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トップインタビュー

最終更新日: 2014.02.13
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ユニクロを真のグローバルブランドにする

ユニクロは、世界市場でのポジションを拡大していきます。

すでに海外ユニクロの店舗数は、2013年度末で446店舗に達し、ユニクロ事業全体の3分の1を占めるまでに拡大しています。海外ユニクロ事業の成長が、我々にとってますます重要なものになってきています。これまで、世界のファッション業界の主流は欧米のブランドでしたが、ユニクロは「アジア発のアパレル製造小売業」として、世界中から注目を集める存在になりつつあると思っています。今後は海外ユニクロ事業が国内ユニクロ事業の規模を超え、グループ全体の業績をけん引していく成長エンジンになると考えています。

海外ユニクロと国内ユニクロの売上高トレンド(イメージ)

アジア・環太平洋地域は、
ゴールドラッシュのようなチャンスにあふれています。

ユニクロ上海店(グローバル旗艦店)海外ユニクロ事業の成長の背景には、中国、韓国、東南アジア諸国、オセアニア、米国西海岸を含む、環太平洋の経済成長があります。現在このエリアは、ゴールドラッシュのような状態にあると思います。これまでの世界の経済発展エリアは欧州や米国でしたが、それがアジアへと移り、アジア全体が貧困から脱し、豊かになる。そんな大きな歴史的転換期に、我々は立っていると思います。これは、ユニクロにとっての大きなビジネスチャンスです。欧米の競合ブランドであるH&M、ZARA、GAPと比べると、日本を拠点とする我々はアジアを熟知し、地理的な条件からいっても競争優位にあるといえます。

特に中国や東南アジア諸国では、これから所得が上昇することが期待され、中間所得者の人口が増え、アパレル市場が爆発的に拡大する可能性があります。思い返せば1990年代の日本のアパレル市場は、米国よりやや小さい11兆円※という規模がありました。ところが 日本ではバブル経済の崩壊があり、それ以降の市場規模は9兆円※にまで縮小しました。一方米国は、経済成長とともにアパレル市場が36兆円※にまで拡大しました。

現在の中国のアパレル市場は、30兆円※と推定されています。勢いにのる中国およびその他のアジア諸国の経済成長を考えると、このエリアが数年後には世界最大の市場になることは容易に予想されます。しかも、このエリアには若い世代が多く、アパレル需要は爆発的に拡大すると考えられます。我々は、このビジネスチャンスをしっかりと生かすために、スピーディな事業展開を実行していきます。

※ 出所:Euromonitor International, 繊維白書

アジア・環太平洋地域に広がるユニクロ

米国市場での成長への期待が高まっています。
ユニクロのチェーン展開の可能性が、見えてきました。

2012年秋にユニクロをサンフランシスコに出店したとき、お客様の半分以上がアジア系の人たちだったことに驚きました。米国の西海岸では、新しいアジアが生まれていると思いました。西海岸ではITなどの新しい産業が芽生え、経済の成長率が高いので、多種多様な人たちが集まり、それも特に若い世代の人口が多いエリアになっています。ユニクロにとって、米国の西海岸はとても魅力的な市場だと感じています。

こうしたこともあり、米国市場への期待がより高まっています。2013年秋にはショッピングモールを中心に、西海岸、東海岸に合計10店舗を出店し、我々の期待以上の売上を達成することができました。たとえば、東海岸ニュージャージー州のMenlo Park Mallにオープンした店舗では、初日の売上高が1,000万円という大成功を収めることができました。ここは、8年前に米国でユニクロを初出店し、その後、退店したモールです。8年前にオープンした初日の売上高は100万円以下でした。当時のユニクロは米国市場では無名のブランドでしたが、いまや多くのお客様がユニクロというブランドをご存じで、地元でも注目される存在になっています。

米国市場でのターニングポイントは、2011年10月にオープンしたニューヨークの5番街店だと思います。米国の中心であり、ファッションの中心地である5番街にグローバル旗艦店をオープンしたことで、大手デベロッパーからの米国のショッピングモールへの出店オファーが飛躍的に増えました。同時に、優秀な米国人の経営者の注目も集まり、多くの優れた人材と出会うこともできました。そのおかげで、米国人による経営チームが米国ユニクロに誕生しつつあります。近い将来には西海岸と東海岸それぞれに、100店舗のチェーン展開ができるのではないかと考えています。

