HOME > IR情報 > 経営方針 > トップインタビュー

トップインタビュー

最終更新日: 2017.02.15
to English page

" 情報製造小売業"への変革

ユニクロは人々の生活を豊かにする究極の普段着

ユニクロがめざしているのは、「人々の生活をより豊かに、より快適にする究極の普段着」です。ユニクロは今までのアパレルブランドとはまったく異なるLifeWearという、世界唯一の新しいカテゴリーの服を追求し続けています。LifeWearとは、高品質でファッション性があり、着心地が本当に良い服です。そして、誰にでも手が届く手ごろな価格であり、人々の生活を豊かにする究極の普段着です。

サプライチェーンの仕組みを変えて
"情報製造小売業"をめざす

世代を超えてあらゆる人々にインターネットが普及した現在、人々の購買行動は大きく変化しています。そうしたなかで、我々のような服を提供するアパレル製造小売業は、産業の際を越え、今までにない新しい産業へと転換することが求められるようになりました。

我々はサプライチェーンの仕組みをすべて変え、デジタルを通じてお客様の要望を幅広く捉え、一人ひとりのお客様とのコミュニケーションを強めると同時に、ユニクロの店舗からの意見、店長の声、そのすべてをつなげ、我々が求めるLifeWearを追求していくことが、"情報製造小売業"になる道だと信じています。"情報製造小売業"に転換することで、ビジネスのサイクルは、今まで以上にスピーディなものになり、生産リードタイムが大幅に短縮され、お客様が今欲しい商品を確実に提供することができるようになると考えています。

 

リアルとバーチャルの融合が成長の鍵となる

 

リアルとバーチャルの相乗効果で、ユニクロがいつも身近な存在に

リアル(店舗)とバーチャル(Eコマース)の融合は、"情報製造小売業"へとサプライチェーンの仕組みを変革していくうえで欠かせないものです。現在のユニクロのEコマース事業の売上構成比は5%程度ですが、「いつでもどこでも、ユニクロの商品が手に入るサービス」を実現することで、将来は30%まで高めることをめざしています。

そのためには、まず物流改革が必要不可欠だと考え、新しい物流の仕組みを立ち上げました。たとえば、Eコマースで買われたお客様が、注文した商品を、当日もしくは翌日に受け取れる配送システムや、近くのユニクロの店舗やコンビニエンスストアで商品を受け取り、返品もできるという利便性があれば、ユニクロをさらに身近に感じていただけると思います。

2016年4月に竣工した有明物流センターを皮切りに、日本国内では約10ヶ所の物流センターを稼動させ、物流の仕組みを自社でコントロールする体制を整えました。これは我々にとっては新しいチャレンジです。新物流システムはEコマース事業の拡大だけでなく、ユニクロ事業全体の物流の効率化にも寄与していくと考えています。

海外ユニクロ事業でも物流改革を進めていきます。特に、中国や米国ではEコマース事業の売上構成比が高く、今後も高い成長が見込まれるため、早急に日本と同様の物流改革を始める計画です。

 

お客様とのコミュニケーションは親密な双方向型へ

デジタル化が進んだことで、お客様に情報を伝える仕組みも大きく変化していきます。チラシやTVCMによる広告宣伝が主流だった国内ユニクロ事業も、これからはお客様のパーソナルデータを分析し、お客様一人ひとりのニーズに合った情報をお届けすることができるようになります。また、お客様のご意見・ご要望をダイレクトに吸い上げる双方向コミュニケーションを通じて得られた生の声は、ユニクロのLifeWearをより進化させていく原動力になっていくと思います。

ジャストフィットする服は、LifeWearをさらに進化させる

「身体サイズにフィットした服」は、ユニクロが追求しているLifeWear の大切な要素のひとつです。すでにメンズシャツ、メンズジャケットの分野では、オーダーしてから1週間ほどで届くセミオーダーのシステムが始まっています。セミオーダーシステムを開始してから1年ほどですが、売上は極めて好調です。素材や色、形、デザインを選べるセーター、襟の形やシルエットを選べるシャツ、丈の長さが選べるワンピースなど、今後もさらにセミオーダー商品の種類を増やしていきたいと思っています。

 

海外ユニクロ事業
成長の軸足は海外ユニクロ事業

成長を牽引するのはグレーターチャイナと東南アジア

今後数年間で海外ユニクロ事業の成長を牽引していくのは、年間の出店数も多く、利益率も安定しているグレーターチャイナ、東南アジアのエリアです。軌道に乗り始めた欧州事業は、黒字を確かなものとして、2015年秋に出店したベルギー1号店も成功を収めました。また、フランス、ロシアでの出店も増えています。米国では赤字が継続していますが、事業改善は着実に進んでいます。

