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人権・労働環境

最終更新日: 2018.06.29
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人権・労働環境に対する基本姿勢

ファーストリテイリングの事業活動が、サプライチェーンの労働環境や人権に与える影響とその責任範囲は、グローバルな事業展開とともにますます拡大しています。そのため、ファーストリテイリングは取引先工場との強固なパートナーシップを通して、素材や服の生産活動に関わるすべての人々の健康や安全、人権と法律で保証された権利が守られる労働環境を目指しています。

コミットメント

  • サプライチェーンにおける労働環境面での課題の特定・解決のため、取引先工場との連携を深め、責任ある調達を実践する。
  • ステークホルダーとコミュニケーションを密に行うとともに、適時適切に情報を開示する。

「世界最高水準の服づくり」を取引先工場と実現

ファーストリテイリンググループは、取引先との強固なパートナーシップにもとづく「世界最高水準の服づくり」の実現のため、以下の「三つの品質」を重視しています。

  • 1. 社会品質:
    生産現場で適正な労働環境が担保され、地球環境や動物愛護などに配慮されたプロセスで生産すること。
  • 2. パートナーシップ品質:
    世界最高水準の取引先工場と長期的な視野で互いの成長を目指して取り組むこと。
  • 3. ビジネスプロセス品質:
    高い精度と効率で仕事をすること。

サプライチェーンにおけるサステナビリティ推進

生産パートナー向けのコードオブコンダクト

ファーストリテイリングの生産体制は、取引先工場と同じ理想、同じ理念を共有し、ともに成長していくために、取引先数を絞り、工場と一体となって生産活動を進めていくところに特徴があります。ファーストリテイリングは2004年、「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」を制定しました。さらに2016年9月には、公正労働協会(FLA)との取り組みの一環として、ファーストリテイリングのコードオブコンダクトを国際基準に沿ったものにするべく、内容を一部改訂しました。コードオブコンダクトは日本語、英語、中国語で開示しています。取引先工場には、このコードオブコンダクトを基準として、労働環境モニタリングを実施しています。

生産現場の労働環境を第三者の専門機関が監査し、ファーストリテイリングが取引先工場に対して評価をフィードバックします。改善が必要な工場には、サステナビリティ部が直接訪問し、現場で取引先工場とともに、問題の根本的原因の特定と、改善活動に取り組んでいます。取引先工場には、このコードオブコンダクトに合意し、 順守を誓約することを義務づけています。

「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」

・法的要求事項
・児童労働
・強制労働
・抑圧およびハラスメント
・差別
・健康と安全性
・組合結成の自由
・賃金と諸手当
・労働時間
・環境保護
・文書化とコミュニケーション
・モニタリングおよび本コードオブコンダクトの順守
・是正措置
・再委託及び資材調達
・透明性及び誠実性

主要取引先工場のリストを開示

サプライチェーンの透明性を高め、適正な労働環境の実現と人権問題・環境問題の解決に一層の責任を果たす目的で、2017年2月にユニクロ、同年12月にジーユーの主要取引先工場のリストをファーストリテイリングのウェブサイトに公開しました。

業界団体や他ブランドとの連携強化

ファーストリテイリングは、当社の服の生産・物流・販売活動に関わるすべての人々が、安心・安全な労働環境で働く権利があると考え、業界全体の変革を目指す団体と連携しています。

関連リンク

カリフォルニア州サプライチェーンの透明性に関する法律(SB657)および英国現代奴隷法2015について

ファーストリテイリングは、「カリフォルニア州サプライチェーンの透明性に関する法律(SB657)」および「英国現代奴隷法2015」の定めに従い、2017年(会計年度)に声明を公表しました。

工場の労働環境モニタリング

取引先工場(縫製工場、素材工場)のモニタリング

ファーストリテイリングは、「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」の各項目について、縫製工場と素材工場を対象にした労働環境モニタリングを実施し、その結果を開示しています。

労働環境モニタリングでは、取引先工場の労働環境や環境対応を第三者の専門機関が定期的にモニタリングし、ファーストリテイリングがその評価を取引先工場に伝えています。改善が必要な工場については、ファーストリテイリングの従業員が直接訪問し、取引先工場とともに改善活動に取り組みます。また、新規に取引を開始する工場に対しては「事前モニタリング」を実施することで、早期に労働環境の改善に着手できるようにしています。

