FAST RETAILING

LifeWearとしての価値観を体現し、
誰が見ても最高と感じる売場を
グローバルに実現させていきたい。

Shinya Sonoda

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

「最新」「最善」の売場を、全店に向けグローバル展開すること。その成果として、お客様に多様で豊かな生活シーンを想起いただける、そんなLifeWearとしての価値観を体現できる売場を実現すること。これがグローバルIMD(In-Store Merchandising)部の果たすべき役割だと園田は語る。担当国の商売の課題を抽出し、什器や商品のレイアウトによって解決へと導く仕事は、そこに明確な答えがないからこそ、自分にしかできないアウトプットがあるはずだと、園田は模索を続けている。

世界に通用する人材になりたい。

見返せずに終わった自分がもどかしかった

1年ほどアメリカに留学し、現地でインターンシップにも参加したのですが、その企業では日本人はとても珍しがられました。英語を第二言語で使うという点では同じはずなのに、ドイツやイタリアなどから来ていた留学生と、日本人である私とでは、企業の人たちの接し方が違いました。「日本人は英語ができない」「コミュニケーションが取れないから仕事もできない」という先入観がそうさせていたようで、悔しかったし、見返せずに終わった自分がもどかしくもありました。

だから実際に社会に出て働くからには、「世界に通用する人材になりたい」「日本のプレゼンスを高めるような仕事ができるビジネスパーソンになりたい」と思うようになりました。そんなとき、手にしたのが柳井社長の著書でした。日本発の企業として本気でグローバルNo.1を目指すという姿勢、自社の事業活動を通じて社会を良くし、世界で最も必要とされる企業を目指したいという価値観に強く共感しました。「この会社で働くことができたら、目標に近づける」。そう思い、ユニクロに入社したのです。

店舗で獲得した知見や経験こそが生きた教材となる

入社して半年が過ぎたところで2店舗目の大型店に着任したのですが、ある先輩との間で店舗運営を巡る考え方にすれ違いが生じました。事態を打開しようとした私は、入社に際し兄からもらった助言を思い出しました。9つの言葉があったのですが、目に留まったのが次の2つでした。「人の良いところを探して働くこと」「自分の仕事が未来の何につながっているのかを、常に考えること」。

私は考え方が違うと思うばかりで、その人のことを知ろうとしてこなかったことに気が付きました。また、清掃や商品整理、商品の移動といった作業しかやらせてもらえないことに不満を抱いていたのですが、「なぜ、それを指示されたのか」「なぜ、このタイミングにその作業を頼まれたのか」を一つひとつ考え直し、その成果を注視するようにしました。結果として、商品を移動するだけでも売上が変化することが確認できましたし、1日の売上としては微増であっても、月間、年間と積み上げていけばまとまった金額となり、これを全社で実行したら億単位で変わることを理解しました。

その先輩は、忘れがちな「原理原則」を徹底しようとしていたのです。まだ経験が浅い頭でっかちの私は、いろいろな業務を経験したいと気が急いてしまい、先輩の言動の真意を正しく理解しようとしなかった。反省するとともに、机上で学ぶのと、店舗において身をもって体験するとでは、理解の深さが異なることを実感しました。店舗で獲得した知見や経験こそが生きた教材になるのだと知ったのです。現業務に自然と熱が入るのも、この実体験があればこそとも言えます。

日々、最善の売場を目指す。

チラシに連動させ、週単位で「新しい売場」を創出

店長に昇格した私は、入社3年目にして現部署への異動を打診されました。もともとグローバルな仕事がしたいと思い入社したので、ありがたい話だと感じていましたが、同時に少なからず不安もありました。なぜなら、本部署は営業で鍛え抜かれた「売場のプロ」たちが集まるところ。経験の浅い自分に、果たして何ができるのかと。

グローバルIMD部は、店内装飾などを手掛けるチーム、マネキンやディスプレイの演出を担うチーム、店舗のタイプごとに什器の配置などレイアウトを担当するチームで構成されており、私はレイアウトチームに所属しています。

これはビジネスモデルとしてユニークなところだと思うのですが、ユニクロでは週単位でチラシを打ち、お買い得商品をお客様にわかりやすくお伝えできるよう、レイアウトやディスプレイもチラシに連動して変更しています。こうして週単位で「新しい売場」を創出することを目指し、実際には日単位で売場に手を加えることで、お客様に新鮮な気持ちでお買い物を楽しんでいただけるよう工夫しています。

最良の取り組みを全世界に広めていく

私たちGHQ(Global Head Quarter)の使命は、「これが良かった」「結果が出た」という各国・地域、各店舗の取り組みを集約し、グローバルに広げていくことで一段高いステージを目指すこと。「グローバルワン」の実現を牽引することにあります。最良の取り組みを全世界に広めていく必要があるのですが、実はこれが骨の折れる仕事となっています。

日本だけを見ても全国に約840店舗あり、店舗の大きさや形も様々。しかも会社として約40年の歴史を積み重ねてきたことで、各店舗に設置された什器の仕様も異なります。こうした各店舗の事情や意図を踏まえつつ、週単位のレイアウト変更を実践していくことになるので、高効率な計画の立案にとても苦労します。

私が担当するEUにしても、各国で気候風土も生活文化も異なり、それを反映した商品構成と売場が実現されています。よってレイアウトを変更するにしても、日本人である私が彼らの考えを正しく理解するためには、日本以上に密なコミュニケーションが必要です。とはいえ、時差の関係から現地の人たちと一緒に働ける時間は正味2時間。限られた時間のなかで最大の成果をあげるにはどうすべきか。今の私のチャレンジでもあります。

経験が浅いから
できること。

意見、考えをどんどん発信し、新しい変化を起こしていく

日々の業務を進めながら考えているのは、仕事は一人でやっても仕方がないということです。部署にいるのは豊富な知見と経験を備えた人たちばかり。私がやるべきは自分の考え、アイデアを周囲の人たちに見てもらい、意見をもらい、それを知識として蓄積していくこと。これを繰り返していくことに勝る勉強法はないと考えています。

そして新たな計画案としてまとめて各国の人たちに提示し、ここでもきちんと意見をもらうようにしています。レイアウトは何が正解かわからないので、迷路に迷い込むこともしばしば。そんなときは「お客様のため」という目的を思い出し、お客様のメリット、デメリットを洗い出し、現場の人たちのこれまでの取り組みの経緯も聞いた上で、ともに落としどころを探しています。

最近、EUに加え、新たに新店に関する業務にも携わるようになりました。新店というのは、現時点における「最新」「最善」を表現する場所。自分には正直、荷が重いと思う反面、経験が浅い分、既成概念や固定観念から自由でいられます。この点を期待されていることは重々承知しているので、これからも自分なりの意見、考えというものをどんどん発信し、新しい変化を起こしていけたらと思っています。

「見やすくて、買いやすい」「店内を歩いているだけで心が弾む」。各国のLHQ(Local Head Quarter)や店舗の人たち、何よりその国のお客様たちから、そう言っていただけるようにしたい。そしていつの日か、誰が見ても最高と感じる売場を実現したい。私の使命はここにあると強く感じています。

UNIQLO

園田 晋也

Shinya Sonoda

ユニクロ グローバルIMD部

2017年に新卒で入社。2店舗で店長を務めたのち、2019年に現部署に配属。レイアウトチームでASEAN担当を経て、現在はEUと新店を担当する。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。
※現在は「UNIQLO (MALAYSIA) SDN BHD IMD」に所属しています。

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