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トップインタビュー

最終更新日: 2010.02.04
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Q: 2009年8月期は、過去最高の利益を達成しました。業績好調の要因はどこにありますか?

A: 「本当に良い服、新しい価値をもつ服」という、我々のものづくりがお客様に評価されたからです

代表取締役会長兼社長 柳井 正ユニクロが最初に郊外のロードサイド店として出店し始めた頃は、「安い」という価格面がお客様に評価されました。我々は日本の低価格カジュアルの領域でナンバーワンになり、次に「品質が良い」という評価を得ることができるようになりました。ユニクロの歴史を見ればわかるように、我々の服はだんだんに良くなってきています。「本当に良い服」をつくりだすことが、我々の企業命題であり、爆発的に売れた商品は例外なく「本当に良い服」です。

同時に、ユニクロのヒートテックやブラトップなどの商品は、新しい価値を提供しました。「新しい価値をもつ服」だからこそ、新しい需要が生まれ、新しいお客様が増えたのです。お客様の要望に応えて、お客様の期待を超えること。そういう服こそが、「良い服」だと信じています。

こうした我々の真面目なものづくりへの姿勢がきちんとお客様に届き、それも、国内だけでなく、海外のお客様にも支持されるようになったことが、業績の数字に反映されたと考えています。

Q: 今後ユニクロは、どう進化していくのでしょうか?

A: 「価格」「品質」「スタイル」の三拍子がそろったユニクロにしていきたい

「価格」と高い「品質」が認められたユニクロが次に目指すのは、「スタイル」があるブランドとして認められることです。「価格」「品質」「スタイル」の三拍子が揃ったユニクロにしていきたいと考えています。

「スタイル」というのは、一言でいえば「カッコいい!」とお客様に心から感じていただけるものだということです。ただし、我々の考えるカッコ良さというのは、単純にファッションを追っているということではなく、ファッションの要素があり、そこに合理性だとか、スマートだとか、バランスがとれているという要素も含まれているということです。

我々が目指す「スタイル」には、ユニクロの商品だけでなく企業姿勢といったことも含まれてくると思います。良い会社で良い商品をつくっていく。我々の会社で仕事する人たちもカッコいい、良い理念をもった人たちだということです。

Q: パリのユニクロ旗艦店の大成功、その好機を、海外ユニクロ戦略にどう生かしていきますか?

A: 世界中の大都市に出店し、アジア市場の圧倒的なナンバーワンから世界ナンバーワンへ

代表取締役会長兼社長 柳井 正パリのグローバル旗艦店の大成功で、「これでいける」という確信というか、手ごたえを掴んだと思います。ユニクロの海外展開は、これからですね。ユニクロをグローバルブランドに育てようと思ったら、NYやパリに1店舗ではなく、5店舗、10店舗と出店しなければいけないと思います。さらに世界中の大都市に出店して、世界市場を面でおさえていきたいと考えています。

そのためには出店開発と人材開発を、社運をかけてやらないといけない。最も理想的な姿としては、年間500~600店舗を世界中でオープンして、年間で店長級の人を1,500人くらい育成していきたいですね。海外のユニクロで働く人は、日本のユニクロと同じDNAをもち、同じサービス、同じ接客ができなければいけない。そういった人材を育成しなくては、世界の市場に出ていっても継続的に成長することはできないと思います。

ユニクロの海外事業戦略の1番目に挙げられるのは、H&M、ZARA、GAPといった世界の競合各社が本格参入していないアジア市場で圧倒的なナンバーワンになることです。そしてそれが、世界ナンバーワンへの道だと考えています。2010年春にオープン予定の上海グローバル旗艦店を、中国市場拡大への起爆剤にしたいですね。

我々は、2020年に売上高5兆円の目標を掲げています。海外ユニクロ3兆円、国内ユニクロ1兆円、残りがその他の事業だと考えています。

Q: 国内ユニクロの成長戦略をお聞かせください

A: 女性のワードローブとニーズを満たす商品構成を一から考え、すべてが揃う売場にしたい

国内ユニクロの戦略として最も重要なのは、ウィメンズ商品の拡大と、それを可能にする大型店の開発です。

代表取締役会長兼社長 柳井 正まず、ウィメンズ商品ですが、今のユニクロのウィメンズの商品構成では足りないアイテムが多く、まだまだだと思っています。女性のお客様が年間を通して、どういう服を着て、どういったライフスタイルを楽しんでいるのか。アウターからボトムスまでの商品構成を一から考え、すべてが揃う売場にしていかなければいけないと思っています。

それに加え、女性のライフスタイルを変えるような、新しい価値のある商品も創造したいですね。例えば、保温機能に優れたヒートテックは、これまでの常識を超える薄着ができます。そこから新しい着こなしが生まれたりしますよね。

ウィメンズの市場規模はメンズの2~3倍はあるので、国内ユニクロの売上構成が、ウィメンズとメンズが同じぐらいというのはおかしい。つまり、国内ユニクロのウィメンズには、まだまだ成長ポテンシャルがあるということです。

