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質疑応答の概要

最終更新日: 2025.07.15
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2025年8月期 第3四半期:決算説明会 Q&A

決算説明会の主なQ&Aのテキストです。内容はご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。

Q1: 
国内ユニクロ、海外ユニクロの来期以降の値入率や原価率の見通しについて、教えてください。
A1: 
岡﨑 取締役 グループ上席執行役員 CFO:国によって、原価率の状況は異なります。日本は、調達に使用している為替予約レートが徐々に円安になっているため、それを踏まえて、1品1品、値入率も考慮し、価格と価値のバランスを見ながら、商品の値段を見極めています。為替の影響で、値入率は若干悪くなる見通しですが、値引率や、販管費比率を改善させることで、営業利益率の水準を維持していきます。米国は、関税の影響を受けると思いますが、1品1品の価格と価値のバランスを見ながら、商品価格の見直しを検討していくと同時に、値引率の抑制、生産性の改善による経費のコントロールなどによって、営業利益率を維持していきたいと思います。それ以外の国は、来年度以降、原価が大きく上がることはないと思います。一部の素材価格が高騰しているため、商品によっては原価率が上がりますが、全体に対する大きな影響はありません。
Q2: 
2025年8月期のグレーターチャイナの出店予想数が、45店舗と、直近予想(4月10日)から減少している一方、退店数が増加しているように思います。来期も抜本的にスクラップ&ビルドを進めていくのでしょうか。
A2: 
岡﨑 CFO:グレーターチャイナの出店方針は、従前から変えていません。店舗数を追わず、スクラップ&ビルドを行うことで、質の高い店舗を出店する方針です。これまでのスクラップ&ビルドの結果、退店前と出店後の平均月商は、約1.5倍に伸びています。このような要件を満たせる出店地を厳選し、取り組んでいるため、2025年8月期のグレーターチャイナの出店予想数は減少しました。来期も、今期と同じようなペースで閉店を進めると思います。来期も店舗数は純減するかもしれませんが、店舗の質を確実に改善させることを重視していきます。5月にオープンした中国大陸の成都店は、スクラップ&ビルドを経て、中国大陸内での売上順位が50位前後から5位にアップしました。もともと大型店でしたが、増床し、店舗の内装も変えたことで、売上が伸びることを実感しています。今後も、丁寧な店舗づくりを行い、店舗数を追わず、店舗の質を重視した出店をしっかりやっていきます。
事業構造改革は正しい方向に進んでおり、潘を始めとする中国大陸の経営陣も自信をもっています。今後、成果は必ず出てくると思っています。
Q3: 
2025年8月期の業績予想に織り込んでいる相互関税や追加関税の影響額が、4月10日発表時点と比べて減少している理由は何ですか?また、来期の業績への影響はいかがでしょうか。
A3: 
岡﨑 CFO:今期の業績予想の試算の前提は、相互関税の適用を90日間停止したことと、7月9日時点での関税の合意状況を踏まえて試算しています。
来年度の具体的な影響額について、弊社からは発表していません。何もアクションを取らなければ、相応のインパクトになると思いますが、それをしっかり吸収していけるように、商品価格の見直し、値引率の抑制、生産性の改善による経費のコントロールなどの対策を行っていきます。利益率を維持していくための準備を進めている段階です。
Q4: 
中国大陸の業績はいつから回復しますか?
A4: 
岡﨑CFO:2026年8月期以降は、中国大陸を増収増益基調に戻していけると考えています。それに向けた計画も立て、準備を進めています。2025年8月期第4四半期は、今後の消費マインドの回復度合いにもよりますが、決算発表でも申し上げたように減収減益を予想しています。
来期の上期、下期ともに、現在進めている構造改革の成果が出ることに加え、消費マインドについても一定の回復を期待しているため、増収増益は十分に達成できるだろうと思っています。
Q5: 
中国大陸では、ユニクロに似たような高品質の商品が安い値段で売られていると聞いています。それによる中国大陸のユニクロ事業への影響を教えてください。
A5: 
岡﨑CFO:一部そのような事象はあるかもしれませんが、我々の恒常的なビジネスに大きな影響を与えていませんし、過度に心配もしていません。また、それによって、我々が値引き販売に追い込まれているといった状況もないです。
Q6: 
国内ユニクロ事業や海外ユニクロ事業で粗利益率が下がっている背景を教えてください。
A6: 
岡﨑CFO:背景は、地域によって若干違います。日本は、調達に使用している為替予約レートが円安になっている影響で原価率が上昇したことに加え、春物商品を中心に在庫処分を進めたことで、在庫水準は健全化しているものの、粗利益率が低下しました。欧州では、上期に冬物商品の販売が好調で増産した一方、冬物商品や春物商品の一部在庫が過剰になったため、値引き販売による消化を進めました。また、追加生産した商品の空輸コストが第3四半期3カ月間は想定よりも増えたため、粗利益率が低下しました。構造的な問題が起きているわけではありません。むしろ、シーズン前半で、早めの売価変更を行い、在庫消化を進めることによって、シーズン末に粗利益率が崩れるリスクが減ると考えていただければと思います。
Q7: 
