最終更新日: 2026.02.27
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LifeWearの無限の可能性


服の民主主義
ファーストリテイリングは創業以来、「服を通じて、より良い社会をつくる」ことを使命に事業を行ってきました。私は、世界中のすべての人は、入念にデザインされ、上質な素材を使って、丁寧につくられた服を着る権利があると考えています。私たちは、これを「服の民主主義」と呼んでいます。ユニクロが世に出る前、高級素材や高い機能性をもつ、洗練されたデザインの服は、価格の高い一部の商品に限られていました。その「限られた服」を、私たちは普段着の世界に解き放ちました。洗練されたシンプルなデザイン、高品質で快適な服、丁寧につくられた服を、誰でも買いやすい価格で提供する。服を変えることで、日々の生活を変え、世界を変えたいと考えています。この考えを現実の商品にしたものがLifeWearです。
今、LifeWearへの支持は世界規模で広がり、ユニクロのブームと言ってもいい状況が生まれています。世界的なブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2025」*で、ユニクロは初めて47位にランクインしました。また、米国の「The New York Times」や「The New Yorker」、英国の「The Times」など、世界各国の主要なメディアで、ファーストリテイリングやユニクロが次々と大きく取り上げられています。これは世界中のお客様からのLifeWearに対する強い支持の証しであり、その無限の可能性を示しています。
* 世界最大級のブランディング専門会社 インターブランドによる発表

「意味がある店」をつくる
店舗はLifeWearの価値をお客様に伝える最も有効なメディアです。店頭でのお客様とのコミュニケーションは、あらゆる情報の起点であり、商売の原点です。世界各地にある約3,500店舗は、私たちの一番の強みです。一店舗一店舗、地域のお客様のニーズに基づき、適切な商品構成、色やサイズを揃え、お客様の期待を超える店舗をつくる。楽しい買い物体験を通じて、すべてのお客様の役に立つ、真に「意味のある店」にする。これが私たちのめざす商売です。
2025年9月、ベルギーのアントワープにオープンした「ユニクロ メイヤー店」はその代表的な店舗です。16世紀の歴史的建造物の繊細な意匠を残し、ユニクロのデザインを融合させた、伝統と現代が調和したエレガントな新しい旗艦店です。地元のアーティストやベーカリーなど、ローカル企業とのコラボレーションも展開し、お客様が店舗に入った瞬間、「ここは自分たちの店だ」と感じられる、生活に寄りそった店舗としてご好評を得ています。
地域に密着し、そこにしかない体験をお客様に提供する「意味のある店」をつくれば、世界には無数の出店余地があります。店舗は、メディアとしてブランドの精神を伝えると同時に、Eコマースと連動し、お客様とのコミュニケーションの場となることで、市場をさらに拡大する好循環を生み出します。今から世界中に、こうした旗艦店の出店を加速していきます。
世界No.1へ挑戦
欧州、北米はそれぞれ1兆円へ
世界No.1ブランドに向けて全社の成長をリードしているのは欧州、北米のユニクロ事業です。売上収益は、2022年8月期から4年連続で年率30~50%の成長を達成、その間、事業利益は4倍に拡大しました。欧米合計の売上収益は6,406億円、事業利益は985億円と、すでにグレーターチャイナと並ぶ水準にまで成長しています。両地域でLifeWearのコンセプトが、本当の意味でお客様に浸透し始めていると感じています。
欧米での現在の市場シェアは、まだ0.5%未満に過ぎず、大きな成長余地があります。近い将来、両地域で、それぞれ売上1兆円を達成したいと思います。欧州、北米ともに、ブランドを体現する旗艦店の出店、現地のお客様の声に基づいた商品開発の強化、サプライチェーンの改革、国の垣根を越えた人材育成を、これまで以上のペースで進めていきます。
LifeWear には、大きな潜在的ニーズがあり、日本の市場シェアは10%を超えています。欧米でもLifeWear が理解され始めた今が、成長への絶好のタイミングです。成長のための投資を積極的に進めていきます。洋服が発達した欧米で、一番評価される企業になることができれば、世界中で拡大できると思います。


アジアはこれからが成長期
欧米に加え、アジアは今からが真の成長期です。従来にも増して積極的に投資を継続します。
創業の地である日本は、今以上に、圧倒的No.1にならないといけないと思います。個店経営、ローコスト経営を一段と進化させ、売上収益の持続的な拡大、15%以上の高利益率を達成します。また、ジーユー、セオリーなどグループブランドにも大きな可能性があるため、グループ全体でシェアをさらに拡大していきます。
中国大陸は、地域に根付いた真の個店経営への転換期にあります。経営陣が先頭に立ち、販売員や社員を教育し、すべての店舗、すべての社員がお客様に向き合い、本当にお客様に求められる商品構成、売場づくりを進めています。日本もかつては、チェーンストア経営の限界に直面し、個店経営へ転換することで、再成長を実現しました。日本の経験を活かし、中国大陸はより速いスピードで変革を進めていきます。中国大陸の消費動向に左右されることなく、自らの力で地域を盛り上げ、顧客を創造し、「儲ける店舗」への改革を進めます。
東南アジア・インド・豪州地区は、さらにポテンシャルがあります。売上収益は2022年8月期から4期連続で2桁成長しています。常夏地域のニーズに合った商品構成、マーケティング、店舗、Eコマースへと根底から商売を変革します。そのために、経営チームを強化し、早期に各国で売上収益1,000億円をめざします。

