FAST RETAILING

日本の優れた接客技術、販売技術を
グローバルに波及させることで、
セオリーのファンを増やしていきたい。

Nao Morifuji

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

店舗が商売の起点となる情報製造小売業へと生まれ変わること。店舗スタッフが売上の最大化に向けた取り組みに集中できる環境を作ること。そのために、主体となって各部署と連携し、問題提起・問題解決に取り組むことが営業部の使命。そして、お客様にセオリーを通じて「自信」を提供するために、全スタッフが生き生きとそれぞれのパフォーマンスを最大限に発揮し、成果の出せるチームへと導くことが部長である自身の使命だと、森藤は話す。

店舗とECの相乗効果。

ECで購入し、店舗で受け取るサービスを開始

営業部では「店舗でいかにお客様に感動を与えるか」「喜んでいただけるお客様をいかに増やすか」ということに、力を入れて取り組んでいます。また、「ECといかに協業していくか」ということにも、同時に取り組んでいます。店舗でも購入いただき、ECでも購入いただく。そのために、私たちはお客様にどういうサービスを提供すればいいのか。まさに今、営業部全員で考え、そして実行している最中です。

例えばコロナ禍を機に、私たちはデジタル接客を始めました。電話やダイレクトメールといった、ともすれば一方通行となりがちな従来のコミュニケーションに代わり、SNSを通じた双方向のコミュニケーションに力を注ぎ、お客様に気軽にご要望やご相談をお寄せいただけるような関係づくりを推し進めています。幸いお客様にも好評で、感謝やお褒めのお言葉もたくさん頂けるようになり、それがスタッフのモチベーションアップ、仕事のやりがいへとつながり始めています。

また、ユニクロでの取り組みを参考に、セオリーでも「EC購入し、店舗で受け取る」というサービスを開始しました。高額商品をECで購入するというのは、お客様にとっても不安が多いと思います。しかし、「店舗受け取り」を可能にした結果、お客様も試着はもとより、サイズや色の変更、返品もその場でできるようになりました。しかも、スタッフからコーディネート提案などのサービスを受けることも可能です。

実はここにセオリーならではの特徴があります。ECで商品を購入されたお客様が、受け取りで来店された際にセオリーが誇る接客に触れ、別の商品を購入されるケースが増えています。これまではECの普及のため、店舗からECへお客様を誘導することに力を入れてきましたが、ECから店舗にお客様を誘導することが可能になり、単に店舗の売上が伸びるだけでなく、新規お客様の開拓、とりわけ何度も購入いただけるお客様の獲得もできるようになり始めています。

皆のベクトルを合わせていく。

新しい取り組みを行うにはエネルギーが必要

ニューヨーク発祥のブランドとして、素材やシルエットにこだわって商売をしてきたことから、セオリーには人一倍、服の知識や服に対する情熱をもった社員が集まっていました。そこにファーストリテイリンググループの経営者視点が持ち込まれ、全員経営というマインドセットが定着した結果、セオリーはラグジュアリーブランドの中でも珍しい現場起点、現場から本部を動かすという体制が構築されています。

これにより営業部のエリアマネージャーや店長たちにも、「自分たちで考え実行しない限り、進歩も成長もない」という意識改革がなされ、現場発の新しい取り組みも次々と生まれるまでになっています。しかし、それでもなお、新しい取り組みを企画、実行するために全員のベクトルを合わせることの難しさを私自身、日々感じています。それほどに新しい取り組みを行うにはエネルギーが必要だからです。

例えば、「タテのつながり」で見たとき、最初から部下の皆新しい取り組みに賛同してくれるとは限りません。そこをいかにして皆の足並みを揃え実行していくかが、リーダーやエリアマネージャー、店長と呼ばれる人たちの仕事であり、営業部長である私の仕事です。職位は違っても、人の上に立ち、人を動かし、皆のベクトルを合わせていくことが、営業部に所属する社員共通の役割でもあります。

そこで私自身、自らに課しているのが、「まずは自分自身がやってみる」ということ。この取り組みはお客様のためになるのか、部下のためになるのか、自分が体感することを心がけています。ためになると判断すれば、その取り組みのポジティブな意義を皆に伝える努力をしています。ここでこだわっているのは、現場に出向いて対面で話すということ。たとえ非効率であっても、その積み重ねでしか人は動かせないと思うからです。

自分が変わらないと相手も変わらない

また、「ヨコのつながり」で見たとき、他部署を巻き込んでいくことも必要です。現場から本部を動かすというのは、つまりそういうことであり、営業部における新しい取り組みを実行するためには他部署の協力が不可欠です。

