FAST RETAILING

お客様自身も気付いていない
個性や魅力を引き出すこと。
これは世界で通用する販売技術。

Haruka Ichii

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

販売のスペシャリストとして、圧倒的・安定的な売上実績を立てること。働く姿勢や言動において販売員の模範となり、次世代のトップ販売員を育成すること。そして、お客様のリアルな声(ご要望)を吸い上げ本部に伝え、商品企画に反映させること。以上3点が、SFA(Senior Fashion Adviser)としての自分の使命であると、一井は話す。

期待以上の形でお応えする。

トータルでコーディネートできるようになること

私が就職活動をしていた当時、セオリーは仕事ができる格好いい人が着るイメージで、私にとって憧れのブランドでした。身にまとうと自信が持ててシャキッと気合が入り、パワーをもらえるアイテムばかり。加えて、セオリーで働く人たちのブランド愛の強さ、誇り高く生き生きと仕事をする姿が、私にはとても印象的でした。それに幅広く挑戦させてもらえる職場環境も、私の目には魅力的に映り、セオリーを就職先に選びました。

入社後は関西の店舗で経験を重ね、4年目に差し掛かる頃に副店長に就任。「必ず1年で店長になる」という目標を掲げ、晴れて入社5年目に店長となり、幸運にも新店立ち上げに携わることができました。その後、結婚をし、夫の転勤も重なったことから、店長業務を離れ、業務に従事してきました。

入社以来、自らに課してきたのは、「お客様の要望に対し、期待以上の形でお応えする」こと。目指したのは、お客様に寄り添った「一人一人のパーソナルスタイリストになる」ことでした。自社商品の提案、販売に終始するのではなく、お客様がお持ちの他社商品も含め、トータルでコーディネートできるようになることを強く意識し、仕事をしてきました。こうした積み重ねが、現業務に活きています。

「臨場勉強会」を主宰。

販売員の模範となって後進を育成する

SFA(Senior Fashion Adviser)のミッションは、大きく三つあります。一つは、担当店舗において圧倒的・安定的な売上業績を立てること。二つ目は、販売員の模範となって後進を育成すること。そして最後の一つは、お客様のリアルな声を商品開発に反映させることです。

中でも目下、力を入れて取り組んでいるのが、二つ目の後進の育成です。セオリーの接客技術力、販売技術力は、他ブランドに勝るとも劣らない最大の強みだと考えています。今後、新規のお客様をさらに獲得し、ファンを増大させていくためにも、重要な鍵となります。そこで、販売員一人一人の販売技術を少しでも早く向上させ、ブラッシュアップを図るべく、全社的な研修に加え、担当エリアのスタッフを集めた「臨場勉強会」を定期的に主宰しています。

開店前の店舗にエリアのスタッフを集めてロールプレイングを重ね、その都度、私が模範を示すことで、皆で共有していくことに取り組んでいます。お客様の要望に応えるのは当たり前。目指したいのは、お客様がそれまで取り入れたことのないアイテムなりカラーなりを提案し、お客様自身も気付いていなかった個性や魅力を引き出して差し上げること。これによりお客様に感動を与えられた瞬間、店舗は非現実的な空間となり、私たちの接客はお客様にとって特別な時間となります。

と、言葉で言うのはたやすいですが、これを実践するのは実に難しいことです。かくいう私も、いまもって試行錯誤を重ねている毎日ですし、自らの経験に基づき感覚的に実行している部分も多分にあります。それだけに自らが所有する接客技術や販売技術を、いかにしてスタッフが再現できるように伝えるか。この点に、当初はとても苦労しました。

接客工程のポイントを整理し体系化

感覚的なことも理論的に伝えない限りは相手に伝わらないことから、私は自らの接客工程を紙に書き出すことから始めました。まずは、お客様を知るためのヒアリング。次に、入手した情報に基づいたご提案。ここで試着いただけたら、組み合わせや着回しのパターンをご案内。購入いただいたら、SNSを活用して直接ご連絡。次回のご来店に結び付いたら、前回購入いただいた商品やそのときの接客サービスについてヒアリング——。といった具合ですね。

