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ユニクロの事業戦略

最終更新日: 2024.01.31
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日本

地域密着の個店経営を推進し、より愛されるブランドへ

2023年8月期の国内ユニクロ事業は、売上収益8,904億円(前期比9.9%増)、営業利益1,178億円(同9.2%増)と、過去最高の業績を記録しました。原材料価格の高騰や円安といった厳しい商売環境のなか、販売員をはじめ、全社一丸となってお客様のニーズにお応えしようと取り組んだことで、良い業績を収めることができました。

2023年4月21日に、北関東自動車道前橋南インターチェンジ近くにオープンした「ユニクロ 前橋南インター店」(売場面積約2,500m2)はこれまでのロードサイド店舗と異なり、「1日中ここで過ごしたい」と思える、地域に開かれたオープンな雰囲気に満ちています。お買い物の合間にくつろげる芝生エリアUNIQLOGARDENや、お子様が自由に遊べるエリアUNIQLO KIDS BOXなど、店舗の内外に楽しさが広がっています。巨大なユニクロのロゴが印象的な外観で、ユニクロの企業姿勢を知っていただくというコンセプトの基に建てられた「UNIQLO LOGO STORE」は、今後の店舗のひな型です。コストコやイケアが隣接し、周辺に大型の小売店舗も多数あります。ご家族揃って、お友だちと一緒に訪れるのが楽しみなエリアなので、服を買うためだけでなく、ユニクロ内のカフェでおしゃべりしたり、お子様と遊んだり、訪れることがイベントになるような空間になっています。この店舗をオープンしてわかったのは、ユニクロはお客様だけでなく地域社会から期待されており、それにお応えすることで、成熟したと言われる日本市場でも、まだ成長していけるということです。地元で馴染みのあるお店や製品をプリントしたUTme! (グラフィックTシャツ)は大人気ですし、カフェでもご当地のお菓子を提供しています。ユニクロを通して多くのお客様にご当地の素晴らしい文化をアピールすることで地域への貢献にもつながります。

国内には同様の店舗を出店していける地域がまだまだあります。それぞれの地域に合った個店経営を推進していくことで、ユニクロの可能性を最大限に活かし、より愛されるブランドにしていきたいと思います。


ユニクロ 前橋南インター店

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グレーターチャイナ

事業基盤を強化し、確実な成長を維持

2023年8月期のグレーターチャイナは、売上収益6,202億円(前期比15.2%増)、営業利益1,043億円(同25.0%増)と大幅な増収増益を達成しました。継続的にマーケティングを強化し、機動的に販売体制、売場を準備できたことで、下期に新型コロナウイルス感染症が収束し、消費意欲が高まった時期に、お客様の需要をしっかり取り込むことができたと思います。

これまで中国大陸ではEコマースが盛んでしたが、コロナ禍を経てわかったのは、お客様が店舗でもお買い物を楽しみたいということです。実際に服を見て、触れて、じっくり吟味して購入するのが楽しいということが、店頭にいるとよく伝わってきます。お客様にEコマースと店舗が融合した、ワクワクするお買い物体験を提供できるのが、私たちの強みです。そうしたなかで、注力しているのが、LifeWearの浸透です。ユニクロの服の価値を伝えていくことはもちろん、服を通してより良い生活をつくるという企業理念もお伝えしています。2023年9月から開催されたアジア競技大会に合わせて、浙江省の店舗を中心に開催したLifeWear Day イベントは、中国大陸の主要テレビ局でも報道されました。今年度は、主要28都市の店舗で同イベントを開催します。

LifeWear への理解を深め、お客様に喜んでいただける商品やサービスをご提供できるかは、スタッフ一人ひとりの熱意に大きく左右されます。中国大陸のユニクロは、優れた人材活用の実践を評価され、8年連続で「トップ・エンプロイヤー・チャイナ」に認定されました。7月に上海で行われた入社式では、約350名の新入社員が力強い一歩を踏み出しました。優秀な人材を得て、さらに飛躍的な成長をめざします。

グレーターチャイナは、2024年8月期は、店舗のスクラップ&ビルドを強化し、店舗網の入れ替えを加速します。より良い立地で、LifeWear を体験いただける質の高い店舗を厳選して出店していくことで1店舗当たりの売上高を引き上げ、さらなる収益性の改善と、事業構造の強化を図ります。これからもグレーターチャイナにおけるNo.1ブランドの地位を揺るぎないものにするために、不断の努力を続けていきます。


ユニクロ 深圳万象天地店

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東南アジア・インド・豪州

中長期の成長に自信を深める、東南アジア・インド・豪州事業

2023年8月期の東南アジア・インド・豪州事業の売上収益は約3,500億円(前期比約5割増)、営業利益は約600億円(同約3割増)と、大幅な増収増益となりました。期を通してコア商品の情報発信を強化したことで、顧客層が拡大しました。さらに、旅行需要が回復したことで、特にTシャツやブラトップ、カーゴパンツが好調な販売となりました。  これまでLifeWear(究極の普段着)の商品価値を伝えるコンテンツや店頭イベントなどの実施により、お客様の理解が深まり、東南アジア・インド・豪州事業でのLifeWear への支持が着実に拡大し、確固たるブランドポジションを築きつつあります。

