HOME > IR情報 > IRライブラリー > 決算説明会 > 質疑応答の概要

質疑応答の概要

最終更新日: 2018.01.15
to English page

2018年8月期 第1四半期:決算説明会 質疑応答

開催日:
2018年1月11日
開催場所:
ファーストリテイリング東京本部

決算説明会の主な質疑応答のテキストです。内容については、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正しています。

Q1: 
国内ユニクロ事業の今後の原価率の傾向を教えてください。第1四半期では、社内レートは円安の影響で原価率が上昇しましたが、直近の有価証券報告書では1年後にヘッジされている為替の平均レートは104.9円とあります。1年後には社内レートの円安傾向は解消されるのでしょうか?また、中国の縫製工場でのコストは上昇していますか?
A1: 
岡﨑CFO:
日本のユニクロの原価の状況については、以前からご説明している状況と大きく変化はありません。「1年強ぐらい原価率の高い状況が続く」と申し上げていましたが、そこから時間がたっていますので、今から1年弱ぐらい、為替の影響による原価率の高い水準は続きます。原価率の高さは為替の影響によるもので、その影響を除けば、原価そのものがどんどん上がっているということはありません。為替の円安状況が改善すれば、原価率もおのずから改善していくと思っています。
Q2: 
国内ユニクロ事業の第1四半期は、「計画を大幅に上回る増益」とありますが、海外ユニクロ事業は「計画を上回る増益」という表現にとどまっています。海外ユニクロ事業の前年比での増益幅は大きいので、そもそもの計画で大幅な増益を見込んでいたのでしょうか?
A2: 
岡﨑CFO:
はい。海外ユニクロ事業は、成長の柱という位置づけで、高い利益成長の計画です。期初の段階では、国内ユニクロ事業の環境に関しては決して楽観視していませんでした。このため、第1四半期の国内ユニクロ事業の実績は、計画を大幅に上回ることができました。
Q3: 
海外ユニクロ事業の経費比率の改善が前年から続いていますが、その効果はそろそろ一巡してきませんか?それとも、まだ改善の余地はありますか?
A3: 
岡﨑CFO:
経費構造改革でやるべきことを明確にして、中期的に取り組んでいる成果が徐々に出てきています。ただ、まだまだやることは沢山ありますので、改善余地は多々あります。例えば、売上に対する在庫効率の改善による経費の改善はこれからも期待できますし、購買のあり方を変革するだけでも経費は削減できます。経費削減の余地は多々あると思っています。
Q4: 
第1四半期では、海外ユニクロ事業の経費比率の改善が大きいですが、地域別で改善幅に差がありますか?例えば、東南アジアや米国ではどう進捗しましたか?
A4: 
岡﨑CFO:
この第1四半期では、地域ごとに差はなく経費比率の改善が進んだと思っています。 米国は、そもそも発射台が低かったので、ここは着実に改善しているといえます。一方で、経費削減がすでに行われてきたグレーターチャイナ、韓国、東南アジアについても、この第1四半期では期待通りの経費比率の改善が見られました。我々は経費構造改革を進めていますが、経費を削減するだけではなく、売上が伸びたこと、商売の中身、特に在庫の持ち方、販売計画の精度が上がったといったことも、経費比率の改善に寄与しています。
Q5: 
有明プロジェクトの進捗について教えてください。国内ユニクロ事業では物流費の改善、効率化が進みましたが、具体的にどう有明PJの成果が出ているのですか?
A5: 
岡﨑CFO:
有明プロジェクトは中長期の視点で進めている全社改革ですので、広範な変革を含んでいます。これには、「動き方改革」、「全社連動」といったソフト面の改革と、システム刷新、新しい倉庫といったハード面の改革があり、これを掛け算で進めています。過去1年半ぐらいでは、働き方改革が着実に変化し、手応えを感じています。具体的には、部署連動での働き方が上手くいっていることです。例えば、マーチャンダイジングとマーケティング、それからR&D、こういった部署が1つのオフィスでワンチームとして仕事をすることにより、商売の精度が向上しています。これに生産チームや物流のチームが加わったことで、商売の計画と物流計画が連動したり、生産計画と実際の生産が連動しています。また、海外ユニクロ事業との連動も上手くいき始めています。今までは、東京のグローバルヘッドクォーターの視点がビジネスの中心で、日本で上手くいったことを海外に広めるといったことを行っていましたが、今は、経営執行チームと各国の経営陣が毎週、商売のレビューを行うといったサイクルが定着し、その成果が出ています。各国の商売の精度が上がってきたと思います。
これから、システムの刷新や倉庫の持ち方を変えるというハード面での改革が完成してくると、有明プロジェクトがよりシステムマティックに、より大きなスケールで実現すると思います。そういう意味で言えば、プロジェクトはまだ5合目にも行ってなく、やりたいことに比べて2~3合目ぐらいでしょうか。でも手応えは得ています。