LifeWearー新しいカテゴリーの服

ユニクロがめざす"LifeWear"は、最も心地よく毎日を過ごせる服です。

intv_ar2014_04.jpgユニクロのコンセプトである"MADE FOR ALL"をさらに進化させ、世界中の人々の生活をより豊かに、より快適に変えていく服として、"LifeWear"というコンセプトを掲げました。いままでになかった新しいカテゴリーの服であり、我々がめざす未来の服です。

ファッションの世界の歴史をひも解けば、欧州でドレスが誕生し、米国では作業着がジーンズへ、肌着がTシャツへと進化し、カジュアルウエアとスポーツウエアが生まれました。ユニクロは、カジュアルウエアとスポーツウエアの次に来る、新しいカテゴリーの服をつくりたいと考えています。高品質でファッション性があり、着心地の良いベーシックな普段着であり、日常を最も快適に過ごせる服が、我々の考える"LifeWear"です。

ユニクロの服でいえば、フリース、ヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウン、カシミヤセーターなどが、そうです。これらの商品の完成度にさらに研きをかけ、世界中のすべての人が着たいと思う服を提供するのが、我々の目標です。

真のグローバル化を極めるためには、
同時にローカル化も推し進めていく必要があります。

intv_ar2014_13.jpg グローバル化とローカル化は矛盾するように見えますが、ユニクロがめざす"LifeWear"を実現させるためには、グローバル化とともにローカル化も必要です。ユニクロは日本の大衆文化や生活文化から生まれた服ですから、広く海外に出ていくほど、その国の文化やライフスタイルにフィットする服も開発しなければなりません。

米国ではユニクロを本格的にショッピングモールへ出店する計画ですが、郊外に住む米国人のための普段着をもっと研究し、開発する必要があります。ニューヨーク5番街のようなハイストリートにある店舗のお客様のニーズや好みは、東京をはじめとする世界中の大都市でほぼ同じなのですが、郊外では多種多様な人種の方が暮らし、体型の幅も大変に広く、色やシルエットの好みも千差万別です。米国に限らず、それぞれの国やエリアで、日常に密着した普段着をどう提供していくかというローカル化は、ユニクロの大きな課題だと思っています。

その課題解決のためにも、米国のユニクロでは米国のカジュアルウエア業界で豊かな経験を積んだデザイナー、マーチャンダイザーを経営陣として迎え、商品のローカル化に着手しています。このように戦略的にローカル化を進めることで、ユニクロがより強いグローバルブランドになると信じています。

国内ユニクロ事業の再攻略

ユニクロの強みである、素材の良さ、高い機能性を伝える
マーケティングへの転換を図っています。

2013年度の国内ユニクロ事業は、売上は大幅に増えましたが、減益という結果でした。この反省をふまえ、マーケティング戦略の見直し、利益率のコントロール、生産数量計画の精度アップを図り、今期以降は増益にしたいと考えています。

マーケティングについては、商品の品質の良さや高い機能性を伝えるものに変えていきます。ユニクロの機能性素材を生かした普段着の新しい着こなしを、積極的にお客様に提案していきたいと考えています。私が最も尊敬する経営思想家であるピーター・ドラッカーは、「経営とはイノベーションとマーケティングである」といっています。日本でのユニクロの知名度は100%近くありますが、ヒートテックやウルトラライトダウンの本当の良さはどれだけ伝わっているでしょうか。商品の優れた機能性も、それがお客様に伝わらなければ意味がありません。我々も絶え間ないイノベーションとマーケティングで、ユニクロの商品を圧倒的に強くして、商品の良さをお客様に伝える努力をしていきます。

お客様をワクワクさせるグローバル繁盛店を、
2014年春に人気の繁華街にオープンする予定です。

グローバル繁盛店「ビックロ(ユニクロ 新宿東口店)」国内ユニクロ事業では、売場面積が小さい店舗をスクラップ(閉店)して、大型店に転換するスクラップ&ビルドにより、現在では国内の店舗の約2割が売場面積500坪規模の大型店となりました。大型店では、お客様にとってより買いやすく、商品の欠品が少ない売場づくりをめざしています。ビジュアルマーチャンダイジングを展開できる広い売場も確保できるので、着こなしの提案を行い、商品の魅力をあますところなく伝えることができます。

