最終更新日: 2024.07.16
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2024年8月期 第3四半期:決算説明会 Q&A
決算説明会の主なQ&Aのテキストです。内容については、ご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。
- Q1:
- 中国大陸では、平替(ブランド品ではなく、品質がそれほど変わらない、より安い商品を選ぶ)という流れがあるなかで、ユニクロは中高級品マーケットから顧客を取れていないと思います。その点について、どう思いますか?
- A1:
- 潘グループ上席執行役員 ユニクログレーターチャイナ CEO:現在、中国大陸は不景気で、価格の安さを重視するお客様は、特に若い方を中心に多くなっています。ただし、ユニクロの価格を高いと思っているお客様は、それほどいないと思います。ユニクロは、世界一流のデザイナー、生産パートナーと協業し、厳選した素材、高い機能性と、非常に付加価値の高い商品を提供しており、商品の価値と価格のバランスに自信をもっています。我々は、お客様が日常生活のあらゆるシーンで着用していただける商品を取り揃えていますし、お客様が店舗にご来店された際は、他社では味わえない最高のサービスを提供することをめざし、教育も強化しています。まだ十分に取れていない理由は、本日お話しした内部課題にありますが、それらを克服することで、未来の成長につながると確信をもっています。事業変革を進めることで、必ず中国大陸のお客様のなかのナンバーワンブランドになっていきたいと思います。
- Q2:
- 今後は旗艦店を増やすとのことですが、今後予定されている旗艦店の計画を教えてください。また、スクラップ&ビルドも進める中で、2028年8月期売上収益1兆円の達成に向けた、成長のイメージを教えてください。
- A2:
- 潘 グループ上席執行役員: 2028年8月期に売上収益1兆円は、必ず達成します。そのための変革を徹底的にやっていきます。店舗のスクラップ&ビルドはその一環です。月商が低く、集客できていない店舗が150店舗ほどありますので、スクラップ&ビルドを計画的に進め、店舗の平均月商を1.5倍以上に引き上げていきます。同時に、我々の発信力を強めていきます。ユニクロの元気な姿をきちんとお客様に示し、引き続きお客様から支持いただけるような店舗をつくっていかないといけません。それが旗艦店の役目だと思います。具体的な旗艦店の今後の計画は、現時点ではお伝え出来ないですが、期待できる物件を獲得しつつあるので、ぜひ楽しみにしてください。
- Q3:
- 中国大陸でのジーユーのポテンシャルと、ユニクロ事業の過去の経験をもとに、ジーユーが中国大陸で成功するのに必要な要素を教えてください。
- A3:
-
潘 グループ上席執行役員:私はジーユー事業の担当ではありませんが、ジーユーは、日本でのお客様の支持が非常に高いため、中国大陸でも同じポテンシャルがあると思います。ジーユーの出店などすべての領域において、ユニクロもサポートしていきたいと思います。そのうえで、私から見ると、ジーユー事業は、より現地のお客様を研究し、お客様の需要を正しく吸い上げて商品化すること、さらにブランディング活動が非常に重要だと思います。ユニクロが、中国大陸で2008年8月末時点、13店舗しかない時期から、ここまで拡大できたのは、1)将来の成長に向けてのブランドビルディング、2)現地の人材の育成、を実行したからです。ジーユーも同じだと思います。
岡﨑取締役 グループ上席執行役員 CFO:ブランディング、ブランドのポジションが非常に重要だと思っています。安さで勝負するというのは通用しません。グローバルブランドとして相応のリスペクトを受けるブランド、ロープライスであってもリスペクトを受けるブランド、世界のマストレンドの発信者の一部にならなければなりません。ジーユーも中国大陸で非常に可能性があると思います。そのため今は、ジーユーのブランド力を高めることに注力しています。この道筋が見えてきたら中国大陸でも積極的に拡大したいと思います。
- Q4:
- グレーターチャイナは営業利益率の目標を20%と掲げていました(2019年上期発表)。現在の構造改革を通して、この目標は今後も狙えるものか、教えてください。
- A4:
- 潘 グループ上席執行役員:はい。そのために構造改革をしています。高効率な経営ができるように、実績を出していかないといけないと思います。営業利益率20%にコミットし、必ず達成に向けてまい進したいと思います。
- Q5:
- 地域別、所得者層別、年齢層別など、消費環境の変化について、どのように感じているか教えてください。
- A5:
-
潘 グループ上席執行役員:現在、中国大陸の景気は良くないですが、都市間の差があるとは思いません。我々の場合は、店舗間に差が出てきています。例えば、不況によって経営力や競争力が低下したり、新たにブランドを誘致する力が弱くなったモールでは、ユニクロ店舗の売上も低下しています。そのような店舗に対して、一店舗一店舗を精査し、我々が改善できる部分は改善していきます。しかし、それが難しい店舗では、閉店し、より良い立地へスクラップ&ビルドをしていきます。また、商売は安さだけではありません。ユニクロの商品のもつ付加価値を、よりお客様にご理解いただくことも重要と考えています。我々の商品は、お客様の日々の生活に欠かせない普段着です。仕事に行く時も、家でくつろぐ時も、レジャーに出掛ける時も、すべてのシーンで使える商品を、自信をもってお客様にお届けしています。そして、ユニクロはグローバルブランドでグローバルに支持されています。グローバルに支持されている商品のなかに、中国大陸のお客様の志向や習慣も考慮した商品が含まれています。今後は、マーケティングをさらに強化して、ユニクロ商品の良さ、LifeWearのコンセプト、お客様のライフスタイルに対してどのように貢献できるのかを、絶え間なく発信することによって、お客様への認知を高めていきます。
景気には周期があるので、必ず良くなるタイミングが来ると思います。これまでも、ユニクロは、逆境のなかでも力強く成長してきました。基本に忠実に、一人ひとりの従業員、一店舗一店舗が、我々の企業理念の本質的な部分を理解し、行動していけば、必ずお客様に喜ばれる売場づくり、サービスができると思います。
- Q6:
- 中国大陸のローカルブランドから学べる部分があれば教えてください。
- A6:
- 潘 グループ上席執行役員:中国大陸では、ローカルブランドの台頭が非常に目覚ましいです。我々が彼らから学ぶべき部分は、お客様の需要を素早く吸収して、それを商品化し、試すことです。我々の社内でも「スピード実行」という言葉があります。我々は大きな会社になりましたが、ベンチャー企業のつもりで会社経営に徹し、お客様から信頼をかち取り、ファンをどんどんつくり出さないといけないと思います。ライバル企業が多くなればなるほど、競争の中で我々も学ぶことができます。謙虚な気持ちで、我々自身を改善し、誇りと自信をきちんともって、未来に向かってまい進します。
以上