2015年からは、国際労働機関(ILO)と国際金融公社(IFC)の共同プログラム「ベターワーク」によるモニタリングも実施しています。複数ブランドによる縫製工場へのモニタリングや改善活動の重複を減らすことで、より労働環境の改善に注力できるよう支援しています。

労働環境モニタリングの仕組み

労働環境モニタリング結果

ファーストリテイリングの「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」を順守している工場はA評価、人権侵害や労働環境上の問題が見つかった工場についてはその深刻度を審査し、B~Eのグレードで評価します。比較的リスクの低い軽微な違反が指摘された工場は、B評価になります。C評価は、工場に人権を侵害する恐れや現地の法規制に違反する安全衛生上の違反(例えば、工場従業員にマスクや手袋などの作業用保護具が適切に支給されていないなど)が見つかった場合に適用されます。D評価は、人権侵害や安全衛生、賃金や福利厚生上の重大な違反(例えば、非常口の施錠や賃金計算の不備など)が認められた場合で、問題が放置されれば取引量の削減や停止につながる可能性があります。児童労働や強制労働などの深刻な人権侵害や安全衛生上の極めて重大な違反が見つかった場合はE評価となり、ファーストリテイリングの企業取引倫理員会で、工場の経営・雇用状況を踏まえて審議が行われ、取引の停止や見直しを行います。

ファーストリテイリングサステナビリティ部は、モニタリング結果に基づく評価により工場のリスクを明確にし、適切な改善フォローを行っています。さらに、サプライチェーン上のリスクを見つけ出すために、透明性の欠如、労使間の争議、人権侵害などといった懸念のある工場をリスクの高い工場として特定し、通常より監査の頻度、監査員数、日数を増やした監査の実施やファーストリテイリングの現地従業員による工場訪問を行うことで、問題の発見を確実にしています。

労働環境モニタリング結果(取引先工場の評価)

2017年度は、サステナビリティ部の改善サポート強化などを通して取引先工場の改善意識も高まり、A評価の工場の割合が増加しました。

労働環境モニタリング結果

重大な違反があった工場(D評価)には、3ヶ月以内の是正を要請し、改善されなかった場合は、取引量を削減する措置を取りました。また、極めて重大な違反があった場合(E評価)には、適切な調査や工場への改善意思を確認した上で、当該工場との取引の見直しや取引停止を行いました。

新規工場との取引開始プロセス

すべての取引先工場にコードオブコンダクトを順守していただくために、ファーストリテイリングは新規に取引を開始する工場に対して事前モニタリングを実施しており、新規取引基準を満たすことが確認された場合にのみ取引を開始します。事前モニタリングでD評価だった工場には、3ヶ月以内の是正期間が与えられます。E評価だった工場は、取引を開始することができません。2017年度には、事前モニタリングを実施した取引先工場の87.7%と取引を開始しました。

新規工場の承認プロセス

新規工場の承認プロセス

取引先工場におけるホットライン

ファーストリテイリングは、生産パートナー向けのコードオブコンダクトやILO中核的労働基準、労働法などの基準に反する人権問題の把握や調査に、継続して取り組んでいます。取引先工場には、工場の従業員が労働環境や職場の問題を通報できるホットラインを設置するよう要請し、公正労働協会(FLA)の基準を踏まえ、適切に運営されているかどうかを、監査で確認しています。

2017年11月より、取引先工場の従業員がファーストリテイリングに直接通報できるホットライン「ワーカー相談プログラム」の運用を試験的に開始しました。通報内容を精査の上、取引先工場に改善策や防止策を要請し、工場の労働環境の改善につなげることができました。2018年6月からは、このホットラインをユニクロ、ジーユーの主要取引先工場に本格導入しました。ファーストリテイリングは、このワーカー相談プログラムを通して、人権問題などの把握と是正措置を推進していきます。

  • 対応事例1
    工場の従業員から、賃金が下がる可能性がある配置換えの相談が、ホットラインに寄せられた。ファーストリテイリングが工場と話し合った結果、工場は法規制に則った配置換えを実施していることを全従業員に説明し、配置換えを希望しない従業員には合意のもと個別に対応した。
  • 対応事例2
    工場の従業員から、退勤時刻を記録した後も作業を続け、生産性ボーナスを増やしている他の従業員について異議が寄せられた。ファーストリテイリングが工場と話し合った結果、工場は退勤後の作業を防止する現場管理体制を強化し、同様の事例が発生しないよう対策を講じた。

