最終更新日: 2025.04.10
ファーストリテイリング 2025年8月期 第2四半期決算サマリー
株式会社ファーストリテイリング (209KB)
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【決算ハイライト】
■2025年8月期上期の連結業績:大幅な増収増益。過去最高の業績
- 売上収益は1兆7,901億円、前年同期比12.0%増、営業利益は3,042億円、同18.3%増。
- 日本、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州のユニクロ事業は、大幅な増収増益と好調。
- 親会社の所有者に帰属する中間利益は2,335億円、同19.2%増。中間配当金240円を含め、年間の配当金は480円、前期比で80円の増配を予定。
■国内ユニクロ事業:大幅な増収増益。気温に合わせた商売を展開し、過去最高の業績
- 売上収益は5,415億円、前年同期比11.6%増、営業利益は976億円、同26.4%増。
- 気温に合わせて戦略的に商品とマーケティングを展開したことで、既存店売上高は9.8%増と好調。
- 粗利益率は値引率が改善し同0.8p改善。販管費比率は人件費比率や賃借料比率が低下し、同1.4p改善。
■海外ユニクロ事業:大幅な増収増益。過去最高の業績
- 売上収益は1兆141億円、前年同期比14.7%増、営業利益は1,685億円、同11.7%増。
- グローバルでコア商品への支持が高まっていることに加え、欧米を中心に新規出店が大成功。
- 東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、大幅な増収増益。韓国は増収増益。
- グレーターチャイナは、現地通貨ベースで減収減益。中国大陸は消費意欲の低下、地域間の気温差が激しいなかで、各地のニーズに合った商品構成への対応が不十分だったことで、減収減益。
■ジーユー事業:増収減益
- 売上収益は1,658億円、前年同期比3.9%増、営業利益は139億円、同9.3%減。
- 気温に左右されにくいマストレンドのヒット商品が十分になかったこと、売れ筋商品が欠品したことで、既存店売上高は若干の増収にとどまる。
- 米国旗艦店の出店費用や日本国内での広告宣伝費の増加により、販管費比率が上昇し、減益。
■グローバルブランド事業:減収、営業利益は黒字化
- 売上収益は677億円、前年同期比2.3%減、営業利益は9億円と、前年の赤字から黒字に転換。
- セオリー事業で減収となるも、すべての事業で、粗利益率、販管費比率が改善し営業利益は黒字化。
■2025年8月期の連結業績予想:利益を増額修正、過去最高の業績
- 売上収益3兆4,000億円、前期比9.5%増、営業利益5,450億円、同8.8%増、親会社の所有者に帰属する当期利益4,100億円、同10.2%増を見込む。
- 営業利益は150億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は250億円、増額修正。
- 1株当たり年間配当金は、中間配当金240円を含め、年間480円を予想。年間で前期比80円の増配を見込む。
業績概要
■国内ユニクロ事業:大幅な増収増益。気温に合わせた商売を展開し、過去最高の業績
国内ユニクロ事業の上期の売上収益は5,415億円(前年同期比11.6%増)、営業利益は976億円(同26.4%増)と、大幅な増収増益となりました。気温に合わせて戦略的に商品とマーケティングを展開したことで、通年商品や防寒衣料を中心に販売が好調だったことに加え、インバウンド販売も拡大したことで、既存店売上高(Eコマースを含む)は同9.8%の増収となりました。売上総利益率は、値引率が改善したことで、同0.8ポイント改善しました。売上高販管費率は、人件費比率や賃借料比率が低下したことで、同1.4ポイント改善しました。
■海外ユニクロ事業:大幅な増収増益。過去最高の業績
海外ユニクロ事業の上期の売上収益は1兆141億円(前年同期比14.7%増)、営業利益は1,685億円(同11.7%増)と、大幅な増収増益となりました。東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、大幅な増収増益と、グローバルでユニクロのコア商品に対する支持が高まり、業績の拡大が継続しています。
地域別の業績(現地通貨ベース)については、中国大陸は、前年同期比約4%の減収、営業利益は同約11%の減益となりました。これは主に、市場全体で消費意欲が低下していることに加え、過去に比べて地域間の気温差が激しいなかで、各地のニーズに合った商品構成への対応が不十分だったことによります。香港は減収、大幅な減益、台湾、韓国は増収増益となりました。東南アジア・インド・豪州地区は、大幅な増収増益となりました。ブラトップやイージーボトムス、ジーンズといった夏物商品、年間定番商品に加えて、ヒートテックやパフテックなどの冬物商品の販売も好調で、既存店売上高は増収となりました。北米と欧州は大幅な増収増益と、大変好調な業績となりました。冬物コア商品の販売が好調だったことに加え、新規出店した店舗も大成功を収めました。店舗の販売好調に伴い、現地でのユニクロの認知度が高まったことで、Eコマース販売もさらに拡大しました。「店舗がメディア」となることで顧客層が拡大する好循環が生まれています。
