最終更新日: 2022.07.14
ファーストリテイリング 2022年8月期 第3四半期決算サマリー
株式会社ファーストリテイリング
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連結業績
グループ事業別業績
【決算ハイライト】
■2022年8月期第3四半期の連結業績:増収、大幅な増益。業績予想を上回る
- 売上収益1兆7,651億円、前年同期比3.9%増、営業利益2,710 億円、同19.0%増。
- 事業利益、営業利益は、円ベース、現地通貨ベースともに過去最高の業績を達成。
- 金融損益に為替差益など781億円を計上したことで、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,378億円、同57.1%増の大幅増益。為替差益による押し上げを除いても、過去最高益。
- 第3四半期3カ月間は、大幅な増収増益。特に海外ユニクロ事業、国内ユニクロ事業が好調で、業績予想を上回る。
■国内ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収、大幅な増益
- 第3四半期3カ月間の売上収益は1,984億円、前年同期比8.7%増、営業利益は381億円、同76.2%増と好調。
- 外出需要に合った商品や、ゴールデンウィーク、感謝祭での販売が好調で、既存店売上高は7.8%の増収。
- 粗利益率は値引率の改善により3.9p改善。販管費比率はオペレーションの効率化を進めたことで1.4p改善。
- 9カ月累計の売上収益は6,409億円、前年同期比5.1%減、営業利益は1,190億円、同0.4%減。
■海外ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は大幅な増収増益、9カ月累計は過去最高の業績
- 第3四半期3カ月間の売上収益は2,480億円、前年同期比13.9%増、事業利益は380億円、同17.8%増。減損損失を85億円計上したことで、営業利益は324億円、同5.6%増。
- その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益と好調。グレーターチャイナは新型コロナに伴う行動規制の影響を受け、大幅な減収減益。
- 9カ月累計の売上収益は8,412億円、前年同期比13.7%増、営業利益は1,327億円、同35.8%増。
■ジーユー事業:第3四半期3カ月間は前年並みの業績
- 第3四半期3カ月間の売上収益は677億円、前年同期比0.7%減、営業利益は84億円、同0.0%増。生産や物流の遅延の影響でキャンペーン商品をタイムリーに投入できず、機会ロスが生じたため。
- 9カ月累計の売上収益は1,905億円、前年同期比5.1%減、営業利益は178億円、同26.7%減。
■グローバルブランド事業:第3四半期3カ月間は大幅な増収、赤字が縮小
- 第3四半期3カ月間の売上収益は310億円、前年同期比19.5%増、営業利益は3億円の赤字、前年同期は7億円の赤字。セオリー事業は増収減益。コントワー・デ・コトニエ事業は増収、赤字幅は大幅に縮小。
- 9カ月累計の売上収益は900億円、前年同期比11.8%増、営業利益は7億円の黒字(前年89億円の赤字)。
■2022年8月期 連結業績予想:上方修正
- 通期業績予想を上方修正。売上収益2兆2,500億円、前期比5.5%増、営業利益2,900億円、同16.5%増、親会社の所有者に帰属する当期利益2,500億円、同47.2%増を予想。
- 1株当たり年間配当金は、中間配当金280円、期末配当金340円を合わせて620円を予想。年間では140円の増配。
業績概要
■国内ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は増収、大幅な増益
国内ユニクロ事業の第3四半期9カ月累計の売上収益は6,409億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1,190億円(同0.4%減)と、減収減益となりました。上期は、前年同期の業績のハードルが高かったことに加え、売れ筋商品に欠品が発生し機会ロスが生じたことから、大幅な減収減益となりましたが、第3四半期3カ月間は、売上収益は前年同期比8.7%増、営業利益は同76.2%増と、好調な業績となりました。新型コロナの拡大が収束し、外出ニーズが高まったことで、感動ジャケット・感動パンツやブラウスの販売が好調だったことに加え、ゴールデンウィーク商戦、ユニクロ感謝祭での販売が好調で、3カ月間の既存店売上高は同7.8%の増収となりました。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、同3.9ポイント改善しました。また、売上高販管費率は、人件費や物流費を中心にオペレーションの効率化を進めたことで、同1.4ポイント改善しました。
■海外ユニクロ事業:第3四半期3カ月間は大幅な増収増益、9カ月累計は過去最高の業績
海外ユニクロ事業の第3四半期9カ月累計の売上収益は8,412億円(前年同期比13.7%増)、営業利益は1,327億円(同35.8%増)と、大幅な増収増益となりました。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられていますが、現地通貨ベースでも過去最高の業績と好調でした。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益となったことによります。グレーターチャイナは、新型コロナに伴う行動規制による影響を受け、大幅な減収減益となりました。
