最終更新日: 2015.04.13
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2015年8月期第2四半期 決算説明会質疑応答
- 開催日:
- 2015年4月9日
- 開催場所:
- ファーストリテイリング東京本部
2015年4月9日開催の決算説明会の主な質疑応答をテキストでご覧いただけます。内容につきましては、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正しております。
- Q1:
- 国内ユニクロ事業の上期の業績は非常に好調でしたが、下期の業績予想はかなり慎重なトーンで説明されていました。これは、値上げの影響があるからですか?
- A1:
- 柳井社長:
値上げは、お客様にとっては重要な問題なので、バッドニュース・ファーストということ で、今日皆様にお伝えしました。為替が1ドル80円から120円になる状況で、昨年秋に実施した5%の値上げは、ある意味、最低限のアップ率だったと思います。我々は品質を、それも絶対的な品質を上げたいと考えている企業ですので、今回は10%程度の値上げ、品番数で20%の商品で値上げをさせていただくことにしました。我々としては、最高の商品を作りたい、それを理解して頂きたいと思っており、本当に良い服をあらゆる人に買って頂きたいと思っています。
- Q2:
- 社内調達レートが徐々に円安で、コストが上がっているという説明がありましたが、調達レートは具体的にどれくらい円安になっているのでしょうか?
- A2:
- 岡﨑CFO:
具体的な社内レートの公表は控えさせていただきたいのですが、以前よりレートは円安に なっています。また、100%ヘッジしているわけではないので、当然、増産分の一部はスポットで調 達するため、その影響が出ます。値上げさせていただく秋冬商品は、この下期には一部店頭に並びま すが、春夏の商品については現状の価格のままですので、原価率が厳しくなることが予想されます。 下期の粗利益率が為替の影響を受けるため、業績を慎重に見ています。
- Q3:
- 米国事業は、赤字幅が拡大しているという説明ですが、これは、郊外の店舗ではユニクロのブランドの認知度が不足 しているからでしょうか?米国事業の最大の課題 は何でしょうか?
- A3:
- 柳井社長:
ブランド認知度が低いということもありますが、「グローバルワン・全員経営」ができていなかったという、内部要因が大きかったと思います。今後はグループをあげて、米国事業を全面的にサポートし、米国の店舗、商品、サービスの水準を上げていきたいと思っています。米国は、店舗数を増やし、急速に拡大したため、こういった課題が出てきたのだと思います。
「グローバルワン・全員経営」を本当に実践しようと思ったら、シニアマネージャー達が、現地の経営者と直接話し合いをして、一緒になって汗を流して改善していかないとできない。これは米国だけではなく、欧州、東南アジアでも同じです。我々が中国で成功したのは、「日本のヘッドクオーターの3分の1は中国へ行く」ということを行ってきたからです。それと同じ気持ちと行動で、米国事業 をサポートしていきます。
- Q4:
- 中国、韓国でのユニクロ価格は日本の価格に比べると高いという印象があります。それがまた逆にブランド力につながっていると思いますが、グローバルで価格はどう考えているのでしょうか?
- A4:
- 柳井社長:
価格は、お客様が判断する基準だと思います。確かにおっしゃるように、例えば、中国で は、「高い価格のブランドほど良い商品」みたいな考え方は一部にはあると思います。ただユニクロは生活密着型のブランドなので、日本に近い価格で販売したいと思っています。
- Q5:
- 米国事業は3年後に売上1,000億円、営業利益100億円をめざす、ということですが、具体的に何を変えて、売上、利益を確保していくのでしょうか?
- A5:
- 柳井社長:
米国ユニクロ事業を日本のビジネスの水準まで持っていくということです。商品は同じですが、例えば、店頭在庫の欠品率、店舗レイアウト、店舗サービス、あるいは物流といった、ビジネスプロセス全ての水準を上げていきたいです。もし、米国の店舗が日本と同じ水準の店であれば、日本以上に米国では売れると思っています。
- Q6:
- 米国市場では、商品の現地化が必要 だということも、以前は話されていたかと思うのですが、その後、米国市場向けの商品の開発は進んでいますか?
- A6:
- 柳井社長:
米国はカジュアルウエアの発祥の地なので、ニューヨークに加え、ロサンゼルスにも商品開発センターを作っていきます。商品の現地化というよりもグローバル化が必要です。米国で開発された商品であってもグローバルで売れるものを作っていきます。
- Q7:
- 上期の営業利益の上ブレ は、国内ユニクロ、海外ユニクロ、グローバルのセグメント別では、それぞれどのくらい上ブレしたのでしょうか?また、下期の営業利益予想の100億円の減額修正の内訳も教えてください。
- A7:
- 岡﨑CFO:
上期の実績では、国内ユニクロと海外ユニクロ事業が上ブレしています。海外では特にグ レーターチャイナと韓国が好調です。上期では、日本、グレーターチャイナ、韓国が大きく寄与したと言えます。また、下期の営業利益予想の減額修正で一番大きいのは国内ユニクロ事業の利益です。
- Q8:
- 秋冬物商品を値上げするということですが、どういった商品群の値上げをするのですか?商品の20%を値上げするということですか?
- A8:
- 柳井社長:
品番数の20%を値上げします。平均価格に直すと10%上がるということです。例えば、 デニム、カシミア、メリノウールなどです。
岡﨑 CFO:
全く同じ商品が、そのまま値上がりするということでなく、品質を改善したり、デザインも若干変わるということも含めて、プライスラインが上がる商品が、品番数で20%くらいあるということです。値上げ幅はものによってバラつきがありますので、それを全部平均すると、10%ぐらいになります。
- Q9:
- 有明の配送センターは、「世界最大のデジタルフラッグシップストア」ということですが、 通常の店舗と比べて、収益構造はどう違うのでしょうか?利益率は高くなりますか?
- A9:
- 柳井社長:
これは世界で初めての実験なので、収益構造や利益率がどうなるのか全くわかりません。 うまくいけばすごく儲かるし、失敗すれば損をするということしか申し上げられないのですが、世の中の動きを一言で表現したら、「リアルとバーチャルの世界が一緒になる」ということです。デジタルで買い物ができ、直接、配送センターや工場からお客様に商品や、情報が届くということです。これからの小売業にとって、生き残るためには、リアルの店舗とバーチャルのデジタル販売が融合した新しいビジネスを拡大していかなければならないと思います。
以上