2009年秋冬シーズンは、ファッション性を取り入れた新商品の販売が好調でした。ユニクロならば、安心したお手ごろ価格で新しいファッションへの冒険ができます。世界的なトレンドとなっている「ファストファッション※1」の感覚が若い世代に浸透していることも影響しているかもしれません。今までファッションは高いものだと思っていたけれど、気軽に服を買うというように、女性の生活習慣が変わってきています。そうした変化があるなら、ユニクロも、もっともっと変わらなければいけません。

これからは、ファッション性のある商品の比率を上げていきたいと考えています。といっても、あくまでベーシックがユニクロの持ち味ですから、7~8割はベーシックです。もちろんベーシックにも、ファッション性は取り入れていきます。その答えは、「 プラスジェイ ロゴ 」のように完成された商品群を出していくということです。

最終的には、トータルコーディネイトやテーマ別の売場展開ができるような商品構成を目指したいと考えています。そうすると、VMD※2や店舗づくりがより大切になってくるので、売場面積の広い大型店がとても重要になります。今後特に東京・大阪・名古屋などの大都市での出店を積極的に進めていきたいと考えています。都心の百貨店へ出店することで、新しいお客様の層を取り込むことができると確信しています。

Q: グループ事業それぞれの成長戦略について、教えていただけますか?

A: GOVは低価格衣料と靴事業を、キャビンはウィメンズファッションのSPA※3の新業態を確立させたい

代表取締役会長兼社長 柳井 正日本では未開拓ではありますが、低価格衣料という市場で新しい業態を確立すれば、ジーユーが拡大できるチャンスは大きいです。また、靴事業については、例えばユニクロの服に合わせるとしたら、どんな靴だろうか、ということを考えながら、低価格で高品質なユニクロシューズの商品開発を強化していきたいと思っています。

キャビンの課題は、ウィメンズファッションのSPAとして完成させるということです。ユニクロの生産インフラを活用することで、ファッション性を追求しながら、低価格というものを両立できるブランドにしていきたいと考えています。2009年10月にユニクロ銀座店内にキャビンのザジとアンラシーネを出店しましたが、銀座という好立地に、それもユニクロ店内に出店したことで、これらのブランドの認知度も上がったと思います。ジーユーが「990円ジーンズ」で知名度が飛躍的に上がったように、まず、ブランドそのものをお客様に知っていただくということが大事です。

Q: グローバルブランド事業の戦略について、教えてください

A: 相乗効果を追求して、グローバル化を進めたい

グローバルブランド事業は、東京・NY・パリの連動による相乗効果を追求していきたいと考えています。NYのセオリー、パリのコントワー・デ・コトニエとプリンセス タム・タム、東京のユニクロやファーストリテイリングが、それぞれがお互いのインフラを活用して、相互に乗り入れる。それによって、それぞれの都市、あるいは国で企業地盤を強化することで、出店を加速したり、ブランド知名度を高めるといった相乗効果が期待できます。例えば、米国と日本に事業基盤があるセオリー事業も、今後は中国などアジア市場での拡大を、ファーストリテイリンググループとしてのインフラを使うことで強化することができます。

Q: M&Aについての方針をお聞かせください

A: 良い案件があれば買うが、ユニクロのグローバル展開の拡大を優先します

代表取締役会長兼社長 柳井 正我々にとってのM&Aの目的は、まず第1に海外市場でユニクロビジネスのプラットフォームを獲得することです。これまで欧州や米国で、ユニクロのプラットフォームになる会社を買いたいとずっと考えていますが、なかなか適した案件がありません。ただ、良い案件が見つかるのを待ってばかりもいられないので、パリのユニクロ旗艦店のような大型店を欧米の大都市に出店することを優先したいと考えています。その中でユニクロと同程度の規模の会社で、先方の経営者と合意ができたら、その会社を買収するのがベストだと思っています。

 M&Aの第2の目的は、グローバル展開の可能性があるブランドを買収し、事業ポートフォリオを強化・拡充することです。過去に買収したコントワー・デ・コトニエやセオリーのようなグローバル展開できるブランドを買収したいですね。

Q: 株主還元については、どのようにお考えですか?

A: 業績に連動した高配当を実施します

株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題のひとつと考えています。将来の事業拡大のための投資資金、財務の健全性のための内部留保、株主の皆様への利益還元といった配分を基本とし、業績に連動した高配当を実施する方針です。2009年8月期は、1株当たりの年間配当金は160円(連結配当性向32.7%)、前期に比べて30円の増配とさせていただきました。2010年8月期は40円増配の200円の年間配当金を予定しています。

(2010年1月)

※1 ファストファッションとはファストフードが「早く、安く、手軽な」食事であるように、「流行の最先端をいち早く
      取り入れた、低価格で、ほどよい品質」のファッションを表します。
※2 VMDとはビジュアル・マーチャンダイジングの略語。お客様の消費を促す売場を、コンセプトに基づいて視覚的な
      観点から構成すること。関心を集めやすい、選びやすいなど、お客様の心理面にも配慮して行われます。
※3 SPAとは、Specialty store retailer of Private label Apparelの略語で、素材調達、企画、開発、生産、物流、
      在庫管理、販売など、製造から販売までのすべての工程を一貫して行うアパレル製造小売業。

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