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最終更新日: 2023.11.07

「LifeWear = 新しい産業」 説明会を開催 持続可能な成長に向けたサプライチェーン改革を推進 原材料調達まで全工程を自社管理する生産体制へ

株式会社ファーストリテイリング
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ファーストリテイリングは本日、「LifeWear = 新しい産業」メディア・アナリスト説明会を開催しました。当社は、「LifeWear = 新しい産業」というビジョンを掲げ、持続可能性と事業の成長を両立する新たなビジネスモデルへの転換を進めています。お客様が必要とされるものだけをつくり、服の生産から輸送、販売までのプロセスにおいて環境や人権が守られ、商品の販売後もリユースやリサイクルなどを通して、循環型の社会を実現することを目指しています。今回の説明会では、サステナビリティの主要領域における2030年度目標に向けた取り組みの進捗とあわせ、生産から商品開発まで各領域で進む、事業そのものを持続可能にしていく新たな取り組みを紹介しました。

生産部門においては、グローバルでの事業拡大や多様化するお客様のニーズに対応するため、持続可能性を担保しながら、安定的・機動的に生産できるサプライチェーンの構築に取り組んでいます。従来、縫製工場や主要素材工場と築いてきた強固なパートナーシップをサプライチェーンの上流工程にまで拡大し、生産の全工程で品質、調達、生産体制、環境・人権対応の自社基準を適用、自社でサプライチェーン全体を管理していくことを目指しています。これを実現するため、最終商品から原材料レベルまでサプライチェーン全体を可視化し、少数精鋭の生産パートナーに取引を集約。さらに、今後は、原材料を指定農場や牧場から調達する取り組みを進めていきます。

また、ユニクロでは、循環型社会を目指し、全商品をリユース・リサイクルする取り組み「RE.UNIQLO」を進めています。2020年に初の「服から服へのリサイクル」商品として発売した「リサイクルダウンジャケット」に続き、新たにコットン、カシミヤ、ウールを再利用した循環型リサイクル商品の開発を進めています。

ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員 柳井 康治コメント
「私たちは、お客様の手元にお届けする一枚一枚すべてのLifeWearに責任を持ち、より長く、より安心してお使いいただけるよう、商品開発から生産まで、事業全体で妥協のないものづくりを進めています。今後も、世界中の人々の生活と社会をより豊かにすることにつながる事業のあり方を目指し、お客様や地域の皆様、パートナー企業様と共に、LifeWearの可能性をさらに広げる様々な挑戦を続けてまいります」

商品、サービス、サプライチェーンにおける主な取り組み、およびサステナビリティ主要領域の2030年度目標に向けた進捗は、以下の通りです。

商品開発領域の主な取り組み

  • 全使用素材に対するリサイクル素材など温室効果ガス排出量の少ない素材の使用割合は2023年企画商品全体で8.5%に上昇。ポリエステルについては、全使用量の30%にリサイクルポリエステルを採用。2030年度までに企画商品全体で50%とする目標に向け、商品企画や素材開発に取り組んでいます。
  • ユニクロでは、ヒートテックとエアリズムの一部インナー商品において、2023年から初めてリサイクルポリエステルやリサイクルナイロンの素材を採用しています。どちらも素材研究を重ね、両商品の特徴であるなめらかな着心地と高い機能性を維持しています。また、アウターのパフテックパーカの一部にリサイクルポリエステルを、UTのグラフィックTシャツの一部にはリサイクルコットンを使用しています。

LifeWearを活かし続ける主な取り組み

  • ユニクロは、全商品をリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」を推進。この一環として、新たに「UNIQLO古着プロジェクト」を始動。トライアルとして、ユニクロ原宿店において2023年10月11日から22日までの期間限定で、古着を販売するポップアップストアを開催しました。
  • 2022年9月にロンドンのユニクロ店舗で開始した、服のリペアやリメイクを提供する「RE.UNIQLO STUDIO」の設置をグローバルに拡大。2023年10月末までに16の国と地域35店舗で展開しています。
  • 「服から服へのリサイクル」の取り組みとして、新たに、店頭で回収したユニクロの商品からコットン、カシミヤ、ウールを使った商品の開発を進めています。

