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トップインタビュー

最終更新日: 2012.01.31
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ユニクロの成長の軸足は海外へ

2015年度に、海外ユニクロが日本を超えることが目標です。

成長著しいアジアのなかでも中国と韓国は事業が大きく飛躍するブレークスルーに近づいていると思っています。会社としての基盤が完成し、2012年度からは一気に出店を加速する予定です。今後数年間では、中国、韓国だけでなく、台湾や東南アジアにおける出店数の増加、事業拡大が見込まれます。2015年度には海外ユニクロ事業の売上高が、日本のユニクロ事業の売上高を超えることが目標です。ユニクロ事業の売上高予想(イメージ)

人材育成の課題に目処がつき、アジアの本格出店が可能になりました。

海外でも日本と同じように、大卒者を採用して人材育成をしたいと考えました。中国での2010年秋の大卒採用者は約150名でしたが、2011年秋には300名に達しました。2012年は、その倍ぐらいまで増やしたいと思っています。ファーストリテイリング グレーターチャイナのCEOである潘は、かつて日本の大学で学んだ中国からの留学生です。現在、ユニクロ中国の幹部候補を育てることに熱意をもち、採用に取り組んでいます。その結果、中国での大卒就職人気ランキングで、ユニクロは上位にランクされ、知名度が急上昇しています。我々の企業精神や人材育成に対する考え方への理解が広がり、優秀な人材を採用できるようになってきました。
また、数年前から日本の幹部社員を中国に送り込み、中国の社員たちと中国語で 会議を行っています。ユニクロ中国は、中国の企業として確実に育っていると思います。

グローバルブランドであることが、アジア市場でプラスに働きます。

インターネットが発達した現代、お客様に国境はありません。世界で評判になっている店や人気のあるブランドの情報を、瞬時に得ることができるからです。こうした時代には、グローバルブランドになることが大変に重要です。ユニクロが、日本だけでなく、パリ、ロンドン、ニューヨークで店舗を展開し、世界中で話題となっていることに意味があります。
グローバルで話題となっているユニクロは、アジアの人たちにも広く知られるブランド になってきました。経済発展が著しい中国の人たちの、良い服を買いたいという強い 意欲は、かつての日本を思い出させます。私が若かった頃、給料のほとんどを新しい服や 靴を買うことに使っていたという時代がありました。今後も中国市場での服の需要は、 所得に関係なく、さらに増える可能性があります。
今後10年間のアジア市場全体の需要は、中国に限らず、我々の想像以上のものが あると思います。これはユニクロが、アジア市場でも圧倒的なナンバーワンになれる チャンスだと思っています。

ニューヨーク5番街店は全世界に開かれたショールーム。

2011年の秋は、ニューヨーク5番街にグローバル旗艦店をオープンし、続けて34丁目にメガストアをオープンしました。ニューヨークのお客様からは、期待していた以上の高い評価をいただき、うれしい驚きを感じました。
ニューヨーク5番街店のオープンセレモニーで、ブルームバーグ市長から「今回のユニクロの出店はJOBS(ジョブズ)だ」という言葉をいただきました。その意味とは、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が創業したアップル社のiPhone 4Sが、ユニクロの5番街店オープン日と同じ10月14日に世界一斉に同時発売されたこと、今回の我々のグローバル旗艦店のオープンで雇用(jobs)が生まれたこと、この2つをかけた言葉です。5番街をより魅力的な街にしてくれたことも含めて歓迎するということだと、私は理解しています。
ユニクロにとって、ニューヨーク5番街という立地は、全米、ひいては全世界に開かれたショールームとして大きな価値があります。その場所で、ユニクロが大成功の第一歩を飾れたことで、ユニクロブランドを世界中の方に知っていただくことができました。
世界最高の立地に最高の店をつくりたいという、我々の長年の夢を実現できたことは大きな喜びです。ニューヨーク5番街店のオープンにより、ユニクロが真のグローバルブランドになれる可能性が高まったと思います。

国内ユニクロの再攻略

強みを生かすために、ユニクロの服を再定義しました。

2010年度にアイテム数を大幅に増やした結果、コア商品の店舗在庫が減り、欠品が多くなりました。コア商品の魅力を伝えきれず、ユニクロ本来の強みが発揮できなくなりました。2011年度は品番数を減らし、コア商品の見直しを始めました。そのなかで、社員全員が共有できる「ユニクロの服の定義」を、言葉で明確に表現することにしました。
「ユニクロの服の定義」は、「ファーストリテイリング WAY(企業理念)」と同じように、ユニクロの原点であり、到達点であると考えています。「ユニクロの服とは、服装における完成された部品であり、着る人の価値観からつくられた服、世界中のあらゆる人のための服」です。それを「MADE FOR ALL」と定義しました。
これをベースに商品開発、マーケティング、店舗レイアウト、店舗運営などを行っています。
ユニクロの服の定義 服の市場は、需要よりも供給の方が大きいので、卓越した商品しか売れません。ユニクロの強みをさらに強くして、差別化を図り、他社が到達できない水準にまで商品や店舗、サービスを高めていく以外に、グローバルで勝ち抜いていく方法はないと思っています。ユニクロを次世代の服として完成させ、世界中の人々の共感を得ることで大成功したいと思っています。

