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重点領域

最終更新日: 2024.02.29
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経営戦略として重点領域(マテリアリティ)を特定

ファーストリテイリンググループは、「世界No.1のアパレル情報製造小売業」になることを目標に掲げています。その実現のためには、ファーストリテイリンググループの成長とともに、事業に関わる社会・地球環境が持続的に発展することが前提条件と考えています。ファーストリテイリングは経営戦略の一環として、サステナビリティ活動のなかで6つの重点領域(マテリアリティ)を特定し、各領域で目標やコミットメントを掲げ、その達成に向けた活動を行っています。

重点領域(マテリアリティ)特定のプロセス

以下の4つのプロセスを経て、重点領域(マテリアリティ)の特定を行いました。
特定に際しては、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)やESG評価機関が求める指標などを参考に課題項目を洗い出し、自社における重要度やお客様などステークホルダーへの影響と期待を踏まえて重要度の高い要素を抽出、サステナビリティ委員会での議論を経ました。

1. 課題項目を抽出 
GRI(Global Reporting Initiative)やESG評価機関による評価項目、国連SDGsなどを参考に、コミュニティへの貢献、責任ある調達と生産、商品や店舗における環境配慮、従業員エンゲージメント、コーポレートガバナンスなどに関する130の課題項目を洗い出した。 2. マッピング(課題の優先順位づけ)と妥当性の確認 
自社における重要度を横軸、お客様などステークホルダーへの影響と期待を縦軸として、洗い出した課題項目のマッピングを行い、両軸において重要度の高い要素を抽出した。マッピングのプロセスにおいては、社外有識者、社外取締役、社内関連部門の管理職からのヒアリングをベースにした。 3. 重点領域(マテリアリティ)の特定  
サステナビリティ委員会*の議論を経て、6つの重点領域(マテリアリティ)を特定した。
サステナビリティ委員会は、社外取締役、社内取締役、常勤監査役、執行役員、社外有識者で構成されている。 4. アクションプランと実行  
重点領域ごとに任命した執行役員のもと、アクションプランを策定し、複数のプロジェクトを開始。プロジェクトごとに目標と期限を決め、目標達成に向けて取り組みを進めている。

6つの重点領域(マテリアリティ)

ファーストリテイリングが取り組むべきサステナビリティ活動における6つの重点領域(マテリアリティ)を設定しました。

 

1. 商品と販売を通じた新たな価値創造

ファーストリテイリンググループは、FAST RETAILING WAY(FRグループ企業理念)のなかで「本当に良い服、今までにない新しい価値をもつ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」という基本的な考え方を掲げています。

主力ブランドのユニクロは、LifeWearというコンセプトのもと、あらゆる人々の暮らしを豊かにする商品をお届けし、お客様に服を着る喜びと幸せを伝えています。画期的な商品を開発する力、取引先との強固なパートナーシップ、大規模な店舗ネットワークを通して、独自のブランディングを確立し、従来のアパレル業界にはなかった「新しい価値」を創造してきました。現在では、服の機能性や品質を高めるだけではなく、社会の課題や環境問題などを解決しながら、新しい価値創造を行うことが求められています。例えば、生産の現場において環境に配慮した生産プロセスを導入し、倫理的な原材料調達(動物愛護、環境配慮、農家の方々の生活への配慮など)を行うことで、お客様に「安心」をお届けすることができると考えています。また、お客様が着なくなった服を回収し、難民・国内避難民に寄贈することで、服を着る喜びと幸せをより多くの人々にお届けすることにつながっていると考えています。こうした服のビジネスを通じた新しい価値創造を行うことで、ファーストリテイリングは社会に貢献していきます。

 

2. サプライチェーンの人権・労働環境の尊重

サプライチェーンで働くすべての人の基本的人権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保することが、最も重要な責務だと考えています。いかなる人権侵害(特に、児童労働や強制労働、ハラスメント、差別や暴力など)も容認しないという方針を生産パートナーと共有し、遵守していただく仕組みを構築しています。ファーストリテイリングでは、生産パートナーに対してファーストリテイリングが策定した「生産パートナー コードオブコンダクト」への遵守を要請しています。「生産パートナー コードオブコンダクト」は、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準に沿っています。また、国連のビジネスと人権に関する指導原則など、グローバルレベルの人権原則や宣言に沿って、この分野での責任を果たしていきます。

 

3. 環境への配慮

ファーストリテイリングは、事業活動における自社とサプライチェーン全体であらゆる無駄をなくし、資源の有効活用を推進していきます。地球環境の負荷の低減に貢献すると同時に、革新的な技術を積極的に活用することで、持続可能なビジネスを構築します。環境分野において以下の6つの領域に注力しています。

  • 気候変動への対応
  • エネルギー効率の向上
  • 生物多様性への対応
  • 水資源の管理
  • 化学物質管理
  • 廃棄物管理と資源効率の向上
 

4. コミュニティとの共存・共栄

国際社会は現在、環境負荷の増大、貧困、難民問題、人種差別、テロ、地域紛争など数多くの社会的課題に直面しています。グローバルで事業を展開しているファーストリテイリングは、「服のチカラを、社会のチカラに。」というサステナビリティステートメントのもと、服のビジネスを通じて、社会の持続的な発展に寄与できるよう、社会的課題の解決に積極的に取り組んでいます。各コミュニティの経済状況、社会状況が安定していなければ、小売業は成り立ちません。生産拠点も同様です。ファーストリテイリングは、地域コミュニティとの共存・共栄をめざし、自社が持つ店舗・人材・商品・ノウハウなどを活用し、コミュニティへの貢献活動を積極的に行っていきます。

 

5. 従業員の幸せ

企業活動の主役は人です。ファーストリテイリングは、FAST RETAILING WAY(FRグループ企業理念)のなかで、従業員が共有すべき価値観として、「個の尊重、会社と個人の成長」を掲げています。会社が成長するとともに、従業員一人ひとりが仕事を通じて、プロフェッショナルな能力・スキルを高め、いきいきと働くことで、個人としての成長をめざします。これを推進するために、「従業員エンゲージメント方針」を策定し、1)機会均等と多様性の推進、2)人材確保と育成、3)従業員の健康と安心・安全な職場環境の3つの領域に焦点をあて、活動を行っています。

 

6. 正しい経営

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というコーポレートステートメント(企業理念)を掲げるファーストリテイリングは、「世界No.1のアパレル情報製造小売業」を目標とした事業拡大とともに、服のビジネスを通じたサステナビリティ活動を通して、お客様、取引先、株主の皆様をはじめとするすべてステークホルダーからのご要望に応える、迅速で透明性のある経営体制をめざしています。

これを実現するために、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めています。当社は監査役制度を基礎とし、取締役の過半数を社外取締役とすることにより、取締役会の独立性を高めるとともに、監督機能を強化しています。また、執行役員制度の導入により、経営の意思決定と業務執行の機能の分離を図り、迅速な経営判断・業務執行を行っています。このほか、取締役会の機能を補完するために、人事委員会、サステナビリティ委員会、開示委員会、IT投資委員会、コードオブコンダクト委員会、企業取引倫理委員会、リスクマネジメント委員会、指名報酬アドバイザリー委員会、および人権委員会を設け、それぞれの委員会の目的を果たすべく迅速でオープンな討議・決定を行っています。

また、従業員の行動規範として制定した「ファーストリテイリンググループ コードオブコンダクト」に基づく行動を全社員が実践し、また、内部統制システムの適正な運用にも継続的に取り組み、コーポレート・ガバナンスの強化に努めます。

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