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重点領域

最終更新日: 2023.10.06
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経営戦略として重点領域(マテリアリティ)を特定

ファーストリテイリンググループは、「世界No.1のアパレル情報製造小売業」になることを目標に掲げています。その実現のためには、ファーストリテイリンググループの成長とともに、事業に関わる社会・地球環境が持続的に発展することが前提条件と考えています。ファーストリテイリングは経営戦略の一環として、サステナビリティ活動のなかで6つの重点領域(マテリアリティ)を特定し、各領域で目標やコミットメントを掲げ、その達成に向けた活動を行っています。

重点領域(マテリアリティ)特定のプロセス

以下の4つのプロセスを経て、重点領域(マテリアリティ)の特定を行いました。
特定に際しては、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)やESG投資の調査機関が求める指標などを参考としています。

1. 課題項目を抽出 GRI(Global Reporting Initiative)やESG調査機関による評価項目、国連SDGsなどを参考に、コミュニティへの貢献、責任ある調達と生産、商品や店舗における環境配慮、従業員エンゲージメント、コーポレートガバナンスなどに関する130の課題項目を洗い出した。 2. マッピング(課題の優先順位づけ)と妥当性の確認 
自社における重要度を横軸、お客様などステークホルダーへの影響と期待を縦軸として、洗い出した課題項目のマッピングを行い、両軸において重要度の高い要素を抽出した。マッピングのプロセスにおいては、社外有識者、社外取締役、社内関連部門の管理職からのヒアリングをベースにした。 3. 重点領域(マテリアリティ)の特定  
サステナビリティ委員会*の議論を経て、6つの重点領域(マテリアリティ)を特定した。
サステナビリティ委員会は、社外取締役、社内取締役、常勤監査役、執行役員、社外有識者で構成されている。 4. アクションプランと実行  
重点領域ごとに任命した、執行役員のもと、アクションプランを策定し、複数のプロジェクトを開始。プロジェクトごとに目標と期限を決め、着実に目標達成に向けて実行している。

6つの重点領域(マテリアリティ)

ファーストリテイリングが取り組むべきサステナビリティ活動における6つの重点領域(マテリアリティ)を設定しました。

 

1. 商品と販売を通じた新たな価値創造

ファーストリテイリンググループは、FAST RETAILING WAY(FRグループ企業理念)のなかで「本当に良い服、今までにない新しい価値をもつ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」という基本的な考え方を掲げています。

主力ブランドのユニクロはLifeWearというブランドコンセプトのもと、あらゆる人々の暮らしを豊かにする商品をお届けし、お客様に服を着る喜びと幸せを伝えています。画期的な商品を開発する力、取引先との強固なパートナーシップ、大規模な店舗ネットワークを通して、ユニクロは独自のブランディングを確立し、従来のアパレル業界にはなかった「新しい価値」を創造してきました。 これからは、服の機能性や品質を高めるだけではなく、社会の課題や環境問題などを解決しながら、新しい価値創造を行うことが求められています。例えば、生産の現場において環境に配慮した生産プロセスを導入し、倫理的な原材料調達(動物愛護、環境配慮、農家の生活への配慮など)を行うことです。これらの活動により、お客様に「安心」をお届けすることができると考えています。 こうした服のビジネスを通じた、新しい価値の創造を行うことで、ファーストリテイリングは社会に貢献していきます。

 

2. サプライチェーンの人権・労働環境の尊重

サプライチェーンで働くすべての人の基本的人権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保することが、最も重要な責務だと考えています。いかなる人権侵害(特に、児童労働や強制労働、ハラスメント、差別や暴力など)も容認しないという方針を取引先工場と共有し、遵守していただく仕組みを構築しています。ファーストリテイリングでは、すべての取引先工場に、ファーストリテイリングが策定した「生産パートナー コードオブコンダクト」への遵守を要請しています。「生産パートナー コードオブコンダクト」は、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準に沿っています。また、国連のビジネスと人権に関する指導原則など、グローバルレベルの人権原則や宣言に沿って、この分野での責任を果たしていきます。

 

3. 環境への配慮

ファーストリテイリングは、事業活動における自社とサプライチェーン全体であらゆる無駄をなくし、資源の有効活用を推進していきます。地球環境の負荷の低減に貢献すると同時に、革新的な技術を積極的に活用することで、持続可能なビジネスを構築します。環境分野において以下の5つの領域に注力しています。

  • ・気候変動への対応
  • ・エネルギー効率の向上
  • ・水資源の管理
  • ・廃棄物管理と資源効率の向上
  • ・化学物質管理
 

4. コミュニティとの共存・共栄

国際社会は現在、環境負荷の増大、貧困、難民問題、人種差別、テロ、地域紛争など数多くの社会的課題に直面しています。グローバルで事業を展開しているファーストリテイリングは、一企業として、このような社会的課題の解決に積極的に取り組んでいます。各コミュニティの経済状況、社会状況が安定していなければ、小売業は成り立ちません。生産拠点も同様です。ファーストリテイリングは、地域コミュニティとの共存・共栄をめざし、自社が持つ店舗・人材・商品・ノウハウなどを活用し、コミュニティへの貢献活動を積極的に行っていきます。

 

5. 従業員の幸せ

企業活動の主役は人です。ファーストリテイリングは、FAST RETAILING WAY(FRグループ企業理念)のなかで、従業員が共有すべき価値観として、「個の尊重、会社と個人の成長」を掲げています。会社が成長するとともに、従業員一人ひとりが仕事を通じて、プロフェッショナルな能力・スキルを高め、いきいきと働くことで、個人としての成長をめざします。これを推進するために、「従業員エンゲージメント方針」を策定し、1)機会均等と多様性の推進、2)従業員教育と育成、3)従業員の健康と安心・安全な職場環境の3つの領域に焦点をあてた活動を行っています。

 

6. 正しい経営

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というコーポレートステートメント(企業理念)を掲げるファーストリテイリングは、「世界No.1のアパレル情報製造小売業」を目標とした事業拡大とともに、服のビジネスを通じたサステナビリティ活動を通して、お客様、取引先、株主の皆様をはじめとするすべてステークホルダーからのご要望に応える、迅速で透明性のある経営体制をめざしています。
これを実現するために、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めています。当社は監査役制度を基礎とし、取締役の過半数を社外取締役とすることにより、取締役会の独立性を高めるとともに、監督機能を強化しています。また、執行役員制度の導入により、経営の意思決定と業務執行の機能の分離を図り、迅速な経営判断・業務執行を行っています。このほか、取締役会の機能を補完するために、人事委員会、サステナビリティ委員会、開示委員会、IT投資委員会、コードオブコンダクト委員会、企業取引倫理委員会、および人権委員会を設け、それぞれの委員会の目的を果たすべく迅速でオープンな討議・決定を行っています。

従業員の行動規範として制定した「ファーストリテイリンググループ コードオブコンダクト」に基づく行動を全社員が実践し、また、内部統制システムの適正な運用にも継続的に取り組み、コーポレート・ガバナンスの強化に努めます。

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