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トップインタビュー

最終更新日: 2021.02.15
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服の領域で、
社会を支えるインフラになる

コロナ禍でも、さらに広がるLifeWear への共感と支持

LifeWear(究極の普段着)とは、国籍、人種、性別、年齢を超えた、あらゆる人のための服です。世界中の人が気軽に購入できて、自分らしいライフスタイルをつくることができる服です。コロナ禍において、グローバルで大きく変化している今こそ、我々がめざす本当のLifeWear の時代が来た、といっても過言ではないと思います。

この10年間、ユニクロの店舗がグローバルに広がっていくにつれて、ユニクロのブランディングと商品は大きな進化を遂げました。今や、ユニクロはグローバルなブランドとして認知されています。世界各地でユニクロが成功を収めているのは、LifeWear の考え方に、多くの方々が共感してくださっているからだと思います。無駄なものをそぎ落とし、自分らしい上質な生活を実現するためのLifeWearは、コロナ禍でも、さらに世界中で共感と支持が広がっていくと思います。

お客様を起点にした商品開発 社会を支えるインフラになる

当たり前のことですが、我々は自分たちのために服をつくっているのではありません。お客様のために服をつくっています。我々が取り組んでいる有明プロジェクトでは、お客様からの声を分析することで、お客様が今ほしいと思う新商品の開発を行っています。商品の販売数量の予測の精度も着実に高まっています。

例えば、感染症の影響によるステイホームの広がりで、リラックスウエアへの需要が拡大しました。品質が良く、快適な着心地の、毎日洗濯を繰り返しても長く着ることのできる服が求められています。こうした需要の変化に対応した、さまざまなカジュアルウエアの開発を行い、販売も好調です。

また、お客様の声を商品化した一例として、ユニクロの前あきインナーがあります。介護が必要な方、高齢者にとっては、かぶりの衣服を脱ぎ着することが難しく、「前あきインナーがほしい」というお声を多数いただきました。

ユニクロでは、それらのお客様の声をもとに、脱ぎ着が簡単で快適な前あきインナーを発売しました。また、マスクについても多くのお客様からご要望があり、ユニクロのインナーに使用しているエアリズム素材で、エアリズムマスクを開発しました。ユニクロならではのテクノロジーで、性能の高さと肌触りの良さを両立することができ、本当に多くのお客様から喜びのお声をいただいています。

我々は、世界中のお客様からダイレクトに得た情報を商品開発に役立てています。この強みをさらに強化するため、有明プロジェクトによって、お客様ニーズの変化の分析精度を高めていきます。我々は、服の領域で社会を支えるインフラ企業になりたいと思っています。これが我々の使命であり、存在意義です。

家で過ごす時間を充実させるLifeWear。
服だけでなく、服づくりで学んだ「肌触りのよさ」や「心地よさ」を生かした毛布などの生活雑貨もご用意。
着用しているのは、
(左)3Dラムブレンドタートルネックセーター、
(右)フランネルチェックワンピース

 

LifeWear=サステナビリティ
社会の持続的な成長を実現する

社会を良くする企業になる それが企業の存在意義

新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界各国・各エリアの社会、経済に深刻な影響を与えています。こうしたときに必要なことは、世界中の個人、企業が「力を合わせて、危機をチャンスに変え、より良い社会を実現する」という前向きな発想をもち、そのために具体的な行動を取ることです。

我々は、今回の感染症の発生直後から、事態に対応するために、中国のパートナー工場、取引先などに対し、義援金やマスク、赤外線体温計を寄贈してきました。また、現地の医療チームに、ヒートテックやウルトラライトダウンといった防寒衣料を寄贈するなどの支援も行ってきました。

その後、世界各地への感染拡大を受けて、支援を必要とする世界の国と地域に継続的に支援を行っています。

こうした支援を行うことは、グローバルでビジネスをする企業としての当然の責務だと思います。そして、こうした支援と同じく重要なのが、お客様、取引先、従業員の健康と安全を確保することです。それぞれの人の人生は1回しかありません。みんなが健康で安心して働けなければ、企業は成り立ちません。お客様の役に立つことも、社会に貢献することもできません。

どんなに困難な状況だとしても、我々は危機から逃げず、正面から向き合います。今の時代、自分ひとり、自分たちの企業だけが良ければいいということは決してありません。志をもつ個人や他社と力を合わせて、社会全体が良い方向へ向かうために、何をすべきかを考え、行動していきます。これからも我々は先頭に立ち、前に進んでいきます。

大阪府済生会中津病院の皆様から「マスクやアイソレーションガウンの備蓄があるという安心感が、精神的な支えになっています」という声をお寄せいただきました。

サステナブルな社会に貢献する循環型のLifeWear

我々は、「服のビジネスを通じて、より良い社会をつくる」という理念をあらゆるビジネス活動において、貫いています。お客様は厳しい目で企業を見ていて、社会の役に立つ企業からしか商品を買おうとしなくなります。