第3四半期3カ月間も引き続き、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)の業績が好調でした。地域別の業績(現地通貨ベース)については、グレーターチャイナは大幅な減収減益となりました。3月から5月にかけて、上海を中心に最大で169店舗が臨時休業するなど、新型コロナに伴う行動規制により、売上が落ち込みました。ただし、6月は規制が緩和されたことで売上は増収と、業績は回復傾向にあります。その他アジア・オセアニア地区は、新型コロナに伴う行動規制の緩和により、外出ニーズが回復したことで、大幅な増収増益となりました。特に、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポールが好調でした。北米は、大幅な増収、黒字へ転換しました。Tシャツやタンクトップ、ショートパンツなどのコア商品が北米のお客様に高く支持されていることで、好調な業績が継続しています。欧州(ロシアを除く)は、LifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が広がったことに加え、観光客需要が盛り上がったことも追い風となり、大幅な増収、黒字へ転換しました。
■ジーユー事業:第3四半期3カ月間は前年並みの業績
ジーユー事業の第3四半期9カ月累計の売上収益は1,905億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は178億円(同26.7%減)と、減収、大幅な減益となりました。減収となった要因は、生産や物流の遅延の影響を受け、キャンペーン商品をタイムリーに投入することができず、販売機会ロスが生じたことによります。
第3四半期3カ月間も若干の減収、前年並みの営業利益となりました。トレンド商品として人気が高いカラースラックスやスウェットTシャツなどの販売が好調でしたが、商品の遅延の影響を受け、売上を十分に拡大できませんでした。売上総利益率は、同1.5ポイント改善しました。これは、値引き販売を抑制したことに加え、生産や物流の遅延により、キャンペーン商品がタイムリーに投入できず、計画通りに販促できなかった影響によります。また、売上高販管費率は、店舗スタッフを戦略的に増やしサービスの向上を図っているため、同0.8ポイント上昇しました。
■グローバルブランド事業:第3四半期3カ月間は大幅な増収、赤字が縮小
グローバルブランド事業の第3四半期9カ月累計の売上収益は900億円(前年同期比11.8%増)、営業利益は7億円の黒字(前年同期は89億円の赤字)と、大幅な増収、黒字に転換しました。第3四半期3カ月間では、セオリー事業は、増収減益となりました。これは主に、上海のロックダウンにより、中国大陸を中心としたアジア事業が減収減益となったことによります。プラステ事業は、ブラウスやパンツ、ワンピースなどの販売が好調でしたが、生産や物流の遅延の影響を受け、欠品が生じたことで、売上を十分に拡大することができず、売上はほぼ前年並み、営業利益は若干の増益となりました。コントワー・デ・コトニエ事業は、増収、赤字幅は大幅に縮小しました。不採算店舗の閉店を中心とした事業構造改革を進めたことで販管費比率が大幅に改善したことによります。
■2022年8月期の業績予想:上方修正
通期の売上収益は2兆2,500億円、前期比5.5%増、事業利益は2,950億円、同15.4%増、営業利益は2,900億円、同16.5%増を見込んでいます。4月に発表した業績予想に対しては、売上収益で500億円、事業利益で150億円、営業利益で200億円の上方修正となります。これは、第3四半期3カ月間の業績が好調で、現地通貨ベースでも業績予想を上回る進捗となっていることに加え、円安が進行していることから、第4四半期の業績予想の為替レートの前提を見直したことによります。事業利益、営業利益ともに過去最高を更新する見込みです。その他収益・費用は、第4四半期にユニクロ事業を中心に減損損失や除却損・閉店損などが発生するリスクを織り込み、50億円のマイナスを予想しています。金融収益・費用は、5月末の為替レート1ドル128.2円を期末の為替レートの前提とし、781億円のプラスを見込んでいます。この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,500億円、同47.2%増を見込んでいます。
セグメント別では、海外ユニクロ事業は、下期、通期ともに大幅な増収増益となる見込みで、現地通貨ベースでも、増収増益となる予想です。第4四半期3カ月間は、引き続きその他アジア・オセアニア地区、北米、欧州は好調な業績が続く見込みです。グレーターチャイナの第4四半期3カ月間は、新型コロナウイルス感染症の行動規制が緩和されることで、大幅な増収増益となる予想です。国内ユニクロ事業は、下期は若干の増収、営業利益は大幅な増益を見込んでいます。通期では、上期の減収減益幅が大きかったことから、若干の減収、営業利益は前年並みとなる見込みです。ジーユー事業は、下期は若干の増収、前年並みの営業利益、通期では減収、大幅な減益となる見込みです。グローバルブランド事業は、下期、通期ともに、黒字化することを見込んでいます。
期末配当金は、4月に発表した1株当たり280円から増額し、1株当たり340円を見込んでいます。これは、前年に対し100円の増配となります。すでに実施した1株当たり中間配当金280円と合わせて、年間配当金は620円を予想しており、年間では140円の増配となります。なお、配当性向については、外貨建資産の円換算による一時的な為替益の影響を除くと、約33%と、過去と同等の水準を維持しております。
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