最終更新日: 2025.06.17
6月20日「世界難民の日」 ファーストリテイリングが難民の支援活動を拡充 新たな難民支援の形として「難民映画基金」への支援を開始
株式会社ファーストリテイリング
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ファーストリテイリンググループは、6月20日「世界難民の日」に先立ち、6月16日に難民支援活動メディア説明会およびユニクロ「PEACE FOR ALL」3周年記念トークセッションを、国連難民高等弁務官事務所(以下UNHCR)のご協力のもと大阪・関西万博にて開催しました。
ユニクロは、大阪・関西万博の国連パビリオンにて、UNHCRとのグローバルパートナーシップのもと、2025年6月16日(月)から6月22日(日)の期間、難民支援に関する共同展示を行います。展示会場では、ユニクロのチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」の取り組みについてご覧いただけるほか、「PEACE FOR ALL」の新コレクションを6月20日発売に先駆けて先行販売します。
第一部 UNHCR・ファーストリテイリンググループ難民支援活動メディア説明会
2025年6月発表、世界の難民問題に関する最新状況
- UNHCR 次期駐日代表の柏 富美子氏が、6月12日にUNHCRが公開した年間統計報告書の最新版「グローバル・トレンズ・レポート 2024」について発表。「2025年4月末時点で故郷を追われた人の数は1億2,210万人に達しました。これは日本の人口に匹敵する数字であり、世界では67人に1人もの人が、紛争や迫害により避難を強いられているということになります」とし、継続的かつ包括的な支援の必要性を訴えました。
- 国連難民高等弁務官 フィリッポ・グランディ氏は本日、ビデオメッセージを通じて「UNHCRは、緊急支援や難民の権利と暮らしを守る上で重要な役割を果たしていますが、各国の政府や民間企業、そして皆さん一人ひとりの力がリソースを動かし命を守る支援を届けるためには必要不可欠です」と述べました。
ファーストリテイリング 取締役グループ上席執行役員 柳井康治のコメント
ファーストリテイリングは2006年から、世界の難民・国内避難民を支援するためUNHCRと協業してきました。グローバルに展開する服のビジネスの基盤を活かし、紛争や災害などによって難民となってしまった方々に対する衣料支援に加え、教育や専門技術を身につけるトレーニングの提供などを通した自立支援や雇用支援など包括的な難民支援を行っています。また新たな難民支援の形として映画を通じた支援も開始しました。
決して見すごすことのできない数に達している難民問題の解決に向け民間企業の果たせる役割は大きく、UNHCRのグローバルパートナーであるファーストリテイリングは、今後も難民支援活動の継続とさらなる貢献をしていきます。
ファーストリテイリンググループの難民支援活動のあゆみ(一部抜粋)
- 2001年にNPOとともにアフガニスタン難民にエアテックジャケット12,000着を寄贈。
- 2006年からはUNHCRと協働し、難民キャンプへの訪問や衣料支援を開始。2011年にはUNHCRとのグローバルパートナーシップを締結。
- 2011年からユニクロ事業で難民雇用を開始し、2025年5月時点では日本国内のユニクロやジーユーの店舗などで59名の難民が就労。アメリカやドイツなど海外事業でも難民雇用を推進。
- 2022年からバングラデシュでロヒンギャ難民の自立支援プロジェクトを開始し、2024年末までに773人の難民女性たちに縫製技術のトレーニングを提供。2024年には年間425万枚以上のサニタリーナプキンやショーツを生産。
- 2022年には平和を願うチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」をスタートさせ、2025年4月までに710万枚以上のTシャツを販売し、UNHCRを含む人道支援団体への寄付額は21億円を超える。
- 2023年にUNHCR主催によるGlobal Refugee Forum参加し、この機会が「難民映画基金」の立ち上げにつながる。
- 2024年に新たな活動「The Heart of LifeWear」を立ち上げ、ヒートテック100万点を世界中の必要とする方々に寄贈。
