キャリア構築も働き方も様々。さらに多様な選択ができる環境をつくる
ユニクロ MD部 部長
※所属・役職は取材時のもの
ユニクロに2001年に入社してからを振り返ると、大きな変化がいくつもありました。ユニクロの店長からグループブランドへ出向し、その後、店舗から商品企画を行うマーチャンダイジング(MD)部に異動しました。MD部では担当する商品のカテゴリーが3回変わっています。MD部リーダーになって3年目で第一子、その4年後に第二子を出産。どちらも約1年半の産休・育休を取得し、2度目の育休復帰から約1年後、現職であるMD部の部長に任命されました。 私はけっして「デキる社員」ではありません。何事も器用にこなせるタイプではないので、周囲に比べて昇進昇格も遅かったです。そんな私ですから、第一子の育休復帰後すぐに行き詰まりました。育休中は最高に幸せだったのに、仕事に復帰してからも子育ての理想が高くて手を抜けず、自分でつくったルールに縛られて、毎日ギリギリで子育てと仕事をしていたからです。 しばらくして、当時の上司から担当部門変更の打診を受けました。子育て中の私への配慮だったと思います。感謝する一方で、リーダーとして期待に応えられていない自分にもどかしさを感じました。しかし、この異動の経験で私の原点に立ち返りました。 私の原点とは、どんなときも変わらず目の前の仕事に真摯に取り組み、同じゴールに向かって誰もが気持ち良く働けるチームをつくりたいという思いです。原点に立ち返り、「仕事は一人ではできない。一人ひとりの個性と能力を引き出して、チームで成果を出していこう」と目標を立てて、新しい部署で挑戦しようと決心しました。変化を受け入れたことで、ようやく前に進めたのです。
チームのメンバーは国籍も経験もバッググラウンドも様々です。価値観やキャリア構築への考え方もそれぞれ違います。この違いが、ユニクロと私たちのチームの強みです。 ユニクロがつくっているのはLifeWear。世界中のお客様に「あらゆる人のための服」をお届けしていますから、多様性豊かなチームだとお客様の本当にほしいものが分かりやすく、より喜ばれる商品づくりができます。 社員にも良い影響があると思います。多様性豊かなチームで働くと自分とは異なる視点や考え方を知る機会が増えるので、仲間の価値観やキャリア構築を参考にして、自分らしい働き方や貢献の仕方を見つけやすくなるからです。 働く女性の多くがライフステージの変化に合わせたキャリア構築に不安を抱えています。私もマイルールという固定観念に縛られて身動きが取れなくなる経験をしましたが、脱することができました。だからこそ、私自身の経験を伝えて、子育て中の社員のロールモデルの一人になりたいと思っています。
私たちMD部のミッションは、多くのお客様に喜ばれる商品をつくり、お届けすることです。高い水準でこのミッションを達成するには、チームワークの良さが重要です。 チームワークの良さは、メンバーが気持ちよく働き、それぞれの能力を存分に発揮できる環境から生まれます。私は自分だけでなく、チームとして気持ちよく働くために、業務の優先順位を明確にし、必要に応じて統合や効率化を進めてきました。そうして、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献したことが評価されて、部長に任命されたのだと思います。 キャリアアップと活躍の場を広げる道は一つではありません。仕事へのアクセルを全力で踏み込めない時期があっても、その間に経験することは必ず役立ちます。私自身、子育てをしながら働き方や時間の使い方の工夫を重ねてきたことが、日々の業務でも活かされています。多くのお客様に喜ばれる商品をつくるという目標をしっかりと持っていれば、活躍の場を広げる機会はたくさんあると私は実感しています。 ライフステージの変化を理由に可能性を狭める必要はありません。リーダー時代も、部長になってからも、仕事へのスタンスは変わっていませんが、部長という立場になって、社内への発信力や影響力は大きくなり、目指す姿に向かってリードできる領域が広がりました。私はこれからも世界中のお客様に支持されるLifeWearをつくるために、一緒に働く人たち皆とさらに働きやすい環境をつくっていきたいと考えています。
期待されているから、成長できる。「もっとできる!」と思える私に変わった
多様性豊かな個性と才能を集結し、高いクリエイティビティを発揮する