お客様が「今着たい」と思う
ファッションを
グローバルに
届けるための、
世界一の生産
プラットフォームを。
Yuichi Imamura
SPECIAL 04
社員インタビュー
ミッション・業務内容
新卒で商社に入社、ユニクロ向けOEM営業を担当。その後商社からユニクロへ転籍。ユニクロのサプライチェーンを外と内から支えてきた、まさに生産分野のプロフェッショナルだ。生産部はグローバル規模での売上拡大を牽引し、無駄のない供給網を張り巡らすためのシナリオを描き、実行に移す社内でもっともホットなセクションのひとつだと、今村は話す。
※OEM:他社ブランドの製品を製造すること。または製造する企業のこと。
商社時代との最大の違いは、
能動的か受動的か。
お客様の声を直接聞きながら、
自分の頭で考え、実行するところに醍醐味がある
新卒で商社に入社し、アパレル部門のOEM部署に配属。営業担当としてユニクロ向け商品の受注生産拡大に努め、中国におけるサプライチェーンの維持、強化に取り組みました。
私が商社に在籍していた当時、小売りのブランドが商社や問屋といった中間業者を介さずに、低価格、高品質の商品を自社で生み出そうという試みは業界ではありえないことでした。ところが、ユニクロはそうした旧来の商習慣というものにとらわれることなく、とにかくシンプルに「お客様のために何がベストか」を追求し、「自前で商品を調達する」という取り組みを推し進めていました。
常識を変えるような仕組みや考え方を社員全員が共有、模索し、自分たちが目指す「情報製造小売業」の実現に向け、情熱を持って努力する企業風土を有していたのです。それまでの縁もあり、2013年にユニクロに転籍したのですが、このとき私の背中を押したのが、「ファーストリテイリンググループでなら本気で世界一を目指せる」という強い思いでした。
サプライチェーンを担うという点で、私の仕事は商社時代と変わりません。最大の違いは、仲介者としてではなく主体者としてお客様やサプライヤーと直接つながり、能動的に変革を推進できるという点です。
商社時代は「真心とフットワーク」、そして「泥臭さ」を身上に、いかにしてユニクロの意向に沿う低価格、高品質の商品を短期間で作るか、それを海外の工場と協力しながら実現していくことがミッションでした。一方、ファーストリテイリングにおいては、5年後、10年後を見据え、どこの国の工場で、どういうものを作っていくかという「工場政策」を立案実行すること、お客様の声を直接聞きながら、本当に価値のある商品を開発生産すること、これらを自分の頭で考え、能動的に実行するところに醍醐味があります。
最適な生産の仕組みを
グローバルに
構築していく。
世界に進出するということは、世界に供給網を張り巡らせることと同義であり、
私たち生産部の真価が問われている
ジーユーの強みは、低価格、安心品質、そしてマストレンドファッションの提供という3つにあると考えています。これまでに生み出してきたヒット商品は、業務の仕組みを日々見直しながらPDCAを高速でまわしていくスピード感と、チャレンジを推奨する企業風土、そして世界一になるという気概なくしては生み出されません。
ジーユーが今後グローバルに成長していくためには、低価格でお客様のニーズをとらえた付加価値のあるトレンド商品の開発、それを短期間で生産・輸送する仕組みづくり、パートナー企業とのWin-Winな関係構築が求められます。生産部の業務と密接に関わるこれらの課題に対し、以下3点について重点的に取り組んでいます。
第1に取り組んでいるのが、「グローバルレベルの優良工場との強固なパートナーシップの構築」です。低価格、短リードタイム、品質、これらを同時に実現するためには、お互いが世界一になるという目標、水準を共有し、Win-Winのシナリオを描き、ともに協力しながら実現する、ということに他なりません。
第2に取り組んでいるのが、フレキシブルな生産体制です。新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な供給網の混乱に対応するべく、いかに素材を調達するか、縫製するか、どうやって運ぶかなど、戦略的に臨機応変に生産体制の組み換えができるかどうかが重要な経営課題になります。
そして第3の取り組みは、「サステナビリティ」で業界をリードすることです。安くて品質が良いだけでなく、環境や人権にも配慮されていなければお客様の信頼は得られません。生産工場の環境基準、労働基準だけでなく、CO₂低減、環境配慮型の素材開発、生産背景のトレーサビリティ、すべてにおいて業界をリードできる水準を目指します。
これらの取り組みを、きれいではなくとことん磨き上げていくことで、「世界中のお客様の期待を超える商品を供給する=お客様に感動を生み出す」ことを、本気で目指していきたいと思っています。
関わるすべての
人のためになる
生産プラットフォームを
構築したい。
「明るさ」こそが、活力に満ちたチームワークを生み出す
ジーユーの生産部は従来にも増して、社内外から多くの期待が寄せられています。人材育成に力を注ぐとともに、「世界一のプロ集団」を目指し、人材確保に注力しています。
求める資質、素養をいくつか挙げるとすれば、「チャレンジ精神」「バランス感覚」「スピーディーな意思決定」「チームワーク」、そして何よりも大切なのが「明るさ」です。モノづくりの品質やコスト構造といった専門知識も当然、身に付けなければなりませんが、それは入社後でもキャッチアップできます。
生産部の仕事において、もっとも重要なのはサプライヤーとのコミュニケーション。「強固なパートナーシップの構築」も、このコミュニケーションの積み重ねであり、どんなときも「明るさ」を忘れず、誰に対しても分け隔てなく笑顔で接することができる人は、明るく、活力に満ちたチームワークを生み出すことができます。
お客様が「今着たい」と思うファッションを生産し、ジーユーとサプライヤー、お客様の「Win-Winの輪」「笑顔の輪」をグローバルに張り巡らすことができたとき、ジーユーは世界中の人々の生活や暮らしだけでなく、世界そのものをより良い方向へと変えることができると私たちは強く信じています。そしてその信念が、そのまま生産部の大きなモチベーションとなっているのです。
今村 裕一
Yuichi Imamura
ファーストリテイリング生産部 部長(ジーユー統括、ジーユー生産MD)兼 ジーユー グローバル商品本部 生産部 統括部長
1991年商社に入社。ユニクロ向けOEM営業担当として、中国北京・青島に計6年駐在。2010年よりユニクロに出向、生産部に所属し、上海事務所に3年駐在。出向期間終了となる2013年に、ユニクロ生産部統括部長としてユニクロに転籍。2021年より現職。
※プロフィールはインタビュー当時のものです。