■ジーユー事業:増収減益
ジーユー事業の上期の売上収益は1,658億円(前年同期比3.9%増)、営業利益は139億円(同9.3%減)と、増収減益となりました。バレルレッグパンツ、ヒートパデッドアウター、コージーメルトンアウターが好調な販売となりましたが、気温に左右されにくいマストレンドのヒット商品の不足や、売れ筋商品の欠品により、既存店売上高は若干の増収にとどまりました。営業利益は減益となりましたが、これは、米国に旗艦店を出店したことに伴い、賃借料、本部費が増加したことに加え、日本で戦略的にテレビCMを増やしたことで広告宣伝費が増加したことによります。
■グローバルブランド事業:減収、営業利益は黒字化
グローバルブランド事業の上期の売上収益は677億円(前年同期比2.3%減)と減収となりましたが、営業利益は9億円(前年同期は17億円の赤字)と黒字化しました。これは主に、セオリー事業が販売に苦戦し減収となった一方で、すべての事業で売上総利益率と売上高販管費比率が改善したことによります。
セオリー事業は、減収増益となりました。アジア事業が消費意欲の低迷の影響を受けたことに加え、今のライフスタイルに合ったカジュアルウェアの提供が不十分だったことで、減収となりました。営業利益は、売上総利益率と売上高販管費比率が改善したことで増益となりました。プラステ事業は、増収、営業利益は黒字化しました。売れ筋商品の在庫を戦略的に準備したことや、店舗オペレーション、売り場づくりの改革を進めたことで、好調な販売となりました。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が約3割減少したことで減収となりましたが、お買い求めやすい価格帯へ見直した商品の販売が好調で、既存店売上高は大幅な増収、赤字幅は縮小しました。
■2025年8月期の連結業績予想:利益を増額修正、過去最高の業績
2025年8月期の通期の連結業績は、売上収益3兆4,000億円(前期比9.5%増)、事業利益5,400億円(同11.3%増)、営業利益5,450億円(同8.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,100億円(同10.2%増)と、過去最高の業績を見込んでいます。上期の業績の上振れを反映し、通期の事業利益は100億円、営業利益は150億円、増額修正しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融収益・費用の見込み額を修正し、250億円の増額修正となりました。1株当たり年間配当金は、直近予想から年間で30円増額修正し、中間配当金240円、期末配当金240円、合わせて480円を予想しています。前期と比べて年間で80円の増配です。
セグメント別では、海外ユニクロ事業は、下期、通期ともに売上収益は大幅な増収、営業利益は、1桁の増益となる見込みです。これは、昨年は減損損失の戻し入れ益などの一過性の利益を計上している一方で、今期は見込んでいないことに加え、米国のユニクロ事業が米国政府が発表した相互関税や追加関税の影響を受けるという仮定を織り込んでいるためです。地域別では、グレーターチャイナは、下期は若干の増収増益、通期は若干の減収、営業利益は減益となる見込みです。韓国は、下期、通期ともに、増収増益。東南アジア・インド・豪州地区は、下期は大幅な増収、営業利益はロイヤリティ費用の増加の影響を除くと、大幅な増益となる予想です。通期は、大幅な増収増益となる見込みです。北米は、下期の売上収益は大幅な増収となる見込みですが、事業利益は減益となる見込みです。これは、主に米国政府が発表した相互関税、追加関税の影響を受け、粗利益率が低下すると仮定しているためです。下期の営業利益は、昨年一時的に発生した減損損失の戻し入れ益を、今期は見込んでいないため、約2割程度の減益を見込んでいます。この結果、通期では、売上収益、事業利益は大幅な増収増益、営業利益は1桁の増益を見込んでいます。欧州は、下期、通期ともに大幅な増収増益となる見込みです。国内ユニクロ事業は、下期は増収、若干の増益、通期は、増収、大幅な増益となる見込みです。ジーユー事業は、下期は若干の増収、営業利益は前年並み、通期は増収となるものの、営業利益は減益を見込んでいます。グローバルブランド事業は、下期は減収、営業利益は前年並み、通期は減収増益となる予想です。
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