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質疑応答の概要

最終更新日: 2018.10.15
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2018年8月期:決算説明会 質疑応答

開催日:
2018年10月11日
開催場所:
ファーストリテイリング東京本部

決算説明会の主な質疑応答のテキストです。内容については、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正しています。

Q1: 
サプライチェーンの変革において、商品をつくる過程での具体例があれば教えてください。例えば、数量予測のタイミングが変わったとか、ECのデータを活用できるようになったとかといった例です。
A1: 
神保執行役員:
生産のプロセスにおけるイノベーションですが、これは事前に計画を立てて準備をして、その生産計画を工場様と共有しながら、なるべく数字を狂わせずに商売をやっていくということです。そうなると、最初の計画が一番肝要で、その部分をどう精度高くやるのかということを、先ほどのプレゼンテーションでお話をさせていただいたとおり、グーグルさんとの取り組みや、アクセンチュアさんとの取り組みを通して行っています。  生産技術でもイノベーションを起こす検討を開始しており、注文が入ってから素材を調達するのではなく、工場様にあらかじめ素材を事前に準備していただき、製造していくことを精度高くやっていくことを考えています。また、製造プロセスの数値を可視化することが重要ですので、社内に「経営コックピット」や「SCM情報センター」という組織を今回新たに立ち上げています。これらの組織は、上流から下流に至るまでの全情報を一手に集めて可視化し、異常値を検知したり、何が問題かを確認できる体制を構築しています。こういった取り組みと合わせながらサプライチェーン全体の改革を進めていきたいと思っています。
Q2: 
中国と東南アジアの業績は好調のようですが、中国消費の減速がユニクロ事業にどう影響しているのか、また、どういった取り組みを中国や東南アジアで行っているのかを教えてください。
A2: 
柳井社長:
ぜひ皆さんに中国の主要都市、東南アジアの主要都市に行って、街の様子と人々の生活に対する意欲を見てもらいたいと思います。私は毎週、新店候補地のビデオを見ていますが、中国や東南アジアの発展はすごく順調です。確かに経済的、貿易的な問題はありますが、消費自体は衰えてはいません。東南アジアも中国も、全体で見れば発展途上で、消費者は、まだ物を持っていない、あるいは新しい体験、新しい買い物をしたい人たちが多いということだと思います。これらのエリアで、消費に関して悲観することはないと思います。世界最大で最高の経済の成長センターは、中国からインドのアジアにあると思っていますので、それらのエリアで店舗網を広げ、顧客基盤を広げていきたいと考えています。また、そういったエリアでブランディングしていくことも大事だと考えています。
Q3: 
在庫の計上のタイミングが商社との契約変更で一部変わったという説明がありましたが、これはサプライチェーン改革にかかわることですか?
A3: 
岡﨑CFO:
今までは販売国の倉庫を出るタイミングで在庫を計上していましたが、これを販売国に入るタイミングで行うことに変更しています。従来も、販売国倉庫にある在庫は我々が最後まで売り切るということで、実質的にリスクもとってきましたが、よりそれを明確にしました。そういう形が整うことで、より我々自身の在庫のコントロールをきっちりやっていけるようになる枠組みが整ってきたと思います。
Q4: 
IT投資が増加していますが、これはサプライチェーン改革に関連しているのでしょうか?
A4: 
神保執行役員:
IT投資は、色々な領域で投資をしています。先ほど説明があったアルゴリズムの開発や、サプライチェーンそのものを支えるシステムの開発も進めています。それから、フロントエンドのコマースプラットフォームの変更にも取り組んでいます。これらの改革が進んでいく中で、IT投資も拡大していくというフェーズに入りつつあります。サプライチェーンのためにというよりは、有明改革全体を順調に進めていくためにIT投資が必要になってくるとご理解いただければと思います。ITの投資に関しては継続していきますが、IT投資によって、既存の仕組みが改善し、経費が下がる部分もありますので、IT関連の経費が膨らんでいくわけではないです。
Q5: 
インドも中国同様に重要なマーケットとご説明がありましたが、中国、東南アジアでの成功体験をどうインドで生かしていくのでしょうか。また、インドでは別なアプローチが必要ということはありますか?
A5: 
柳井社長:
ちょっと皆さんは想像できないかもしれないですけど、暑い東南アジアで一番よく売れているのが、ヒートテックやウルトラライトダウンです。どこの国でも売れるタイミング、売れる商品は変わりません。ほとんどの商品がそうです。ただし、インドは文化が違うので、特に女性が着る服に関しては、民族衣装が多いので、こういった商品を本格的にやっていかないと売れないと考えています。また、宗教の違いによって、服の形も違ってきます。例えばスカートの丈も西洋と東洋では好みが違いますし、東洋の中でも国によって違いがあると思います。ですからそこのところの見きわめが、すごく大事だと思っています。
Q6: 
神保さんにお伺いします。サプライチェーン改革で、今一番重視していらっしゃるKPIを幾つかご紹介いただけないでしょうか。それがどのぐらいのスケジュールで、どのぐらいの改善を目標としているのでしょうか。
A6: 
神保執行役員:
重要なKPIは幾つかありますが、サプライチェーン全体という観点で言うと、まずひとつは全体の在庫の額、在庫量です。これはちょっと究極的な言い方になりますが、商品によっては、例えば在庫量を半減する取り組みを今始めています。それはどういうことかというと、先ほどプレゼンテーションの中で申し上げましたが、現状は、過剰な在庫と全く足りずに欠品している在庫が混在しています。お客様が欲しい商品が足りず、そして過剰でなかなか販売につながらない商品が倉庫、店舗にあふれてしまっています。この状況を大きく改善していきたいと思っています。
お客様が欲しい商品の在庫が精度高く、適性水準で持てるようになると、在庫の削減という観点だけではなく、粗利益率も改善します。今は利益率を毀損するという形で値引き販売により在庫を削減しています。値引き販売に頼らない商売に生まれ変わることで、利益率が改善できます。
サプライチェーン全体という観点では在庫の量、そして利益率が重要ですが、当然その裏には欠品率の改善がセットであります。ここをターゲットに定めてこれからも改革を進めていきます。
Q7: 
財務データでサプライチェーン改革の効果が出てきたと感じるのは、いつ頃ですか?
A7: 
神保執行役員:
今もう着手し始めていますので、この1年で大きな変革にはある程度めどをつけたいと思っています。この改革の1年後には、数値として明確に利益率の改善であったり、在庫量の削減があると思っています。
Q8: 
今回発表した役員人事ですが、この基本的な考え方や役割分担について補足説明いただけないでしょうか。
A8: 
柳井社長:
私も寿命があるので、万一のことを心配する年代になりました。ここにいる岡崎や神保のように立派な経営陣もいて、経営的には全く心配していません。今回、岡崎CFOと息子2人を取締役候補として選任しました。ただし、息子2人はトップ経営者にはなりません。取締役として統治することと、実際の経営を執行することを完全に区分けしようと思っています。僕に万一あったときに、彼らが統治できるようにしたいと思って、取締役候補としました。これは、企業のより安全のためです。企業にとって、統治の安定性と経営執行の安定性が必要だと思いますので、万一の場合に備えて今回の体制にしました。これは決して私が引退するということではないです。今日も冗談で言ったんですけど、「僕は会長を退任してCEOに専念します」。そういうつもりで仕事しますので、ぜひ誤解がないようにお願いします。

以上  

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