ユニクロは、銀座と心斎橋にグローバル旗艦店を、新宿にグローバル繁盛店をオープンし、ブランドイメージを大きく変えています。2012年9月に新宿にオープンしたグローバル繁盛店「ビックロ(ユニクロ 新宿東口店)」は、異業種とのコラボレーションという新しい試みから誕生しました。家電量販店のビックカメラとコラボレーションすることで、これまでにないエンターテイメント性のある店になったと思います。2014年春には、池袋と上野にグローバル繁盛店をオープンする予定です。これからも、これまで以上に多くのお客様に、ユニクロを楽しんでいただきたいと思っています。

ジーユーをグループ第二の柱の事業へ

加速度的に成長するジーユーは、
2014年度は年商1,000億円以上の企業になる見込みです。

intv_ar2014_06.jpg2013年度のジーユーの売上高は837億円となり、営業利益は76億円、店舗数は214店舗と、事業規模が順調に拡大しています。「旬のファッションと超低価格」のブランドとして、日本国内でのジーユーのブランド認知度も非常に高まり、今期は1,000億円の売上を突破する勢いになっています。

欧米市場では、ファストファッションと呼ばれる、旬のファッションと低価格を武器にした新しい業態の企業(H&M、Primarkなど)が高い成長を遂げています。その成長を支えているのは、若い世代を中心に「ファッションを気軽に楽しむ」という傾向が強くなって きたからだと思います。日本でも同様の需要が年々高まっていると思いますが、その需要にしっかりと応えることのできるアパレルブランドはほとんどありません。

ジーユーは、「旬のファッションをもっと手軽に楽しみたい」「自由に服を組み合わせて楽しみたい」という若い人たちのニーズにマッチしたファッションを提供し続けています。だからこそ、ジーユー事業の中期的なビジョンとして、売上高3,000億円の達成が見えてきたと考えています。日本国内だけではなく、中国やアジア諸国に出店していくことで、ジーユーはアジアのアパレル業界に大旋風を巻き起こす可能性があると思います。

加速度的に成長するジーユー

グループブランドとしての相乗効果を生かし、
日本発のファストファッションのブランドとして世界進出します。

intv_ar2014_08.jpgジーユーが売上高3,000億円をめざし、企業として確実に成長していくために不足している要素は、経営者の育成、人材の採用、新規出店、商品開発、マーケティング、素材調達、生産拠点の開拓などが挙げられます。そうした足りない点については、すべての分野でファーストリテイリンググループが全面的にサポートを行っていくつもりです。

海外進出に関しては、すでにグループの相乗効果が十分に発揮されています。ジーユーとユニクロはカニバリゼーション(共食い)を起こさないので、一緒に出店することが可能です。2013年9月にはジーユーの海外1号店を、ユニクロ上海店(グローバル旗艦店)の地下1階に出店し、成功を収めています。

これからのジーユーの成長の鍵となるのは、ファッション性のある商品の開発力です。現在の商品の10倍以上のアイテム数を開発していかなければ、グローバル市場では十分に戦えないと思います。そのために、東京だけでなく、パリ、ニューヨークといったファッションの拠点に開発チームを組織して、商品開発を行っていくことが必要です。ユニクロだけでなく、セオリー、コントワー・デ・コトニエ、J Brandなどのグループ企業からのサポートを得られることも、ジーユーにとっての強みです。ジーユーの商品力をどんどんブラッシュアップしていけば、最終的には世界市場で欧米発のファストファッションと互角に戦っていけます。日本発のファストファッションの代表として、勝ちパターンをものにしたいと考えています。

