FAST RETAILING

事業活動を通じて
個々のつながりを生み出し、
世界平和の架け橋となっていきたい。

Yuto Funahashi

SPECIAL 04

社員インタビュー

ミッション・業務内容

ユニクロインド事業部で総店長を務める舟橋は、自分のミッションは大きく3つあると解説する。担当店舗の売上、利益を最大化して事業に貢献すること。足を運んでくださるお客様の生活を、商品とサービスを通じて幸せにすること。インド事業の未来を担う経営者を育成すること。そして個人的に思うのは、進出していない他の国・地域でも事業を展開し、争いごとのない世界の実現に寄与していくという夢を描いていくことだと話す。

国際平和は
もろいと知った。

この会社に入社しないと将来きっと後悔するだろうと直感

高校生のときに交換留学で1年間、カナダで生活をしました。国籍の違いに関係なく、いろいろな国の友人、知人と楽しく過ごしていただけに、国際社会に見られるさまざまな軋轢を報じるニュースに触れる度、強い違和感を抱くようになりました。個人レベルではこれほど仲良くなれるのに、どうして国家レベルではそれができないのかと。ひとたび歴史的、政治的な問題を背景とした国家間の争いに発展してしまうと、個々人の良好な関係にも暗い影を落としていく現実に、私は国際平和のもろさを知りました。

こうした経験もあり、社会に出て働くにあたっては、自社の事業活動を通じて争いが起きない社会に寄与したい、人と人とをつなぐ「橋」となるような仕事がしたいと考えるようになりました。そして出会ったのがユニクロです。私は企業理念である「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という点に強く共感しました。そこに記された文言を読み進めながら、「この会社に入社しないと、将来きっと後悔するだろう」と直感したことを、今でもはっきりと覚えています。

いかに価値観を共有するか。

フィリピンで、インド人店長候補者たちと一緒に店舗運営

入社するにあたり私は3年計画を立てました。最初の2年間は国内で経験を積み、3年目には東南アジアで働きたい、そして一連の経験を生かして4年目以降は新規事業、具体的にはユニクロが進出していない国や地域への新規出店に携わりたいと考えました。新規事業を希望したのは、ユニクロの進出によってお客様の生活、ひいてはその国の社会がどのように変化していくのかを間近で見届けたいと思ったからです。

幸運にも3年目にして新規事業であるインド事業に参画できることになり、その準備のために、フィリピンに駐在することになりました。フィリピンでの私のミッションは、インドで採用した店長候補者たちを、共に店舗を運営しながら、実践的に教育していくこと。これは想定していた以上に難しいことでした。お互いが育った環境や文化などが大きく違います。それだけに、いかに価値観をすり合わせ、共通点を見出していくかが大きな意味を持ちました。

地道なコミュニケーションの積み重ねが信頼関係を強くする

インド人の店長候補者たちが私たちと同じ基準で働けるよう、私は8項目からなる行動評価表を作成し、それに基づき指導を行っていきました。新たな行動規範はすぐに身に付くものではないし、慣れるまでの期間には個人差もあります。この点についてはインド人も日本人も同じであり、教育の基本は変わらないと感じています。ただ、言語も含めてバックグラウンドが違う分、日本人以上に辛抱強く指導していく必要があるし、育ってきた環境から生まれる多様な個性を受容しつつ、強固な信頼関係を構築しないといけないと思ったのです。

私はとにかく時間をかけて相手の話しに耳を傾け、相手のことを理解しようと努めました。こうした私の聞く姿勢によって、結果、そこに信頼関係が築かれ、インド人メンバーもまた私の話しに耳を傾けてくれるようになり、仕事への姿勢も変わっていきました。結局、価値観を共有してチームの足並みを揃えるということは、何か画期的なやり方があるわけではなく、日々の地道なコミュニケーション、相手への理解と説明を積み重ねていくことであると学びました。それをどれだけ愚直に積み上げてきたかで、信頼関係の強さも大きく変わると考えています。

