FAST RETAILING

どんな商品であろうと期待に応え、
成果を挙げられるマーケターを
目指していきたい。

Asuka Shiraishi

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

果たすべきはWomen’sインナーの業績を上げること。そのために白石は、新規顧客を獲得するためのマーケティング戦略の策定にはじまり、商品の魅力を伝えるためのマーケティングアセットの開発、さらに商品開発や各国のマーケティングコミュニケーションにも深く関与している。まさに企業活動全般に関わっていくことで、提供価値を高めようとしている白石だが、一連の業務は店長業務と通じるものがあると指摘する。

日本のモノづくりの
価値を広めたい。

シンガポールでの体験が今の仕事のきっかけに

高校時代をシンガポールで過ごしたのですが、現地の友人たちがこぞって指摘したのが日本のモノづくりの素晴らしさについてでした。このことが当時の私にはうれしかったし、誇らしかった。このときからですね、「世界で活躍する日本のメーカーで働きたい」「自社の誇れる製品を世界に伝えていけるような仕事がしたい」と考えるようになったのは。ユニクロでマーケティングの仕事をするようになったのも、これがきっかけです。

では、どうしてユニクロなのかというと、発展途上の会社であるにも関わらず「世界一を目指す」を標榜していたからです。1日の3分の1を仕事に費やすのだから、本当に楽しいと思える仕事、夢中になれることに取り組める会社が良いと考えていました。だから、「自分の興味関心のある洋服で、同じ船に乗って世界一を目指す」ことに、私はとても魅力を感じましたし、社会を支える衣服住の中の衣のインフラとして世界に挑んでいく、新しい市場を開拓していくという点でも、非常にわくわくしました。

とはいえ、入社前は「店長は、経験として必要だからやらないといけない」くらいにしか考えていなかったので正直、不安も大きかったです。でも、今こうしてマーケティングの仕事をしていて思うのは、店長の経験が必要不可欠だったということです。

マーケティングの醍醐味。

アイデアひとつで価値が伝わり、商品が売れるようになる

マーケティングとは、「お客様のことを知り、理解する」ということが根幹にあります。お客様が本当に求めているものを知り、良いものを作り、作った商品の魅力や情報をしっかりとお客様に届ける、ということが使命です。でも、その基本的なことがなかなか難しいと日々感じています。自社のアピールポイントとお客様の評価ポイントがズレることもあるし、お客様に伝わる情報もあれば伝わらない情報もある。これらはもう、日常的な難しさとして存在しています。

それと時代背景も、私たちの仕事を難しくしていますね。今は本当に良いものでないと、お客様は手に取ってはくださらない。だからこそ、お客様のニーズにあった、本当に良いものを作ることが一番大切であると身をもって実感しています。また、「伝える」という点でも、今の時代はCMだけを見て物を買う時代ではなく、口コミやSNSなど、様々な情報を見た中で、買うものを選択する時代。いかに一瞬で興味関心を持ってもらえるメッセージやビジュアルを作るかも、難しいミッションになっています。

さらに私が担当するインナーのビジネスでは、たとえヒット商品を生み出したとしても、すぐに競合品が市場に出回る世の中ですし、次に続くヒット商品というのはそう簡単にはつくれません。ユニクロはアパレルブランドなので、「下着メーカーの商品と比べると見劣りするのでは」という先入観も、乗り越えるべき障壁となっています。

まさに課題山積ですが、だからこそマーケティングの仕事はいつもチャンレンジングで、刺激的なのだと思います。本当は良い商品なのに、なかなかお客様に伝わらず売れなかった商品がある。そこに、マーケティングの視点が入り、お客様に寄り添った価値を伝えることで、売れるようになる。そういったアイデアを生み出すことができた時は、ものすごく楽しいし、そのアイデアで世の中の多くの人たちに、生活を豊かにするような良い商品を届けることはとてもやりがいがあり、マーケターの醍醐味だと思っています。そのようなアイデアをどんどん生み出せるマーケターとしてもっともっと成長していきたいです。

「ユニクロ誕生感謝祭」で生きたのは、
店長時代に培ったチームで働くという姿勢

前部署の「日本マーケティング部」にいたときに携わった「ユニクロ誕生感謝祭」については、定量的にも定性的にも成果を出せたことが印象に残っています。感謝祭はセール企画として例年、各部署がそれぞれ力を発揮し、全社一丸となって取り組む社内的にも特別な行事なのですが、私もCMを作り、イベントを企画し、ノベルティを準備しました。当時CMに起用していたタレントさんの名前にあやかった菓子パンを先着順で配布したりもしました。これがSNSでバズったのです。

