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事業リスク

最終更新日: 2021.11.30
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(1) 方針

当社グループは、事業活動に潜むリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の確立・強化を行うための機関として、リスクマネジメント委員会を取締役会直下の組織として設置しています。グループCFOを委員長とする同委員会は、全社のリスクを一元管理する組織です。同委員会では、事業への影響度・頻度などを分析・評価し、リスクの高いものから対応策が議論され、発生前のけん制と発生後の迅速な解決を行うための体制作りをめざしています。また、取締役会への重要リスクの報告及びリスクの対策に関する各部門への具体的な支援を行っています。

(2) 個別のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績や財務状況などに特に影響度の大きいリスクとして認識している主なものとして、以下のものが挙げられます。文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。また、以下は、全てのリスクを網羅するものではなく、本書提出日現在において予見できない又は重要と認識していないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、リスクの内容・当社グループへの影響欄にて「顕在化している」旨の記載のない項目については、リスクの顕在化には至っておらず、顕在化する時期・可能性ともに未確実です。

リスク項目リスクとその影響主な取組み

新型コロナウイルス感染症を含む大規模感染症などの世界的拡大リスク

  • 新型コロナウイルス感染症のような大規模感染症などの世界的拡大に伴い、当社グループおよびパートナー企業の従業員などの感染や、感染拡大防止措置のため、商品の生産や店舗における商品供給が困難となる可能性があります。
  • 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大およびまん延は、生産工場の操業制限や物流の遅延、店舗の営業制限などを引き起こし、当社グループ全ての事業への悪影響が顕在化しています。
  • リスクマネジメント委員会が設立する全社緊急対策本部を中心として、専門家の助言を得ながら医学的根拠に基づく感染防止策を策定し、当社グループ全従業員に徹底すると共に、全てのお客様に安心してお買物をしていただくため、店舗を含む当社グループの全ての事業所において感染防止策を実施します。
  • 取引先工場に対し、工場での感染防止のための衛生管理強化や工場が休業を余儀なくされた場合の従業員への補償などに関するガイドラインを提供します。
  • 当社グループにおける感染リスクの低減のため従業員と家族・同居者を対象にしたワクチン接種を推進しています。

経営人材に関わるリスク

代表取締役会長兼社長柳井正をはじめとする当社グループ企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしています。これら役員が業務執行できなくなった場合、ならびに、そのような重要な役割を担い得る人材を確保できなかった場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 当社グループの各事業では、意思決定および業務執行が特定の経営人材に依存することのないよう、チームによる経営執行体制を構築しています。
  • 各事業における経営者自らが後継となる経営人材の育成を行っています。
  • グローバルに活躍できる経営人材を常時積極的に採用するほか、専門の教育機関を設け、採用した人材を経営者に教育・育成していくための体制を整えています。

カントリーリスク、国際情勢に関わるリスク

商品生産国・地域または事業展開国・地域における、政治・経済情勢の変動、テロ・紛争などによる治安状態の悪化や社会的混乱、法制度・租税制度の変更、地震や風水害などの大規模な自然災害の発生などにより、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 当社グループでは、生産拠点を複数の国・地域に分散するほか、主たる生産拠点には生産管理事務所を置き、現地情勢の適時の取得および迅速な対応ができる体制を整えるなど、国際情勢の変化に機動的に対応できるサプライチェーンの確立を進めています。
  • 当社グループ各社の拠点に、経理や税務・法務などの専門家を置き、リスク発生時に迅速かつ適切な対応およびコミュニケーションができる体制を整えています。
  • 特定の国・地域における国家間対立・民族的感情悪化に関しては、グローバル企業として、事業を展開する各国・地域における社会的課題を解決するための貢献を行い、各国・各地域コミュニティとの永続的な共存・共栄をめざしています。

