HOME > IR情報 > IRライブラリー > 決算説明会 > 質疑応答の概要

質疑応答の概要

最終更新日: 2025.01.14
to English page

2025年8月期 第1四半期:決算説明会 Q&A

決算説明会の主なQ&Aのテキストです。内容はご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。

Q1: 
グレーターチャイナのユニクロ事業の業績が、想定よりも回復していない要因は何ですか?
A1: 
岡﨑 取締役 グループ上席執行役員 CFO:中国大陸が業績予想を下回った要因としては、外部要因と内部要因の影響が半々だったと考えています。外部要因については、衣料品への消費意欲が高まっていないことがあります。国慶節やW11(独身の日)などの催事では、消費が大きく盛り上がる傾向にありますが、それ以外の時は消費意欲が高まらない状況が続いていると思います。また、天候の影響もありました。10月上旬は気温の低下に伴い、需要が喚起され、業績が回復しましたが、9月や、10月下旬から11月にかけて気温が高く推移したことで、冬物商品の販売に苦戦しました。

内部要因については、7月11日の決算説明会で潘から説明した課題認識と、事業構造改革の方針は全く変わっていません。課題認識のうち、まず、地域に合った商品構成の構築については、中国大陸を大きくいくつかの地域を分けた上で、その地域に合った販売計画や商品計画、在庫コントロール、マーケティングで、きめ細かく対応していくことを実施していますが、まだ踏み込みが不十分だったと思います。この取り組みは着実に実施しており、良い手応えも得ていますが、まだ途上のため、今後の大きな伸びしろになると思います。次に、店舗のスクラップ&ビルドについては、計画通りに進めています。この取り組みは、短期ではなく、中長期で成果が出てくると思います。中国大陸では、市場全体が大きく成長する中で、我々はチェーン展開で拡大を続けてきました。今は、その良さを活かしつつ、構造を変えて、より市場に浸透していく個店経営へと体制を立て直す時期だと考えています。今は、短期的な売上を追うより、これらの内部課題の克服を優先させたいと考えています。グレーターチャイナは、中期的には引き続き心配はしていません。
Q2: 
中国大陸のユニクロ事業の粗利益率や販管費比率が悪化した理由を教えてください。また、一部の商品の価格を引き下げましたが、お客様の反応を教えてください。
A2: 
岡﨑 CFO:中国大陸では、一品一品、商品の競争力を吟味した上で、一部の商品を適正価格に見直した結果、短期的に原価率が上昇し、それに伴って粗利益率が低下しました。販管費比率は、報酬を引き上げたことに加え、商品価値を訴求するために、マーケティング投資をしっかり行っているため、上昇しました。

価格を見直した商品の手応えは良いです。ただし、全体の売上をけん引するまでは至っていません。今後は、中国大陸のお客様に、商品の価値と価格で、お買い得感を感じていただけるように、マーケティングを強化します。LifeWearとして中国大陸のお客様の生活に浸透していくことが重要だと考えています。
Q3: 
決算スライドp.18「ジーユー事業の本質的な課題と今後の施策」について、これまでの取り組みと今後の取り組みの違いは何ですか。来期以降に成果を出していける背景を教えてください。
A3: 
岡﨑 CFO:ジーユーは、グローバルに通用するマストレンドを捉えた「ファッションの日常着」に満ち溢れた売場、お客様がのぞいてみたくなるスタイリングや商品構成があり、その店舗に行けば楽しめるというブランドをめざしています。それに向けた取り組みは確実に進めていますが、実行レベルにおいて、まだ踏み込みが不十分で、お客様が今の売場を見た時に、十分に変わったと感じていただけるレベルではないと思います。まず、商品については、バレルレッグジーンズなど、ヒットした商品も一部ありましたが、本来は、そのような商品で溢れている売場をつくっていく必要があります。まだ中途半端な状況だと思います。9月に出店した米国1号店を通じて、商品構成やスタイリングの反省点も見えてきていますので、これらに着実に対応していくことが重要です。成果が出てくるタイミングは、できるだけ早くということではありますが、我々はファストファッションではないので、商品開発から店舗に投入するまでは、ある程度の時間がかかります。目に見える変化を出していきたいと思いますので、腰を据えてやっていきます。