LifeWearの価値は
万国に通じる。

未踏の地で先陣を切って走る醍醐味を味わっている

新規事業においては「教育」に加え、「市場調査」も重要であることを知りました。私は2020年に、店長候補者たちとともにインドへと渡り、新店立ち上げの準備に取り掛かったのですが、調査会社などを通じてリサーチを進めても、国は知れても地域を知るのが本当に難しかった。例えば、インドでは「クルタ」と呼ばれる服が日常着となっていますが、その一方で東南アジアと同様、Tシャツにショートパンツで過ごす人もいるし、フォーマルな装いの人もいます。こうした特徴は、地域や職業によって傾向が異なります。

商品計画を立てるにあたっては「教育」の立場が逆転し、私たちがインド人店長候補者たちから教えを受けながら検討を重ねていったのですが、それでも思ったようにはヒット商品を出せず、他にももっとできたことがあったのではないかという反省点も多く残っています。

今も店長をはじめスタッフたちには、お客様としっかり会話をし、何を買おうとされているのか、どのような使い方を想定されているのかをしっかり聞くよう指示する一方で、私もスタッフたちから得た情報をもとに、商品計画など各種計画を柔軟に変更しています。まさに「走りながら考える」状態ですが、私自身、成長できているという実感がありますし、スタッフたちも自分に会いに来てくださるお客様が出てきていることに、やりがいを感じているようです。私たちは今、未踏の地で先陣を切って走る醍醐味を味わっている最中です。

服を通じて豊かさを届け、雇用を通じてチャンスを提供する

今日まで、インドで複数の店舗を立ち上げてきましたが、日本とは異なり認知度0%の地域もありました。しかし、どんな地域にあってもひとたび商品を手にしてくだされば、お客様は必ずまた来店してくださいますし、インドの人たちのライフスタイルにユニクロが急速に浸透していくのを目の当たりしています。驚いたのは、近隣のブータンやアフリカからのお客様もいらっしゃること。LifeWearの価値は万国に通じるという自分なりの手応えをつかんでいます。

また、現地社員やスタッフにとって、ファーストリテイリングはチャンスのある企業なのだということを実感しています。「完全実力主義」であり、男女平等、生まれも育ちも関係なく力を発揮できる環境は、インドにおけるキャリアの常識を大きく変えています。異なる価値観の中で生きてきた彼ら彼女らが今、私たちと志を共にできるのも、自分の力でキャリアを形成し、自らの未来を切り拓いていけるという現実が、大きなモチベーションとなっていることは間違いありません。

こうした現実を前に思うのは、新興の国々に対し服を通じて豊かさを届け、雇用を通じてチャンスを提供することもまた、立派な平和活動だということ。世界中に出店することで、お客様も従業員もユニクロを通じて幸せになっていく。ユニクロをきっかけに互いの理解がグローバルに深まっていけば、世界平和にも通じるはずです。

私は今、ユニクロの事業活動は平和な世界への架け橋となっていけると感じながら、毎日働いています。だからこそインド事業をさらに拡大していきたいと思いますし、ここで身に付けた知見、ノウハウを次の新規事業にも生かしていきたいと考えています。入社当初、「この会社でなら、よりよい社会の実現に貢献できる」という思いは間違いではなかったと実感しています。

UNIQLO

舟橋 勇人

Yuto Funahashi

ユニクロ ユニクロインド事業部

2016年に新卒で入社。2017年、2018年に計2店舗 で店長を務める。その後、インド事業に参画することになり、2018年からはフィリピンでインド人店長候補者たちの育成にあたる。2019年にインド・デリーへ渡り、計2店舗の新店立ち上げに従事。現在はインド1号店である「ユニクロ アンビエンスモール バサントクンジ店」総店長を務める。

※プロフィールはインタビュー当時のものです。

TOP