FAST RETAILING

「ジーユーがないと困る」
という状態へ。
目指すは「ファッションの
インフラ」
になること。

Toshikazu Yaji

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

大手アパレルに入社後、高級ブランドのマーチャンダイザーとして活躍してきた矢治寿一は、ユニクロを愛用しながら、新しいファッションの可能性を考えていた。ジーユーの創業メンバーのひとりとして加わって以降、あらためて感じたのは、これほどのスケール感を持ったアパレルブランドは世界でも指折り数える程度だということ。商品開発にデータを用いて仮説を立て、リアル店舗で検証し、嗜好性と実用性の両方を追求できることの可能性を、矢治は語る。

日本のアパレル業界は
衰退していくという危機感。

マーチャンダイザーとしてグッときたのは、
「低価格でありながら、ファッション性がある」ということ

前職はマーチャンダイザーとして、大手アパレルで有名ブランドとライセンス契約を結んだライセンス商材を扱っていました。世界に知られるブランドであったことから、やりがいのある仕事でした。ただ、高級品、嗜好品の部類に属することもあって、どうしても市場が限られてしまい、マーチャンダイザーとして戦略や数字を追いかけていくうえでは、ビジネス領域の狭さ、社会に与えるインパクトにおいて、やや物足りなさを感じていました。

そんなとき、ファーストリテイリングが新業態であるジーユーを立ち上げるための、創業メンバーを募集するというニュースに触れ、大きく心が動きました。高級品、嗜好品としてのファッションではなく、今日でいうところのファストファッションの可能性を、大いに考えていた時期でした。マーチャンダイザーとして何よりグッときたのは、「ユニクロよりもさらに低価格、しかもファッション性をより重視する」という内容であったこと。これはビジネスの可能性が格段に大きいと直感しました。

業界関係者にウケるだけでは、ビジネスにならない。
お客様に見向きもされなかったら、それはビジネスではない

当時、ファッション業界では、ファストファッションのような比較的新しいブランドの商品を指して、「ファッションをわかってないよね」という否定的な見解を述べる人が多かったのが事実。でも、それと同じくらいに、「これはこれでいいのではないか」という肯定的な立場をとる人も少なくありませんでした。

ファッション業界においては、とくにハイブランドであるほど、「業界関係者にはウケたけれども、まったく売れなかった」ということがよくあります。こんなとき、マーチャンダイザーとしては、やはり心穏やかではいられません。お客様に見向きもされなかったことから目を背け、「時代の先を行きすぎた」というような感覚で自己満足していたとしたら、それは趣味であってビジネスではないと考えているからです。

それだけに今、顧客接点が非常に濃密であり、すべての人たち、それも世界の市場に向けて、低価格で高品質、ファッション性もきちんと満たした商品をお届けしようとするジーユーに、私はアパレル業の面白さを再認識しています。

「一番はここだよね」というところを作り込む。

ジーユーに対するお客様からの期待度、要求度の高さは、
従来の比ではないことを肌で感じている

現在、ジーユーはひとつの正念場にさしかかっていると私は考えています。ジーユーに対するお客様からの期待度、要求度の高さは、従来の比ではないことを肌で感じているからです。中でも商品構成においては、マーケットが拡大し、お客様の層が広がったことで、これまで以上に多様性が求められてきています。そこで重要となってくるのが、「リアルとデジタルのハイブリット」だと私は考えています。

商品の開発なり構成を考えるうえで、やはり重要となるのがお客様の声。「答えは現場にあり」という言葉は、ファッション業界においても不変です。しかし実用性が高く、対象となるお客様も幅広いブランドにおいては、現場の声を拾う程度ではサンプル数が少なすぎます。そこで活用すべきがビッグデータであり、デジタル技術です。

これまでに蓄積してきたあらゆるデータを、さまざまな手法で解析、分析することにより、「これしかない」という真ん中をいかに追求していくか。「一番はここだよね」というところをしっかりと作り込むからこそ、デザイン性や機能性を含め、品質を高めることができると私は考えています。

「商品開発にデジタルという名の「科学」を持ち込み、
リアル店舗で検証しながら世界進出を図れるブランド

例えば、ファッションに影響力のある人が「花柄」を着用すると、それが世界に広がっていく様子は、SNSなどですぐに確認できます。でも、それがどう受け入れられていくかで、各国の特徴が出てきます。こうした事情をふまえ、ジーユーとしてのコアコンセプトを残しながらも、これからは現地最適化も図っていかなければならないと私は考えています。しかもスピーディにそれを実現していかないと、トレンドは次へと移り、商機を失うことは火を見るより明らかです。

世界にファッションブランドは数多ありますが、商品開発にデジタルという名の科学を持ち込み、ビッグデータを分析。その成果をリアル店舗で検証しながら世界進出を図れるブランドは、世界でも指折り数える程度だと思います。嗜好性と実用性の両方を高いレベルで兼ね備える商品、それも現地最適化をいち早く満たした商品構成を実現できるようになったとき、世界のファッション業界において未だなしえないビジネスモデルを生み出し、そこにひとつのパラダイムシフトを起こせると私は考えています。

変わりながら、成長しながら、
協業しながら、進化し続ける。

「ファッションのインフラ」となれたとき、
それはジーユーだから提供できる付加価値となる

私はいつしか、リアル店舗とネット通販、アナログとデジタルを上手に融合しながら、お客様と個人レベルで一緒に商品開発ができたら面白いと考えています。お客様とシームレスにつながることで、その商品開発を個人用のフルオーダーメイドとして、安価、最速、高品質に実現するだけでも高い付加価値を提供できると思いますし、素晴らしい商品ができたときは多くの人と共有しても楽しいと思います。

こうすることで、「ジーユーがないと困るよね」といってもらえるような、いうなれば「ファッションのインフラ」となれたとき、それはジーユーだから提供できる付加価値となって、ジーユーの確固とした存在意義になるのではないかと私は考えています。

これまでのジーユーの10年の歩みを振り返ったとき、10年前と変わっていないのは、もしかしたら社名くらいではないかと思うほど、私たちは絶えず進化してきたからです。変わりながら、成長しながら、協業しながら、進化し続けてきたのがジーユーであり、それを一緒に楽しみながら前に進める仲間がいるかぎり、私の夢物語は絵空事ではないと強く信じています。

GU

矢治 寿一

Toshikazu Yaji

ジーユー グローバル商品本部 部長

2006年、ジーユー創業時に中途入社、MD(マーチャンダイザー)部に着任。2012年にR&D(研究開発)へ異動し、2015年より現職。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。
※現在は「グローバル商品本部 グローバルMD部」に所属し、部長を務めています。

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