
「地域正社員」と
「グローバルリーダー社員」。
両方を経験して気付いた
地域のお客様を知ることの大切さ。
Keijiro Hata
SPECIAL 04
社員インタビュー
ミッション・業務内容
2023年9月にオープンした、大阪・岸和田市内の新店を率いる畑慧次朗。オープン後、集客に苦戦し、予想外の不振で生みの苦しみを味わっているが、「ファーストリテイリングが売上高10兆円という大きな目標を掲げる中、それを達成するための重要な戦略である新店オープンを店長として任されたことには会社からの期待を感じており、ぜひ応えたい」と、お客様に長く愛される店舗づくりに力を注いでいる。
私を変えてくれた、
上司との出会い。
学生時代に打ち込んでいた野球と同じ面白さを、ユニクロに感じた
私は京都の出身です。中学・高校時代は野球に打ち込み、部活に明け暮れる毎日でした。チームで一生懸命に目標に向かっていくのが私の性に合っていて、高校の野球部は甲子園出場も果たしました。ベンチ入りはかないませんでしたが、それでもチームの仲間たちが甲子園で活躍しているのを見るのはうれしかった。野球は高校で燃え尽きてしまって、大学に入ってからは新しいことに挑戦してみようと、部活から離れてファッションの楽しさを知ったこともあり、たまたま目にしたユニクロのアルバイトに応募。偶然で始めたアルバイトでしたが、そこからすっかりハマってしまいました。
ファーストリテイリンググループはチームで商売することを掲げ、完全実力主義が根付いています。それが私の価値観とマッチして、野球と同じような面白さを感じたのです。たとえば進んで店内を清掃するなど、いい仕事をすればきちんと褒めてくれて、アルバイトであっても昇進昇給していく。スタッフ同士でお互いにサポートし合いながらお客様に満足を提供して、売上につなげていく。こうした環境で働けることにとても魅力を感じて、就職もそのままファーストリテイリングを志望し、地域正社員として入社しました。
心に刺さった、「自分の可能性にふたをしてはいけない」という言葉
地域正社員を選んだのは、自分が生まれ育った街でお客様のために商売することに、面白さと可能性を感じたからです。地域のお客様のことをよく理解しているので、お客様が本当に求めているものを提供できますし、繁盛する店舗をつくれば地域の活性化にもつながり、愛着のある地元に恩返しすることができる。
そうして私は地域正社員として京都市内の店舗でキャリアをスタートしました。地域のお客様を相手に商売するのは楽しく、販売計画や売場づくりなどの店舗経営にも関わるようになって、大いにやりがいを感じていました。そんな現状に満足しかけていたところ、3年目に異動した京都河原町店の店長の言葉が、私をさらに成長させてくれました。
その店長は、スタッフ一人一人と巧みにコミュニケーションを取り、モチベーションを高めるのが上手な方で、「自分の可能性にふたをしてはいけないよ」と鼓舞してくださったのです。店舗経営にやりがいを覚えていた私はその言葉に奮起して、見知らぬ土地で商売にチャレンジしてみたいと、全国に活躍の場があるグローバルリーダー社員に転向することを決意。そこからは各地の店舗で店長を務めています。

店舗から地域に貢献していく醍醐味。
店長の重要な仕事は、スタッフに助けてもらうことだと学んだ
京都河原町店でお世話になった上司の店長は、いまでも私のお手本です。初めて店長として赴任した岩手県内の店舗でも、その上司のようにスタッフとコミュニケーションを取ろうと努めました。まったく見知らぬ土地の店舗を率いることになり、地域のお客様が求める商品を提供していくためには、地域の事情をよく理解している地元スタッフの力が欠かせない。そこで心がけたのは、いかにしてスタッフの意欲と能力を引き出すかということ。店長一人の力では、店舗はどうにもならない。極論すれば、店長の重要な仕事のひとつは、スタッフのみなさんに助けてもらうことだとさえ思っています。
私は店長と呼ばれることにまだまだ気が引けるところがあって、リーダーシップはもちろん必要ですが、決して絶対的に偉い存在ではない。スタッフがいてこそ私が店長という立場で力を発揮できるのだと、常にそう自分に言い聞かせて店舗を運営していきました。結果として業績も好調に推移し、初めての店長経験は私をさらに成長させてくれたように感じています。
新店のオープンを、地域の活性化にもつなげられればと奮闘
その後、また新たなチャレンジが私を待ち受けていました。手掛けることになったのは、大阪南部の岸和田市の新店のオープン。それまで岸和田市内には2つのユニクロの店舗があり、私は半年ほど前からそのうちの一店舗の店長を務めていたのですが、今回、その2店舗を閉鎖して統合し、市内に開発された大規模なショッピングセンター内に新たな標準店を設けることになり、その店長を任されたのです。