北米のユニクロ事業について、手応えがある状況が続いていると理解してよろしいでしょうか?
A7: 
岡﨑CFO:手応えは非常に良いです。新規出店した店舗は、売上が非常に好調なので、需要はあると思います。出店への考え方も変える予定はありません。中期的に腰を据えて出店していきたいと思います。
Q8: 
2024年7月11日にグレーターチャイナCEOの潘氏が登壇し、事業構造改革についてお話しされてから1年が経ちました。改めて、1年前に比べるとどのように状況が変わったか教えてください。
A8: 
岡﨑CFO:業績が苦戦している理由は、外的要因と内的要因で半々ぐらい、とお伝えしましたが、その構造は、引き続き、変わっていないと思います。我々が認識している課題はいくつかありますが、まず、地域の需要に合った売場づくりや商品構成を十分に展開できていないという点は、改善に向けた手が確実に打たれ、良くなっています。次に、スクラップ&ビルドについては、想定通り進めており、成都店のように、成果は確実に出てきていると思います。マーケティングについても、グローバルマーケティングチームとの協働を強化していることで、中国大陸でのマーケティングもうまく機能しており、良い手応えを感じています。個店経営については、長期的に腰を据えて進めることなので、この1年間で大きく変わったということではありませんが、社員の意識は確実に変わっています。考え方も浸透していると思います。中国大陸には、非常に優秀な社員が多くいるため、考え方や働き方をしっかり学べば、対応力は非常に高いです。これらの取り組みを進めることで、来年度以降、成果を出していけると思います。
Q9: 
国内ユニクロ事業は、インバウンド需要が一巡するなかでも、好調なモメンタムが続いています。来期以降も、好調な業績を続けることが可能ですか?
A9: 
岡﨑CFO:来期も成長させていきたいと思います。昔からユニクロは、日本のお客様にとって、身近な存在だったと思いますが、UNIQLO : Cのスウェットパンツや、UNIQLO and JW ANDERSONのストレートジーンズなど、ユニクロのコア商品に新しさを取り入れたことで、新しい需要が、既存のお客様の中に生まれてきている手応えを得ています。こういった商品の魅力をしっかり訴求していくことで、日本のお客様にも、新しいユニクロを知っていただき、それらの商品が一過性ではなく、コア商品としてご購入いただける可能性が出てきていると思います。この点は、今後もしっかりと実施していきたいです。
国内ユニクロ事業の成長の大半は、国内の需要が高まっていることが理由で、インバウンドだけによるものではありません。また、インバウンドのお客様からの需要も、今のところ減っていません。来期以降も、全体として十分に伸ばしていけると思います。
Q10: 
グレーターチャイナのユニクロ事業について、現在の事業構造改革が完了した後の出店戦略はどう考えていますか?
A10: 
岡﨑CFO:事業構造改革を進めていくなかで、個店経営が浸透した状況が、1つの区切りだと思います。中国大陸には大きな都市が多くあるため、それぞれの主要都市に、地域の旗艦店と呼べるような店舗がしっかりと存在感をもっており、そこがブランドの発信地となると同時に、その周辺に利便性の高い店舗網とEコマース販売を組み合わせることで、地域の需要をさらに深掘りしていくことが、地域に根差した商売を実現する上で重要です。店舗数の拡大の前に、これらを実現することが大事だと思っています。
中国大陸における市場シェアはまだ低く、カバレッジも十分ではないため、この取り組みがある程度進めば、再度、店舗数を増やすアクセルを踏むと思います。
Q11: 
ジーユー事業について、経営者や経営チームが変わったことで、足元でどのような変化が出ているのか教えてください。
A11: 
岡﨑CFO:ジーユーの1つ目の課題は、ジーユーがマストレンド商品で埋め尽くされ、若い世代のお客様はもちろん、世代を超えたお客様がわくわくする売場や店舗をつくること、それに合った商品構成、マーケティングが不十分だったことです。これについては、半年以上前から、ユニクロの商品開発の主力メンバーが、ジーユーのメンバーと新しいチームをつくり、一緒に商品開発に取り組んでいます。ユニクロと差別化されたLifeWearを、ジーユーのコンセプトでどう実現するのかを考え、試行錯誤しながら新しい商品を開発しています。すでに投入され始めている秋冬商品は、良い手応えを得ています。次の春夏にはもっと高いレベルで実行できると思いますし、さらに次には、ジーユーならではのブランドポジションを確立できるような商品を、マーケティングも併せて準備をしたいと考えています。
2つ目の課題は、ジーユーも、ユニクロと同じ情報製造小売業をめざしているものの、その実行レベルが不十分だったことです。このため、在庫の欠品や過剰による機会損失、粗利益の低下や経費効率の悪い運営になっていました。4月1日付で、ジーユーの代表取締役兼CEOに就任した黒瀬は、ユニクロでの長い経験があり、高い実行力をもつ非常に優れたリーダーです。ユニクロの商売の仕組みにも精通しています。そこに、ユニクロを経験したメンバーと、ジーユーにもともといる、たくさんの優秀なメンバーが混ざり合うことで、確実に実行力と徹底力のレベルが上がってきていると思います。
この2つの課題への対策が掛け合わさることで、もともと実現したかったジーユーの姿に近づけると思っています。まだ途上ですが、来年度の上期、下期と、どんどんと改善していけると思っていますし、私は良い手応えを感じています。

以上  

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