環境に関わるリスク

  • 温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの転換などの気候変動への対応が遅れた場合や、廃棄物排出量の削減、資源循環の取り組み、化学物質の管理などが適切に行われなかった場合、当社グループブランドに対する社会的な信用低下を招く可能性があります。
  • 気候変動に伴う異常気象の増加により、商品供給体制をはじめ事業全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 気候変動と生物多様性への影響を削減するため、商品の生産から廃棄までを含む、事業活動全般における温室効果ガス排出量の把握と削減に取り組みます。取り組みの推進にあたっては、気候変動枠組条約に基づいて策定された長期目標(パリ協定)における2050年までの温室効果ガス排出量削減目標を尊重し、具体的な目標を掲げ、目標達成に向けた活動を推進します。
  • 当社グループの「環境方針」のもと、サステナビリティ委員会を中心に、「気候変動への対応」「エネルギー効率の向上」「水資源の管理」「廃棄物管理と資源効率の向上」「化学物質管理」の5つの重点領域において、継続的に、実効性が高い具体的な取り組みを決めて実行を進めています。
  • 2021年6月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明し、TCFDに沿った開示に向けて取り組んでいます。

大規模災害リスク

当社グループの販売する商品の生産工場、販売店舗及び本社機能を有する本部オフィスの存在する各地域において、地震、台風、火山の噴火、火災、風水害、爆発、建物倒壊等の大規模災害が発生した場合、商品の生産、供給及び販売体制並びに経営管理体制に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクマネジメント委員会を中心として、大規模地震、その他の大規模災害発生又は発生の恐れがある場合の緊急対策本部による有事指揮体制の準備、顧客や従業員・関係者の安全確保、経営資源の被害軽減、二次災害防止、業務早期復旧のためのシステムインフラ並びに、復旧拠点の分散配置の整備、危機管理マニュアルなどの整備、当該マニュアル等の世界展開を進めるための体制の整備に努めています。

資源管理・原材料調達に関わるリスク

災害・気候変動その他の理由により、当社グループ各事業で販売する商品に使用する原材料(綿花やカシミヤ、ダウン等)の十分な調達が困難になり、また価格が高騰する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの商品供給体制及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

複数の調達先との間で原料調達合意書を締結し、特定の原材料を特定の調達先に依存することなく、かつ適正な価格により調達する仕組みを整えています。

情報セキュリティリスク

  • 顧客情報(個人情報を含みます)や営業秘密などの機密情報が流出・消失した場合、当該情報の回収や、損害賠償の支払などの対処を要し、業績への悪影響および顧客の信用低下を招く可能性があります。
  • 欧州の個人情報保護規則であるGDPRなど、国・地域間の個人情報の移転を制限する法的規制に違反したと当該行政から判断された場合、多額の課徴金による業績への悪影響および顧客の信用低下を招く可能性があります。
  • 機密情報の管理を徹底するために、グループ全体を統括するCSO(Chief Security Officer)指揮のもと、情報セキュリティ室を設置し、事業を展開する各国・各地域のIT部門および法務部門と連携しています。
  • 外部からの攻撃、内部不正や事故などあらゆる事態を想定し、機密情報(特に顧客の個人情報)の適切な管理体制の構築・強化を行うために、各事業部門におけるインフラ整備、業務プロセス評価、委託先評価、規程などの整備及び標準化、定期的な教育啓発活動等を行っています。

知的財産に関わるリスク

  • 商品管理や店舗運営、Eコマースのウェブサイトを含むあらゆる分野で使用する最新の技術や当社グループの商品に係る知的財産権などの権利につき、当該権利の保有者によりライセンスが受けられず、その結果、当該技術の使用や商品供給が困難となる可能性があります。
  • 当該技術や商品が他者の知的財産権を侵害していた場合には、多額の損害賠償やライセンス費用の支払請求を受ける可能性が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 当社グループの商品を第三者に模倣され、安価で販売された場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 当社グループでは知的財産を取り扱う専門部署を設け、商品開発及び技術導入時などにおける侵害調査を行っているほか、当社グループ内の従業員に対し知的財産に関する教育・啓発活動を実施し、知的財産権の侵害防止に努めています。
  • 新規技術を開発した際には積極的に権利化を行っています。さらに、事業展開国・地域および展開予定国・地域における市場モニタリング、現地法務部門との連携、現地法律事務所や政府機関と連携し、模倣品などによる被侵害の情報の収集を図っています。
  • 被侵害の事実が確認された場合、またはそのおそれがある場合には、現地法務部門や法律事務所と連携し、速やかに法的措置を含めた対処を検討します。

