FAST RETAILING

お客様自身も気づいていない機会を
「デジタルマーケティング×
ファッション」で
提案できるようにしていきたい。

Satoko Kinoshita

SPECIAL 03

社員たちの「使命」と「実行」

ミッション・業務内容

時勢、市場、商売、顧客にあわせたダイナミックな集客ができるよう、世界最先端AI技術やツールを積極的に活用し、顧客ニーズを捉え、ファッション業界における世界No.1のマーケティングを実現すること。それが部署のミッションであり、デジタルマーケティングを担う私たちの使命だと、木下は話す。しかし、デジタルという言葉から想起される無機質なイメージとは対照的に、木下が語る内容には人の温もりが宿っている。

一緒に挑戦してみたい。

「ファッションの逆流」を目のあたりにしてきた

出版社でファッション誌やウェブの編集の仕事を、そして外資系IT企業でポータルサイトの運営やマーケティングなどの仕事をしてきました。ふたつの異なる業界に身を置きながら目にしてきたのは、「ファッションの逆流」とも言える現象です。

編集の仕事をしていた当初は、メゾン系ブランドが皆の憧れの存在であり、言うなればトレンド、流行の発信地でした。ところがSPAが登場し、インターネットが活性化し、SNSが登場するに至って、ファッション業界の構造、流れが一気に変わりました。トレンドの起点がメゾン系ブランドから消費者へと移り、世界中のファッション好きな消費者たちによるSNS発信が、トレンドを生み出すようになっていったのです。

この構造転換において、大きな役割を果たした要因のひとつがSPAという事業モデルだと思います。安くて高品質、かつベーシックなものを提供していったことで、ファッションに対するハードルが低くなり、誰もが手軽にオシャレを楽しめるようになったからです。この点でユニクロが果たした功績は実に大きいと思うのですが、私が注目したのはジーユーでした。嗜好性の高いファッションを「あらゆる人に届ける」という取り組みに、いつしか私も「これまでの経験を生かして、一緒に挑戦してみたい」と思うようになったのです。

個別最適なニュースを届ける。

日々蓄積されている情報を格納して整備する

入社以降は一貫して、デジタルマーケティングに取り組んでいます。会社に入って驚いたのは、ジーユーにはすごく良質な情報がストックされているということ。最近ではベビー服も扱うようになりましたが、もともとお客様の年齢層が幅広いブランドでしたので、ご利用いただいているお客様の世代ごとのライフスタイルのほか、家族構成やライフイベントも、理論上はそのビッグデータから推定することが可能です。これは生活に密接に関わり、TPOに応じて使い分けられる「服」を扱う企業だからこその面白さであり、現にジーユーはこうした店舗の情報を生かし、リアルとデジタルを融合させることでブランドとしての強みへと転換してきました。

ただ、IT企業出身の私から見ると、そうしたビッグデータをジーユーは最大限に活用しきれていませんでした。なぜかというと、1週間で100品番もの新製品がリリースされるうえに、商売サイクルも早く、1〜2日で売り切れてしまう商品も存在する。結果として、積み上がっていった膨大なデータがすぐに新しいデータに取って代わられるケースもあり、多くが「その他情報」として埋没してしまっていたからです。

そこで今も鋭意努力中ですが、日々蓄積されている情報を格納して整備するということを進めてきました。ビッグデータというのは、実は集め方よりも持ち方の方が大事で、「使えるデータ」として整える必要があります。それができてはじめて、ジーユーがこれからやろうとしていることも、スムーズに実行できるようになると考えています。

自社のデータに「外的データ」を組み合わせていく

ジーユーは今、全社的に「パーソナライズ」に力を入れています。お客様一人ひとりに「個別最適」な商品やサービスをお届けしよう、という取り組みです。先ほども触れた通り、ジーユーは1週間に100品番をリリースしているのですが、その新着情報を編集せずにそのまま配信し続けていたら、それはお客様にとっては「必要のない情報」となってしまいます。だからこそ、私たちが担当するデジタルの領域において、先ほどのビッグデータを上手に活用していく必要があるのです。

そこで挑戦しているのが、「外的データ」と組み合わせることで「お客様がほしいニュースを作っていく」という取り組みです。わかりやすいのがお天気情報との組み合わせ。「今週は気温が上がり、紫外線が強くなりますよ」ということがわかれば、汗を吸収するインナーやUVカット機能を備えた薄手の羽織などが役立ちます。ですから、そのタイミングに去年も同じような商品を購入されたお客様、そしてビッグデータの解析によってそのお客様と特性が似たお客様に、一連の情報をニュースとして配信しようというわけです。

