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ユニクロの事業戦略

最終更新日: 2012.04.13
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素材、品質、機能性にこだわった独自商品を開発

企画・デザイン・素材調達・生産工場の品質管理・販売までの全プロセスを一貫して行うSPA(アパレル製造小売企業)のビジネスモデルの実現で、高品質な商品開発を可能にしました。

中国の生産工場ユニクロは、「今までにない新しい価値をもつ服を創造し、世界中のお客様に満足をお届けする」ことをめざして、圧倒的に品質が高い商品の開発を続けています。

お客様の声を大切にした商品づくり

ユニクロの商品開発には、お客様からのご意見・ご要望が欠かせません。ユニクロのカスタマーセンターに寄せられるお客様の声は、年間約7万件。ヒートテックを例にとると、「もっと柔らかい感触の暖かインナーがほしい」「発熱・保温機能だけでなく、肌の乾燥を防ぐ機能も加えてほしい」「色数をもっと増やしてほしい」というお客様の声を生かし、毎年改良を重ね続けてきました。だからこそ、完成度の高いウエアに仕上げることができたのです。

世界中から素材を調達しています

ユニクロの素材開発チームが高品質な素材をローコストで調達できるのは、世界中の素材メーカーと直接交渉を重ね、大量に仕入れているからです。例えば、ユニクロの顔ともいえるデニムは、世界的企業であるカイハラ株式会社から、ユニクロ仕様で紡績・染色された高品質のデニム生地を調達しています。また、ユニクロの定番商品であるエクストラファインコットンの無地Tシャツに、世界中の綿花から3%しか採取できないといわれている超長綿を使用できるのも、そうした努力の成果です。

生産工場への技術指導により、品質重視を実現

何百万枚、何千万枚といった大量の規模で、均一な品質の商品を生産するためには、工場の生産技術と生産管理といったクオリティーコントロールが重要です。ユニクロでは、日本の繊維産業で豊富な経験をもつ「匠」と呼ばれる技術者グループを中国の委託工場に派遣し、技術指導を行っています。同時に、生産管理部門の担当者は、上海事務所を基点に毎週工場に出向き、商品の品質チェックと生産進捗管理を行っています。

※ SPA(アパレル製造小売企業) → 用語集こちらをご覧ください。

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国内ユニクロは大都市圏での出店、大型店の出店でシェア拡大を目指す

大都市圏での出店加速

都道府県別ユニクロの販売シェア

ユニクロのブランドイメージと集客力がアップするにつれて、百貨店やファッションビルのデベロッパーにとっても、ユニクロは魅力的なテナントとして捉えられるようになりました。出店要望も増加しており、2009年からは百貨店や路面店への出店が加速しています。2011年9月には売場面積約1,000坪の日本最大級のユニクロが、東京・池袋の東武百貨店に誕生しました。

こうした立地の良い大都市の店舗は、お客様の人気も高く、売上の高い店舗です。客層の広がりを期待することもできるので、ユニクロブランドの価値をさらに向上していくこと ができます。これまでユニクロの場合、東京、大阪、名古屋、福岡などの大都市圏では、人口の割にユニクロの店舗数が少ないという現象が見られました。今後は百貨店、路面店、ショッピングセンターへの出店を加速させることで、大都市圏でのシェア拡大をめざします。

メンズの2倍強の規模があるウィメンズ市場

2010年の商業統計(経済産業省)では、百貨店、スーパー、衣服小売の販売合計額は10.7兆円です。そこから国内ユニクロの販売シェアを計算すると5.5%になります。メンズ商品におけるユニクロのシェアは8.9%、ウィメンズ商品のシェアは3.9%です。
国内アパレル市場・国内ユニクロの商品構成比

大型店のビジネスモデル確立で、着実な伸び

店舗大型化のイメージ 日本市場におけるユニクロは、ナンバーワンのアパレルチェーンとして、郊外型のロードサイド店を中心に全国へ店舗網を拡大してきました。2004年からはショッピングセンターの出店ブームの波に乗り、出店数を増加。2005年からは大型店の開発にも着手し、着実に日本国内の売場面積を伸ばしてきました。現在は、売場面積が200~250坪の標準店から500坪規模以上の大型店へと、出店の軸足が転換しています。

売場面積が拡大すると、1m2当たりの売上高や利益が低下するのが小売業の常識ですが、ユニクロでは収益性の高い大型店のビジネスモデルを確立しています。そのため大型店も、標準店の平均的な1m2当たりの売上高と営業利益を確保することができています。

