最終更新日: 2007.07.12
2007年8月期第3四半期 決算を発表(決算サマリー)
株式会社ファーストリテイリング ( 43KB )
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連結業績
【サマリー】 2007年8月期第3四半期決算の営業利益は前年同期比5.0%減
第3四半期累計(2006年9月~2007年5月の9ヶ月間)の売上高は、4,412億円、前年同期比18.8%増収となりましたが、主力の国内ユニクロ事業の営業利益が同4.6%減益となったこと、また、米国ユニクロ、ワンゾーン、ジーユーの赤字拡大などから、営業利益は593億円、同5.0%減益となりました。
第3四半期(9ヶ月間)の売上高が18.8%増収と二桁増収となった背景としては、1)主力の国内ユニクロ事業の既存店増収率が3.1%増となる一方で、大型店を中心とした新店が寄与したこと、2)フランス事業が順調に売上を伸ばしたこと、3)キャビン、ジーユーなどが新たに連結されたこと、などがあげられます。
一方収益面では、主力の国内ユニクロ事業が中間期に秋冬物の処分により大きく粗利益率を低下させた影響で、第3四半期の連結ベースの粗利益率も前年比で0.3ポイント低下しております。販売費および一般管理費は、国内ユニクロで人件費比率が上昇したこと、販管費比率が高い新規連結子会社が増えたことなどから、対売上高比率では3.3ポイントの上昇となっております。
会社別の損益では、国内ユニクロ事業の減益、米国ユニクロ、ジーユー、ワンゾーンの赤字を好調なフランス事業や中国・香港・韓国のユニクロ事業の増益では埋めきれず、第3四半期の営業利益は減益となっております。
2007年8月通期の業績予想としては、売上高が5,351億円、前期比19.2%増、営業利益721億円、同2.6%増、経常利益707億円、同3.3%減、当期純利益368億円、同8.8%減を見込んでおります。通期の1株当たり連結予想当期純利益は361.90円を予想しております。1株当たり年間配当金は期末配当金70円(予定)を含み、140円を予定しております。
■ 国内ユニクロ事業:第3四半期は減益
連結売上高の約82%を占める国内ユニクロ事業の第3四半期(2006年9月~2007年5月)は9.6%の増収となりましたが、秋冬シーズンの在庫処分による粗利益率低下と販管費増により、営業利益では4.6%の減益となりました。秋冬シーズンで課題となっておりました「値引き販売増による粗利益率低下」につきましては、社内の数値計画機能の組織を強化したことにより、第3四半期3ヶ月間(2007年3月~5月)では低下傾向に歯止めがかかり、計画通り、前年比並みの売上高総利益率を達成することができました。
第3四半期の既存店売上高は前年同期比3.1%増となっております。第3四半期末のユニクロ直営店は前年同期末比32店舗増加し、直営店730店、フランチャイズ店を含めると748店舗となりました。ユニクロでは、500坪規模の大型店の出店を進め、5月末の大型店の店舗数は25店舗に達しました。大型店については、新しいユニクロを作る成長エンジンとして位置づけ、今期は集客力のある大型ショッピングセンター内に重点的に出店してきました。その結果、ラゾーナ川崎店、ららぽーと豊洲店などの広域ショッピングセンター内の大型店では安定的に集客ができております。また、2007年3月には売場面積990坪の神戸ハーバーランド店、5月には東京都内の住宅地に売場面積900坪の世田谷千歳台店といった超大型もオープンし、ウィメンズの拡充、ビジュアル・マーチャンダイジングの改革などをすすめています。
第3四半期(3月~5月)3ヶ月間の国内ユニクロの既存店売上高は3.7%の増収となりました。これは、3月のジーンズキャンペーン、4月の麻キャンペーンの好調が寄与したことがおもな要因です。ただ、5月の連休以降は、気温の低下やクールビズ関連商品の立ち上がりの遅れなどにより客数が伸び悩み、5月の既存店売上高は減収となっております。
第4四半期の国内ユニクロ事業では、引き続き売上高総利益率の動向に注視しながら夏物処分を進める一方、秋物商品を早めに投入していくなど、シーズンの切り替えを早める計画です。
