FAST RETAILING

店長に求められるのは、
オペレーションではなくクリエーション。
大事なのは、顕在化していない
課題への取り組み。

Rie Isono

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

ジーユー1期生として入社し、関東各地の店舗で着実に実力を身につけた礒野莉衣は、「リアルとデジタルの融合店舗」である横浜港北ノースポート・モール店の店長として着任。自らが台風の目となり、従来とは一線を画す店舗を生み出したうえで、「大事なのはむしろこれから」と、ジーユーで働く楽しさを語る。

「ファッションに対する
興味と知識」という強み。

すぐに見つかる課題というのは、
往々にして自分の好みや強みに引っ張られがちだということ

就職活動を進める際の軸としたのは、「世界を視野に入れた働き方をしたい」「家庭を大切にしたい」という2点でした。当時、創業したばかりのベンチャー企業でありながら、早くも世界へと羽ばたき、真のグローバル企業となって本気で世界一のファッションブランドを目指そうとしているジーユーに、私は非常に魅力を感じ、1期生として入社しました。

入社後は、スタッフ、店長代理、店長と順にキャリアアップしてきましたが、入社して3年が過ぎたとき、私は大きな壁にぶつかりました。店長としての職務を全うすることで精一杯だったこともあり、仕事のやりがい、自分の存在意義みたいなものをなかなか見出せず、行き詰まっていました。そんなとき、救いの手を差し伸べてくれたのは、上司でした。「ファッションに対する興味と知識」を私自身の強みとして引き出してくれ、それが店舗の業績にもつながることを、日々の指導を通じて私に気づかせてくれたことがブレイクスルーとなりました。

「自分の強み」を知り、「自分の弱み」がわかる。
相互に補完し合うことで仕事はいっそう楽しくなる

私がつねに念頭に置いたのは「自分に何ができるか」という発想と、「店舗や会社を良くするには何が必要か」という視点でした。前者は「自分の強み」が活きるということ、後者は「スタッフの意見」が道標になるということです。

とくに私にとって重要だったのは、この両者のバランスをきちんと取るということでした。それというのも、すぐに見つかる課題というのは、往々にして自分の好みや強みに引っ張られがちだということを、私は「自分の強み」を理解したことで気づいたからでした。むしろ大事なのは、顕在化していない課題、少なくとも自分には見えていない課題への取り組み。これについてはスタッフの意見、とくに経験豊かなスタッフの声に耳を傾けることが、とても有効でした。

「自分の強み」を知るということは、「自分の弱み」を知るということでもあります。強い部分は自分がリードし、弱い部分はスタッフの力を借りる。こうして相互に補完し合うことは、チームワークを強固にし、スタッフのモチベーションを高め、店舗の仕事をいっそう楽しくするのだと、私は身を持って学ぶことができました。

「お客様視点」を持ち込み、
お客様満足の最大化を図る。

お客様にファッションを楽しんでもらえない限り、
その取り組みはお客様への新たな付加価値とはならない

2017年3月、私は横浜港北ノースポート・モール店の店長に着任しました。同店において目指したのは次の3点でした。ジーユーにとって最大級の売場面積を誇り、商品構成においてフルラインアップを実現し、売場にデジタル技術を導入するというもの。

私は着任とともに新店のコンセプトづくりに携わることになりました。私に求められていた役割は、プロジェクトの進行に絶えず「お客様視点」を持ち込み、お客様満足の最大化を図ることでした。プロジェクトはコンセプトづくりに始まり、それをもとにした店舗設計、そして人材教育や売場づくりといったフェーズを経て、同年9月のオープンへと進んでいきました。

こうしたなかで私が何よりこだわったのが、「ファッションの楽しさを、お客様自身にデジタルを活用することで楽しんでいただく」ということでした。デジタル技術を活用し、いかに変革していくかが今回のプロジェクトの最大のチャレンジ。だとしたら、お客様にファッションを楽しんでもらえるような技術にしない限り、その取り組みはお客様への新たな付加価値とはならないと私は考えました。

台風の目となり、組織内に渦を巻き起こす。
自らが求心力となって働くことの醍醐味

いかにしてお客様のストレスを解消できるか。ショッピングにおけるストレスフリー化はお客様への大切なサービスであり、日頃からお店のスタッフとつねに考えてきたことの成果が活きました。

プロジェクトを通じて、思いだけで組織は動かず、それをやることのメリットをしっかりと会社にプレゼンできる能力が必要であることを知りました。ぼんやりとアイデアを伝えるのではなく、具体例とともに実現したい姿を伝え、「お金が足りない」「時間が足りない」という壁も、上司や社内の知見を拝借しながら費用対効果を具体的数値で示すことが重要だと実感しました。

そしてプロジェクトメンバーとして私が何より心がけたのは、「すぐ行動する」ということ。収穫だったのは、現場を担う私自身が台風の目となり、組織内に渦を巻き起こすことができれば、本部の各部門が動き出し、絶えず新しい風が吹き込まれていくことを目の当たりにできたことでした。もともとチャレンジスピリッツ旺盛な企業だけに、ジーユーにおいて自らが求心力となって働くことの醍醐味を、私は肌で感じることができました。

世界を意識しながら
チャレンジできる仕事。

「自分の強み」を信じ、新しい試みにもチャレンジ。
お客様からの声が大きな励みになった

デジタル化への取り組みとともに私が注力したのが、人材教育と売場づくりでした。ジーユーには「おしゃリスタ」と呼ばれるコーディネートを得意とするスタッフがいますが、私はその育成とともに、既存スタッフの再教育が重要と考えました。リアルとデジタルを融合した新形態の店舗である以上、私たちにも心機一転が必要だと考えたからです。

また、売場づくりについては「自分の強み」を信じ、新しい試みにもチャレンジしました。広い売場面積を活かし、什器もこれまでより低いものを採用することで開放的な空間を創出し、通常店舗の10倍以上のマネキンを配置。それもファッションのテーマごとに異なるものを新調しました。

結果として、まったく新しいジーユーの姿をお客様にお見せすることができました。「わぁ、すごい」「全然違うね、今までのジーユーと」といった声をお客様から直接聞けたことは、本当にうれしかったですし、私たちの大きな励みとなりました。

デジタル技術は、お客様とのコミュニケーションを減らすのではなく、
むしろコミュニケーションツールである

デジタル技術はつねに最新の状態を保持していないと、すぐに飽きられ、廃れてしまいます。この点で私たちにとっては双刃の剣。何もしなければすぐに「古いジーユー」となってしまいます。それでも私は、デジタル技術を「ジーユーにとってのチャンス」だと考えています。デジタル技術の導入がお客様とのコミュニケーションを減らすのではないかという懸念もありましたが、いざ導入してみると、むしろコミュニケーションを増やすツールとなっている。この事実は、私たちを大いに励ましています。

今、つくづく思うことがあります。それはジーユーという組織において店長に求められるのは、オペレーションではなくクリエーションだということ。それを仲間と試行錯誤しながら追求する先に、きっと世界をアッと言わせる何かが生まれるのだということを予感しながら働いています。日本にいても、つねに世界を意識しながらこうした数々のチャレンジができる仕事は、やはり刺激的だし、とても楽しいです。

GU

礒野 莉衣

Rie Isono

ジーユー ラゾーナ川崎店 店長

2011年に新卒で入社。2013年に店長、2016年にスーパーバイザーとなり、2017年3月に横浜港北ノースポート・モール店長に就任。2020年10月より現職。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。
※現在は「ジーユー銀座店」に所属し、店長を務めています。

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