最終更新日: 2026.07.14
to English page
2026年8月期 第3四半期:決算説明会 Q&A
決算説明会の主なQ&Aのテキストです。内容はご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。
- Q1:
- 2026年8月期 通期の連結業績予想の営業利益率は、18.4%と高水準に近づいています。今後の適正な収益性の水準を教えてください。
- A1:
- 岡﨑 株式会社ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員 CFO:一番大事なのは、健全な収益率を維持しながら、売上成長を続けていくことです。そのなかで、利益率が少しでも改善できるのであれば、当然追求していきます。中長期的な事業利益率は、15%から20%のレンジが巡行範囲だと思います。
- Q2:
- 2026年1月、GUのクリエイティブ・ディレクターにフランチェスコ・リッソ氏が任命され、注目しています。リッソ氏が監修した商品はいつから本格展開されますか。また、GUが掲げていた、中長期的な売上目標1兆円の目線に変化はありますか?
- A2:
-
岡﨑CFO:2026年秋冬から本格的に展開します。 リッソ氏にGUの全商品構成をディレクションしていただき、商品も全面的に刷新していきます。私もそれらの商品や売場を見ましたが、新しいGUをうまく体現していると思います。これを打ち出しながら、試行錯誤のなかで改善していきたいと思います。
現在GUは、母国市場である日本を中心に展開していますが、中国大陸や香港、台湾、米国にも出店しています。2026年秋冬の商品に良い手応えが得られれば、グローバル展開の再加速も考えています。その結果、中長期的に売上1兆円はめざしていかなければなりませんし、1兆円以上のポテンシャルは十分にあると思います。
- Q3:
- 今期の業績が好調のなか、来期の業績ハードルは高いと思います。来期を見据えて、経営で意識している点、チャレンジングな点を教えてください。
- A3:
-
岡﨑CFO:まず、LifeWearのコンセプト、その中核事業であるユニクロに対する、グローバルでのお客様の需要は大きく、引き続き良い手応えをもっています。今、その潜在需要に応えるための十分な出店や商品の提供は、まだできていません。そのため、我々が需要にお応えする努力を続けていけば、現在の売上成長のモメンタムは続けていけると思います。これが最優先であり、軸となる考え方です。
現在、グローバルで一部の素材や物流の価格が上がる傾向はあるものの、粗利益率へのインパクトは、通貨安の方が大きいと思います。為替予約により、激変緩和の手を打っているため、急激に商売を組み立てられなくなることはありませんが、じわじわと粗利益率の圧迫要因になります。そのため、引き続き、商品の価値訴求を行い、値引きに頼らないビジネスを実施していきます。また、在庫管理も重要です。売上を上げながら、SKU(Stock Keeping Unit:在庫管理を行う時の最小管理単位)レベル、個店レベルで、在庫の予測精度や管理精度を上げることで、無駄な在庫消化を減らしていきます。その結果、経費構造の良化につながると思います。さらに、中国大陸で進めているように、店舗のスクラップ&ビルドも重視しています。現在の事業環境を見た上で、店舗のネットワークを見直し、最適化することに加え、低月商店舗をハイポテンシャルな立地の店舗に変えていきます。低月商店舗を減らすことで、売上の改善ポテンシャルがあるだけでなく、在庫効率が上がることで、販管費比率も下げることができます。
このような取り組みを、より高いレベルで実行できれば、引き続き企業価値を上げていけると思います。
- Q4:
- 国内ユニクロも、海外ユニクロも、来期は通貨安の影響で、原価率が悪化するのでしょうか?
- A4:
-
岡﨑CFO:それぞれの国や地域で、ドル建てで調達をしているため、ドルに対しての強い通貨、弱い通貨があります。ドルに対して現地通貨安になる場合は、粗利益率を圧迫する要因になりますが、すべての国や地域で、激変緩和のために為替予約を行うなど、算段を立てながら商売を組み立てています。
ただし、売上が大きく上振れ、当初計画していた以上に商品を調達する場合は、スポットレートで調達する必要があります。その場合は、為替予約レートに比べて、より安いレートで調達することが起こります。幸いこれまでに厳しい局面を経験してきているので、過去の知見や経験を活かしながら、そのような影響をできるだけ減らすように対応していきます。
- Q5:
- 成長率が高い東南アジア・インド豪州地区のポテンシャルについて教えてください。
- A5:
- 岡﨑CFO:アパレルの顕在市場という観点では、北米やヨーロッパ、中国大陸が大きいと思います。短期的には、その顕在マーケットにおいて、プレゼンスを高め、シェアを取りに行くことが事業成長につながります。東南アジアについても、引き続きプレゼンスを高めることで、成長できると思います。中長期的には、アジアは世界の成長センターです。経済成長を続けながら、中間所得層の人口が増えてくると、アパレル市場も大きくなっていきます。その時は、東南アジアも、北米やヨーロッパ、中国大陸と同じぐらいの成長ポテンシャルをもたらし得ると思います。
- Q6:
- グレーターチャイナでは、構造改革で取り組んでいる施策が一巡していくなかで、来期は業績を上げるために、何を実施する計画ですか?