人権に関わるリスク

  • 当社グループ及びサプライチェーンにおいて、労働環境・安全衛生の悪化や人権侵害行為、特に、強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為など、関係者の人権を著しく傷つける行為等が発生した場合には、当社グループに対する顧客および取引先の信用低下を招き、当社の商品供給や販売体制に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 欧米をはじめとする各国・地域において、サプライチェーンの人権保護などを目的とする規制強化または法制化が、当社グループの商品の生産・輸送・販売体制に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 当社グループ、取引先を問わず、当社グループ事業のサプライチェーンで働くすべての人の基本的人権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保することが最も重要な責務との考えのもと、サプライチェーン方針を定めています。
  • 人権ガイドラインの策定、コードオブコンダクト(COC)教育、従業員向けホットラインの運用、定期的なレビューなどを通して人権侵害行為の発生を防ぎます。
  • サステナビリティ部を中心として、取引先工場の労働環境のモニタリング実施や、取引先工場の従業員向けホットラインの運用などを通して、適切な労働環境の維持と改善に努めています。原材料についても、国際基準に則って、生産工程で人権や労働環境が適正に守られていることが確認された原材料の調達を進めています。
  • 今後は、国・地域を問わず、原材料レベルまでトレーサビリティを確立し、サプライチェーン全体で人権や労働環境の問題がないことを自社で確認する体制の構築を進めます。あわせて、第三者認証を活用し、人権や労働環境が適正に守られていることを客観的に検証していきます。
  • 人権侵害に関する事象が発生した場合は、人権委員会にて調査・審議を行う他、被害者の心のケアを行うための体制を整えています。

取引先に起因するリスク

  • 商品の企画・生産・輸送・販売などに関わるあらゆる取引先に関する様々なリスクが存在します。
  • 取引先と当社グループの価値観や理念が共有できず、経営効率が低下する可能性や、十分な債権回収ができず、業績に悪影響を及ぼす可能性、意図せず反社会的勢力と取引を行ってしまう可能性、取引先による法令違反行為が発生する可能性があります。リスクが顕在化した場合、当社グループに対する顧客および社会の信用低下を招く可能性があります。
  • このほか、例えば、輸配送業者による商品輸配送時や倉庫業者による商品保管時に、災害や人為的行為による商品の滅失・毀損・盗難、取引先や現地法令に起因した商品の引渡不能などが発生する可能性があります。
  • 当社グループ各社では、不適切な取引先との間で取引関係を開始することを防止するため、新規取引先との取引開始時に必要に応じて与信・信用調査を行っています。
  • すべての取引先との適切な取引関係を構築することを目的に、「ビジネスパートナー行動指針」を定め、その内容をご理解のうえ、遵守していただける取引先と取引を行っています。
  • 輸配送業者や倉庫業者との取引に関するリスクへの対策としては、各事業に物流担当を置いて、取引先輸配送業者や倉庫業者と常時コミュニケーションを取り、商品の輸送・保管における問題の発生時には速やかに現地経営者とグローバル物流本部に報告し、迅速に対応を検討・実施する体制を整えています。

減損リスク

事業環境の変化などにより収益性が低下した場合、有形固定資産及び使用権資産などについて減損損失を計上する可能性があります。

  • 減損会計を適用して、適時に減損兆候の判定を行い、不採算店舗の発生を早期に把握、適切な会計処理を行っています。
  • 当該店舗の収益性低下の原因把握を行い、抜本的な収益改善計画を策定・実行しています。

為替リスク

  • 当社グループ各事業では商品の多くを海外の生産工場から輸入しているため、各国・地域の通貨に対する決済通貨の急激な為替変動が発生した場合、各事業の業績に悪影響を与える可能性があります。
  • グループ全体として、事業展開に合わせて多様な通貨で金融資産を保有しているため、当社の機能通貨である円の為替変動によって金融損益が大きく変動する可能性があります。
  • 為替環境の激変緩和を目的として、各国・地域事業において、想定仕入見込み額に基づく先物為替予約を実行しています。この際、ヘッジ比率や期間など、具体的なヘッジ方針については、財務の安全性に資するかという観点から、当社取締役会において討議・承認を行っています。
  • 金融資産の保有通貨の妥当性についても、当社取締役会で討議を行います。

経営環境の変化に起因するリスク

当社グループ事業の展開各国・地域において、天候不良、消費動向の変化などの経営環境の変化が生じることにより、商品の売上の減少や過剰在庫が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

各グループ事業の展開国・地域で、お客様が必要とする商品情報を適時に収集し、即時に商品化した上で、必要十分な数量を生産販売できる体制を整え、経営環境の変化に極力機動的に対応していきます。

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