建物安全性確保への取り組み

ファーストリテイリングは、「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定(アコード)」に参画しており、工場における職業安全衛生委員会設置の推進や適正な労働環境維持に取り組んでいます。

関連リンク:

サステナビリティ視点に立脚した生産活動

取引先工場との連携による生産体制の強化

ファーストリテイリングの生産体制は、「三つの品質」を共有する取引先工場に絞り、ファーストリテイリングと取引先工場が一体となって生産活動を進めていくところに特徴があります。上海やホーチミン、ダッカ、ジャカルタ、イスタンブール、バンガロールに生産事務所を設置し、品質や生産進捗管理を担う約450人の従業員が勤務しています。生産部従業員は毎週、担当している工場を訪問して、現場の状態を直接把握し、指導や改善活動を行うなど、さまざまな取り組みを行っています。

各生産事務所に専任チームを配置

ファーストリテイリングは、サステナビリティ部内に取引先工場との取り組みを専門に行うサプライチェーン・サステナビリティチームを設置し、東京本部のほか、各生産事務所に人員を配置。取引先工場における労働環境の整備や、工場の環境対応などの取り組みを行っています。各生産事務所の専任チームは生産部と連携し、取引先工場を訪問。現場で発見した問題に対しては、その場で改善指導を実施しています。

生産部に対する実践的な研修の実施

研修風景

取引先工場とともに社会的責任を果たしていくためには、サステナビリティ部が、取引先工場の生産管理を行っている生産部と一体となって、日常業務として主体的に適正な労働環境の実現に取り組む必要があります。具体的な活動としては、生産部に対して、定期的にサステナビリティに関する研修を実施。自社の活動からアパレル業界全体の課題、生産業務におけるサステナビリティなどを学び、日常の生産管理業務に活かしています。

取引先工場へのサステナビリティ研修

ファーストリテイリングサステナビリティ部は、取引先工場に「生産パートナー向けのコードオブコンダクト」や最新の労働環境基準などを正しく理解いただくため、定期的に研修を実施しています。2017年度は、7カ国488工場に対し、研修を実施しました。今後、全取引先工場に対する研修実施に取り組みます。

公正で平等な取引の推進

責任ある調達の実現に向けて

ファーストリテイリングは、「世界を良い方向に変えていく」という理念に基づき、サプライチェーンのすべての段階で人権を守り、社会、環境の両面で責任ある調達の実践に努めています。

ファーストリテイリングは、当社が工場との取引において、責任ある調達を推進するためのガイドラインを策定しました。このガイドラインは、以下の3項目の実現を掲げています。

① 取引先工場の従業員の健康や安全、人権と法律で保証された権利が守られ、生活および労働条件向上に貢献する。
② 取引先工場がファーストリテイリングとの取引を通じて、ビジネスを安定的に拡大する。
③ 適正なプロセスで生産した商品の提供を通じて、お客様の信頼に応える。

また、責任ある調達の実践には、関連部門が適切な手順で業務を行う必要があります。そのため、ガイドラインでは、部門ごとに具体的な手順を明記しています。ファーストリテイリングは、このガイドラインをもとに、生産部門の全従業員に対する研修を定期的に実施しています。

責任ある原材料調達については、以下のページも参照ください:

企業取引倫理委員会

ファーストリテイリングは「企業取引倫理委員会」を定期的に開催し、当社と工場間の取引における問題発生時の責任割合や取引見直しなどの課題案件を審議しています。委員会はサステナビリティ部責任者を委員長とし、常勤監査役、社外監査役、顧問弁護士や社内関係部署の責任者を中心に構成されています。

また、委員会では、ファーストリテイリングの主要取引先に対して、公正な取引を推進するため、2003年度から年1回のアンケートを実施しています。2017年度からは、責任ある調達活動に関する項目を追加しました。改善が必要な場合は、取引先とファーストリテイリング側の双方にヒアリングを実施し、事実関係を調査後、企業取引倫理委員会に上程し、責任ある調達に向けた取り組みを進めています。2017年度はグループ会社も含めて330社にアンケートを依頼し、195社から回答をいただきました。回答結果は、調達活動の改善に反映させています。

企業取引倫理委員会への上程案件数

2016年度取引先アンケート結果


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