服の新しいカテゴリーを創造するのが、ユニクロです。

「洋服」とは、「西洋から来た服」です。ですから、服の歴史や伝統という観点から見れば、日本の会社は西洋の会社にはかなわないということになります。でもその分、我々の方が柔軟に発想することができます。我々は服の新しい価値や、服の新しいカテゴリーを創造するということができると思っています。
2011年秋冬シーズンの画期的な商品となったユニクロのウルトラライトダウンは、その 一例です。軽くて、着心地が良くて、スタイリッシュ。極寒地の作業着やスキーウエアとしての用途が主だったダウンジャケットのイメージを変えました。驚くほど軽いのに保温性がある、冬のおしゃれなカジュアルウエアです。ウルトラライトダウンの表地は、東レ様が開発した特殊な機能素材を使っています。他社が同じような商品を企画・販売しようと思っても、一朝一夕には真似することはできません。

ユニクロ・イノベーション・プロジェクトを開始しました。

「ユニクロの服の定義」を具体的な形にするユニクロ・イノベーション・プロジェクトを開始しました。「MADE FOR ALL」と定義したように、我々の商品はグローバル市場に対応できるものでなければなりません。あらゆる人に受け入れられる服である必要があります。
国内外のクリエイターとともに、「画期的な機能性+普遍的なデザイン性 これからの 服、進化した服を」つくっていきたいと考えています。その一例が、スポーツウエアのような機能をもつカジュアルウエアです。機能が強調された一般的なスポーツウエアではなく、まったく新しいカテゴリーを創造したいと思っています。
このプロジェクトにはまだ課題もありますが、ユニクロと素材メーカーとの強力な開発 体制、グローバルな販売力と生産数量の大きさがあれば、そうした難しいハードルも飛び 越せるのではないかと思っています。

ニューヨーク5番街店のような店舗を、日本にもつくります。

ニューヨーク5番街のグローバル旗艦店によって、ユニクロは「品質が高いブランド」
「ベーシックをスマートに着こなすニューベーシックのブランド」という評価を、ニューヨークで勝ち取れたと思います。良い意味で、国内よりも海外でユニクロのブランド評価が高くなっていると思います。米国やアジア市場のような、ユニクロに対するイメージが白紙の市場では、新しいユニクロのコンセプトがすぐに伝わります。反対に、日本では過去のイメージがなかなか払拭できません。国内のユニクロは約6割の店舗がロードサイド店なので、「価格が安い服」というイメージが強いのでしょう。
このイメージを払拭するためには、ニューヨーク5番街店のような最新の店舗で、買い物 を体験していただくのが一番の近道だと思います。5番街店のようなインパクトのある店舗を、東京、大阪、福岡にもつくっていくつもりです。2012年3月には銀座に、秋には新宿に、5番街店と同じコンセプトで設計したグローバル旗艦店を出店します。
また地方では、大型店を出店し、古い店舗を閉店するスクラップ&ビルドを進めていきます。
お客様の満足度を上げて、ユニクロのブランドイメージアップを図りたいと思います。

グループの相乗効果を生かす

セオリー事業は、日米市場ともに好調な業績が続いています。

セオリー事業の業績は好調で、2012年度も増収増益が続く見込みです。セオリーがお客様から高く支持されている理由は、ベーシックなデザインのなかに時代性や新しさという魅力があるからです。2011年秋冬コレクションからは、オートクチュールのデザイナーだったオリヴィエ・ティスケンスをアーティスティック・ディレクターに迎え、さらなる進化を遂げています。
セオリー、コントワー・デ・コトニエ、プリンセス タム・タムの各ブランドが、各地域で相乗効果を生み出せるように、3つの事業をひとつの経営体制に統合し、成長していく体制をつくりたいと考えています。例えばセオリー事業では、欧州への出店はフランスの 地域本部、中国への出店は上海の地域本部を活用して加速させていく計画です。また、コントワー・デ・コトニエ事業は、日本と米国での出店を加速していく予定です。

ジーユー事業の将来性は、大変有望です。

グループ事業のなかで特に高い成長が期待されているのが、ジーユー事業です。ジーユーは「超低価格とファッション性」をコンセプトに、ユニクロの半分の価格で、旬のトレンドを取れ入れた商品企画を実現しています。長年ユニクロで培われたSPA(アパレル製造小売企業)のノウハウが生かされた結果です。
ベーシックを基本とするユニクロとの差別化が十分に図られ、店舗数も2011年8月末には148店舗まで広がりました。低価格衣料品の需要は、日本市場にも潜在的に存在しています。ただ本格的に展開しているアパレルブランドが少なく、これまでは需要が限定的でした。ジーユーの事業規模が拡大するにつれて、ファッション感度が高く、低価格という「新しい服」の需要が生まれる可能性があると思います。
2012年の春には、現在のユニクロ銀座店の場所に、ジーユーの3店舗目となる旗艦店をオープンする予定です。H&M、ZARA、GAP、FOREVER21など世界の競合が進出している銀座への出店は、ジーユーの注目度をさらに高めることになるはずです。今後は、大型店を中心に年間50店舗を出店し、近い将来には海外へも出店していきたいと考えています。

