最終更新日: 2026.04.14
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2026年8月期 第2四半期:決算説明会 Q&A
決算説明会の主なQ&Aのテキストです。内容はご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。
- Q1:
- 塚越さん・守川さんのプレゼンテーションの中で、販売好調な商品はグローバルで共通しているとありました。地域の特性に対応している部分があれば、欧米それぞれで教えてください。
- A1:
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塚越 株式会社ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員 COO ユニクロノースアメリカCEO:我々の経営理念23カ条第1条に「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」とあるように、事業の継続的な成長には、日々のお客様のご要望にお応えし続けることが重要です。年間で3,900万件以上頂いているお客様のご要望・ご不満をもとに商品をつくることが必要です。米国の東海岸と西海岸で売れる商品は、年間で見ると同じですが、例えば3月では、東海岸は、気温がまだ0度、一方で西海岸は30度以上だったため、その時々で見ると、売れる商品は異なります。こうしたニーズの違いに対応するために、個店経営の実践が重要です。我々はグローバルで商売しているので、お客様の声を聞きながら、グローバルで売れる商品をつくるという商品開発は変わりませんが、店舗ごとに、店長がお客様のニーズに合わせて、品揃え、数量、売り方を変えることが必要だと思います。
北米は、コロナ禍以前からブランド認知の拡大に力を入れてきました。認知が高まってきた後は、お客様が商品を手に取って、着ていただくことが、一番のマーケティングだったと思います。そして今は、リピートカスタマーが増えています。手に取っていただける商品を提供し続けると同時に、年間で売れる商品をさらに強化していくことを、北米でも継続していきたいと考えています。
守川 株式会社ファーストリテイリング グループ上席執行役員 ユニクロ欧州CEO:特に欧州で特徴的なのは、冬はアウターやニット、夏はリネンの商品など、天然素材に対する信頼がとても厚いです。こうした特徴がある一方で、グローバルで売れる商品は共通しているのが実感です。欧州のお客様は、私たち以上に、LifeWearやユニクロのポテンシャルをよく理解しています。欧州の新規国、新規都市に店舗をオープンすると、現地のお客様は、すでにLifeWearやユニクロ商品の活用方法、着方をよくわかっていらっしゃいます。そのため、適時・適切な商品構成、高いサービス、地域密着の商売など、正しい商売を毎日愚直に積み上げて、自分たちを磨き上げることが、欧州では大切なことだと実感しています。このブランドのもつ可能性を広げられるかは、私たち次第です。それらを踏まえて、商品開発も含め、全社をリードしていきたいです。
- Q2:
- 北米、欧州それぞれ売上1兆円、3兆円という目標をめざす上で、事業利益率など収益性の目標も教えてください。また、それらをめざす上で、潜在的な課題・リスクはどのように考えていますか?
- A2:
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塚越 ユニクロノースアメリカCEO:この数年間、北米、欧州の事業利益率は改善が続いています。今後の事業利益率は20%を目線にしていますが、今は売上成長を優先すべきフェーズであり、事業の中身がより重要だと考えています。事業の中身をより良くしていくために、新規出店やサプライチェーン、人材などへの成長投資は積極的に行い、事業利益率は、最低でも15%以上を維持していきます。潜在的なリスクは、お客様や社会からの信頼を失うことです。これは、欧米だけでなく、グローバルでも同様です。そのため、お客様のために全力を尽くすことが重要です。柳井のプレゼンテーションにもあったように、1枚1枚の服をコツコツと売り続け、積み重ねた結果が、我々の今の売上です。それなくして、北米の売上1兆円や、事業利益の目標は達成できません。また、コロナ禍やサプライチェーンの混乱、地政学的なリスクなど、外部環境には、さまざまな変動要素があります。我々も、お客様のニーズの変化や世の中の変化に対して、事業を柔軟に変更していくことが重要ですので、継続していきたいと考えています。