まずは店舗を円滑にクローズするために、お客様に閉店と新店オープンの告知をしつつ、在庫を新店舗へ移管。そして、新店舗のレイアウントを考えて資材を搬入し、開店の準備を進めるとともに、オープン時の集客イベントも企画。一定金額以上お買い上げのお客様に、いろんな賞品が当たる抽選会を開催することを決め、その商品の手配にも奔走しました。
地域の産業に貢献できるものを賞品にしたいと調査したところ、岸和田市のある泉州地域は日本のタオル産業の発祥の地だとのこと。そこでタオル製造業者の方と交渉し、特産品のタオルを賞品としてご提供いただくことに。もしかしたら、地域のお住まいのお客様も、泉州がタオル産業発祥の地だとご存じない方がいらっしゃるかもしれない。この新店から情報を発信することで、地域に誇りを持っていただければという思いも込めました。こうして新店のオープンに漕ぎつけ、いま私がその指揮を執っています。
ユニクロの店長は、
人間として大きく
成長できる。
予想外のピンチを乗り越えて、世界一、地域から愛される店舗
私が率いる岸和田市の新店舗ですが、オープン当初は集客に苦戦しました。まったくの予想外で、正直、店長としての自信をなくしかけていたのですが、上司や本部スタッフの方々の支援もあり、自分自身を奮い立たせて挽回していきました。
不振の原因を探ると、そもそも新店のPRが足りず、お客様にあまり認知されていないことが判明。また、新店舗の場所は、複数のテナントが路面店のように建ち並ぶ平面形態のショッピングモール内に位置しており、敷地内からのアクセスがわかりにくいという問題もありました。そこで、広告量を増やすとともに、店舗周辺に看板を配置して誘客する施策を実施。一方、ユニクロの店長は経営者として店舗の収支にも責任を負っているので、広告の経費を増やすと利益が減ることが気がかりでした。利益を保つために、サービスの質を落とさず、人手をかけずに店舗を運営する方法も模索していきました。
根本的には、地域のお客様に支持されて、何度も足を運んでいただける店舗をつくることが何より重要です。それを担うのは、やはりお客様と直に接するスタッフたちであり、スタッフの教育にも一層力を入れています。大阪のお客様はみなさんフランクなので、失礼にならないようにこちらもできるだけフランクにお応えし、良いことも悪いことも本音で話していただいて、その声をもとに絶えず改善して地域に愛される店舗をつくりたい。いまの状況は、裏返せば大いに伸びしろがあるということ。ファーストリテイリンググループで 世界一、地域から愛される店舗にしようと、スタッフたちと思いをひとつにしています。
地域に合わせた商売を自ら考えて仕掛ける。それがユニクロの面白さ
私はこれまで、地域正社員とグローバルリーダー社員の両方を経験してきました。そしていま改めて感じているのは、ユニクロで働く醍醐味というのは、どんな環境に身を置いても共通しているということです。
地域正社員は、地元に根ざしてお客様をよく理解し、密な信頼関係を築きながら店舗を成長させていくのが面白いですし、店長になれば地元企業の方々と関わる機会も多く、地域でのネットワークも広がっていく。地域においてユニクロの店長はやはり注目される存在なので、地元企業を巻き込んで、地域の活性化につながるイベントなども仕掛けることができます。一方、グローバルリーダー社員も、全国各地に赴いて、その土地に合わせた商売を考えて仕掛けていく面白さを味わうことができる。どちらも地域のお客様を知ることが重要であり、求められることは根底で共通しているように思います。
私自身は、今後昇格してエリアマネージャーを務めることになったとしても、将来的には店長に戻りたいと考えています。地域のお客様の声に直に触れ、スタッフと直に接することのできる場に自分を置きたい。ユニクロの店舗は、チームで助け合いながら仕事を進めていく文化なので、常に誰かから刺激をもらい、またこちらからも刺激を与え、お互いに高め合っていける。そうした環境の中で店長を務めると、本当に得るものが多くて人間として大きく成長できる。そこに私は、ユニクロでキャリアを積むいちばんの醍醐味を覚えています。

畑 慧次朗
Keijiro Hata
そよら東岸和田店 店長
2017年に地域正社員として新卒で入社。地元の京都市内のミーナ京都店、西陣店、京都河原町店での勤務を経て、2021年10月にグローバルリーダー社員に転換。新人店長として岩手県の水沢カルチャーパークあてるい店(岩手)に着任する。2023年3月に大阪府の岸和田カンカンベイサイドモール店へ異動し、同年9月、そよら東岸和田店の新店オープンを担当。
※プロフィールはインタビュー当時のものです。