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トップコミットメント

最終更新日: 2008.04.24
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世界を良い方向に変えていくためには、まず自らが変わらなくてはならない。

代表取締役会長兼CEO 柳井 正「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」これがファーストリテイリングの掲げるステートメントです。「衣服のあり方」を変えることで世界の人々の暮らしを豊かにしていく。常に正しい経営を追求し、次世代の世界基準を創造することで、世界をより良い方向に変えていく。それがファーストリテイリングの目指すCSRのあるべき姿です。

ニューヨーク旗艦店の成功によって、中核事業であるユニクロは、グローバル市場で一定のポジションをとれる基盤を確立しました。2007年11月にはロンドンに旗艦店をオープン、期日は未定ですが、パリの中心街にもグローバル旗艦店の出店が決定しています。ユニクロ事業以外にも、さまざまな関連事業に進出し、グループ経営は加速しています。そして2010年にはグループ売上高1兆円、経常利益1,500億円の達成を目指しています。

こうした新しいステージに立つファーストリテイリングにとって社会的責任を果たすということは決定的に重要です。自分たちが考えていることが海外でも通用するのか。海外で行われていることで、自分たちが本来やるべきことはないか。そういう意識をもって、国や地域を超えて通用するCSR活動を行っていかなくてはなりません。

法令遵守は当たり前です。それだけでは明らかに受け身であって、もっと能動的に「私たちは自分の意志としてこうします」というものを提示しなければなりません。自分たちは何者で、過去に何をしてきて、これから何をしようとしているのか。その中でファーストリテイリングはステークホルダーとどのような関係を築こうとしているのか。それを明らかにする必要があります。こうした情報発信や情報開示がなければ、グローバルな市場で受け入れられ、まして尊敬される企業になることはできません。

「あらゆる人が良いカジュアルを着られるようにする、新しい日本の企業です」。これが私たちの原点です。あらゆる人を対象にする。それは服を売る企業としては珍しいことかもしれません。あらゆる人にとって良い企業とは何か。普遍的に良いこととは何か。その答えを常に求めながらCSRを進めていかなければなりません。

日々のさまざまな選択肢において判断に迷ったら「何が社会にとって良いことか」を考えて判断する。自分たちがステートメントに掲げている社会的使命に照らして、どの方向に進むべきかを考える。時にはその判断が会社の短期的な利益に反することもあるかもしれません。その時に判断が揺らぐことがないよう、世界共通の具体的な判断基準を確立する努力をさらに重ねていきます。それなしにはCSR活動の遂行は不可能であると考えています。

またグループ企業の数が増え、地域的にも広がり、人の数も増えてくると、自らが大切にしていることをいかに共有していくかが大きな課題となります。単にその企業に出資し、資本的につながっているだけではグループの意味はありません。企業としてのあり方、そこで働く個人のあり方についても、グループとしての価値観を伝え、共有していくための努力を積み重ねていくことが必要です。

CSRレポートは2006年に初めて刊行し、今回が第2回目になります。この1年間、関係各位のご支援のもと、未熟ながらもCSR活動に地道に取り組み続けるというカルチャーは社内に根づき、着実に前進してきたように思います。

企業とは本来、自らの事業で付加価値を生み出し、獲得した利益から税金を納め、雇用を創出し、維持する。それによって社会に対する責任を果たしていく存在です。またその利益を株主やお取引先、自社の従業員に適切に配分していくことも重要な社会的責任です。さらにグローバルに活動する企業として、社会や人々に対して、国や地域、民族などの違いを超えて、どのような貢献ができるのか、これも真剣に取り組むべき課題です。

2006年9月にトライアルで開始した全商品リサイクル活動は、継続的な活動が必要と判断し、その後も定期的に実施しています。ご提供頂いた衣料はエネルギー資源や繊維へとリサイクルすると共に、難民キャンプなどの救援衣料としてリユースするなど意義のある活動に積極的に活用しています。このレポートでもご報告しているように、こうした活動は今後も積極的に取り組んでいきます。

ダイバーシティの推進も大きなテーマです。私たち日本人は知らず知らずのうちに日本国内と同じ基準で海外でも行動したり、発言したりしがちです。ダイバーシティの観点からも、異なる文化や社会について常に学び続ける姿勢が必要です。同時に、「自分たちは何者であるか」を相手に伝えていく努力が求められます。

環境問題への取組みについては、私は、企業として環境負荷を低減する最大の方法は経営の効率化だと考えています。無駄な事業をやっていないか、最低限の資源で最大の付加価値を生むためにどうするか。ファーストリテイリンググループとして、環境負荷を最小限にするために今後も効率的な経営に取り組んでいきます。

CSRに対するこの1年間の取組みを通して痛感したのは、遵法精神だけでは不足だということです。他の企業ではできないようなファーストリテイリングらしい独自の活動をもっと積極的にやっていく必要があります。

今後も、ファーストリテイリンググループとして、開発途上の国や地域で生産を続けていくことになるでしょう。その過程で繊維製品の生産活動を通じて、開発途上国の生活向上にも貢献していきたいと考えています。例えば、現地の生産パートナーと協力して学校を開設し、教育を受ける機会の乏しい人々に職業教育を提供するといったことも一案でしょう。生産パートナーの一部にはそうした教育施設をすでにもっているところもあり、利益の一部を拠出するなどして協力する方法も考えられます。

私たちのCSR活動は世界の先進的な企業に比べれば、その歩みはまだまだ未熟です。私たちには知らなければならないことがたくさんあります。もっと知るべきことがあるという自覚を前提に、もっと深く学ばなければいけない。グローバル化した世界で働くとはそういうことだと思いますし、会社としてもそうした学習の機会をさらに増やしていきたいと考えています。

これまでの活動を通じて私たちが確信しているのは、世界を良い方向に変えていくためには、まず自らが変わらなくてはならない。そして自らが能動的に変われば、世界を良い方向に変えていくことは必ずできるということです。

今後とも変わらぬご支援、ご助力をお願いします。
2008年1月

株式会社ファーストリテイリング
代表取締役会長兼社長
柳井 正

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