国内ユニクロ:直営店の平均稼動売場面積及び1㎡当たり年間売上高 ユニクロは、1998年に首都圏初となる原宿店をオープンし、それを契機に2000年に大ブレークを迎えました。右のグラフの2000年度から2001年度までの1m2当たり売上高の上昇は、このブームによるものです。その後から現在に至るまで、1m2当たり年間売上高は約1百万円と高い水準を維持しています。

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海外ユニクロ事業の拡大

アジアで圧倒的なナンバーワンになる

2012年8月期の海外ユニクロ事業の売上高は1,600億円、営業利益170億円を予想。海外の売上高は、ユニクロ事業全体の20%を越えてきました。特に海外ユニクロ事業の売上高の7割以上を占めるアジア地区では順調に売上高、収益が拡大しています。

アジア市場では、中国・香港、韓国と出店を進めています。加えて、2009年4月にシンガポール、2010年10月に台湾、11月にマレーシア、さらに2011年9月にタイと、次々と出店エリアを拡大しています。アジアの新規出店国で熱狂的に歓迎されているユニクロは、これを拡大のチャンスと捉え、2012年8月期には出店を加速させることにしました。2012年8月期のアジア地区における出店数は、前年比倍増の100店舗を予定しています。

■海外ユニクロ:業績の推移

海外ユニクロ:業績の推移

■ユニクロ事業店舗数(予想は2012年4月12日時点)

2010年
8月期末
2011年
8月期末
2012年
8月期末
(予想)
期末前期比期末前期比期末前期比
日本808+38843+35852+9
中国54+2180+26142+62
香港13+215+216+1
台湾001+117+16
韓国48+1862+1481+19
シンガポール3+15+27+2
マレーシア002+24+2
タイ00004+4
フィリピン00001+1
英国14011-312+1
米国10103+2
フランス2+11-12+1
ロシア1+13+22-1
合計944+821,024+801,143+119

旗艦店によるブランドビルディング

パリ オペラ店(2009.10)

海外出店のもうひとつの重要な戦略となってくるのが、グローバル旗艦店を世界の主要都市に出店していくことです。グローバル旗艦店は、ユニクロの「高品質でベーシック」というブランドコンセプトを世界中の人たちに伝える情報発信基地の役割を果たしています。

2006年秋にニューヨークのソーホー地区に初のグローバル旗艦店をオープンして以来、ロンドン、パリ、上海、大阪心斎橋、台北、ニューヨーク5番街、ソウルにグローバル旗艦店を出店、2012年3月には9番目となるグローバル旗艦店を銀座に出店しました。

グローバル旗艦店

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ヒートテックの開発

ユニクロ×東レの相乗効果で生まれたヒートテックは、
「体感」が「感動」へとつながる機能性インナーです。
インナーの常識を超える「着ていないような気持ち良さ」で、
高い人気を獲得しました。

ヒートテックUネックT綿のインナーが中心だったユニクロに「機能性インナーがほしい」という強い思いが出発点となり、開発されたのがヒートテックです。当初はメンズ向けに発熱・保温・ドライ(吸汗速乾)機能をあわせもつ秋冬向けの「暖かインナー」として2004年秋冬にデビューしました。翌年にはウィメンズ向けにも販売を開始。従来のヒートテックの糸にミルクプロテイン(脱脂粉乳)を練りこむことにより、しっとりとした風合いとしなやかな感触を出すことに成功しました。その結果、2007年秋冬には生産が追いつかないほどの人気を博しました。

ユニクロはけっして妥協することなく、常に世界品質の商品づくりをめざしています。2006年6月に結んだ東レとユニクロの戦略的パートナーシップも、その現れです。ユニクロがめざす世界品質に、東レは技術力と生産力で応え続け、ヒートテックの原糸も飛躍的な進化を遂げました。ヒートテックに使われているのは、LOC Ⅱ "セオalpha" ®と呼ばれる化学繊維です。しなやかなのに強く、発色性に優れています。この原糸の進化が、ヒートテックの優れた機能性を生み出しているのです。東レの石川工場ではヒートテック専用の製造ラインを増設し、需要の高まりに対応しています。

しなやかな薄さは、ヒートテックの大きな特徴です。生地の伸びとストレスフリーの感触は、「着ていないと思うほどの気持ち良さ」を生み出し、お客様に大きな感動と満足感をもたらしています。2011年秋冬には、全世界でインナー、靴下、ウォーマー類、ジーンズなど全てのヒートテック商品を含む1億枚を完売しました。

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