最終更新日： 2024.05.10
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「全員経営」を実践する
ファーストリテイリングは今年、ユニクロ創業40周年、株式上場30周年を迎えます。この30年間で、我々の売上収益は約400倍になっています。創業以来、ファーストリテイリングは「社会にとって正しいことは何か」を常に考え、長期的な視野に立った経営を実践してきました。だからこそ、さまざまな困難に直面しながらも、持続的な成長が実現できたのだと思います。私が常に意識しているのは経営の「中身」であり、その結果として表れる業績です。つまり「正しい経営」を実行し、長期的な成長を続けることこそが、株主の皆様の信頼にお応えすることだと思っています。
この上期は、北米、欧州、東南アジアのユニクロ事業を中心に好調な業績となり、グループ全体でも過去最高の業績を達成しました。我々が掲げるLifeWearのコンセプトが、アジアだけでなく、北米や欧州のような服の文化の先進地域でも、より深く理解され始めていることで、さらに多くのお客様にファンになっていただけていると実感しています。
世界が一つの市場になったことで、ビジネスの構造は根底から変わり、世界で最も優れた商品やサービスだけがお客様から選ばれ、最も競争力をもつブランドが、どの国・地域でも圧倒的な支持を得る時代が来ました。そのような時代のなかで、従来の概念を超えた異次元の成長を実現したいと考えています。
すべての社員が、自分たちはどこに向かっているのかを理解し、常にグローバルな視点で何が最善かを考え行動する。そのうえで、各国・各地域のお客様のニーズに合った商品やサービスをつくり出し、提供する「グローバルワン 全員経営」を実践しなければなりません。世界各地で事業を始めてから20年以上が経過し、中国大陸をはじめ、その他の地域からも、現地で採用した人材が成長し、各国の経営者、経営者候補として活躍しています。こうしたグローバルで事業をリードできる人材が多く育ってきたことも、我々の成長の原動力です。今後も引き続き、経営幹部の育成を強化し、世界中で優れた人材によるチーム経営を実現していきます。
我々は「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という理念を実現するために商売をしています。ここにファーストリテイリングの原点があり、めざす場所があります。私はこの会社をまだ誰も実現した例がない、世界で最も信頼される会社にしたいと考えています。今後ともご支援をお願い申し上げます。
2024年5月
株式会社ファーストリテイリング
代表取締役会長兼社長 柳井 正
