FAST RETAILING

志を持つことは、
生きる意味を考えることにも
通じる。
教育を通して、それを伝えたい。

Mitsuhiro Toyoda

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」。このファーストリテイリンググループのミッションを実現するために、みずからの人生をかけて人材を育成することに挑戦する。これをプラステで実行することが自分の使命だと、力強く話す豊田。その先に思い描くのは、プラステの従業員たちがファーストリテイリンググループを引っ張っていく姿であり、すべての従業員が目指すべき目標だと語る。

教育を通じて組織を変革する。

店長の成長なくしてはスタッフの成長、店舗の発展は見込めない

私は、ユニクロでいくつかの店舗の店長を務めてきましたが、その都度、挫折を味わいました。九州地方で大型店の立ち上げを任されたときは、私の想定を上回るお客様が来店され、店のオペレーションが追いつかずに店舗の外に長蛇の列ができてしまいました。新しい店舗は新規の採用者が多いのですが、店長として私の教育指導が至らなかったことが店の混乱に拍車をかけてしまい、オープンしたばかりの頃は多くのお客様にご迷惑をおかけしてしまいました。その後、新規採用者を含めたスタッフの育成やオペレーションを何度も見直すことで、次第に多くのお客様のご期待に応えられるようになりました。

店長として自信がついてきた頃、東京の店舗に配属となりました。九州で経験を積んでいた自負もあり、東京でも良いスタートがきれると思っていましたが、最初はまたしても苦戦。担当の店舗はファッション感度の高いお客様が多くいらっしゃるエリアにあったのですが、商品の見せ方やスタッフの立ち振る舞いなど、様々な面においてお客様が求めるもの以上のサービスを提供することができませんでした。私が、店長としてスタッフ、そしてお客様が想像する以上の良いサービスを考えられなければ、店舗全体の実力はあがらない。店長の実力が、そのまま「店の力」となり、それがお客様からの評価、そしてスタッフの評価につながることを身を持って経験しました。

ご来店されるお客様が一人ひとり異なるからこそ、そのエリア全体のお客様のご期待に応えられるように成長しなければならない。店長の成長なくして、スタッフの成長、ましてや店の発展はないことを骨身に染みて理解し、私の仕事に対する姿勢は大きく変わっていきました。

教育を通じてプラステを大きく飛躍させたい

ファーストリテイリングという会社は、一人ひとりの社員を本当によく見ています。私は異動の度に壁にぶつかりましたが、「いまのあなたに足りないものはこれです」という声が、いつも周囲から聞こえてきます。その声を聞いて自分なりに努力してみると、その経験がその後の自分の大きな糧となっていく。周りの支えがあったからこそ、これまでくじけずに、前を向いて進んでこられたのだと思っています。

ユニクロで、特定の地域にある店舗を統括するエリアマネージャーを務めていた頃、当時の部長から「プラステに行ってみてはどうか」と言われたときは、期待が一気に膨らみました。異動先は、本部の仕事や海外店舗の仕事なども選択肢としてありましたが、「ユニクロで経験できないことができるかもしれない」と考え、その提案を喜んで受け入れました。

当初はスーパーバイザー(エリアマネージャー)としてプラステ営業部に在籍していました。ユニクロと比べると規模の小さい企業なので、それぞれの部署がどのように連携しながら誰が、どんな決断をして商売を組み立てているかが実によくわかります。思い返せば、これは今の業務にたずさわる伏線だった気もしています。

異動後、ほどなくして従業員を指導する教育チームが発足しました。私はスーパーバイザーの仕事のかたわら、教育チームの仕事も担当することになりました。徐々に業務量が増えてきた頃、「ユニクロのノウハウをここで展開できたら、プラステは大きく飛躍するかもしれない」「従業員の教育を通じて、この組織を大きく変革できるかもしれない」という手応えを感じるようになっていました。

あなたの志は何ですか?