そのためには商品部やマーケティングチームといった各部署に対し、自分たちの意見、考えをきちんと整理し、伝えることが重要です。反対意見を唱えられても、相手の意見を受け止めながら建設的に自分たちの要望もしっかりと述べていく。このとき大事なのは相手への敬意を忘れないこと。部署ごとのミッションを理解し、そこにかける各位の想い、プライドを理解することから、議論は始まります。

相手に考えを改めてもらう必要があるときには、まずは自分自身が変わることを私は心がけています。自分のやり方やマインドを変えることで、相手の考えを少しずつ変えられるよう働きかけていく。そうした辛抱強さ、粘り強さもまた、人を動かす上では大切なことだと思います。かくいう私もそれができているのかと言えば、実に心もとないところではありますが、少なくともそうした姿勢で臨む努力をしています。

スピードをもって
人材を輩出する。

何よりもヒトづくりが好き

営業の仕事、接客という仕事に正解はありません。だからこそ、人として成長できるのだと私は考えています。とりわけお客様に教わることは実に多く、数々の出会い、そこで交わされる会話の一つひとつが、自分の成長の糧となり、人生を豊かにしてくれます。

私が最初に九州で店頭に立ったときに接客したお客様には、その後、数十年経った今でも、セオリーのファンであり続けていただいています。まだ学生だったお客様が、就職、結婚を経て、お子様が生まれ、親として入園式や入学式に臨まれる……。そういったライフスタイルの節目、節目に立ち会い、セオリーの服でコーディネートさせていただくことで、大切な場面に貢献できる。まさにそのお客様の人生に寄り添い、服を通じてその方の人生を変えられる。そういうお客様が複数名いるということは、一販売員としての最大の喜びであり、人生の財産です。

また、キャリアを重ねるに従い指導する若手のメンバーも増えていきますが、教育に携わることも自分の成長の糧となり、人生を豊かにしてくれます。

接客が苦手だった人が、販売のスペシャリストへと成長する。引っ込み思案だった人が、StyleHint(スタイルヒント)※で多くのフォロワーを抱え、影響力を持つまでになる。店舗ブログやデジタル発信で努力した人が、本部のマーケティングチームで才能を開花させる……。このように自分が採用し、教育した人たちが、次々と成長を遂げていく。上司としてこれほどの喜び、やりがいはありません。人の上に立つことの責任も、こうした瞬間に立ち会えるから負うことができるのだと思っています。特に私は、ヒトづくりが何よりも好き。営業ひと筋に歩んできた理由でもあります。

※StyleHint(スタイルヒント):ファーストリテイリンググループが運営する着こなし発見アプリ。世界中のおしゃれな着こなしをチェックしたり、見つけたアイテムをそのまま購入したり、お気に入りのコーディネートを投稿したりできる。

現場でどんどんチャレンジしてほしい

ユニクロやジーユーがそうであるように、セオリーもまた、グローバルワン※で世界一を目指しています。すでにアメリカや中国などとグローバルワンで各種取り組みを進めています。中でも私たちリンク・セオリー・ジャパンは、日本の優れた接客技術、販売技術をグローバルに波及させていきたいと考えています。

今後、セオリーが成長していく上で重要なことは、既存のお客様を大事にしながら、新規のお客様を獲得していくこと。これは現場を担う営業部が考え、実行していかなければいけないことだと思っています。それが私たちの直近の使命であり、未来をつくっていく大事な基盤になると考えています。

そのためにも強いチームが必要です。まずは私自身、現場からの意見を吸い上げ、他部署を巻き込みながら実行することを率先していきたいと思っていますし、後進の人たちにも付いてきてほしいと思っています。また、本部を支えられるのも営業部出身者だと思っていますので、営業部からスピードをもって人材を輩出するためにも、若い人たちには現場でどんどんチャレンジしてもらうことを期待しています。そのための環境づくり、例えばユニクロなどとの人材交流も積極的に推し進めています。

本部内の各部署でお客様の気持ちがわかり、店舗がしてほしいことがわかる——。こうした環境づくりを営業部主導で実現できたとき、セオリーはグローバルにお客様の人生に寄り添い、お客様の人生をよりよい方向へと変えられる、そうしたブランドになっているはずです。

LTJ

森藤 奈緒

Nao Morifuji

リンク・セオリー・ジャパン 営業部部長

2004年にアパレル企業に入社し3年ほど経験を積む中で、服ではなく人が主役であるというセオリーの考え方に共感。女性が長く働き活躍し続けられる職場環境にも魅力を感じ、2007年に中途入社。以来、一貫して営業部でキャリアを磨き、2021年より現職。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。

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