我々のような素材開発から生産、販売までを一貫して行うビジネスでは、お客様や社会から、「無駄になる過剰な生産はしていないか」「工場での環境問題はないか」「工場の労働・人権課題はないか」といった、さまざまな社会的課題に対する姿勢を問われています。そういった課題を一つ一つ真摯に受け止め、解決に取り組んでいます。また近年では、「服の素材である資源を有効に使う循環型の商品」にも注目が集まっており、我々も商品開発に着手し始めています。

例えば、2020年春夏シーズンには、回収したペットボトルからつくられるリサイクルポリエステルを素材の一部に使用したドライEXポロシャツを販売しました。リサイクル・ポリエステルを開発したのは、ユニクロが戦略的パートナーシップを結ぶ東レ株式会社です。ユニクロのグローバルブランドアンバサダーであるロジャー・フェデラー選手などが、試合で着用しています。また、2020年秋冬シーズンには、使用済みのダウン商品のダウンフェザーをリサイクルし、新しいダウンジャケットに使用することに成功しました。このリサイクルダウンジャケットも、東レ社との協業による新商品です。東レ社が開発した、回収したダウン商品からダウンフェザーを自動で回収できる機械によって、効率的に大量生産することが可能になりました。2020年2月までに約62万着のダウン商品を回収できたことは、サステナブル(持続可能)な商品へのお客様の期待が大きいことを表しています。

これらの循環型商品は、製造コストが高くなる、大量生産に向かない、高い品質を維持するのが難しいなどの課題を多く抱えています。我々は今後も、これまでの商品と価格や品質面で遜色のない、循環型のリサイクル商品の開発を積極的に続けていきます。

リサイクルポリエステル使用の「ドライEX」を着用して公式戦に臨む、ユニクロのグローバルブランドアンバサダーであるロジャー・フェデラー選手(左・プロテニスプレーヤー)と国枝慎吾選手(右・プロ車いすテニスプレーヤー)。

ダウン商品を100%リサイクルしたUniqlo Uのリサイクルダウンジャケット。羽織りにもインナーダウンにも着回しできる便利な一着。

 

東京首都圏に戦略的な新店をオープン

新しい服のカタチを予感させる新しい店舗のカタチ

2020年春に、戦略的なグローバル旗艦店、大型店を銀座、原宿、横浜という東京首都圏の最高の立地にオープンしました。これらの店舗はLifeWearを体現したいという思いが詰まった店舗です。コロナ禍の中、思い切ってオープンしたこれらの店舗は、感染症の影響で沈みがちだったお客様の気持ちを明るくし、元気づけたと思います。

UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店は、人々の日常生活に寄り添うことをめざすLifeWear のコンセプトを体現する店舗として、屋上に公園を設けました。ユニクロとジーユーとの合同店舗でもあり、両ブランドでの買い物を楽しむだけでなく、公園に遊びに来る感覚で来店していただきたいとの思いを込めています。店舗の目の前にはヨットが停泊するマリーナがあり、屋上の公園から眺めて、ほっとしたひと時を過ごすことができます。

UNIQLO原宿店は、デジタル技術を使ったStyleHint(着こなし発見アプリ)と連動した売場や、世界最大級のUT(プリントTシャツ)フロアなどがあります。ファッションの街である原宿から、新しいユニクロの情報を発信します。ユニクロとジーユーが共同開発したStyleHintは、世界中の着こなしをチェックしたり、画像検索で着こなしのアイデアを探せるアプリです。ユニクロやジーユーの新商品の着こなしを、お客様、従業員、インフルエンサーたち自らにモデルとなっていただき、投稿。投稿された写真は誰もが楽しむことができます。アプリユーザーは、新しい着こなしを見つけることで、服を何倍にも楽しむことができます。

銀座にオープンしたUNIQLO TOKYOはグローバル旗艦店で、国内最大級の売場面積をもつ店舗です。店舗の内装は、古い建築物の良さを生かした開放感にあふれています。1階の中央にはLifeWear Squareと呼ばれるエリアを設け、ユニクロの商品の良さを実感できるディスプレイを行っています。また、グループブランドのTheoryやコントワー・デ・コトニエのショップがあり、にぎやかです。1階では生花の販売を始めるなど、生活を楽しむというコンセプトが息づく華やかな店舗になっています。

(左)ユニクロ原宿店の店内壁面を埋め尽くす240台のディスプレイ。映し出される人気のインフルエンサーやユーザーの投稿写真を参考に、自分にぴったりの着こなしを発見できます。

(右)LifeWear Squareでは、ユニクロの機能性商品やコラボレーション商品などを展示。ユニクロのコンセプトであるLifeWear について、分かりやすく伝えています。

 

店舗とEコマースの融合でEコマース販売を拡大

Eコマースを本業にするためにグローバルで投資を加速

お客様のお買い物行動を見てみると、店舗にいながらEコマースで購入をしたり、スマートフォンで商品を確認しながらご来店されて、「この服はどこにありますか?」と従業員に問い合わせるなど買い方はさまざまです。お客様にとってはリアル(店舗)もバーチャル(Eコマース)も関係なく、一番大切なのは、ほしいものが、ほしいときに、すぐ買えるということです。