数々の失敗が生きた教材に

プラステには、セールスコンシェルジュと呼ばれる店舗スタッフがいます。セールスコンシェルジュは豊富な商品知識、卓越したコミュニケーション力によって、多くの顧客を獲得している販売のスペシャリストであり、まさにプラステというブランドの付加価値そのものです。教育チームでは、このセールスコンシェルジュをさらに養成していくべく、いま、力を注いでいます。

特に私たちが期待するのは、顧客の獲得のさらにその先です。お客様のニーズの深掘りし、セールスコンシェルジュの知見と情報を商品企画に生かしたいと考えています。お客様の声、スタッフの声をもとに商品を生み出していく一翼を担ってもらうことで、単に服を売るだけではなく、服を通じてお客様に情報を伝え、日常生活をより豊かにする「情報製造小売業」を実現したい、そう考えています。

さらに、私が力を注いでいるのは、店長の育成です。店長に期待するのは、それぞれの地域の特性、お客様に寄り添った店舗の運営の実現。その指導で、私がそれまで店長として経験してきた数々の挫折や失敗は、いまでは生きた教材になっています。

お客様の生活スタイルを見極め声に耳を傾ける

店長や店長候補の従業員に、私が店長として大きく変わったターニングポイントとして伝えているのが、「現場・現物・現実」という「三現主義」の徹底です。

店長は業務量が増えるにつれて、どうしてもバックルームでの仕事を優先しがちです。このとき、「店はスタッフに任せています」「スタッフから店の状況を共有してもらい、どうすべきか私が判断しているので大丈夫です」というのは簡単です。それに、なんだか聞こえもいい。でも、それではだめなんです。なぜって、私が店長だった頃、同じことをして失敗しているのですから。

店頭に立っていると、地域のお客様の生活スタイルや行動が手に取るようにわかります。商品やサービスについて、どんな声がお客様から寄せられているか、店舗スタッフはどんなアイデアを持っているのか、そうした声によく耳を傾けてみると、それぞれに地域でどのような品揃えや売場が求められていて、どんな販売の仕方をすれば、より地域のお客様に寄り添った店舗が実現できるかが見えてきます。

そうして一つひとつの店舗の状況を捉えていくと、過去を振り返りながら、先々の商売を明確に考えることができるようになります。「こんな感じかな」という、あやふやな事業計画が、「これだ」という確信を持ったものに変わり、多くのお客様に愛される店となって、スタッフの士気も高まっていきます。もちろん、売上も伸びていきますよね。

店舗は、店長によって大きく変わるし、その仕事は「自分にしかできない仕事」になります。私が教育を通じて絶えず問いかけるのは、「あなたの志は何ですか?」ということ。すべての仕事はここから始まりますし、それは自分の生きる意味を考えることと同じだと考えています。

ファーストリテイリング
グループの
相乗効果を目指して。

「世界を変える」ために

プラステは、百貨店やショッピングモールなどに出店しており、どの店舗においても高いスタイリング技術を含め、ていねいに接客を行っています。店長とセールスコンシェルジュを成長させ、すべての店舗で店長、セールスコンシェルジュ、そして店舗スタッフの力を最大限に発揮し、地域に寄り添った店舗運営を実現させれば、プラステは単なるファッションブランドではなく、日本の小売業を大きく変える力になると信じています。

いま考えているのは、例えば同じエリアにあるユニクロやジーユーの店長が、プラステのセールスコンシェルジュにその地域のお客様の傾向や特徴、ニーズについてヒアリングをしたり、同じ地域のセオリーの店長が、プラステの店長と地域に寄り添った経営の指針についてディスカッションを行ったりするなど、相乗効果を生み出すことです。

プラステが他のファーストリテイリンググループのブランドと互いに情報を共有できるようになれば、グループ全体の相乗効果はいっそう高まるはずです。それによって、ブランドの成長、そして私自身の成長へとつなげたいというのが、私の志です。

はじめは「世界を変える」という大志がなくても構いません。まずは、お客様やスタッフのために自分は何ができるのか、服を通してお客様の日常生活を豊かにするにはどうすればいいのか、ということを本気で考えてもらいたいと思っています。そうしたなかで、だんだんと、そして着実に自分でできることが増え、可能性が広がっていきます。そして、「世界を変える」というミッションを本気で目指せるようになる。そうして見えてきた志は、きっと自分の人生に大きな意味を与えてくれると思うのです。

PLST

豊田 光博

Mitsuhiro Toyoda

プラステ 教育部 教育チームリーダー

2011年に新卒でユニクロに入社。九州地方4店舗、関東地方2店舗で店長を務め、2016年にエリアマネージャーに就任。2017年にプラステに異動。エリアマネージャーとして3つのエリア担当した後、2018年より教育チームのリーダーを務め、2021年3月に営業部部長に就任。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。
※現在は「プラステ 営業部」に所属し、部長を務めています。

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