通期の国内ユニクロ事業の売上高は4,355億円、前年比10.7%増、営業利益は712億円、同3.4%増を見込んでおります。こちらの数値につきましては、4月の中間期に発表しております予想数値から変更しておりません。
■ グループ事業の業績動向
(海外ユニクロ)
海外ユニクロ事業は、2006年11月に米国ニューヨークに1,000坪のグローバル旗艦店、12月には中国で700坪の旗艦店をオープンするなど、各国で事業拡大を進めています。この結果、2007年8月期の海外ユニクロ事業全体の売上高は前期の87億円に対し、2倍の167億円、期末店舗数は41店舗を予想しております。
米国ユニクロ事業は、2006年11月にニューヨーク・ソーホー地区で1,000坪の「グローバル旗艦店」をオープンし、米国市場でユニクロブランドの認知度を高めることに成功しました。旗艦店の売上は順調に推移しておりますが、広告宣伝費などの経費が拡大したことにより、第3四半期は赤字となっております。英国ユニクロ事業は、オックスフォード ストリート店をリニューアル増床し(2006年10月)、2007年春には新店3店舗をオープンしました。新店オープンに伴う経費増などから第3四半期では赤字となっております。中国ユニクロ事業は2006年12月にオープンした上海の浦東(プートン)地区の700坪の旗艦店が順調なことから、第3四半期では若干の黒字となっています。また、2006年12月に2号店をオープンした香港ユニクロ事業の業績は極めて好調で、第3四半期では20%以上の営業利益率を計上しています。韓国ユニクロ事業も順調に店舗数を増やし(2007年5月末14店舗)、第3四半期では黒字を計上しています。
(グループ事業)
新規事業のジーユーは、2006年10月に第1号店をオープンし、2007年5月末までに計画通り50店舗の出店を完了いたしました。しかし、ブランドや店舗の認知度が低く、売上高が計画を大きく下回ったことから、第3四半期は赤字を計上しております。今後は、より広い年齢層のお客様に向けたウィメンズのファッション商品を開発していくとともに、広報・プレス活動を強化し、ブランド認知度を高め、収益を改善させていきたいと考えています。
フランス事業は主力の「コントワー・デ・コトニエ事業」(CDC事業)とランジェリーの「プリンセス タム・タム事業」(PTT事業)が好調な業績を維持しています。第3四半期におけるCDC事業の売上高は前年比4割増、営業利益は3割増、PTT事業の売上高も約2割増を達成しました。CDC事業の業績が好調だった理由としては、秋冬、春夏のコレクションともに、市場のトレンドや顧客のニーズとマッチしたこと、追加生産をスムーズに行うクイックレスポンスの仕組みがうまく機能していることなどがあげられます。今後は、フランス以外のヨーロッパ諸国や日本などの店舗網を拡大し、グローバルブランドを目指します。フランス事業全体では、好調なCDC事業、PTT事業の業績を反映し、2007年8月通期で売上高345億円、営業利益65億円を見込んでいます。これは、連結営業利益の9%となります。
国内で靴チェーンを展開するワンゾーンの第3四半期は赤字となっております。新学期、新生活がスタートする需要最盛期の3月に売上を落とし、既存店が減収となったことなどから赤字幅が拡大したため、2007年8月通期の営業損失は16.9億円に減額修正しております。
2006年8月末に連結子会社となったキャビン(東証1部上場)の9月~5月(9ヶ月)の業績は、売上高が167億円、営業利益が1.7億円となりました。2007年度(2006年9月~2007年8月)の年間業績としては、売上高228億円、営業利益3億円を予想しております。
持分適用関連会社のリンク・セオリー・ホールディングス(東証マザーズ上場、持株比率33.9%)は、ドイツ、ロースナー社ののれんの一括償却を中間期に実施したことから、第3四半期では14億円の持分法による投資損失となっております。
■ 2007年8月期連結業績予想
2007年8月通期の売上高は5,351億円、前期比19.2%増、営業利益721億円、同2.6%増、経常利益707億円、同3.3%減、当期純利益368億円、同8.8%減を予想しております。
なお、通期の1株当たり連結予想当期純利益は361.90円を見込んでおります。1株当たり配当金につきましては、中間期末配当金70円を含み、年間140円の予定は変更しておりません。