HOME > IR情報 > IRライブラリー > 決算説明会 > 質疑応答の概要

質疑応答の概要

最終更新日: 2020.07.14
to English page

2020年8月期第3四半期:決算説明会 Q&A

決算説明会の主な Q&A のテキストです。内容については、ご理解いただきやすいよう、部分的に加筆・修正しています。

Q1: 
5月末の在庫水準が2割程度増加していますが、春夏商品、秋冬商品の在庫消化のイメージを教えてください。
A1: 
岡﨑 取締役 グループ上席執行役員 CFO:
まず8月末の在庫水準ですが、3月から5月にかけて、多くの店舗で臨時休業していましたので、特に、春物在庫に過剰感がある状況です。ただし、春物は、通年商品が多いため、盛夏や初秋でも一定量売れます。10 月頃までに、ある程度消化をしていきたいと考えていますが、来期以降も価値を訴求できる定番商品については、無理な値引きをせず、来期の春夏シーズンにかけて販売していきます。当然、春夏シーズンの新商品も投入し、お客様に新しさを感じていただけるような形で、準備していきます。一方、夏物商品は過剰ではあるものの、トレンド商品は、値引きをして売り切るオペレーションを行っていることに加え、5月、6月の売上回復もあり、ほぼ正常化していけると思っています。
秋冬商品については、ある程度発注を抑制していますので、来期の立ち上がりの販売状況を見ながら、調整をしていきたいと思っています。
Q2: 
秋冬商品の発注はどれくらい抑制していますか。
A2: 
岡﨑 CFO:
具体的な水準については申し上げられません。日本においては、今、前年並みの需要もいただいていますので、秋冬商品の発注を抑制しすぎて、需要に応え切れない、ということがないようにしなければならないと思っています。発注はコントロールしつつ、工場様と協力しながら生産をコントロールし、売上が上ぶれる場合には、きっちりと提供していけるような準備を整えていきたいと思っています。ただし、新型コロナウイルス感染症の状況も不透明ですので、下振れた場合も対応できるように、慎重に運営をしていきます。
Q3: 
海外ユニクロの中で、東南アジア、中国の販売動向と、回復感について、もう少し教えていただけないでしょうか。
A3: 
岡﨑 CFO:
南アジアは、国によって状況が大きく異なりますし、5月末時点と直近では、状況も変わっています。まず、シンガポールについては、6月下旬までは、ロックダウンされていたため、E コマースのみの運営となり、売上は非常に厳しい状況でした。6月下旬から、店舗の営業を再開し、正常化が進みつつあります。新型コロナウイルス感染症の第2波がない限り、売上は正常化していくと考えています。
マレーシア、タイは、比較的早い段階から営業を再開できましたので、5月から売上は回復、6月に入ってからは、かなり正常化しています。かつての中国と比べても、速いペースで回復している、という手応えがあります。
インドネシアとフィリピンは、新型コロナウイルス感染症の影響が非常に強いため、回復が遅れています。特にフィリピンは、我々の営業エリアにおける感染の影響がまだ強く、インドネシアと比べても回復が遅れている状況です。東南アジア全体で申し上げると、新型コロナウイルス感染症の影響が相当強いものの、これが収まってくれば、今までの水準に戻していけると思っています。そこからさらに成長させていく上では、新しいことをどんどん考えて、手を打っていく必要があると思いますが、それほど悲観はしていない状況です。
中国大陸は、5月の実績が非常に良かったです。6月も、我々の計画と比べて、それほど悪かったわけではないですが、5月に比べて、やや一服感が出ました。これは、「618 商戦」(中国大陸の E コマースの商戦の1つで、W11 と並ぶ大きな商戦)のタイミングでも、売上を取りに行くよりは、価値を維持しながら販売していく方針だったため、無理な値引きをしなかったこと、北京で新型コロナウイルス感染症の感染再拡大があったことが影響しています。また、中国大陸の華南、華中の天候不順も重なったことで、6月の売上は前年比で落ちました。ただし、根本的な不安材料が出てきているわけではないので、新型コロナウイルス感染症の第2波が来るようなことがなければ、成長軌道に戻していけると考えています。
Q4: 
東南アジアは、もともとトラベル需要が多く、その部分に関しては回復に相当時間がかかると思いますが、マレーシア、タイの回復感を見ると、トラベル需要がなくても、回復は速かったという理解でよろしいですか。
A4: 
岡﨑 CFO:
ある程度長く商売しないと判断できないところがあると思います。実際、旅行されている方は世界中でほとんどいないので、トラベル需要は今なくなっています。その部分を、地元のお客様からの需要で補っているのが、今のタイなどの状況です。これを継続していくためには、地元のお客様にもっとリピートしていただくための新しい打ち出し、工夫をしていかなければいけないと思いますので、決して楽観視しているわけではありませんが、商売のやり方など工夫していかなければいけないと思います。
Q5: 
中国大陸は、想定より速い回復ペースというお話があった一方で、第4四半期の売上予想では、▲15%~±0%と、幅も持たせた形で開示をされていました。中国大陸の需要、競争環境について、どのようにご覧になっているか教えてください。また、Eコマースの販売状況についても、もう少し詳細に教えてください。
A5: 
岡﨑 CFO:
中国大陸の第4四半期ですが、昨年が非常に良かったことの反動があるということと、6月は、先ほどお伝えした理由により、前年を若干割っている水準ですので、7月、8月も、少し保守的な前提を置いています。長い目で見て不安視しているわけではありません。