コンテンツを通じて心が通い合うような情報発信

国内市場を例にするとわかりやすいと思うのですが、日本の人口は1億3000万人と限られている上、その数も減少傾向にあります。こうしたなかで商売を成り立たせるためには、お客様に購入回数を増やしていただく、ご家族分も含めてたくさん買っていただくというように、エクスパンションしていかなければいけません。そのためにはお客様との絶え間ないコミュニケーションが重要であり、そこを担えるのがデジタルマーケティングです。

これは私の実体験ですが、家族が入院していたときのこと。何の気なしにかわいいパジャマを購入してお見舞いに持って行ったのですが、これを予想以上に喜んでくれたのです。ファッションの力を知っていたはずの私でしたが、この出来事は新しい発見でした。入院していると、自分の意思でファッションを自由に選び、楽しむことができない。けれども気に入ったパジャマ(ファッション)が一着あるだけで、その心を癒し、明るくしてくれるとはそれまで考えもしなかった。

私はこの体験をふまえ、思うようになりました。デジタルマーケティングを通して、お客様自身も気づいていないニーズ(私はお見舞いにパジャマを贈ることで大喜びしてもらえることに気づけていなかった)を提案するだけでなく、それを広げてオケージョン(私はパジャマによってお見舞いに行くという「機会」をもてた)まで提案できるようにしていきたい、と。

そして強く感じたのは、プロダクトを通して豊かさを提供するように、コンテンツを通じて心が通い合うような情報発信、そんなデジタルマーケティングを実行していけたら素敵だし、それを私の使命にしたいということでした。

知見を
グローバルに共有。

FRグループの各ブランドと全部コネクトしている

ジーユーのマーケティング部門は組織もダイナミックに変わり続けています。つい先日までは、ストアマーケティングをするチームと、SNSを中心にお客様とのコミュニケーションを図るチームと、私がいるデジタル系のデータマイニングをして個別最適化を進めるチームとで3軸に分かれてマーケティングを行っていました。しかし、打ち出したい商品や会社のミッションは同じ。ですから、やはりひとつの部署で統括し、店舗では何を打ち出しているのか、ECでは何をやっているのか、SNSでは何をやっているのか、すべてがコネクトしていかないといけません。時期によって個別最適を磨き込んでいくのがベストなときと、一緒になってやった方がいいときとで、組織はダイナミックに変革をしてきています。

そして今、まさにグローバルマーケティングというひとつのチームになったのですが、ここのもうひとつの意図というのは、それを日本の中だけでやっていてもしようがない、ということです。ブランドとして最も伝えたいこと、例えば現代的なテーマである「サステナブル」を、どういうふうに売上とのバランスを図りながらお客様に届け、アウェアネス(意識)も上げていきつつ、信頼も獲得して売上も上げて購買回数も増やしていくか、みたいなことをグローバルで考えていこう、というのが今の戦略です。なので、海外とのコミュニケーションもますます増えていますし、各国、各地域の「最適な方法」を私たちGHQ(Global Head Quarter)が吸い上げ、その取り組みをスパイラルさせて速度を速め、グローバルに展開しようと取り組んでいます。

なかでも私が担当するデジタルマーケティングの領域は、FRグループの各ブランドと全部コネクトし、一番良いやり方を実行していこうとしています。データというのは使い方次第であり、その考え方やロジックは知見として同じものが使えるからです。

そのうえで部署として目指しているのは、お客様へ「これほしい!」というきっかけを提供し、リアル店舗に誘うことで「こんなのもあるんだ!」という驚きをお届けすること。理想とするのはデジタル・リアル両方の生活のなかに、お客様自身が意識することなく、ジーユーが組み込まれているという日常です。ファッションのインフラとでも言うのでしょうか。そのためにもリアル店舗が存在するからこそ提供できる「お客様の体験」というものを絶えず追求し、スケールアップさせていきたいと考えています。それは「試着」や「StyleHint」を起点としたものかもしれないし、デジタル上で形成された「コミュニティ」を介したものかもしれません。その明確な答えを、今まさに模索しているところです。

また、私は、これから入社される後進の人たちとの出会いを、とても楽しみにしています。若い人たちにはどんなニーズがあって、どういうことを面白がっているのかを、私も知りたいし、教えてほしい。そうやって皆でアイデアを出し合いながら、一緒にスタートさせていきたい、そう思っています。

GU

木下 智子

Satoko Kinoshita

ジーユー グローバルマーケティング部

2019年に中途で入社。出版社での編集者経験、外資系IT企業でのマーケター経験などを生かし、入社以降一貫して、ジーユーのデジタルマーケティングを牽引する。

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