
セオリーをもっと広めたい。
この原動力が自身の挑戦と成長の
好循環につながっている。
Erika Minei
SPECIAL 04
社員インタビュー
ミッション・業務内容
ユニクロのグローバル旗艦店「ユニクロ TOKYO」内に併設する「Theory TOKYO」の店長として、店頭接客をはじめ、店舗運営に不可欠な販売計画、商品投入計画、売場演出、販売促進、スタッフ育成を担う。その最大の使命は、一人でも多くのお客様にセオリーの服のチカラを体感していただき、ファンになっていただくこと。「セオリーの服のチカラとは、着る人を主役にするチカラであり、それを世界に届けたい」と、嶺井は話す。
経営層に名を連ねなくても経営ができる。
自分の企画・実行が、そのまま店舗の成果へと結び付く
就職活動では、アメリカでの留学経験も活かしたいと考え、外資系の経営コンサルタント会社を志望し、内定も頂きました。その上で、他の業界も見ておこうという気持ちから、ファーストリテイリンググループの企業説明会に足を運びました。そして、ここで初めてセオリーを知り、セオリーのスーツ(TAILORのGABEとCUSTOMMAX)に触れたときに、「なんてかっこいいんだろう。セオリーを着こなせるようなかっこいい女性になりたい」と強く思いました。
もともと「経営」に興味がありコンサルタント会社を志望し、後学のためにと「全員経営」を標榜するファーストリテイリンググループの企業説明会に参加しました。ところが、「私は元来、服が好き。加えて、ファーストリテイリングは言わずと知れたグローバル企業であり、英語を使った仕事もできる」ということに気付き、セオリーこそが私の理想の働き方ができる場所であると感じました。さらにこのとき、20年先、30年先も自分がセオリーの服を着ていることが当たり前であるかのようにイメージできたことが、入社の決め手となりました。
とはいえ、入社1年目は接客サービスに四苦八苦。なかなか売上に結び付かず苦戦を強いられましたが、一つ一つの接客を振り返り、基本となるマニュアルと照らし合わせながらケーススタディーを積み上げ、克服しました。2~3年目は、後進の指導を担うことで自らを省みることを繰り返し、成長の糧としました。そして4~5年目はリーダーとして、店長をサポートしながら実地を通じて経営のいろはを学びました。
こうして経験を重ねる中で気が付いたのは、経営コンサルタントにならずとも、あるいは会社の経営層に名を連ねなくても、ファーストリテイリングでは担当店舗で実際の経営ができるということ。自分の企画・実行が、そのままスタッフや店舗の成長、成果へと結び付くという現実に、私はいま、言葉にできないほどの楽しさとやりがいを感じています。

ユニクロ内に併設された新形態の店舗。
従来とは異なる新しいお客様に出会える唯一の実店舗
私は現在、「Theory TOKYO」の店長を務めています。当店は、ユニクロのグローバル旗艦店「ユニクロ TOKYO」の中に併設された新形態の店舗です。これまでセオリーは百貨店やショッピングセンターに出店してきましたが、新規顧客の開拓、とりわけ20~30代の若い人たちへのアプローチを強化すべく、全社を挙げて取り組んでいます。そのためにはユニクロの知名度、集客力もフル活用させてもらおうということで、2020年10月に当店を立ち上げました。
セオリーを知らない方、知っているけど試したことがない方に対し、一人でも多くセオリーを知っていただき、感動体験をしていただくことが、当店の最大のミッション。そこで、セオリーの商品は高価格帯でもあることから、まずはきっかけ作りが大事と考え通常の商品とは別に、手に取りやすい価格の店舗限定Tシャツの販売や、自店でしかできないノベルティを企画しました。おかげさまで意図した20代の方々にも好評で、「セオリーを試してみたい」というお客様が着実に増えています。
まさにファーストリテイリングだからこそ実現できた店舗であり取り組みですが、セオリーにとって従来とは異なる新しいお客様に出会える唯一の実店舗だということを、私自身、強く感じているところでもあります。それだけに「セオリーをご存知ですか?」というお声掛け一つにも、自ずと力が入ります。毎日一人、セオリーを知っていただいて、体感していただくことが、これから10人、100人、1000人と、セオリーのファンを増やしていく一番の近道だと実感しています。
「経営」の楽しさだけでなく、奥深さにも触れられた
今でこそ店舗運営も軌道に乗りましたが、当初は私の想いが強すぎ、それがあだとなってしまいました。私は「いつか店長になったら」と温めてきた考えを「全部、やるぞ!」と張り切りすぎてしまい、気がつけば本部からの問い合わせを受けたスタッフたちが、「それは嶺井さんに聞かないと分かりません」という状態を生み出していました。
