最終更新日: 2014.04.14
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2014年8月期 上期 決算説明会 質疑応答
- 開催日:
- 2014年4月10日
- 開催場所:
- ファーストリテイリング東京本部
2014年4月10日開催の決算説明会の主な質疑応答をテキストでご覧いただけます。内容につきましては、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正しております。
- Q1:
- 国内ユニクロ事業の改革のお話で、地域正社員についての話は非常に興味深くお伺いしました。具体的に、商品の品ぞろえ、店舗のオペレーションがどう変わっていくのでしょうか?
- A1:
- 柳井会長兼社長:
ある例を申し上げますと、私もびっくりしたんですが、数年前に社員フランチャイズにな った店舗で、売上高が飛躍的に上がったんです。そこの店は人口が17 万人の都市で、従来の2,800 万円の月 商がフランチャイズ店に転換してから、月商6,000 数百万円になりました。これは地域に密着し、地域のお客様にとって一番良い品揃え、また、その店で働いている社員も近所から通う社員で、ずっと続けてその店に勤務している、そういったことから成績が上がったのだと思います。これを全国のユニクロの店舗でやっていこうと思っています。
これからは、現場で頑張っているアルバイト・パートの方たちを主役にしていきたいと思っています。今まで、 「店長が主役」ということを我々は掲げていましたが、そうすると組織は店長を一番上に、ヒエラルキー(階級組 織)になるわけですよね。そうでなく、店長を中心にひとつのチームのようにするということです。販売員という仕 事は単純に物を販売するということではなく、在庫チェック、商品のディスプレイ、接客、レジ打ち、補正など、一人前になろうと思ったら、2年以上かかると思います。ですから3年とか5年、あるいは10年ぐらい勤めていただ き、チームとして店舗運営をやっていくことに、仕組みを変えていきたいと思っています。
- Q2:
- 地域正社員の導入によって、人件費はどれくらい上昇する見込みですか?業績にどう影響しますか?
- A2:
- 柳井会長兼社長:
最初の段階は正社員化によって人件費がアップするかもしれません。でも、人件費が アップする以上に、業績がアップすると思います。
- Q3:
- ユニクロがグローバル化することに伴って、商売の仕組み、マーケティングの方法、在庫管理などに変化 はありますか?
- A3:
- 柳井会長兼社長:
グローバルで展開しようと思ったら、ローカル市場でも適用しないといけないし、グロー バルの方針を通さないといけない、という矛盾することを両立してやらないといけないと思います。それが"Global is local, Local is global"です。日本は日本の経営者、韓国は韓国の経営者、中国は中国の経営 者のチームで、現地社員が主体となった会社にしていくということです。我々は、海外で年間200 店舗ぐらい出 店していくので、マーケティング、サプライチェーンについても、本格的にグローバル化に向けて改革していく必 要があると思っています。
- Q4:
- 価格は今後どういった方向にいきますか?
- A4:
- 柳井会長兼社長:
商品は安ければ売れるというものではないと思います。我々は、本当によい商品を、誰 もが買える価格で売っていきたいと思っています。この方針は消費税増税後も同じです。お客様は、価格に対し てシビアになっているので、うかつな値上げはできないですし、また、値上げに関してはできるだけ抑えていこう と思っていています。
- Q5:
- この秋に米国で出店したショッピングモールが好調だということですが、それはなぜですか?例えば、ニ ュージャージー州のメンロパークというショッピングモールに出店されましたが、そこでも収益性は良いです か?
- A5:
- 柳井会長兼社長:
ニューヨークの5番街の旗艦店や、NY34 丁目店をオープンしたことにより、ユニクロの 知名度が上がり、今はデベロッパーから出店のオファーが来るようになりました。ホラに聞こえるかもしれませ んが、全米のモールオーナーにとって、ユニクロは今一番入れたいテナントになっていると思います。メンロパ ークですが、収益性は取れています。
- Q6:
- 国内ユニクロの下期の経費を増額していますが、これは地域正社員化の影響によるものですか?
- A6:
- 岡崎CFO:
下期では経費増を見込んでおり、それが業績予想を下方修正した要因です。経費増の大部 分が人件費増です。これはパート、アルバイトの時給が上がっていることと、今進めようとしている正社員化も 踏まえてです。あと、物流費も上がることが見込まれています。
- Q7:
- 地域正社員化による人件費増はどれくらい織り込まれているのですか?
- A7:
- 岡崎CFO:
最終的には半分ぐらいのパート・アルバイトを地域正社員にしたいということで取り組んでいま す。ただ、ご本人のやる気、能力などを厳選してやっていきたいと思っていますので、そのスピード感はまだわ かりません。早く進むかもしれないし、時間がかかるかもしれないです。この下期については、そんなに急激に は進むとは考えておりません。
- Q8:
- 地域正社員化というものは、2007 年ごろにも一度取り組まれたことがあったと思います。今回の地域正 社員の制度はどう違うのでしょうか?
- A8:
- 柳井会長兼社長:
今回の地域正社員は正社員で、いわゆる地域限定社員ではないです。他の正社員と 全く同じ待遇です。当然、仕事の内容、あるいは職階によって報酬は違いますが、例えば有給休暇、賞与、介 護休暇、産休、年金、401k といったものは正社員と全く一緒です。今までは店長や正社員の方が地域限定性 社員よりも偉いんだ、みたいな風潮になっていましたが、これから地域正社員を中心にした会社に変わっていき たいと思います。
- Q9:
- グレーターチャイナの収益性は日本のユニクロの収益性と比較してどの水準にありますか?
- A9:
- 岡崎CFO:
日本よりまだ若干低い水準ではありますが、日本の収益性が下がっている一方で中国の収益 性が改善してきているので、今はあまり大差はなくなりつつあるという状況です。
以上