FAST RETAILING

お客様にとって
最高のブランドになるために、
現場と本部をダイレクトにつないでいく。

Minori Tabe

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

店長、スーパーバイザーを経て、特定のエリアにある店舗を統括するブロックリーダーに就任したばかりの田部。目標は、会社全体への貢献と地域に寄り添った店舗づくりを実現させると同時に、チーム一丸となって成果を上げること。その先に思い描くのは、お客様の笑顔と、服を通して日常を豊かにすることだ。その目標に向けて力を入れているのが、お客様と店舗スタッフの声を、できるだけ多く本部に届けること。これまで以上に現場の力が求められていると実感している時だからこそ、田部はいま、店舗スタッフたちとの仕事を心の底から楽しんでいる。

感覚に頼りながら
仕事をしていた頃。

新しい店舗の立ち上げで感じた壁

最初に配属されたのは東京・有楽町にある店舗でした。当時はまだプラステがファーストリテイリンググループに加わる前でしたが、有楽町というオフィスがひしめく場所ということもあり、私がそれまで抱いてきたプラステのイメージと、実際に店舗にご来店されるお客様の姿が見事に重なりました。「私も10年後には、この店舗に足を運んでくださったお客様のようにかっこいい女性になりたい」というあこがれを抱きながら仕事に励み、2年目には副店長を、3年目には店長を務めました。

店舗の売上が好調だったこともあり、その点が評価されて埼玉県さいたま市大宮区の新しい店舗の立ち上げを任せてもらえることになりました。新しい店舗は、既存店のように蓄積された知見やデータもなければ、その地域の特性やお客様のことを熟知するスタッフもいません。どのようにお客様に喜んでいただける店舗にするか、どのような人材を採用し、その地域に寄り添った品揃えやサービスは何か、予算はどのくらい必要なのか――。すべてを一から築き上げる必要がありましたが、これまで自分がいかに感覚に頼りながら仕事をしてきたか、この時、身につまされることになりました。

道しるべとなった商売の仕組み。

「計画」することが何よりも大切だと気づいた

新しい店舗の立ち上げにあたり、当初、私は、「有楽町の店舗で培った経験を生かして、そのやり方で対応すれば大丈夫」と軽い気持ちで考えていました。ところが、オープン後、半年経っても店舗の売上は伸び悩み、店舗スタッフからも商売に対する積極的な反応が返ってこない。私はこの時、それまで自分が経験と勘に頼って仕事をしていたということに気がつきました。私のそれまでの経験は、有楽町の店舗で積まれたものであり、新しい店舗とは地域の特性も、店舗が入っている商業施設の方針も異なります。そして、私の思いを“言葉”にして共有しなければ、スタッフたちに伝わらず、皆、バラバラにものごとを考え、お客様に最高のサービスを提供できないことに気づいたのです。

当時、プラステがファーストリテイリンググループに加わったことは、私にとって幸運でした。それまで感覚で仕事をしていた私には、ファーストリテイリングが築き上げてきた商売の仕組みと原理原則は、私が進むべき道を示す道しるべとなりました。特に、店長は、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という資源を効率良く活用しながら事業を営む「経営者」である、という考え方には深く共感しました。また、店舗で取り組むすべてのことに対して、前もって計画を綿密に立てることの重要性を、改めて認識することができたと思います。

例えば、店舗では「稼働計画」を立てることが大切です。これは、「誰が何時に何をするか」といったスタッフ一人ひとりの担当を計画・作成し、スタッフ全員に共有するものです。お客様が多くいらっしゃる時間帯はいつか、その時間帯は売場に何名のスタッフがいればより良いサービスを提供できるか、など時間ごとに細かに計画を見直したところ、スタッフたちが割り当てられた担当に責任を持ち、主体的に動いてくれるようになりました。それまでは、気づいたらスタッフ全員がバックルームで作業をしていて売場に誰もいなかった、という事態も起きていたのですが、そのようなこともなくなりました。スタッフ同士がその時間帯に、お互いがどこで何をしているかが把握できるので、一人ひとりが効率よく仕事ができるようになり、結果としてお客様と向き合う時間も多くなっていきました。

地域への貢献を考えるスーパーバイザー

店長になったばかりの頃の私を思い返すと、リーダーシップということを履き違えていたことにも気づきました。当時は、すべて自分ひとりで仕事を完結しようとしたことで、スタッフたちの自主性や積極性を奪ってしまっていました。一番大切なのは、スタッフ一人ひとりが「経営者」のマインドを持って店舗を運営していくこと。それに気づいてからは、スタッフたちも自身の考えなどを積極的に提案してくれるようになりました。なかでも店舗の売上向上の大きな助けとなったのが、地域の特性に関する地元出身のスタッフの意見でした。