2016年8月期のグレーターチャイナの業績は、売上収益が3,328億円(前期比9.3%増)、営業利益が365億円(同5.5%減)という結果でした。暖冬や中国景気のスローダウンの影響で上期は減益となったものの、下期は計画を上回る大幅な増益を達成しました。中国景気のスローダウンの影響は、香港、台湾、韓国といった近隣エリアではやや残っていますが、中国大陸の消費は伸び続けており、ユニクロブランドへの人気や信頼度はさらに高まっていると感じます。グレーターチャイナの店舗数は、2016年8月期末で560店舗に達しました。年間100店舗の出店により、数年後には日本の店舗数を超え、1,000店舗を達成することは確実です。

 

一つひとつの課題を着実に解決し、北米事業を軌道に乗せる

米国事業は、さまざまな改革に取り組んだことで、2016年度の下期からその効果が出始めています。まず、出店戦略を大きく見直し、大都市やA級モールに集中して出店すると同時に、不採算店のスクラップも進める戦略に転じました。また、利益率が比較的高いEコマース事業の拡大をめざし、デジタルマーケティングをさらに強化しています。これに加え、本部コストの圧縮、店舗オペレーションの標準化、不良在庫の一掃など、ビジネスのあらゆる面での課題解決に取り組んでいます。

2016年秋にはカナダ1号店をトロントに出店し、大盛況となりました。この盛況ぶりは、ユニクロの知名度と期待感が世界中の市場で高まっていることの表れだと思います。北米市場は国土が広く、多様な人種、文化が混在しているため、ユニクロの知名度が、すぐに浸透していかないという難しさがあります。しかし、世界のマーケットの中心である北米で成功しなければ、世界No.1のアパレルブランドにはなれません。北米事業で直面している一つひとつの課題を着実に解決し、事業を軌道に乗せ、世界No.1への道筋を確かなものにしたいと思っています。

 

国内ユニクロ事業
新しい価格戦略が成功

「毎日お買い求めやすい価格」へ戦略を転換

国内ユニクロは、2016年春から新しい価格戦略へ転換し、「毎日お買い求めやすい価格」を徹底しました。この効果もあり、2016年度下期の国内ユニクロ事業の売上、粗利益率は大きく回復しました。日本市場では消費環境にまだ明るさが見えない状況が続いていますが、ユニクロは生活に密着した商品を、リーズナブルでわかりやすい1,990円、2,990円といった価格ラインに揃えた価格戦略に転換したことで、お客様の強い支持を得ることができたと思います。

「毎日お買い求めやすい価格」の戦略がスタートしたことで、マーケティングは、商品の特性、品質の高さ、新しい着こなし、ファッションなどを伝えるものに変えています。たとえばウィメンズ商品では、新しいパンツスタイルのスカンツや、女性らしいマキシスカートなどを打ち出し、新鮮な商品力をアピールしています。

Eコマース事業が拡大するにつれて、リアル(店舗)とバーチャル(Eコマース)がどのように融合すれば、相乗効果が出るのかということを真剣に考えるようになりました。今後は、ジャストフィット商品のための店舗での採寸技術の向上、Eコマースオーダーによる店頭での商品受け取り・返品に関するサービスレベルの向上など、店舗スタッフのスキルを高めることも必要です。すでに開始しているアルバイトから地域正社員へのシフトなど、より高度なサービスを確実に行うための体制も整いつつあります。

また、国内の店舗には地域に根ざした「地域密着型の経営」も求められています。地元のニーズに応えた店づくり、地域イベントへの参加や地元商店街と一緒になって集客するといったことがより重要になってきました。お客様に愛され、スタッフ全員がやりがいをもって働ける店舗にしていきたいと考えています。

 

ジーユーはグループの第二の柱

日本発のファストファッションブランドとして、売上1兆円をめざす

ジーユー事業の高い成長が続いています。2016年8月期の業績は極めて好調で、売上1,878億円(前期比32.7%増)、営業利益222億円(同34.8%増)と高い伸び率を達成することができました。

2006年10月にジーユー1号店をオープンしてからの10年間で、これほどまでに成長し、収益性の高いビジネスに育てることができるとは、当時は想像もできませんでした。 ジーユーが成功した理由は、お客様が求める旬のファッション商品をいち早く商品化できることと、 圧倒的な低価格にあります。

ジーユーのコンセプトはユニクロとは異なるため、ユニクロと競合することはありません。むしろ相乗効果の方が高く、ユニクロとジーユーを併設させた店舗では売上は好調です。たとえば、無地のメリノセーターは色が豊富なユニクロで、レース模様が入ったブラウスはジーユーでお求めになるというように、ブランドの使い分けをお客様自身が上手にされていると思います。将来的には、この2つのブランドが併設する店舗を増やしていきたいと考えています。