世界最高の企業グループへ

世界最高の企業グループを全員の手でつくりあげるために、
経営者育成を本格的にスタートしています。

ファーストリテイリングを本当に良い会社にしたいと思い、「ファーストリテイリング WAY(企業理念)」をつくりました。我々は「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」ことをめざし、世界中のあらゆる人に良い服を提供していくことが使命だと考えています。「ファーストリテイリング WAY」のバックボーンには、服づくりへの情熱、お客様サービス、勤勉さやチームワークといった日本的なDNAがあります。「全社員が経営者の視点をもって経営していく」という考えも込められています。経営者と社員全員が同じ高い志をもち、現実をしっかり認識したうえで、世界一をめざして努力を怠らない企業グループでありたいと思っています。

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そのためにも、多くの経営者を短時間で輩出することが、私にとっての最も重要な課題です。すでに、FRMIC(ファーストリテイリング・マネジメント・アンド・イノベーション・センター)をつくり、経営者向け教育を本格的にスタートしています。「経営者になるためのノート」も、幹部社員全員に配布しました。このノートは、私自身が経営を実行していくなかで、失敗という高い授業料を払って確信した考えをまとめたものです。経営者に必要な4つの力―「変革する力」「儲ける力」「チームを作る力」「理想を追求する力」―を説いています。

ファーストリテイリングがグローバル化をめざすうえで強く感じるのは、日本人はグローバルな視点や考え方、異文化と接する機会が決定的に足りないということです。我々が世界中で勝つためには、日本以外での生活や仕事を経験した人材を育成する必要があります。そのために、多くの社員を海外に派遣しています。東京本部でも、外国人社員の採用を増やしています。常に、グローバル企業へ成長する努力を積み重ねています。

服のビジネスを通して、CSR活動を行っていきます。

我々は服のビジネスを通し、世界中で、社会に貢献する企業になりたいと考えています。CSR活動への取り組みは事業と同じくらい、いやそれ以上に重要なことだと思っています。なぜなら我々は、「ファーストリテイリングの企業精神そのものを買ってもらい、企業として永続的に支持されること」をめざしているからです。

2001年のフリースリサイクルから発展した、全商品リサイクル 活動をはじめ、我々はさまざまなCSR活動を推進しています。2013年夏にはグラミンユニクロ初の店舗をオープンし、バングラデシュで服の企画・生産・販売までの一貫したソーシャルビジネスを確立し、現地の雇用を創造しています。ユニクロで培った製造小売業のノウハウを生かし、素材調達から、生産、販売までが現地で行われ、Tシャツ、ポロシャツ、メンズのシャツなどを現地の人々が買いやすい価格で販売しています。ソーシャルビジネスで得た利益はすべて、今後のソーシャルビジネスに再投資されます。こうした活動を通じ、世界中でより良い生活に貢献できると信じています。

事業基盤を強固なものにするために、M&Aを活用します。

グループの成長のためには、M&Aもひとつの選択肢だと考えています。M&Aによりブランドポートフォリオを拡充して、収益の柱をいくつも育てることができますし、ユニクロを米国や欧州で本格的に拡大するためのパートナーを得ることもできます。

2012 年12月に、米国のプレミアム・デニムのリーディングカンパニーであるJ Brand Holdingsを買収しました。将来的にはJ Brandがもつ卓越したデニムのノウハウを、ユニクロなどのグループブランドの商品開発に生かすというシナジー効果も期待できます。

2004年に出資を開始したセオリー事業は業績が好調で、10億ドルのビジネス規模に育ちつつあります。セオリーの成功例が示すように、アフォーダブルラグジュアリーブランドの買収は、我々にとってユニクロ事業以外の収益の柱を数多くもち、グループ全体の事業基盤をさらに強固なものとすることにつながります。グループの事業プラットフォームを活用することで、買収したブランドをグローバルブランドに育てることも十分に可能ですし、ユニクロ事業にとっても、人材、商品、出店といった分野でプラスの効果が大きいと考えています。グローバル展開が拡大すればするほど、こうしたM&Aの重要性が高まってくると思います。

業績に連動した高配当を実施します。

株主の皆様への利益還元を、経営の最重要課題のひとつであると考えています。将来の事業拡大のための投資資金、財務の健全性のための内部留保、株主の皆様への利益還元といった配分を基本とし、業績に連動した高配当を実施する方針です。2013年度は、1株当たりの年間配当金を290円(連結配当性向32.7%)としました。

1株当たり配当金、連結配当性向

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