状況を本部から伝え聞いた私は猛反省。一人でやっても大きな成果につながらないことは、過去に自分が身をもって学んできた事でもありました。そこで私はレディース、メンズの各リーダーを呼んで、店舗の販売計画、その時々で注力すべき品番について、自分たちで考えてもらうことから着手しました。本音を言えば、私一人で計画した方が、「時間」という観点において効率的でした。ですが、私は一人一人と向き合い、時間をかけて互いの考えをすり合わせ、実行に移すようにしました。
リーダーたちは、私の期待に見事に応えてくれました。それどころか、経営する楽しさ、自分の計画・実行が成果につながる楽しさを、共有してくれました。また、懸命に努力するリーダーたちの姿に触れ、他のスタッフたちからも「自分も何ができることはありますか?」という言葉が自然と発せられるようになり、みるみる店舗に活気と躍動感が生まれ、私も大いに驚かされました。
「経営」の楽しさから、業績をいかに伸ばしていくかということばかりに目が向きがちだった私でしたが、時間をかけて後進を育成する喜び、スタッフの成長が店舗を劇的に変えていく楽しさを知りました。スタッフたちの成長によって業務効率も上がり、より良いサービスをお客様に提供できるようになりました。結果として、店舗も、そして私自身も、以前よりも高く目標設定ができるようになりました。「経営」の楽しさだけでなく、奥深さにも触れることができた出来事であり、私はあらためて店長という職に魅了されました。
セオリーの良さを
広めていく。
新しい方向性を打ち出せる店長に
新形態という点で国内唯一の店舗でもありますので、当店に来店されたお客様が別の機会に別の店舗に立ち寄ってくださる、そうした機運を生み出すなど、全店への波及効果をもたらすことが当面の私の目標です。銀座という場所柄、さらにユニクロのグローバル旗艦店という位置付けから、当店は海外からのお客様が多いという特徴があります。私も毎日、英語による接客サービスを通じて、自分の語学力に磨きをかけている最中でもあります。いずれにしても自らの接客サービスと、そこで獲得した知見に基づく企画・実行によって、国内のみならずグローバルにファンを増やしていく取り組みを、今後も当店で積み重ねていきたいと思っています。
そして、そうした試行錯誤により蓄えた知見、ノウハウを近い将来、次の出店にも活かしていきたいと考えています。それというのも、ユニクロの店舗内で仕事をすることで、ユニクロの強み、セオリーの弱みなど、いろいろなことが見えてきたからです。同じグループ内で知見やノウハウを共有していても、相互の共通点や相違点を自分の目や耳で確認し、肌感覚で捉えているのは現在、私を含めて数名程度。だからこそ、思ったこと、感じたことを本部に還元していきたいですし、そうしたことができる人や機会を増やせる店長になりたいです。従来の店舗とは一線を画すような新しい方向性を打ち出せる店長となることで、変わらぬセオリーの良さ、普遍的な価値というものを、現場で磨いた経営手腕を駆使しながら、これまで以上に広めていきたいと考えています。
日本で磨いた「経営」を海外でも試してみたい
また、個人的なことをお話しすると、海外の店舗も経験したいと考えています。セオリー発祥の地であり、ファッションの本場でもあるニューヨーク。トレンドに敏感で、ファッションに対する意識がアジアの中でもズバ抜けている韓国。広くセオリーが認知されているヨーロッパ……。とにかく異国の地で、日本で磨いた「経営」を試してみたいですし、国際間で切磋琢磨したいと思っています。同時に各国のファッション事情も仕入れることで、最終的には国内市場、日本のお客様と向き合いたいと考えています。
お客様がセオリーの服をお召しいただく時、着心地の良さやシルエットの良さに驚かれる瞬間があります。「そうですよね!!」と、その感動を一緒に共感できる時が、私にとって一番のやりがいであり喜びです。これからも「セオリーが好き」「セオリーのファンをもっと増やしていきたい」という気持ちを原動力に、自分の想いや考えを自らの「経営」へと反映し、世界一のアパレルブランドへと成長するための一翼を担っていきたいと思っています。

嶺井 絵里香
Erika Minei
セオリー Theory TOKYO 店長
2016年3月、新卒入社。「横浜そごう店」に配属となり、2019年6月に同店の副店長に昇格。2020年10月、「Theory TOKYO」に異動となり、翌2021年9月より現職。
※プロフィールはインタビュー当時のものです。