新型コロナウイルス感染症の影響による生活の変化で、Eコマース販売が伸びましたが、それはお客様が都合の良い方法を選ばれた結果です。我々がめざしているのは、リアルとバーチャルの完全な融合です。StyleHintといったアプリを利用することで、お客様は本当の生きた情報を手に入れることができますし、服の組み合わせがよく分かって、満足のいく商品を店舗やEコマースですぐに買うことができます。



2020年8月期のファーストリテイリンググループ全体のEコマース売上高は3,000億円を超え、Eコマース売上構成比は約15%まで拡大しました。将来的には、これを30%まで高めていくことを目標として掲げています。我々は、世界中に3,000を超える店舗網があるので、それぞれの国・エリアで、プラットフォームを再構築して、店舗とEコマースの相乗効果を高めていきたいと思っています。また、Eコマースビジネスの拡大のための投資や人材確保は惜しみません。

我々は、Eコマースを本業にするという強い意志をもって、有明プロジェクトを推進しています。その一つが物流改革です。Eコマースで購入されたお客様に、すぐに商品を届けるために、自社で物流センターを運営し、自動化された倉庫の導入も日本の有明倉庫や、西日本EC倉庫から始めました。今後は中国大陸、米国、オーストラリアにも展開していきます。物流倉庫の自社運営が進むことで、Eコマースと店舗の在庫一元化による欠品防止が可能になります。在庫一元化により、もしもEコマースで在庫が欠品していても、店舗の在庫を使ってお客様に発送することができるようになります。中国大陸では、この仕組みをすでに構築していて、お客様に最適最短で商品をお届けできるようになっています。今後は、日本を含め、グローバルに順次展開していく予定です。Eコマースで注文した商品を店舗で受け取ることができるクリック&コレクトのサービスとともに、お客様の利便性をさらに高めていきます。

また、Eコマースで得た情報を基に、売れ筋商品を短期間で追加生産する仕組みづくりや、お客様のニーズの変化をキャッチした新しい商品の開発も進んでいます。店舗とEコマースを融合した新しいビジネスモデルの構築は、これからも、成長の原動力になっていくと思います。

 

2021年8月期の業績回復をめざす

ユニクロ事業、ジーユー事業の業績回復を見込む

新型コロナウイルス感染症の影響を受けたユニクロ事業は、2020年8月期は海外を中心に、大幅な減収減益となりました。ただし、2021年8月期には大幅な回復を見込んでいます。国内ユニクロ事業は、コロナ禍での服の需要がカジュアルウエア、リラックスウエア、スポーツユーティリティウエアへシフトしたことで、2020年5月中旬から売上は回復傾向に転じました。また、海外ユニクロ事業では、大きな構成比を占める中国大陸において、感染症が収束したことから、2020年3月から想定を上回るペースで業績が回復しています。東南アジアの一部の国や北米、欧州では感染症の影響によるロックダウンなどで、業績の見通しが不透明ではありますが、お客様、従業員の安全を第一に考え、業績の回復を図っていきます。

今後の成長が最も期待されるのは、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)と東南アジア地域です。経済発展に伴って、中産階級の人口が爆発的に増えることが予想されており、若い世代が消費の成長を支えていくと思います。我々は、中国大陸、東南アジアからインドまでの地域を「世界経済の成長センター」と位置付けて、大量の出店を継続していく計画です。

北米と欧州のユニクロ事業は、感染症の影響を最も受け、2020年8月期は厳しい業績となりましたが、Eコマースの売上が急成長しています。各国・各エリアのお客様の生活ニーズに合った商品構成で、LifeWear のコンセプトをしっかりと浸透させていきます。同時に、店舗のスクラップ&ビルドを進め、より良い立地、収益性の高い店舗へと変革していきます。感染症によるロックダウンなどの不確定要素は残りますが、2021年8月期には、北米と欧州ユニクロ事業の業績回復をめざします。また、ジーユー事業も業績回復に向けて、商品開発の強化、粗利益率、経費比率の改善を図っています。

 

真にグローバルなプラットフォームをつくる

世界中の個人や企業とつながり、より良い社会を実現する

私の描いている夢は、国や民族の垣根を越えて、真にグローバルなプラットフォームをつくることです。「服のビジネスを通じて、より良い社会をつくる」という企業理念を貫きたいと思います。世界中の優秀なデザイナーやクリエーター、さまざまなグローバル企業と協業し、お客様にとって本当に意味のある商品、価値ある商品をつくり続けていきたいです。

我々は、欧米の主要な大都市をはじめ、東アジア、東南アジア、オーストラリアなど世界中に事業拠点をもっており、新興市場であるインドやロシアにも出店しています。こうしたグローバルなプラットフォームをもっていることは、我々の強みです。世界中で多くの問題や課題が生じている今、我々は世界中の個人や企業と力を合わせて、より良い社会を実現していきます。

ビジネスに国境はありません。これからも優れた才能、最先端のテクノロジーをもつ個人や企業と密接につながり、LifeWearを通じて、服に新しい価値を生み出し、世界のあらゆる人々に服を着る喜び、幸せ、満足を提供し続けていくことで、より良い社会の実現に尽力していきたいと思っています。

 

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