- 2025年に「難民映画基金」のサポートを開始。
ユニクロが新たな難民支援のプロジェクトとして「難民映画基金」(Displacement Film Fund) を支援
2025年1月に設立した「難民映画基金」に対し、ユニクロは創設パートナーとして10万ユーロの寄付を行いました。今回、ファーストリテイリング取締役グループ上席執行役員 柳井康治より、本基金創立の背景や目的について説明をいたしました。
ユニクロは、難民の映画制作者を支援することで、「MADE FOR ALL」という理念と映画の力を結びつけ、より多くの人々に難民の物語を届けるとともに、世界の難民問題への理解と関心を深めるきっかけを創出します。
会場には、本基金の運営をリードするロッテルダム国際映画祭マネージングディレクター クレア・スチュワート氏と、基金から支援を受ける5名の映画制作者のうちの一人である、シリア出身のハサン・カッタン氏にも登壇いただきました。
クレア・スチュワート氏は、「難民支援は喫緊の課題であり、才能や経験のある映画制作者もこのような状態に直面していることに対し、私たちの取り組みを開始しました。ユニクロのパートナーシップはこの取り組みに不可欠です。ユニクロのグローバルな影響力は、我々が支援する映画製作者や作品の認知向上に、大きく貢献してくれるからです」とユニクロへの期待を語りました。
また、選出監督のハサン・カッタン氏は、支援の話を受けた時の心境を「あの頃は世界中で様々な出来事が起きていて、本当辛い時期でした。なので、この助成金に選ばれたことは、私にとって非常に重要なチャンスでした。まるで希望の光でした。」と語り、「世界の難民に何が起こっているのか、もっと多くの人に知ってもらう必要があります。私にとって、ドキュメンタリー映画を作ることは、難民の命の物語を語る唯一の方法であり、生きる道でもあります。」と作品制作への想いを語りました。
第二部 「PEACE FOR ALL」3周年記念トークセッション
ユニクロのチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」は、2022年6月の始動から3周年を迎えました。これを記念し、第二部では、6月20日に発売されるTシャツの新たなコラボレーターの俳優・役所広司氏をお迎えし、「伝えるチカラ」をテーマにトークセッションを実施しました。
「PEACE FOR ALL」では、これまでに43組のコラボレーターが参加し、7,192,387枚*1のTシャツを販売。その売り上げによる寄付額は2,157,716,100円*2を達成しています。(*1*2 2025年4月末時点)寄付金は、難民支援をはじめ貧困、差別、暴力、紛争、戦争によって被害を受けた人々を支援する、UNHCRをはじめ国際的な団体へと寄付されます。
トークセッションで役所氏は、主演を務めた映画『PERFECT DAYS』の印象的なワンシーンに「こんどはこんど、今は今。」という主人公のセリフを添えた自身のコラボレーションTシャツに込めた思いを、「セリフは、映画の中で主人公の平山が姪っ子に諭すようにかけた言葉なのですが、未来や過去のことで思い悩むよりも今この瞬間を大切に生きていれば痛みも悩みも消えていくんだよ、と本当は伝えたかった言葉なのではないかなと思いを込めました」と語りました。また、役者を通じて「伝える」ことへの向き合い方についても、「受け手側に深く豊かに伝えるために、言葉過多にならないように気を付けます。それぞれ受け取り方が異なるので、相手の心や頭で考える余地があったほうが会話の質が高まると思います。」と話されました。
6月20日(金)には、役所広司氏とイチロー氏が新たなコラボレーターとして参加、アカマイ・テクノロジーズと佐藤可士和氏の新デザインを含め全4柄の新コレクションが発売されます。
第三部 国連パビリオンのUNHCR・ユニクロ「PEACE FOR ALL」共同展示の内覧
役所氏が国連パビリオンを訪問。ユニクロ「PEACE FOR ALL」の展示を興味深くご覧になった役所氏は「過去、現在、未来と時系列で現状が分かる展示がとても素晴らしく感動しました。これまで報道ではよく見ていたが、日常では忘れてしまいがちなので改めて知ることができて良かったです」と感想を述べられました。また、展示されているご自身のTシャツにサインをしていただきました。
<参考情報>
ファーストリテイリングとUNHCRのグローバルパートナーシップについて