また、コロナ禍における各地域へのマスクの寄贈や、洪水被災地域への衣料提供、植樹活動など、地域に必要な支援活動を積極的に行っていることもあり、ユニクロに対する信頼度が高まっていることを実感しています。地元のお客様からの支持は年々高まり、なかでも人口の層が厚い10~20代からの支持が拡大しています。

2023年8月末現在の店舗数は342店舗です。これまでショッピングモールを中心に出店を進めてきましたが、ロードサイド店舗の売上も好調です。今後はロードサイド店舗への出店を一段と強化し、ユニクロで目的買いをするという新しい購買行動を確立していきたいと思います。年間60店舗程度の大量出店を行うと同時に、スクラップ&ビルドによる大型店化と好立地化も進めることで、ブランディングの強化とお客様の利便性の向上を図っていきます。

世界最大の成長ポテンシャルがある東南アジア・インド・豪州事業では、人材育成の強化、少数精鋭の経営体制への変革を進めるとともに、亜熱帯地域の気候に合った商品づくりに力を入れていきます。そうすることで、お客様から最も信頼されるNo.1ブランドとなり、グローバルでの飛躍を確かなものにしていきたいと考えています。


ユニクロ ホアンキエム店

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北米

出店を加速し、北米事業は次の成長ステージへ

2023年8月期の北米事業は、売上収益1,639億円(前期比43.7%増)、営業利益211億円(同91.9%増)と、大幅な増収増益となりました。好調の要因は、戦略的に売り込むべき商品を明確にし、十分に数量を確保して、ブランディングとSNSなどのデジタルでの情報発信を強化したことです。

これによって、新しいお客様の増加、ユニクロが好きだというリピーターのお客様の増加が見られました。なかでも、ヒートテックインナー、ダウンアウター、リネンシャツ、Tシャツ、ブラトップなどのコア商品の販売が大きく伸びました。ユニクロは圧倒的に品質が良いため、他ブランドを着用していたお客様が、ユニクロの品質の高さや着心地の良さにひかれて購入いただいています。こうした商品への信頼の積み上げがお客様層の拡大につながっています。

また、この数年間で、多くの人材が育ってきたため、マーケティング、商品企画、店舗運営など、各機能が連動できる経営チームが確立されたことも良い結果に結びついています。米国発のヒット商品として、バストカップ付きの丈の短いタンクトップ、アメリカンスリーブクロップドブラタンクトップがあります。ブラトップはインナーと思われていた方が多かったのですが、米国では、Tシャツ感覚で1枚だけで着られると大ヒット。米国発で、日本をはじめとするグローバルなヒット商品に結びつきました。

継続的に黒字を出していける事業構造に変革したことで、成長加速の基盤が整いました。2027年8月期には、カナダを含む北米事業の売上収益3,000億円、営業利益率20%を達成させたいと考えています。そのためにも、2023年8月期の8店舗の出店から、2024年8月期は20店舗の出店と、出店スピードを加速させます。2027年8月期には、北米で200店舗体制を実現したいと考えています。

北米のお客様に私たちの企業姿勢を知っていただくため、引き続きサステナビリティ活動にも積極的に取り組み、北米で最も愛されるブランドになれるように日々努力していきます。


ユニクロ ソーホー ニューヨーク店(グローバル旗艦店)

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欧州

LifeWearへの共感が強み。欧州事業は成長拡大のステージへ

2023年8月期の欧州事業* は、売上収益1,913億円(前期比49.1%増)、営業利益273億円(同82.5%増)と、大幅な増収増益となりました。成長を継続し、2027年8月期には売上収益5,000億円、営業利益率20%をめざします。

欧州では天然素材への信頼が厚く、カシミアやエクストラファインメリノ、スーピマ®コットンなどの高級な天然素材の商品の人気が高かったのですが、SNSなどを活用して機能性素材の価値を訴求し続けたことで、合繊素材のヒートテックやエアリズムなどの機能性商品の売上も大きく伸びたのが、今期の大きなポイントです。欧州の冬はとても寒く、昨年は光熱費の値上がりもあり、ヒートテックを着ることで、暖房に頼らなくても快適に過ごせることがわかっていただけたことが大きかったと思います。

2023年9月15日に、グローバル旗艦店であるパリ オペラ店をリニューアルオープンしました。19世紀後半の歴史的建造物の外観はそのままに、売場面積を増床し、地上2階から地下1階の3層の店内中央に、オペラ座を思わせる大階段をらせん状に配しました。ガラスの天井からは自然光が降り注ぎ、店内に開放感を与えてくれています。リニューアルオープンを待ち望んでいただいていた多くのお客様に、日々お買い物を楽しんでいただいています。

パリ オペラ店のように、欧州ではそれぞれの地域に敬意を払った店舗をつくってきました。地域ごとの一等地に出店してきたことが、ユニクロのブランディングの向上にもつながっていると思います。今後も旗艦店を軸に、ユニクロの理念や価値観を体験いただけるような店舗を出店していきたいと考えています。2023年10月にはルクセンブルクに初出店し、2024年はイタリアのローマ、スコットランドのエディンバラなど新しい地域への出店予定が続きます。

流行ではなくベーシックを愛する欧州には、ユニクロの服の良さを深く理解してくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。完成された究極の普段着であるLifeWearと親和性がとても高い市場です。今後も欧州のお客様の価値観に合った商品をご提供し、最も愛され、信頼されるブランドになりたいと思っています。

*ロシア事業は営業を停止しているため、欧州事業に含まない


ユニクロ パリ オペラ店(グローバル旗艦店)

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