CONCEPT MESSAGE

WORK
背負う責任が大きいぶん、
自分の判断で挑戦していける。

出店を後押しするような好材料を見つけ出す。

台湾への出店計画が浮上したのは2012年のこと。最大の狙いは、収益面での基礎を築くこと、そして海外進出におけるノウハウを獲得することでした。この2点は今後、ジーユーがアジア、さらに欧米へと進出を果たしながら事業を拡大していくうえで、極めて重要なポイントでした。それゆえ台湾への出店計画は、単なる新店舗立ち上げではなく、グローバル展開を視野に入れた、将来に向けての布石となる大きな意味を持っていました。

出店計画の実現に向け、台湾事業責任者として私がまず着手したのが、現地のリサーチでした。歴史、文化、国民性、商慣習、そしてマーケット。一つひとつ徹底的に調べていきながら、我々の取り組みを後押しするような好材料がないか、私はしらみつぶしに探っていきました。自社にとって有利な材料を見つけ出し、それを事業展開において戦略的に活用していくことは、いわば商売の基本。とくに、その好材料に自社の強みをマッチングすることができれば、市場に少なからぬインパクトを与えることができるからです。

そうこうするなかで、私が見出したのが「3つのポイント」でした。1つ目は、若者を中心に日本文化への関心度が高いこと。2つ目は、競合となる他の外資系ファッションブランドと比べても、価格の面で十分勝負ができること。そして3つ目は、ジーユーの主戦場であるカジュアルなファッションが、台湾人の好む服装とマッチすること。私は台湾への出店計画に、確かな手応えをつかみました。そこで私はリサーチ結果と、それを踏まえた見解を経営層へと伝え、経営層からも異論はありませんでした。こうしてジーユーは、台湾への出店を正式に決断しました。

1号店オープンを控えた2014年5月13日。私たちは台湾で記者会見を開きました。会場には、ユニクロが台湾出店を発表した際の記者会見に勝るとも劣らない数の報道関係者が集まっており、台湾中から寄せられる期待がひしひしと感じられるほどに、会場は熱気に包まれていました。

「現地の経営者」として海外展開をリードする。

オープン初日、店舗は入場規制をかけざるを得ないほどの大盛況ぶり。台湾事業は、好調な滑り出しを迎えることができました。こうなると私が見据える次なる課題は、経営を軌道に乗せて店舗を拡大していくこと。そこで鍵となったのが、台湾の現地スタッフから聞くお客様の声や、彼らのマーケティングに対する考えでした。

現地の声を無視しては、経営は成り立ちません。自分の目から見えるものだけでなく、現場を知る彼らの声に耳を傾けることにより、事業にとってのチャンスや課題、今後の経営に必要となる「何か」を見つけ出していくことが可能です。台湾のリアルを知っていること、そのリアルの先を絶えず追求する姿勢が、私自身の成長、組織人としての強みを磨くことへとつながっていきました。

しかし、それは同時に、職責として満たしておかなければならない必須事項でもありました。日本本社の経営層が考える方針に違和感を覚えた時には、台湾事業の責任者として怯むことなく伝えることが大切です。現地のリアルを伝え、根拠を瞬時に明示し、ぼんやりとした夢を語るのではなく、具体性を帯びたストーリーをつねに語れるようにしておく。「現地の経営者」として海外展開をリードするとは、そういうことだと私は考えています。

だからこそ、メリットやリスクを細かく分析し、日頃から現地スタッフを巻き込みながら徹底的に議論し、自分の思考を鍛えておくことが大事。台湾の市場を一任されているということは、日本の経営層からも対等なやり取りを求められているからです。「日本の常識が通用しない」「想定外」は当たり前。だから、現地に自分がいるのだということを、私はつねに胸に刻んできました。

背負う責任が大きいぶん、自分の判断で挑戦していけることが、この仕事の醍醐味だと考えています。現在は7店舗を展開し、うち5店舗は台湾人店長とスタッフだけで運営できるまでになりました。ここで得たノウハウは、今後の海外展開にも大きく活かされていくはず。目指すは台湾No.1。そして欧米進出へ。その目標に向かって、私はこれからも全力で突き進んでいきます。