グローバルに通用する人材育成

世界4都市に地域本部を設立し、「グローバルワン」の経営体制を推進します。

「グローバルワン」の経営体制を推進するために、上海、シンガポール、ニューヨーク、パリの4都市に地域本部を設立する予定です。各地域本部では、地域ごとの効果的な在庫コントロール、店舗開発などを行うことで、経営の精度向上と効率化を図ります。
各地域本部にはFRMIC(ファーストリテイリング・マネジメント・アンド・イノベーション・センター)を立ち上げ、各エリアで経営人材を本格的に育てたいと考えています。FRMICは、2009年からスタートした経営人材を育成するための機関です。新しい日本企業の姿を描く構想力をもち、実際に会社をマネジメントする能力のある人材を育てたいと 思い、一橋大学大学院国際企業戦略研究科と協力して授業を進めています。現在は、100名程度の社員が参加し、経営者としての本質を学んでいます。 東京グローバルヘッドクォーターと世界4都市に広がる地域本部

グローバル化が進むほど、日本で育ったユニクロのDNAが大切です。

我々は、企業全体のグローバル化を推し進めています。そうしたなかで、ユニクロという国内ビジネスにずっと携わってきた日本人社員のなかには、戸惑いを感じている人もいるかもしれません。でも、これからはグローバルな人材にならないと生き残っていけないのです。
そのためには、コミュニケーションの手段である英語を身につけ、自分を変えていってほしいと思います。
すでに、日本人の大卒者よりも、海外の大卒者の採用数の方が多くなっています。今後は、社員数も外国人の方が日本人より多くなっていくはずです。でも、日本の文化のなかで育ったユニクロのDNAをもつ優秀な社員と経営者がいなければ、ユニクロのDNAは引き継がれていきません。我々は、日本で育った日本の企業です。そのDNAを捨てるつもりはありません。外国人社員にもユニクロのDNAはしっかりと学んでもらいます。グローバル企業になればなるほど、日本発の新しい企業としてのユニクロのDNAを大切にしたいと 思っています。

世界最高の企業グループへ

世界最高の企業グループを、全員の手でつくりあげたい。

ファーストリテイリングを良い会社にしたいと思い、「ファーストリテイリング W A Y(企業理念)」をつくりました。我々は「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」ことをめざして、世界中のあらゆる人に良い服を提供していくことが使命だと考えています。
ファーストリテイリング W A Y(企業理念) 「ファーストリテイリング WAY」には、服づくりへの情熱やお客様サービスといった日本文化が込められており、勤勉さやチームワークといった仕事に対する日本的な精神がバックボーンとしてあります。
この「ファーストリテイリング WAY」を支える経営方針が、「グローバルワン 全員経営」です。グローバルに通用する商品を創造し、経営を行うためには、ファーストリテイリング全体がひとつとなり、全員が世界中で一番良い方法で経営していきます。全社員が経営者の視点をもって経営していくということです。これまで成功した企業は、「全員経営」を実行しています。経営者と社員全員が同じ高い志をもち、現実をしっかり認識したうえで、世界一をめざし、常に努力を怠らない企業グループにしていきたいと思います。
私は65歳で引退したいと考えていましたが、創業者なので引退はできないと思っています。私が働く理由のひとつは、ビジネスを通して社会の役に立ちたいという思いがあるからです。年々その思いは強くなっています。私はこれからも会社と社会への貢献に尽力したいと思っていますが、若い世代への経営の移行については常に頭にあります。
日常の執行については、時期を見極めながら、若い経営者チームに譲ることで、より強い経営体制をつくっていくことができると考えています。

ユニクロ事業拡大のため、プラットフォームとしてのM&Aはあり得ます。

大型M&Aは、常に頭にはあります。将来的にはユニクロを米国全土に出店したいと思っていますので、プラットフォームとしてのM&A、あるいはパートナー企業と合弁会社をつくるという選択肢もあると思います。いずれにしても我々と親和性が高い経営者と組むことが重要だと思っています。

株主還元は、業績に連動した高配当を実施します。

株主の皆様への利益還元を、経営の最重要課題のひとつであると考えています。将来の事業拡大のための投資資金、財務の健全性のための内部留保、株主の皆様への利益還元といった配分を基本とし、業績に連動した高配当を実施する方針です。
2011年度は、1株当たりの年間配当金を180円(連結配当性向33.7%)としました。 「1株当たり配当金、連結配当性向」グラフ・「総資産当期純利益率(ROA)、株主資本当期純利益率(ROE)」グラフ

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