こうして接客工程を明らかにしたところで、今度は各工程について順番に掘り下げ、そのポイントを整理しました。例えば、お客様を知るためのヒアリングとして、自分はどんなことを質問しているのかを振り返り、ベースとなっているのはだいたい5項目くらいであることが分かりました。また、商品のご提案やご案内においては、「お客様と一緒に選ぶ」ことを心がけ、共にショッピングを楽しんでいるようなワクワクした感覚を抱いていることに気が付きました。さらにSNSでのやり取りにおいては、コーディネートのアドバイスや、新作とお客様のワードローブを組み合わせたコーディネート提案など、「私はお客様のことをよく知っている」ことを強く意識し、付加価値のある情報発信にこだわっていることが明らかとなりました。

このように接客工程と、各工程のポイントを整理することで体系化し、「臨場勉強会」参加者の土台、共通認識としました。その上で、スタッフたちにより具体的にイメージが伝わるよう、スタイリストが著した本から感覚を言葉に置き換えたワードを探し、アートの本から色の組み合わせを印象的に伝える写真を見つけ、SNSから最新のトレンドや情報を入手しました。それらをフル活用し、伝えるための表現力を高める工夫をしました。

世界で通用する
販売員。

自分が本当にやりたかった仕事はここにあった

「臨場勉強会」に参加したスタッフたちが、学んだことを実直に再現しながら接客内容をどんどん磨き上げ、それが業績へと結び付き、自信をつかんで成長していく姿に触れるたびに、SFAとして得も言われぬ達成感を感じます。成長を遂げ、成果を上げているスタッフたちから、「私たち、一井チルドレンですから」なんて言われると、なんだかこそばゆいですけど、うれしくなります。

実を言うと就職活動時、私は人材業界の企業も回っていました。人と関わる仕事がしたいと考えたからですが、「自分が本当にやりたかった仕事はここにあった」ということを日々実感する毎日です。接客・販売のスペシャリスト、後進の指導者という立場ではありますが、むしろ私の方がお客様に教えられ、後輩たちに成長させてもらっています。

お客様に教わることが多いからこそ、もっと良い商品やサービスを提供したいと思いますし、後輩たちの手本にしてもらえるからこそ、販売員として良き模範でありたいと素直に思います。こうして常に前向き、創造的に仕事ができるということは、とても幸せなことだと思います。

刺激の数々が自らの成長の機会となる仕事

ファーストリテイリンググループは今後、コンセプトの異なる各ブランドが接客の強化に取り組んでいくはずです。ブランドごとに接客の在り方、仕方については異なると思いますが、その基点となるべきはセオリーだと考えています。私自身、セオリーの強みである接客技術や販売技術を各ブランドに波及させ、グループ全体の活性化につながるような仕事をしていきたいですし、それを率先垂範することがSFAのこれからの使命であると理解しています。

そのためにも今後のキャリアプランとしては、海外も経験したいと考えています。まずは日本の細やかさ、気遣い、おもてなしの心を、世界のセオリーに伝えていきたいと思います。同時に、海外の接客技術や販売技術にも必ずや見習うべき点があるはずですので、それらを吸収することでグローバルワンへと昇華させていきたいと考えています。

販売の仕事は、いろいろな世代や職種の方々との出会いや会話、チームで団結して目標に向かうチャレンジなど、毎日が刺激にあふれています。しかも、そうした刺激の数々が自らの成長の機会となる仕事でもあると実感しています。それをグローバルに追求できるのは、ファーストリテイリングならではであり、セオリーならでは。私も世界に通用する販売員へと成長することで、「お客様一人一人のパーソナルスタイリストになる」という入社以来の想いをグローバルに叶えていきたいと、夢は膨らむばかりです。

LTJ

一井 晴日

Haruka Ichii

セオリー Senior Fashion Adviser

2011年、新卒入社。「神戸大丸店」に配属となり、2015年に店長に昇格し、「阪神梅田店」の立ち上げに従事する。2018年、「新宿伊勢丹店」に異動。2021年にSFAとなり、現在は「ジェイアール名古屋高島屋店」を母店に活動中。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。

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