前期比50円の増配を予想しています。