- A6:
-
岡﨑CFO:2024年7月に発表した、構造改革の4つの柱は、来期も継続していくべきだと思います。まずは、マーケティングの強化です。グローバルブランドとしてのマーケティングを中国大陸でも実施することで、グローバルに打ち出しているLifeWearの価値を訴求していきます。ウェブマーケティングやテレビコマーシャルなども含めて、若年層の支持が高まっている良い傾向も見えてきています。次に、店舗のスクラップ&ビルドです。店舗網を変え、広い中国大陸において、地域別の商売を組み立てられる構えに対応しています。状況がどんどん変わっているなかで、出店立地を変えたことにより、スクラップする前とビルドした後で、店舗の売上が約1.5倍になる成果も出ています。さらに、地域別商売の強化です。地域のニーズにあった商品構成、販売計画など、計画の精度はまだ高くなく、改善余地も多々あると思います。最後に、個店経営です。手応えは感じておりますが、全店舗で個店経営が、ある日、突然できるわけではなく、時間をかける必要があります。経験を蓄積し、地力がついた結果が、今後出てくると思います。
今申し上げた構造改革の柱は、やりきったとまだ全然思っていません。それぞれの手応えは良いため、来期以降も、構造改革を着実に継続すれば、既存店売上高を上げていける感触をもっています。
- Q7:
- 来期の国内ユニクロ事業において、商品価格の考え方、それに伴う粗利益率の見通しを教えてください。
- A7:
-
岡﨑CFO:商品価格に関する基本的な考え方は変わっていません。商品の価格は、価格と価値のバランス、市場での競争力を精査しながら、一つひとつ慎重に検証・決定しており、極力値上げしないよう努力しています。ただし、為替予約による激変緩和を実施しているなかでも、円安の進行による原価の上昇が続いており、企業努力だけで原価の上昇を吸収することが難しいため、2026年秋冬の一部の商品で価格を見直しています。2026年秋冬商品は、平均価格で4%弱の上昇で、価格を見直す商品の品番数は限定的です。
- Q8:
- 今後の国内ユニクロ事業のポテンシャルについて教えてください。
- A8:
-
岡﨑CFO:過去2期、国内ユニクロ事業は、売上成長してきたと思いますが、ポテンシャルはさらにあると思います。
1つ目が、コア商品の進化です。例えば、UNIQLO : Cのスウェットワイドパンツや、UNIQLO and JW ANDERSONのストレートジーンズなど、コア商品に新しい価値や魅力を付加することで、新しい需要を喚起できていることに手応えを感じています。
2つ目は、スタイリングの訴求です。商品を単品で訴求することは、引き続き実施していくことに加えて、お客様にどう着こなしていただくか、楽しんでいただけるか、そのスタイリングや着こなしの発信を重視しています。我々は、LifeWear magazineを半期に1回発行しています。そこに、我々の価値観やコンセプト、大事だと思っていることを表現しています。それらを、マーケティングや売場で継続的に表現してきたことで、お客様の生活の中への浸透を高めることができつつあると思います。その結果、まだ満足いく水準ではないですが、若いお客様にも、ユニクロの良さや楽しさを感じていただけるようになってきたと思います。これらをさらにうまくやっていけば、業績を伸ばしていけます。
一方で、同じことを繰り返していると、売上は伸びないと思います。成熟市場のなかで、国内ユニクロ事業が工夫やイノベーションを起こすことで、グローバルの商売にもレバレッジしていけます。こうした良いサイクルをつくっていきたいですし、国内ユニクロ事業はうまく実践していけると思います。
- Q9:
- 海外で売上が拡大するなかで、オペレーション面、人材面は心配しなくてよいですか?
- A9:
- 岡﨑CFO:我々がめざす水準からすると、それらはまだまだ足りていないと思います。お客様に最高の経験をしていただくためには、店舗で欠品や過剰がなく、買いやすい売場をつくる必要がありますし、お客様に、笑顔で楽しくお買い物をしていただくためには、接客も必要です。これらをすべての店舗で実現できている状況ではありません。また、特に現在、急成長している欧米や東南アジアでは、スタッフを育成する店長も、まだ十分に育ち切っていません。採用や育成が、今後の我々の成長力を決める重要な部分だと思います。過度に心配していただく必要はありませんが、課題でもあるとご理解いただければと思います。
- Q10:
- 値上げを実施することで、値入れは確保できる見通しでしょうか?
- A10:
- 岡﨑CFO:来期の粗利益率が圧迫されることは避けられないと思います。それをどのように抑制するか、考えなければなりません。基本的には、一品一品の競争力を判断した上で価格を調整し、値入れをある程度確保した上で、値引き販売を抑制し、健全な事業運営をしていきたいです。粗利益率を良くするために、無理な値上げをすることは、逆効果になるため、良いバランスで組み立てていきたいと思います。
- Q11:
- 今後、新たに展開したいマーケットがあれば教えてください。
- A11:
- 岡﨑CFO:今後、出店したい、出店すれば可能性が見込める地域はありますが、当面は、まず既存国を優先しています。そこでビジネスの精度を上げて、LifeWearを浸透させることが大事です。新たな出店エリアの可能性はありますが、長期的に期待していただければと思います。
以上