生産領域の主な取り組み

  • 「サプライチェーンの可視化と集約」「生産拠点の多様化」「原材料調達管理の深化」の3つの取り組みを柱に、全商品における縫製から原材料の調達レベルまでの各工程において、原材料や素材をすべて自社基準で指定、管理する体制の構築を進めています。
  • 「サプライチェーンの可視化と集約」の取り組みでは、2023年春夏シーズンから、ユニクロの全商品で、原材料レベルまでの商流を把握。さらに2023年8月までにユニクロ綿商品において、長期的な取引が可能な紡績工程のサプライヤーに集約しています。今後は、全素材で3次取引先にあたる紡績工程においても同様の取り組みを進めていく計画です。
  • 「生産拠点の多様化」においては、主要生産拠点である中国生産の拡大に加えて、東南アジアでの生産比率が伸長。インドネシア事業、ベトナム事業の国内生産比率は5割以上に拡大。成長市場インドでもさらに国内生産を拡大していく予定です。
  • 「原材料調達管理の深化」では、企画段階で原材料の産地や品質を指定調達し、随時トレースできる仕組みを構築。綿素材から開始し、早期に全素材に拡大する予定です。
  • 今後は、主要原材料において、生産パートナーと連携し、農場・牧場、または工場を指定・調達する取り組みを開始。リサイクルポリエステルでは、すでにフレーク・チップ製造者と、調達するチップの品質規格を指定することで、品質の安定化や、最上流まで調達の透明性と安全性の担保を実現しています。
  • サプライチェーンにおける人権・労働環境の尊重についても着実に進捗させ、2023年春から、ユニクロの綿商品で紡績工場と「生産パートナー コードオブコンダクト」を締結。2023年8月までに主要紡績工場へ労働環境モニタリングを実施。
  • 2023年8月から、ユニクロとジーユーでオンラインストアの個別商品ページ上で縫製国情報の表示を開始。日本と米国からスタートしており、今後他の国・地域でも順次展開予定。

温室効果ガス排出量削減の主な取り組みと2030年度目標に向けた進捗
【店舗・主要オフィス】

  • 2030年度までに、店舗や主要オフィスなどの自社運営施設でのエネルギー使用に由来する温室効果ガス排出量を2019年度比で90%削減する目標に対し、2022 年度は45.7%削減。
  • 2030 年度までにファーストリテイリンググループの全世界の店舗と主要オフィスで使用する電力を、再生可能エネルギー 100% へ切り替える目標達成に向け、 2022 年度末時点で42.4%まで上昇。
【サプライチェーン】
  • 2030年度までに、ユニクロ・ジーユー商品の原材料生産・素材生産・縫製に関わる温室効果ガス排出量を2019年度比で20%削減する目標に対し、2022 年度は6.2%削減。引き続き、目標の達成に向けてパートナー工場と密に連携し削減の取り組みを推進しています。

生物多様性への取り組み

  • 「ファーストリテイリンググループ 生物多様性保全方針」を策定し自社WEBサイトに公開。長期的にバリューチェーン全体で生物多様性に対するネットポジティブを目指すことを目標に掲げ、取り組みを加速。
  • バリューチェーンにおける生物多様性への影響、依存度のリスクを定性・定量の両面で評価し、カシミヤ、ウール、コットンの生産による土地利用の影響が大きいことを特定。
  • カシミヤについては、琉球大学の研究チームと連携し、当社がカシミヤを調達している全牧場の植物の状況を、衛星データを使い解析。あわせて、サステナビリティ部担当者が牧場へ足を運び、現地調査を実施。調査結果に基づき、今後、改善のためのアクションを実行する予定。
  • ウールについては、カシミヤ同様に評価と改善を進めていく予定。コットンについては、再生可能農業への適用可能性の検討を進めています。

社会貢献活動

  • 2023年度、社会貢献活動に54億円を拠出、113万着(*)の衣料支援を実施。受益者は182万人となりました。
  • 2022年9月にUNHCRと共同でバングラデシュのロヒンギャ難民女性自立支援プロジェクトを立ち上げ、2023年8 月までに約 350 名の女性に対する縫製スキルのトレーニングを完了。布ナプキン約 200 万枚と女性用ショーツ約 43万枚を生産し、支援物資として難民キャンプ内で配布しました。
    2025 年までに、1,000人に対するトレーニングの終了と、難民キャンプ内での生理用品のニーズの充足を目指しています。
  • ファーストリテイリング財団が、2023 年 9 月に発足したフィランソロピー・アジア・アライアンスに加盟。アジアの自然環境・教育・公衆衛生に関する課題の解決を目指し、10年間で2,500万米ドルの拠出を予定しています。また、ベトナム人への留学生奨学金を開始し、第 1 期生として6 名の学生が 2023 年秋に日本の大学に入学しました。
*店頭回収衣料の難民キャンプ等への寄贈分を除く。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

  • 2030年度末までにファーストリテイリンググループ全体で女性管理職比率を50%とする目標に対し、2023年8月期は44.7%まで上昇。

<ご参考>

  1. 「LifeWear = 新しい産業」 説明会 プレゼンテーション資料
    https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/presentation.html
  2. 「LifeWear = サステナビリティ」 第2回説明会を開催 (2022年11月16日発表)
    https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/news/2211161500.html
  3. LifeWearは「新しい産業」へ 2030年度目標とアクションプランを策定 (2021年12月2日発表)
    https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/news/2112021500.html

 

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