CONCEPT MESSAGE

WORK
ほかの人に負けない何かを成し遂げてみたい。
そんな想いが出発点だった。

何事も途中で投げ出すまいと心に誓う。

学生時代はスノーボードにのめり込んでいました。ですが、本場カナダへの遠征で、現実の厳しさを痛感。海外勢の凄い滑りを目の当たりにして、レベルの違いを思い知らされました。大学の卒業があと半年に迫っていた頃の話です。

これが契機となって就職を意識するようになった私は、合同説明会で1枚のポスターに目を留めます。「完全実力主義」と記されたユニクロのポスターです。話を聞いてみると、若いうちから活躍できて、待遇もいい。「自分が求めている会社はここだ」と確信しました。

考えてみれば、自分はスポーツで全国大会に出て活躍をしたわけでもないし、一流大学で勉学に励んだわけでもない。文学や芸術の才能もないけれど、全力でチャレンジすれば、ほかの人に負けない何かを成し遂げられるかもしれない。ユニクロというブランドに秘められた、そんな可能性に惹きつけられたのです。

入社後は、厳しくも面倒見良く、親身に育てられました。「完全実力主義の職場で結果を出すには、チーム一人ひとりの力を結集する必要がある」と教えられ、1年目から責任を実感しましたが、自分には成し遂げたい何かがある。その何かを為すためにも、与えられた仕事を途中で投げ出してはいけない。すべてを最短でやり遂げようと心に誓い、実績をあげていくなかで、店長からより多くの店舗を管轄するスーパーバイザー、さらにその上のブロックリーダーへと昇格を果たしました。

役職を捨て、ゼロから再びたたき上げる。

スーパーバイザーだった時代。複数の店舗を管理するなかで、自分が課題に感じていたのは、「工夫をすればもっと売れる服があるはずだ」ということです。そこで、販売の新たな仕組みや着こなし方の工夫を、矢継ぎ早に本部へ提案していきました。当時の担当エリアは東北だったため、保温機能やエアテック、ダウンウエアなどの商品開発も積極的に進言していきました。また、ブロックリーダーになってからは、メンバーの育成に力を注ぎ、その成長に充実感を味わいながら、さらに広範囲な商売をダイナミックに成功させていくための仕組みを学び、実践していきました。

そうして現場のたたき上げとして、一歩ずつキャリアアップしていた9年目。今度は本部のMDに抜擢されることになったのです。ユニクロの商品が心底好きで、事業を成長させたくて、提案を重ねてきた私に対し、期待をしてくれたからだと思います。

とはいえ、本部での仕事は初の経験。これまでの役職はいったん捨てて、一社員に戻り、ゼロベースから再びたたき上げようと決意しました。MDの仕事は右も左も分からないため、上司や同僚、デザイナー、パタンナー、服を作る生産部の人たちなど、関係各者にぴったりと張りついて、連日質問をしまくりながら、死に物狂いで新たな職務に挑みました。

服というものの本質的な価値を追求する。

商品づくりの入り口となる企画から、生産、在庫、物流、マーケティング、販売と、ものを売り切る最後のところまで責任を持つのが、ユニクロのMDです。しかも、ビジネスのボリュームは桁違いに大きくて、私が担当しているメンズとキッズは、国内で年間数千億円の規模にのぼります。

これだけのスケールを持つ事業について、日常的に意思決定をしていくのですから、責任は極めて重い。プレッシャーに押しつぶされそうになることもありますが、一方で私には販売現場で培った多くの経験と知見があります。お客様目線で厳しく商品を吟味して、完成度を高めていけるのは、現場経験があるからに他なりません。そしてこの確かな土台は、世界のニーズを掘り起こし、形にしていくうえでも、大きな強みになると考えています。

私はこれまで、「人にとって服とは何か」「生活必需品である服に求められることは何なのか」を探求し、防寒・保温効果の優れた商品や、着心地にこだわった商品などを企画して、世に送り出してきました。本質的な価値を持つ服づくりをしていくことが、世界中の人々に貢献する道だと信じているからです。

したがって今後も、人々の生活をより良くするような商品を出し続けたい。同じ志を持つ仲間たちと連携し、既成概念に囚われない発想でものづくりをしたいと思います。そしていずれは、ユニクロの商品に関わる経営者やグループ会社の社長となって、MDの経験を活かしたいという青写真も描いています。

振り返ってみれば、私の目指すもの、成し遂げたいものは、入社時には想像もしなかったスケールになっている。このような視野と展望の広がりは、ユニクロでなければ得られなかっただろうとも感じます。