守川 ユニクロ欧州CEO:欧州では、サプライチェーンを、今後の事業成長や将来のお客様のニーズに合わせて、つくり直す必要があります。生産地からの輸送だけでなく、ユニクロを展開する各国の異なる法規制を考慮しながら、お客様に最短で商品を届けることが重要です。さらに、最も重要なのが、人材だと思います。欧州の1店舗当たり売上は、グローバルで最も高いです。多くのお客様が来られる旗艦店を軸に商売をしているため、店舗運営の難易度は非常に高いです。そのため、個店経営の実践や、それをリードできる店長の育成が重要だと思います。欧州のお客様から、LifeWearやユニクロの価値観が、確実に受け入れられている実感をもっているため、私たちの事業運営力をさらに磨いていこうと思います。
- Q3:
- 北米、欧州で顧客層がどのように広がっているのか教えてください。
- A3:
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塚越 ユニクロノースアメリカCEO:特に欧米では、若年層のお客様からの支持が広がっています。また、最近は新規のお客様に加えて、リピートするお客様も非常に増えています。欧米ともに、ユニクロを展開している地域以外からのお客様にご来店いただけていることは、とてもチャンスだと考えています。また、北米は、すでに出店している地域でのブランド認知は非常に高いですが、出店していない地域のブランド認知は、まだ高くないと思います。テキサスの店舗が1つの好事例ですが、2024年10月にテキサスで5店舗をオープンした後、Eコマース売上も飛躍的に伸びました。北米事業では今後も、このような好循環をつくっていきたいです。
守川 ユニクロ欧州CEO:若年層のお客様からの支持は、北米同様に、欧州でも引き続き得られています。約2年前からわかってきたこととして、若年層のお客様に受け入れられた商品が、その他の層のお客様にも広がっています。例えば、2023年ごろから欧州で人気のラウンドミニショルダーバッグは、当初、30歳以下のお客様の購入が約60%でした。しかしその後、より幅広い年齢層のお客様も買ってくださっています。このように、欧州では年々、若年層のお客様に売れた商品が、マス層に広がっていく現象が起きていて、この流れをさらにつくっていく必要があると思います。顧客層の特徴的な点としては、初進出の国や都市で店舗をオープンした際、ご来店される90%以上のお客様が、すでにユニクロを知っていることです。これは、日本やアジア、米国、欧州で、ユニクロの商品を買ったことがあるからです。そのため、世界各地の店舗が、それぞれの地域一番店となり、存在感を出すことが重要です。ユニクロのもっている世界のネットワークに大きな力があると感じています。1店舗1店舗が、グローバルのお客様に対するアプローチを意識して、日々の商売を行うことが、最も重要な軸になると思います。
- Q4:
- ウィメンズ商品の強化や、今後のチャンスについて、教えてください。
- A4:
- 塚越 ユニクロノースアメリカCEO:欧米のプレゼンテーションにあったように、ニューヨークを拠点に、米国事業のCo-CEOが、グローバルのウィメンズ商品の責任者を務めています。また、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどにも、R&Dセンターを設置しています。古今東西で売れる商品は共通しているため、グローバルで売れる商品を、日本だけでなく、世界各地で開発しています。その商品の代表例が、ジャージーバレルレッグパンツやバギーカーブジーンズ、ミニTなどです。商品開発の強化は、ウィメンズだけでなく、メンズも同様に継続していきたいと思います。
- Q5:
- ユニクロがロサンゼルス・ドジャースと歴史的なパートナーシップに合意したことに伴い、今後のマーケティング活動について教えてください。
- A5:
- 柳井 株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長:これは、単なるマーケティング活動だけではなく、社会貢献活動を含む広範なパートナーシップです。企業の立ち位置をさらにはっきりさせ、社会に貢献する企業でないと、グローバルで受け入れられないと思います。ユニクロが欧米で事業成長を続けているのは、このようなユニクロの姿勢が認められているからだと思います。これはグローバルで共通です。基本的な価値観である真・善・美を大事にして、企業経営を行うこと、1店舗1店舗の個店経営、個人個人が自立した上で、チームワークをつくること、1枚1枚の服を丁寧に売ること、良いサービスを徹底すること、これらを実践していくことが重要です。
- Q6:
- 中国大陸での事業構造改革に対する手応えや、2026年8月期下期、来期の展望について教えてください。
- A6:
- 岡﨑 株式会社ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員 CFO:事業構造改革の進捗は想定通りですし、その結果が業績に出始めていると思います。ただし、短期的な業績ではなく、事業がより本質的に進化することが一番大事です。個店経営の実践を掲げていますので、その前提となる地域別商売の確立、店舗のスクラップ&ビルドなど、やるべきことはまだ完全に終えていません。今後も、それらを着実に実行していくことが重要です。
以上