FAST RETAILING

TOP MESSAGE
UNIQLO

どれだけ人の役に立てるのか。
LifeWearを掲げるユニクロの使命は、
その一点にある。

ユニクロはいまや、
地域の人々の暮らしの
インフラとなっている

ユニクロが社会に存在する意義とは何か? それは端的に言えば「人の役に立つ」ということです。お客様の暮らし、そして地域社会の営みにおいて、どれだけ役に立てるのか。我々が果たすべきミッションは、そこに尽きると思っています。

ユニクロはLifeWearで世界を変えていくことを掲げています。LifeWearとは、あらゆる人々の生活をより豊かにする究極の普段着ですが、服を通して地域社会が抱える問題を解決する手段でもある。昨今、地域におけるユニクロの存在感はますます大きくなり、お客様からの期待もいっそう高まっていると感じています。

例えば、国内では近年、自然災害が多発しています。その際、甚大な風水害などで被災された方々に向けて、救援物資としてユニクロの服を贈って生活を支えてあげてほしいという声が世間から次々と寄せられます。老若男女あらゆるお客様を対象としたLifeWearを提供するユニクロだからこそ、そうした非常事態にお応えできるのであり、我々の使命を再認識しています。また、地域の学校からユニクロ店舗で職業体験を実施したいというご要望や、地元のイベントに店舗を活用させてほしいというご要望なども各地でいただき、まさに地域の人々の暮らしのインフラになっています。

そして日本国内だけではなく、いまやグローバルの店舗でも同じように地域への貢献が期待されています。それを担う責任の重さを強く感じながら、我々はいま事業に取り組んでいます。

我々は、お客様から寄せられる
リアルな声にまだまだ
応えきれていない

みなさんの眼には、もしかしたら現在のユニクロは成熟した企業のように映っているかもしれません。そんなことは決してなく、お客様のニーズにお応えできていないところが、まだまだ山のようにあります。特に最近は、デジタル技術の進展にともなってお客様とダイレクトにコミュニケーションできる社会になっています。SNSなどを介して、お客様からの商品への評価、店舗への評価がリアルタイムでどんどん入ってくる。そして我々もそれを瞬時に共有し、改善すべき点を即実行に移しています。

例えば、ユニクロは多くのアイテムを展開していますが、ニッチな領域の商品のなかには売上増が見込めず廃番となるケースもあります。お子様用の前開きタイプのボディスーツもそのひとつで廃番となる予定でしたが、病気や障がいで介護が必要なお子様には不可欠だという声をいただき、急遽販売の継続を決定。その際、世間から大きな感謝をいただき、我々も大変うれしく思う一方、本当にこの商品を必要としているお客様の声に気づけなかったことをあらためて反省しました。

こうした事例は、おそらくたくさん秘められている。ユニクロは、それぞれの店舗が経営主体となって事業を推進しています。店舗のスタッフひとりひとりがお客様のリアルな声に気づき、現場からあるべき形に向けて実行できるような、そんな組織でありたい。自分とは違う立場にある人の考えを受け入れ、自分の常識だけにとらわれない方を、ぜひ仲間としてお迎えしたいと思っています。

美意識を磨き、多様性を理解し、
ユニクロを変えようとする
気概をもつ人材を

ユニクロでキャリアを積む醍醐味は、若いうちに全国各地に赴き、地域に密着した店舗の運営に携わることで、新たな体験、新たな視点を得られることです。見知らぬ土地で暮らすことで、国内にもこんな場所があったのかという新鮮な発見があり、日本を見直すきっかけにもなります。

また、ユニクロの店舗には、学生から主婦の方までさまざまなアルバイトスタッフの方が勤務しており、自分と異なる価値観を持つ人を率いていくという、自らの成長に大きくつながる経験を積むことができます。ぜひ20代のうちに、日本の文化に対する理解を深め、美意識を磨き、多様性を肌で感じてほしい。それは将来、グローバルで活躍する際にも、必ず大きな糧となるはずです。

これからユニクロに参画されるみなさんには、変革の気概をもって臨んでほしいと思っています。お客様の声に真摯に応えようとすると、我々自身の事業や組織のあり方を変えなければならないこともある。副作用も伴いますが、それを恐れずにあるべき姿を追求してほしい。特にコロナ禍に大学生活を送ったみなさんは、世の中の価値観が一変するなかで不自由なキャンパスライフを強いられ、これからの社会に対して問題意識を持ち、変革のエネルギーを蓄えられている方が多いのではないでしょうか。それをユニクロで存分に発揮してほしい。私も長らくユニクロに在籍していますが、この会社ほどエキサイティングな場はないと思っています。絶えず新たな課題に直面し、いつまでたってもゴールにたどり着けない。こうした状況に魅力を感じ、社会からの期待に応え続けたいという強い意志を持つ方に、ユニクロの次世代を託したいと考えています。

UNIQLO

Takao Kuwahara

ユニクロ 日本事業CEO

ファーストリテイリングの営業本部長、人事部長、ユニクロ欧州事業CEOを歴任し、現在ユニクロ日本事業CEOを務める。

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