中国南西部初の旗艦店として、2025年5月に「ユニクロ 成都店」がオープン。開店前は、1,000名を超えるお客様が列をつくり、大盛況。パンダや四川料理などを描いた地元アーティストとのコラボによる限定のUTme!も好評。
強固なチーム経営

グローバルワン・全員経営
世界中のすべての社員が「自分たちはどこに向かうのか」を正しく理解し、グローバルな視点に立って、お客様の求める最高の商品やサービスをつくり出し、提供する。すべての社員が経営者であり、一つのチームとなって、全社で最も良い方法で実行する。それが、私たちがめざす「グローバルワン・全員経営」です。さらなる成長には、この実践が必要です。
大切なのは世界市場の判断基準で考えることです。各国の店舗や各部門には、次世代の経営者候補として、能力・見識ともに優れた人材が数多くいます。そうした人材が、自ら直接、現地に行き、現場・現物・現実に基づき、課題を発見し、チームで問題を解決する。商品だけでなく、人材もその国に合わせて展開していきます。日本発の企業としての原点をしっかり受け継ぐ人材と、地域の実情を深く理解している現地の人材がチームをつくり、各国がそれぞれに特徴ある経営をしていきます。
事業成長には、人材が最も重要です。世界中で良い人を採用し、全員の志と会社の理念が一致し、社会に役立つ人材に成長する。そのような会社にすべく、大胆な抜てきを加速し、今後も人の育成に惜しみなく投資していきます。
経営の継承が進む
企業とは社会的な存在です。私は、株式を上場し、世界各地で広く事業を展開する企業には、経営の継続性を安定的に確保する責任があると考えています。今の経営チームは、20~30年の経験をもち、会社へのロイヤリティが高い人材が集まっています。こうした人たちに、経営をバトンタッチして、私が実現した以上のことをしてほしいと思います。
経営の継承は着実に進んでいます。株式会社ファーストリテイリング取締役兼COOに就任した塚越大介を中心に、日々の経営判断は、すでに各事業の責任者が担っており、強固なチーム経営の体制が整いつつあります。私は会社の大きな方向性を示すことや、次代を担う経営者の育成に大半の時間を費やしています。また、息子の柳井一海と柳井康治には、単に「柳井ファミリー」の継承者ではなく、企業のガバナンスをしっかり担ってもらいます。会社が真に正しい経営を行い、良い企業として社会に役立つ存在になるために、高い視座から積極的に発言してほしいと考えています。公開企業でありつつも、しっかりした創業家が存在し、ファミリー企業の良さも併せもつ、バランスの取れた経営を行っていきます。
より良い社会をつくる
世界No.1の企業になることの意味
「自らの商売を通じて社会を良くしていく」。ここに私たちの究極の目的があります。「この商売はお客様の生活を便利で快適にしているか?」「自分の仕事は、社会をより良くするために貢献しているか?」。これらが最も重要なことです。企業として利益追求は当然のことですが、同時に、事業活動を通じて社会のあらゆる方面で共存共栄の関係をつくり出し、事業の拡大と社会に対する貢献が車の両輪になる会社にする。この考え方が非常に大切です。
社会が企業に求める条件は、大きく変化しています。個々の商品の機能や品質という前に、その企業やブランド自体が、社会のプラスになっているか。正しい商売をする、良いブランドでなければ、お客様は商品を買ってくださいません。
私たちは早い時期から、生産プロセスにおける工場の環境や働く人たちの人権への配慮、服のリサイクルやリユースなど循環型社会をめざす取り組み、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とのパートナーシップによる難民支援、平和を願うチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」など、グローバル企業として、社会をリードする活動を行ってきました。
世界No.1の企業になることの意味とは、「世界で最も社会の役に立つ企業」とお客様から認められることです。平和で安定した、持続的な発展が可能な社会の実現をめざし、今後も努力を続けます。

世界をつなげる
我々が掲げるLifeWearの価値観は、あらゆる人のための服「MADE FOR ALL」、世界中の平和を実現する「PEACEFOR ALL」です。平和こそが我々の願いです。世界の平和がなければ、我々の商売も続けていくことはできません。そんな「世界の平和を心から願い、アクションする」という想いを実現したのが、「PEACE FOR ALL」プロジェクトです。ユニクロではチャリティTシャツを販売し、利益の全額(一枚当たり販売金額の20%相当)を寄付して、緊急人道支援などの国際的な活動に役立てています。2024年冬からは、全世界で100万点規模のヒートテックなどを寄贈する活動「The Heart of LifeWear」を開始しました。10月には、モルドバ共和国に逃れるウクライナ難民の方々にヒートテックをお届けしました。国内ユニクロ事業では、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームを通じて、令和6年能登半島地震により被災された方々と、一般財団法人みらいこども財団を通じて、国内の児童養護施設の子どもたちに、合計7万点の「ヒートテック」をお届けしました。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というステーメントの実現は、我々の原点であり、めざす場所でもあります。世界で最も信頼される会社になるために、これからも頑張っていきます。