ジーユーの課題は、人材育成、強い組織、商品開発力、ローコストの店舗運営などです。年商1,000億円から3,000億円へ、そして1兆円へと企業が拡大していく過程においては、会社の仕組み、商売の組み立てなどをすべて変えなければ、次の成長ステージにはいけません。ジーユーはこれからも多くの課題を解決し、まずは売上3,000億円の壁、次のステップでは1兆円の壁を越えることができると確信しています。

日本市場にはまだまだ出店の余地がありますが、海外進出も、ジーユーの成長には欠かせない課題です。2013年秋に海外1号店を上海へ出店し、台湾の店舗も含め、合計10店舗(2016年8月期末)を海外で展開しています。2017年春には香港へと、出店エリアを拡大させる予定です。ジーユーは、日本発のファストファッションNo.1ブランドとして10年後の売上1兆円をめざしていきます。

 

グローバルワン・全員経営の経営体制の実践

すべての社員が経営者マインドをもつ企業

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念は、ファーストリテイリングを良い会社にしたいと思い、掲げたものです。社員全員がクリエイティブな力を発揮して、イノベーションを起こす会社にしたい、そして、本当に良い服、最高のサービスをお客様にお届けしていきたいと考えています。

「我々が最も大切にしているのは、世界中の全社員が、「グローバルワン・全員経営」の精神で情熱的に仕事をすることです。各国、各事業で最も成果が上がったことを、グループ全員で共有して実践する組織です。一般的に小売ビジネスは、マネージャーが考えて指示を出し、店舗の販売員がその指示に従うという組織構造です。しかし、ファーストリテイリングでは店舗のアルバイトからトップ経営者まで、すべての社員が経営者マインドをもち、自らが考えて、お客様に最高の商品、最高のサービスを提供するという「全員経営」を実践しています。

 

世界No.1のアパレル" 情報製造小売業"をめざす

2020年度に売上3兆円、営業利益率15%が目標

ファーストリテイリングは中期目標として、2020年度に売上3兆円、営業利益率15%をめざしています。これを達成するために、ファーストリテイリングを"情報製造小売業"へと変革し、新しいビジネスモデルを確立させたいと考えています。

グループの成長戦略は3つあります。
① 海外ユニクロ事業をさらに成長させる
② Eコマース事業の拡大を推進する
③ ジ ーユー事業をグループの第二の柱として、売上1兆円をめざす

忘れてはいけないのが、売上拡大だけでは事業が膨張したに過ぎないということです。利益率を確保しながら、経費をコントロールして、目標を達成していきたいと考えています。

海外ユニクロ事業は、今後も大量出店が続くグレーターチャイナ、東南アジアが事業拡大を牽引していきます。各国で経営者が育ち、それぞれ独立した事業として、地域に根ざした経営を推進していきます。また、Eコマース事業がより大きく発展するなかで、リアルとバーチャルの融合により、事業のさらなる拡大と効率化を図っていきたいと思っています。

ジーユー事業は、競争が激しいファストファッション業界にあって、どうブランドを差別化するのか、どう競争力を高めるのか、効率性をあげるために何をすべきか、といった課題を解決し、グローバルで展開できるブランドに育てていきたいと考えています。

 

将来は世界No.1をめざす

2000年度には、米国GAP 社の2割程度しかなかった我々の売上規模は、2015年度には、GAP社と並ぶ水準に成長することができました。我々と同じように企画・デザイン・生産・販売を行う"アパレル製造小売業"で成功を収めているグローバル企業として、GAP社、ZARAブランドを展開するInditex 社、H&M社、L Brands 社などがあります。我々はこれらの企業以上の売上を達成し、世界No.1企業になることを目標としています。

ユニクロがZARAやH&Mといったファストファッションのブランドと差別化が図れているのは、ユニクロがめざすLifeWear (究極の普段着)というコンセプトにあると思います。ファッショントレンドを重視するブランドと、ユニクロがめざすものは異なります。私がユニクロを立ち上げたとき、「服は部品であり、着る人の個性が服を選ぶ。服に個性があるのではなく、着る人に個性がある」と考えていました。その思いは変わりません。お客様が服に求めているのは、日常をより快適にする服、着心地が良い服、生活を良くする服、自分らしさを楽しめる服だと思います。ユニクロはお客様が求める服を、つくり続けていきます。

 

株主還元は業績に連動した高配当を実施

成長のための投資資金、財務健全性のための内部留保、株主の皆様への利益還元といった配分を基本とし、業績に応じた高配当を方針としています。2016年8月期の1株当たりの年間配当金は前年度と同じ350円を実施しました。

今後も株主の皆様への利益還元を、経営の最重要課題のひとつであると考え、高配当を継続してまいります。

 

ページトップへ