売り切るべき商品は、値引きを積極的にやっていく一方で、長く価値を訴求できる商品については、競合との値引き合戦に入るのではなく、しっかり価値を維持しながら、販売していきたいと考えています。売上を無理に伸ばすのではなく、しっかり中身のある商売をしていきたい、ということが前提にあると考えていただければ、と思います。中国の成長性に対して不安を持っているのではなく、これらの理由で、少し保守的な前提にしているとお考えください。
E コマースについては、同じ考え方から、「618 商戦」も、あまり強く値引きをしない方針で行いましたので、これまでの売上成長に比べると、やや鈍化している状況です。ただ、商売の中身としては、良くなっています。また、EC で受注した商品を、店舗在庫を使って、店舗から発送する O2O(Online to Offline)が、中国大陸で今非常に伸びており、O2O を入れると、E コマース全体は、堅調に成長しています。
Q6: 
オンラインシフトが、グローバルで非常に強くなってきていると思いますが、御社の出店戦略に変更はありませんか。
A6: 
岡﨑 CFO:
出店戦略の基本的な考え方は変わっていませんが、より O2O(Online to Offline)が成長していくと考えています。E コマースで発注して、店舗から配送する形もあれば、店舗での欠品を E コマースで受注する形もあると思いますが、店舗と E コマースを融合した形で、商売を伸ばしていくのが中心になっていくと思います。これを前提に考えると、店舗は訪れる意味がある場所でなければいけません。この春に出店した、ユニクロ横浜ベイサイド店、ユニクロ原宿店、UNIQLO TOKYO の戦略3店舗のような店舗が、その1つのモデルだと思います。また、住宅や人口密集地域の買いやすい場所に、手ごろな店舗サイズで、ユニクロのフルコレクションをお買い求めいただけるような店舗の出店も増やしていかなければいけないと思います。そこでは、クリ ック&コレクトも含めた O2O モデルを強化して、展開していくことになると思います。
店舗が成熟した国では、店舗数は減るかもしれませんが、S&B で大型化を行っていきます。ただし、全て大型化するというよりは、場所を工夫しながら再編していきます。一方で、中国大陸とか東南アジアのように、店舗網が十分にできていない地域では、引き続き、どんどん出店していかないといけないと思います。
Q7: 
今回の休業期間中の賃料の交渉状況について教えてください。
A7: 
岡﨑 CFO:
個別の契約についてはコメントできませんが、休業中は完全免除というケースもあれば、そうではないケースもあります。国によってまちまちです。各国で粘り強く交渉しながら、お互いにとって納得のいく水準を探しながら、やってきたということです。相応の成果はあったと思います。
Q8: 
国内ユニクロ事業の6月の既存店売上高は+26.2%でしたが、この数字に対するご評価はいかがですか。国内ジーユー事業も、+16.4%と非常に回復が早いですが、ジーユー事業の評価も教えてください。
A8: 
岡﨑 CFO:
6月については、5月のゴールデンウィークに、しっかりとした商売ができなかったことに加え、5月の感謝祭が6月にずれ込んだことが、大きく影響していると思います。感謝祭は、通常4日間開催していたところ、密をつくらないように、2週間に延長して開催しましたが、非常にご好評いただき、大きく売上を伸ばすことができました。また、6月については、もともとあった需要を、しっかりキャッチすることができたのも、大きなポイントだったと思います。
今、お客様は、カジュアルウエアやルームウエア、ワンマイルウエア、スポーツユーティリティウェアに対する需要が非常に高まっており、我々の LifeWear の商品構成が、お客様の需要にフィットしたと思います。5月中旬以降、お客様に支持をいただいて、手応えを感じています。7月、8月も 100%以上超えていけるようにやっていきたいと思っています。
ジーユーも、ユニクロと同じか、それ以上に商品戦略がうまくいったと思います。今、楽に着られるファッションがトレンドですが、シアー素材のトップス、ワンピース、メンズのシェフパンツなど、トレンドにあった商品をきちんとご用意し、商売ができました。マストレンドを捉えることができれば、こういう状況下にあっても、お客様の支持を得られると実感し、非常に手応えがありました。
Q9: 
欧米の在庫水準が、計画よりも増えている印象を受けました。店舗の再開が難しい中で、これによる業績への影響はどれくらいありますか。
A9: 
岡﨑 CFO:
欧米は、第3四半期は、ほとんど営業ができませんでしたので、在庫を過剰に持っている状態です。今は、営業を再開していますので、この期間にどれだけ消化できるかということと、秋冬も過剰な在庫を持たずにしっかりと商売をしていけば、利益的には、来期上期にかけて回復させていくことができるのではないかと思います。
Q10: 
今、柳井会長は社内でどういうお話をされていますか?エッセンスだけでもいただければと思います。
A10: 
岡﨑 CFO:
やはり今は、先の見えない厳しい時期で、こういった時期だからこそ、世の中の変化をしっかりとつかみ、今までと同じやり方ではなく、新しいやり方を探し、挑戦していく企業が勝ち抜けるといっています。新型コロナウイルスの第2波、第3波が来る可能性も否めませんので、しっかりディフェンスは整えながらも、守り一辺倒ではなく、新しいことを打ち出し、攻めていく、攻めの姿勢の重要性を強調しています。

以上  

決算説明会へ戻る

ページトップへ

Get Adobe Reader※ PDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerのプラグインが必要です