今、振り返って思うのは、何か特別なことを実行したわけではないということ。明確に言えるのは、「感謝祭に関わるすべてのチームがひとつのチームとなって仕事をしていた」ということです。店長を務めていたときは、常に、「スタッフ一人一人の良い所や強みを生かしたチーム作りをしたい」と思っていました。そして感謝祭でも同じ感覚で仕事をしていました。意識したのは「それぞれの分野でプロフェッショナルとして働く方々の強みをお借りし、ひとつのチームとして、みんなで楽しみながら仕事をする」ことでした。

各部署のいろいろなチームの人たちに、よくアイデアを求めに行っていましたし、広告物を一緒に作っていただく代理店の方たちにも「遠慮なく、意見をください! 一緒に良いものを作るひとつのチームなので」と伝えていました。結果として、関係者全員の間で一体感が醸成され、そうした熱気がお客様にも伝わって、感謝祭に集う誰もが楽しい時間を過ごすことができた。私はそう、肌で感じることができました。

ユニクロに勝る
環境はない。

先に商品ありきではなく、一連のプロセスに開発を組み込む

現在、私は「川上」と「川下」、二方面での取り組みを強化しています。「川上」では、商品開発に深く関わるようにしています。私が担うべきは情報のアウトプット。経済情勢や社会情勢などの世相に始まり、市場動向や消費者ニーズ、他企業の取り組みや自社のバリューチェーンを念頭に置いた訴求ポイントなど、マーケターとしての観点から情報を提供することで、お客様に喜んでいただける商品開発に貢献していくことを目指しています。

商品開発の主体であるMD(商品企画)チームやR&D(デザイナー、パタンナー)チームの意図を十分に理解した上で、「その商品だったら、どういうマーケティング戦略が考えられるか」「そのマーケティング戦略を実行するには、どういう商品だと良いか」——。先に商品ありきではなく、お客様に喜んで買っていただけるまでの一連のプロセスの中に開発をきちんと組み込んでいけるよう考え、意見することを心がけています。

もう一方の「川下」について言えば、一つの商品をしっかりと世の中に伝えていくためのマーケティング戦略を練り、それを伝えるためのコミュニケーションツール作りに、より一層、注力しています。社外の優秀なクリエーターのみなさんの協力を仰ぎ、CMを制作し、店舗やデジナル上の様々な販促物を作っていますが、強く意識しているのは、最終的にそれをローンチしていくのは各国のマーケティング部の人たちだということ。

そこで今、私が力を入れているのが、彼ら彼女らとのディスカッションです。各国のマーケティング部の人たちと密にコミュニケーションを取ることで、それぞれの国や地域のお客様のインサイトを拾っている最中であり、同時にグローバル規模で打てる施策について、各国メンバーの意見を引き出しながら、みんなで検討を重ねているところです。

マーケターとして果たすべき私の使命

一つの成果を出すためには、すべてがつながる必要があります。良い商品、良い売場、良いスタッフがいる良いお店、そしてきちんとした情報をお客様に届ける良いマーケティング。そのすべてが連動してはじめて、お客様に喜んでいただくことができます。

だからこそマーケターの役割は重大であると自覚しています。各部門の活動を有機的につないで提供価値を高めていくには、いろいろな人の知見や助力が必要であり、様々な人を仲間に引き入れ成果を出していく、その求心力となっていかなければならないからです。

とはいえ、私はマーケターとしては、まだ道半ば。これからもたくさん本を読み、社内の経験豊富な上司や同僚、様々なバックグラウンドを持つ中途入社の人たち、そして一緒に仕事をする社外の多様なプロフェッショナルの方々から教えを受け、良い戦略と良いクリエイティブを生み出すための感性を磨いていく努力が必要です。これまた課題山積といった感じですが、それでも私はポジティブに捉えています。この仕事は実践してこそ習得できることも多く、どんどんチャレンジさせてくれる風土や環境が、ユニクロにはあるからです。

どんな商材でも任せられると期待してもらえる、定量(売上)と定性(ブランディング)の双方できちんと目標を達成できる、そんな成果を出せるマーケターになること。その結果として、お客様への提供価値をグローバルに高めていくこと。これが私の目標であり、それを実現できる環境を与えてもらっているからこそ果たすべき、私の使命だと考えています。

UNIQLO

白石 明日香

Asuka Shiraishi

ユニクロ グローバルマーケティング部

2013年に新卒で入社。2年目に店長に就任して以降、計3店舗で店長を務める。2016年、グローバルマーケティング部に移り、インストアチームの業務を担当し、2017年に日本マーケティングへと異動し、感謝祭PJ業務に従事。2019年、グローバルマーケティング部に戻り、現在は商品マーケティングチームでWomen’sインナーを担当する。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。

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