Q6: 
第1四半期の国内ユニクロ事業の需要が非常に強かった中で、冬物在庫をしっかり持ち、商売につなげることができたというコメントがありましたが、これはある意味、有明プロジェクトの成果が現れたものと考えてもよろしいでしょうか?
A6: 
岡﨑CFO:
売れる商品の在庫をしっかり持つことは、当たり前ではないかということはありますが、数量計画の精度が上がってきたとか、リスクをコントロールしながらしっかりポジションを取ることができたことによって商売が上手く回っています。有明プロジェクトの成果が確実に上がってきていると思います。有明プロジェクトはグローバルで推進していますので、グレーターチャイナや韓国でも、こういった成果は出ています。
Q7: 
デジタル戦略の進捗と課題について具体的なコメントをお願いします。特に関心があるのがジーユーが実験しているファッションデジタルストアです。ジーユーではこういった施策を全店舗に導入するのでしょうか?また、ユニクロにも導入するのでしょうか?
A7: 
岡﨑CFO:
ジーユーのデジタルを使った店舗は上手くいっていますが、あの店舗で行っているデジタル機器を展開していくことだけがデジタル化だとは思っておりません。お客様には、モバイルを使って買い物をしていただき、より買い物がしやすいような店舗にすることがデジタル戦略として重要だと思っています。ジーユーの店舗はそれに向けてのパイロット店です。今はどういったものを全店で展開していくのかを見定めている状況です。
Q8: 
ECの物流は去年の混乱からずいぶん回復したようですが、今の課題はどういったところにありますか?11月の感謝祭でウェブサイトが止まったようですが、何が問題だったのでしょうか?
A8: 
岡崎CFO:
感謝祭でのEコマースは、物流とITの両方に大きな問題がありました。それでお客様にご迷惑をおかけいたしました。ITの問題としては、「ユニクロ感謝祭」ではアクセス集中が想定を大きく上回るスピードで一気に来た結果、システムのパフォーマンスが大きく落ちたので、お買い物がしづらい環境になったことから、一旦閉店する判断をしました。我々の想定を超える需要があったということです。これに関しては、我々の想定を根本から立て直して、ITの処理キャパシティの拡大を行っています。物流についても同じで、去年のような生産性の低さは改善されていますが、一方で「感謝祭」や年末年始についてはピーク時の受注量が非常に高いため、配送のリードタイムが延びてしまいました。我々としては、やや不本意な対応となりました。物流についても、キャパシティ自体をもっと拡大していかないと、Eコマースの拡大する需要に対して十分に応えることができないと考えています。
Q9: 
IT投資はかなり積極的に実施していると思いますが、想定よりもさらに多いECへのアクセス数や、ECオーダーがあったということですね。
A9: 
岡崎CFO:
はい、そうです。当然、順次ITの能力は増強していましたが、想定を大きく超える需要がありました。当然、投資はしてきていますが、これをもっと加速しなければいけないし、スピードを速めていかなければならないと思っています。
Q10: 
2018年春夏の国内ユニクロ事業での価格戦略で何か変わることがありますか?
A10: 
岡崎CFO:
価格について当面変更する予定はありません。一品一品の価格を精査して、お買い求めやすい価格という設定にしています。
Q11: 
ファーストリテイリングの収益体質が強化されているので、これからも、高水準のキャッシュ・フローが生み出されていくと思いますが、増大していくキャッシュをどのように使っていく予定でしょうか?現状のキャッシュポジションについてのコメントをお願いします。
A11: 
岡崎CFO:
大きく2つの視点から、キャッシュは現状の水準ぐらいは保有すべきだと思っています。1つは、これからデジタル化をどんどん進めていく中で、グローバル、グループにこれを展開していかなければならないため、システム投資や物流関連の投資が増えるということです。また、技術環境が大きく変わった時に、積極的にスクラップ&ビルドができるような余裕がなければいけないということもあります。2つ目の視点としては、リスクがどんどん高まってきている環境において、資金を十分に持つということが重要だということです。世の中の環境変化が激しいので、不測の売上の下ブレや、不測の粗利率の悪化ということは、常に起こり得るため、何があっても問題なく商売を継続していけるような十分なキャッシュを持っておくべきだと考えています。

以上  

決算説明会へ戻る

ページトップへ

Get Adobe Reader※ PDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerのプラグインが必要です