さいたま市大宮区の店舗の後、私は、隣接するさいたま市浦和区にある店舗の店長になりました。同じ埼玉県内とはいえ、大宮と浦和のお客様の生活スタイルは大きく異なります。店舗では、その違いを熟知している地元出身のスタッフたちから、浦和のお客様に最適な品揃えなど細かな点でアドバイスを受けました。もし、その提案がなかったら、お客様のニーズに細やかに対応したサービスは提供できなかったと思います。また、同じエリアにあるプラステの店舗の店長たちとのミーティングを月1回のペースで開き、情報交換をするようにもなりました。地域に寄り添った店舗づくりをどのように実現していくべきか、お客様のために私たちができることは何か、時間を忘れて話し合いを重ねていくのです。思い返せば、各地域を統括するスーパーバイザーとしての視点や発想も、このときから徐々に養われていったような気がします。

店長からスーパーバイザーになったばかりの頃も、埼玉エリアを受け持つことになりました。当時、顔なじみのスタッフばかりだったこともあり、各店舗でそれぞれの地域の特性にあった店舗づくりを実践した結果、埼玉エリアでは1店舗集中型ではなく、それぞれの店舗にご来店してくださるお客様が増えました。私が大宮で新店を立ち上げた当初は、埼玉エリアでの認知度が低かったプラステですが、いまではすっかり地域に溶け込んでいます。

お客様、
スタッフの声を商品に。

店舗スタッフが伝える“言葉”の説得力

私がスーパーバイザーとして最も力を注いだのは、お客様とスタッフの声を生かした商品作りです。とりわけお客様から寄せられる声は、スタッフ一人ひとりがすべての商品をしっかり理解していなければ正しく拾えることができません。そのため、商品に関する知識の共有には特に力を入れ、ご来店されたお客様をよく観察するよう、スタッフに促しました。

店舗には立たないスーパーバイザーである私が売上などの数字から見て取れるのは結果のみで、そのプロセスは見えません。どのようなお客様が購入されたのか、または購入しなかったのか。そのお客様の性別、身長、体型、年齢層を見極め、購入されなかった理由は商品のサイズ、長さ、幅、デザインなのか、それらをつぶさに分析できるのは店舗に立つスタッフだけです。購入されなかったお客様にこそ、ていねいなコミュニケーションを取り、改善点を拾っていくことを、私は全員に強く求めました。同時に、私自身もメンバーが集めた知見を漏らさずにヒアリングし、そのポイントを整理することで、商品作りへと反映させていきました。

定期的に本部で開かれる商品検討会には、営業部代表として出席しました。その際、店長たちに同席してもらい、私に代わって意見を伝えてもらいました。同じ内容を語るにしても、私と現場に立つメンバーとでは、説得力が違うと感じたからです。

お客様のニーズに合う最高のサービスを届けたい

一つひとつの商品の改善や、お客様を飽きさせない定番商品のコーディネートアイテムの継続的な開発。そして、顧客を対象とした限定フェアの実施と新商品の限定公開などの施策はすべて、現場を担うメンバーたちの発案です。私たち営業部は、こうした企画を実行し、さらに強化しています。

プラステはいま、商品の構成を抜本的に見直している最中です。従来であれば、オフィススタイルなどオンタイムに着られる商品を中心に開発、販売してきましたが、リモートワークの浸透に伴い、自宅で過ごす時間が増えるなかで、オフタイムに着られる商品も充実させていく必要があります。それを最適、そして最高の形で作り上げた新しい商品の開発には、お客様と店舗スタッフの声が必要不可欠です。

プラステなら、多くのお客様の声を集めることが可能です。ちょっと背伸びをして、ファッションを楽しみたい人が購入できる価格で商品を提供しているため、ファッション感度の高いお客様からの声、また、多様な生活スタイルを送るお客様の声も集めることができるからです。ファーストリテイリンググループにおいて、いま、最も期待されている部署のひとつがプラステの営業部だということを、私たちは強く感じています。

私は、2021年からより広いエリアの統括するブロックリーダーとして、西日本を担当することになりました。私の目標は、地理的な距離に左右されることなく、現場と東京の本部をダイレクトにつなぎ、お客様に寄り添った商品をそろえ、その場所のお客様のニーズに合うサービスを実現していくことです。私はこれまでにも増して、この仕事に強い使命感を感じています。

気づけばプラステに入社して10年が過ぎました。初めて店舗スタッフとして勤務した有楽町の店舗で、あこがれを抱いて接してきたお客様に自分がどこまで近づけたのか、まだ分かりませんが、夢や希望をいつも持ちながら働いている姿を、これからも後輩たちに示していきたいと思っています。

PLST

田部 美乃莉

Minori Tabe

プラステ 営業部 ブロックリーダー

2010年に新卒で入社。最初の配属先である「プラステ有楽町マルイ店」で店長を務めた後、2014年に「プラステ コクーンシティ店」の店長となり、新店立ち上げに取り組む。その後、「プラステ浦和パルコ店」店長を経て、2018年にスーパーバイザーに就任。2021年3月より現職。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。

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