次に、売れ筋商品の欠品が生じたり、不振商品の在庫過剰が発生したりしたことで、売れ筋商品を十分に打ち出せなかった点も苦戦した要因でした。商品計画や在庫コントロール、追加投入の時期・量の精度に課題がありました。ジーユーもユニクロ同様に、有明プロジェクトを進めていますが、ユニクロに比べると実行レベルがまだ低いです。ユニクロに比べると、実行する人の経験値や商品の完成度に対する基準にまだ差があることに加え、ユニクロが培ってきた有明プロジェクトのモデルを、ジーユーが掲げる「ファッションのLifeWear」という新しい分野で挑戦しているため、若干時間がかかっていると思います。今後は、ユニクロから経験のある優れた人材をジーユーに投入し、ポテンシャルのあるジーユーの人材と一緒に仕事をしていくことで成果を出していきたいと思います。
Q4: 
第1四半期では、北米と欧州の売上成長に差が出ていますが、北米と欧州で何か違いがあるのでしょうか。
A4: 
岡﨑 CFO:欧州は9月から気温が低く推移したことに加え、8月末のタイミングから秋冬コレクション全体を打ち出し、市場への浸透も早い段階で進められたことで、早くから非常に良い循環をつくることができ、期初から冬物商品の販売が好調でした。北米も大幅な増収と、堅調な成長でした。北米でこの第1四半期に特筆すべき点は、新しいエリアを開拓できたことです。米国は非常に広大なマーケットで、地域ごとに特性が違います。全米にマーケティングを打つのは非常に難しく、ブランドを浸透させるためには、旗艦店級の店舗を出店して、そこで実際に店舗や商品を見ていただくことが非常に重要です。そのため、米国では、エリアを絞って旗艦店級の店舗を出店することで、ブランディングを行い、その周辺に店舗をドミナント展開するアプローチを取っています。この観点から、第1四半期では、ダラス、ヒューストンを含むテキサス州に出店したことは非常に大きな価値がありました。テキサス州では、10月に5店舗を出店し、非常に盛況でした。また、カリフォルニア州も、今までは沿岸部や、ロサンゼルスに出店していましたが、10月にサンディエゴにも初出店し、好調な販売となりました。今後の成長に向けて、良い手応えを得ることのできた第1四半期だったと思います。
Q5: 
北米のユニクロ事業は、新規エリアへの出店がうまくいきましたが、成功した背景や戦略は何ですか?
A5: 
岡﨑 CFO:うまくいった背景としては、過去と比べると、ユニクロの知名度やユニクロに対する信頼があるということだと思います。新規エリアへの出店を検討する際は、Eコマースの売上や、どのぐらいコアとなりそうなお客様がいらっしゃるのかを、マクロ的な地域の成長性と掛け合わせて見ています。その中で、ターゲティングしているところに核となる店舗を出店し、存在感を一気に出していく、というアプローチを取っています。これが非常にうまくいったと思いますので、このアプローチを今後も継続していきます。新規エリアは今後も検討していきますが、重要なのは、店舗数を追ってさまざまなエリアに出店するのではなく、ポテンシャルの高い地域に核となる店舗を出店することで、ブランディングをして、その上で、周辺に大型店・標準店を出店し、ドミナントをつくっていくことです。
Q6: 
中国大陸のユニクロ事業は、地域に合った商品構成への変革を進めていますが、すでに成功している事例があれば教えてください。また、中国大陸の事業構造改革は、いつごろから成果が出ると期待してよいでしょうか。
A6: 
岡﨑 CFO:中国大陸の事業構造改革は、構造を大きく変えるほどの成果には至っていませんが、一部手応えはありました。商品面では、例えば、中国大陸北部は極寒なので、そのニーズに合わせて開発したボリュームダウンコートを発売し、非常に好調でした。この商品は、中国大陸だけでなく、カナダなどの地域でも高い需要があり、現地にとってのLifeWearとなり得ると思います。一つの国・地域だけのニーズを見ていくというよりも、グローバル全体を見て、地域のニーズにも対応しながら、グローバルの規模感で展開できるかどうかという観点が大事です。今回手応えを得られましたので、このような取り組みをさらに推進していきたいと思います。また、このような地域対応を商品開発、商品計画、発注コントロール、マーケティングなども含めて実施しようとすると、大きく仕組みを変えていく必要があります。この仕組みの確立にはまだ至っていないため、この第1四半期では、十分な成果が出なかったということだと思います。

手応えはありますが、ある期から突然成果が出るというより、徐々に成果が出てくると思います。今期より翌期は確実に良くなっていると思いますし、翌々期には仕組みも整い、中国大陸のビジネスは、今とは全く違う展開を進めていると思います。その頃には、低月商店舗のスクラップ&ビルドも、めどが立っていると思います。そのため、中国大陸のユニクロ事業には、あまり目先の環境に踊らされずに取り組んでいきたいと思います。

以上  

決算説明会へ戻る

ページトップへ