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、難民支援をサステナビリティ活動の柱の1つとして位置付け、2006年からUNHCRと連携し世界の難民・国内避難民への衣料支援を行ってきました。2011年には、より包括的に世界の難民問題の恒久的な解決に寄与するため、アジアの企業として初めてUNHCRとグローバルパートナーシップを締結。店舗で回収した衣料の難民キャンプなどへの寄贈をはじめ、難民の自立支援プログラム、ユニクロ・ジーユー店舗での難民雇用、難民問題の啓発活動などを行っています。
https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/community/refugees.html
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)について
UNHCRは1950年に設立された国連の難民支援機関です。紛争や迫害により故郷を追われた難民や国内避難民・無国籍者などを国際的に保護・支援し、難民問題の解決に対して働きかけています。1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞。スイス・ジュネーブに本部を置き130カ国以上で援助活動を実施。
https://www.unhcr.org/jp/
「PEACE FOR ALL」について
「PEACE FOR ALL」は、「世界の平和を心から願い、アクションする」という趣旨に賛同した著名人の方々にボランティアでご協力をいただき、それぞれの平和への願いをデザインしたTシャツを販売するものです。このプロジェクトの主体であり、ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリングが、利益の全額(1枚当たり販売金額の20%相当)を、貧困、差別、暴力、紛争などによって影響を受けた人々に対して人道的支援を行っている3団体(UNHCR、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル)に寄付し、寄付金は国際的な平和のための活動に充てられます。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/special-feature/peace-for-all
「難民映画基金」(Displacement Film Fund)
「難民映画基金」は、避難を余儀なくされた映画制作者、または避難民としての経験を描いた実績のある映画制作者の活動を支援し・助成するために設立されました。2025年のロッテルダム国際映画祭(IFFR)において、UNHCR親善大使であるケイト・ブランシェット氏が発表し、マスターマインド、ユニクロ、オランダの文化支援財団ドローム・エン・ダード、慈善財団のタマーファミリー財団、難民支援NGOのアマホロ連合が創設パートナーとして名を連ねています。ヒューバート・バルス基金を運営パートナー、UNHCRを戦略パートナーとし、短編映画への助成制度のパイロット版として開始しています。ユニクロは、創設パートナーとしてサポートしています。2025年、支援を受ける映画制作者は、マリナ・エル・ゴルバチ氏(ウクライナ出身)、モ・ハラウェ氏(ソマリア出身)、ハサン・カッタン氏(シリア出身)、モハンマド・ラスロフ氏(イラン出身)、シャフルバヌ・サダト氏(アフガニスタン出身)の5名です。
ユニクロのサステナビリティ冊子「服のチカラ」
2009年から発刊がスタートした「服のチカラ」は、服を通してあらゆる人の生活をより豊かにし、持続的な社会への貢献を目指すユニクロのフィロソフィーを伝える小冊子です。2025年6月13日(金)に配布を開始したNo.28の特集テーマは「映画と難民」です。日本国内のユニクロ全店舗のほか、世界難民の日の特別企画として、6月16日(月)より大阪・関西万博国連パビリオンにて期間限定で配布。
特設ページ(日本語版):https://www.uniqlo.com/jp/ja/news/tag/557/
●ユニクロのサステナビリティの取り組みは、以下のページをご覧ください。
●UNHCRとのパートナーシップについては、こちらをご覧ください。
●国連UNHCR協会による募金活動の公式支援窓口については、こちらをご覧ください。